マルテイン・ハイデガー、今。

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123考える名無しさん
「思想統制」?あの創文社全集訳は確かに異和感をもたらすかもしれないが、ハイデガーの意図が
伝わらないかといえば、そんなことはない。僕は逆に「存在‐存在者」訳の方が掴みにくかったです。
ハイデガーの意図は英語でいうbeのもつ意味を突き詰めることにあったので、〈有る〉をもたらす
〈有〉の地平という捉え方は正しい。It is rainy today.(今日は雨だ。)でいうとisの部分。
そこを敢えて訳せば〈今日は雨天で有る〉における〈有る〉の成立が問われることが分かるし、〈雨天
として存在する〉を成立させる存在、では、先のbeの意味、という問がちょっとぼやけていく。あく
まで、beに込められた超越論的地平ということが、『Sein und Zeit』の問なので。そう考えてい
くと、〈有る‐有〉訳の意義が分かると思うんです。つまり、ハイデガーの問の意図はこの方がより
伝わるんじゃないか。ただ、統一する必要性はない。色んな訳があっていいし、ただ、創文社版の訳
は僕はあれでいいと思います。