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主客:
主:何だか橋爪の悪口ばかり言ってるけど、良いことも言ってるんじゃないか?コミットする対象
が今、見つからなくなったことを受けて、吉本が方向を変えて、何やらを信じなさい、と言うかと
いえば、そういうことは絶対にない。コミット対象がない。それでいいんだ、と吉本なら言うだろう
。《この課題は時計を逆回転させて克服するのではなく、この課題を引き受けていく方向でその先
に進めていく以外にはないと。まっとうなことを言ったと思う。》これは橋爪の言う通りだろう。
客:それを受けて、水無田は、最近「絆」ばかりが流通して、《お題目のように「絆」と言われると、解体
して別な方法を考えないといけないのではないかと思ってしまう。》とこれまた率直に言っている
。
主:二人の発想の根底に、かつての枠組みや組織論がなくなって、じゃあ何に頼るのか、てなるけど
、
客:その辺はどういう方法を使ってもいいというふうに捉えるべきだよ。インターネットでけしか
らぬ企業を告発しようが、企業を訴えようが、ゲリラ的に考えればいくらでも資本や国家と戦う
方法は見つけられるはずじゃないか。だけど、大衆というところから見れば、「絆」も嘘っぽいなら
、「新しい市民」も嘘っぽい。「新しい労組」も嘘っぽい。「新しい左翼」だって柄谷みたいで嘘っぽい
。でも、拘束や政党と関係ない抵抗や闘争は、何をやってもいいという前提で考えれば、色んな
方法が見つかると思うけどな。「新しい抵抗」を夢見るなら、ゲリラ的に色んな方向に考えていけば
いいと思うけどね。水無田が心配する必要はないよ。この人が本当はかつての左翼のような大規
模な運動や行動を夢見てるならそりゃ大変だろうと思うけどね。何となくそう夢見てるような
節もチラチラ匂ってるから。