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考える名無しさん:
fantasme仏語=お化け、ファンタジー、亡霊、変化、妖怪、空想。
apparition仏語=幻、幽霊、病、自然現象。その出現。演劇などへの出演。
でしょ。
これらが何故吉本のいう幻想の訳として駄目かといえば、吉本の幻想の場合、〈何かがある〉とい
うこと、それ自体を指すもので,上記のfantasme,apparitonだと、〈何かがある〉或いは単に
〈…である〉ということ、そのことがひどく限定されてしまうからだ。だから吉本は、あれは違いま
す、と言ったと思う。幻想という吉本の語では、〈ある〉の根拠を歴史的に問いかける、ということ
が孕まれている。それが吉本の生涯の問でもあった。上の訳語は違う。あれでは蓮実の誤訳と
同じで吉本の着想を汲み取れない。