東浩紀302──アニマル批評家列伝

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15第三の波平 ◆JXLBbnYqTY
しかしまたアガンベンは、ネグリ、ヴィルノなどのイタリアの左派運動と連動し、逆に現代の
自由主義統治(ポストフォーディズム)批判として、フーコーに基づきながら、新たな言説を
獲得している。これらに、フーコーがもつ経験論的ものから、超越論的な面へのシフトがあ
る。彼らは、フーコーが規律訓練権力と切り離された、マクロな生権力をより重視する。こ
のような傾向が東にも特徴的である。東のフーコー読解では、規律訓練権力/生権力=
人間/動物という形而上学的な二元論へ送り返すという誤読されることは特徴的である。

アガンベン、ネグリ、東とむしろフーコーの誤読が主流になりつつある。これらは、まさに
フーコーが英米の経験論の影響を取り入れたことを、本来の独仏の合理論の系譜へ押し
戻されているのだ。これは或る意味で宿命であるといえるだろう。