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主客:
主:最近、吉本思想へたしか社会学的な読みをした本が出たと思うけど、書いたのは1970年位の
生まれで。それは読んでないけど、そういう試みを質問人さんがしたいのかもしれない。それはそ
れで良いと思うし、これから学的な本が書かれていくことはあるかもしれない。ただ、吉本の場合、
初期の詩や文芸批評との関わりは実は大きいという気はするんだな。あの理論的著作も、文芸批評
での課題に自分自身で応えたものだしね。批評の基準、内的世界を3つの幻想として掴む、といい
。そういえば吉田裕という先生が吉本の理論的著作に限った読解を書いてて『幻想生成論 吉本
隆明三部作解読の試み』(大和書房)という。この人はジョルジュ・バタイユやブランショの翻訳
や批評もしてて、たしか早稲田大学の助教授か教授なはず。1988年6月初版でまだ古書で入手で
きると思うから読んでみるのもいいかもしれない。