マルテイン・ハイデガー、今。

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5考える名無しさん
宮台真司の『interviews』にこう書かれている。《97年、酒鬼薔薇事件の容疑者逮捕の直後
に、この事件はニュータウン化と密接な関係があるのではないかと最初にテレビで述べたのは私
でした。ニュータウン化とは、土俗と近代が混宥するワンダーランドだった団地が、ノッペリした
均質な場所へ閉じることです。私は、ダークサイドが消し去られた均質な空間が拡がれば拡がるほ
ど、ダークサイドは見えない裏側へと、最終的には心の中に鬱積するしかないのではないかと述べ
ました。もちろんこれは、ニュータウン化を批判するために、ネガティブな意味で言ったことです。
しかし私の心の中には、それと並行して、別の思いがありました。(中略)内容を言うと、ダークサ
イドが消滅した均質空間で、子供らが心の中に驚天動地のダークサイドを抱えて生きるのは、クー
ルなのではないかというものです。》(315-316頁)
 引用にあるように、有・の性‐起と現代日本社会の風景を絡めて考えることが出来ている思想家は
ハイデガー研究者には居らず、宮台真司のようなハイデガー研究者でもない人間の方である。ハイ
デガー研究者の方は、鈍いのか、或は故意に避けているのか、vividな読み方が、私見だが出来て
いない。