吉本隆明 1924-2012

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126主客
客:質問人さんからの問い合わせが来ている。

>幻想という場合には、〈ある〉にまつわる表象、判断、事物、イメージと、その根拠となる時間の
総称になっている >幻想という言葉でも、〈ある〉を成立させる領域が問われていく

>この「〈ある〉」あるいは「〈ある〉を成立させる領域」というのは吉本の著作ではどう書いてあると
ころと対応するんですか?それとも具体的な表現ではなく「心的現象論」全体の方向ということ
ですか?また「吉本の読み方としてヒントになる」というのは、なにか主客さんなりの読み方があ
って言ってると思うんですが、どういうことを想定しているんでしょうか?

まず、〈ある〉或いは〈ある〉を成立させる領域、とは吉本の著作では何
を指すのか、というのは『心的現象論序説』での心的世界、心的現象の分析があります。心的世界を
原性的疎外と純粋疎外の領域に分け、その前提を見い出し、改めて心的現象を分析するのがそこ
の思索で、『心的現象論 本論』では妄想の分析、また意識の核、起源の分析が行われます。そうした
辺ですね。