哲学的ゾンビについての一考察

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆HxoO9sahuc
物質を自由に構成して物体を数秒でコピーする機械があるとします。そのコピーは、形状的にも、組成的にも機能的にも、本物と区別できません。
人の肉体のかなりの部分は、細胞が自分自身のコピーを作ることで維持されています。つまり、コピーによって入れ替えられているわけです。
脳はそうでないかもしれませんが、脳細胞のネットワークを変えずに、細胞の一つずつを人為的にコピーと入れ替えていったとしても、
その前後で客観的な差がないなら、主観的にも何の変化もないだろうと思います。細胞一個が死んだときの変化のほうが主観的にもはるかに大きいでしょう。
やがて、脳の右半分が本物のままで、左半分がコピーによってできた脳になっても同じだろうと思います。
それは、始めから個体全体をコピーしてから、脳の半分を入れ替えたのと同じです。最後には、脳全体がコピーとなりますが、客観的にも主観的にも変化はありません。
したがって、始めから個体全体をコピーして、本物のほうを殺して始末しても、自己の主観的連続性に変わりはありません。
このコピー機を使い、行きたい場所にデータを送って自分のコピーを作り、本物の自分はこっそり殺して始末してしまえば、高速の移動装置にすることができます。