1 :
考える名無しさん:
おまえらケインズワールドに生きてるの知ってるのか
「雇用、利子および貨幣の一般理論」最強論
2 :
考える名無しさん:2009/05/19(火) 21:03:49 O
たいへんじゃね?
6 :
考える名無しさん:2009/05/19(火) 21:55:11 0
生権力
ケインズデンキ
経済学なんかどうでもええがね
9 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 14:17:13 O
ケインズのすばらしさは古典派経済学に不確実性を持ち込んだことにある。
なぜ不確実性なのか。社会の第一の目的だからだ。
自然主義の誤謬を覚悟にいえば生命とは、宇宙の法則であるエントロピーの増大に対抗するである。
偶然に対していかに秩序を維持するか。すなわちいかに生存するか。人もこの流れにある。
この巨大な偶然(不確実性)のなかでいかに生き抜くか。
原始共産社会、封建社会であろうがその時代の生存のためのシステムであった。
そして近代の自由主義経済もまた新たな不確実性を回避する方法論として有用であるから、社会に受け入れられたのだ。
だから古典派が経済を分析するときそこに不確実性がないことは、実際的な意味をもたない。
そしてケインズはいかに不確実を導入するか、考えたのだ。
10 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 14:29:27 O
ケインズが単に人間心理を導入したと考えるのは間違いである。
不確実性を導入することであらわれる均衡への影響を分析した。
プレイヤーは企業、労働者、投資家である。彼らが不確実性に対していかに振る舞っているか。
労働者は消費性向をもつ。すべてを消費せずに将来の不確実性に備えて貯蓄する。
企業はどれだけ労働者を雇い、投資するべきかを熟慮する。
投資家はどれほど投資すべきで、あるいは不況なら流動性選考から貯蓄すべきか。
これらの不確実性に対する傾向を均衡に組み込みことで新たなマクロ経済がみえてくる。
11 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 14:44:19 0
最近のぴかぁはなんでこんなに経済にこだわってるの
まあわからないでもないけど。
前は現象学やってたよね?
12 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 14:49:32 O
たとえば古典派の生産重視(セイの法則)に対して、有効需要の法則を指摘する。 これは不確実性の前で貯蓄、投資を調整することで、需要動向が経済規模を決定する。
不況であれば消費をおさえ貯蓄を増やそうとすることで、投資が減り、経済規模が縮小し、失業者かでてしまう。
逆に強気であれば、投資が増え、経済規模が大きくなり、消費が旺盛になるとともに貯蓄も増える。
だからケインズは不確実性回避の方法としての自由経済における公共投資の重要性を指摘する。不況で経済規模が縮小するときに公共投資を行うこと。
13 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 15:25:13 0
ケインズ以来、生産の意味が変わった。需要を生産することが生産性の中心になった。
それ以降の生産力とは、需要をどれだけ刺激できるかということを競うための生産性。
その発想の芽生は生産と消費をイコールとして考えたマルクスにあったんだろうけど。
今月の現代思想でも買ったのか?w
20世紀を一番遊んだ人だよな
まあ、知ったかはそれぐらいにしようぜ?
16 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 15:49:07 0
インタゲなんてのもそういう意味では一種の生産活動。国家による生産活動。
サプライサイド経済学の拡張。セイの法則の拡張。
ケインズやるなら、何故、経済学板でやらないのか?
実際、経済学板でやったら電波として追い出されるから
こっちに立てたんだろ?ぴかぁ〜よ?
18 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 15:51:08 0
■なぜケインズは不確実性を導入したのか
生きることは不確実性へ対処すること
ケインズのすばらしさは古典派経済学に不確実性を持ち込んだことにある。なぜ不確実性
なのか。社会の第一の目的に関係するからだ。自然主義の誤謬を覚悟していえば生命と
は、宇宙の法則であるエントロピーの増大に対抗するである。偶然に対していかに秩序を
維持するか。すなわちいかに生存するか。
人もこの流れにある。この巨大な偶然(不確実性)のなかでいかに生き抜くか。原始共産社
会、封建社会であろうが、その時代の不確実性へ対処し生存するための有用なシステム
であった。そして近代の自由主義経済もまた新たな不確実性を回避する方法論として有用
であるから、社会に受け入れられたのだ。だから古典派経済学に不確実性がないことは、
最重要なものが欠如していることになる。
19 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 15:51:58 0
「均衡」への不確実性の導入
ケインズは単に経済における人間心理を導入したのではなく、いかに不確実を導入する
か、考えたのだ。不確実性を導入することであらわれる古典派経済学の「均衡」への影響
を分析した。
ケインズが考えたプレイヤーは企業、労働者、投資家である。彼らが不確実性に対してい
かに振る舞っているか。労働者はすべてを消費せずに将来の不確実性に備えて貯蓄する
という「消費性向」をもつだろう。企業はどれだけ労働者を雇い、投資するべきかを「期待」
するだろう。投資家はどれほど投資すべきか、あるいは不況なら「流動性選考」から貯蓄す
べきか、考えるだろう。これらの不確実性に対するそれぞれの傾向を古典派経済学の「均
衡」に組み込みことで新たなマクロ経済がみえてくる。
たとえば古典派経済学の生産重視(セイの法則)に対して、「有効需要の法則」を指摘す
る。不確実性の前で貯蓄、投資が調整されることで、需要動向が経済規模を決定する。特
にケインズは不況の分析を重視したが、不況では消費をおさえ貯蓄を増やそうとすること
で、投資が減り、経済規模が縮小し、失業者かでてしまう。だからケインズは不確実性回
避の方法としての公共投資の重要性を指摘した。
20 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 15:52:55 0
自由主義経済という画期的生存方法
しかしケインズが導入した不確実性の重要性は、社会の脅威としてのみあるのではない。
いままでの原始共産社会や階級社会では、社会関係を慣習化し強固にすることで、不確
実性を抑え、生存確率を上げてきた。それに対して自由主義経済における不確実性の重
要性は、自由主義経済は不確実性を利用することで成立している、ということだ。この意味
で、いままでの方法論を異なり、自由主義経済では不確実性は決定的に重要である。
不確実であるということは、リスクを生むとともに、チャンスを生み出すことを意味する。逆
に言えば、不確実性がなければチャンスは生まれない。このチャンスへの選好(リスク選
好)こそが自由主義経済の原動力になっている。
これは簡単なようであるが、とても高度な方法論である。たとえば自由主義経済の基本的
な力学は「均衡」である。需要と供給のバランス(均衡)という言われるように、経済には均
衡圧という神の手が働いて、秩序が保たれると考える。
しかし「均衡」はそれほど当たり前ではない。そこに前提とされるのが、情報が広く公開され
ていること、自由に競争に参加することができることである。均衡は十分な多くの自由な競
争者が想定されることで可能になる。階級社会などそれまでの社会関係が固定された場
合にはうまれず、権力・あるいは暴力によって収奪することの方が一般的であった。
22 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 15:53:48 0
自由主義経済という「快感原則の彼岸」
自由主義経済は、均衡を働かせるような自由競争環境が整備されることで可能になる。そ
してケインズの不確実性の導入は、自由主義経済がなぜ成功したのかを説明する。すな
わち、強気(好況)では不確実性から生まれるチャンスを求めて、投資が増え、経済規模が
大きくなり、消費が旺盛になるとともに結果的に貯蓄も増える。
ここまでくると、シュンペーターの創造的破壊論へ繋がることができるだろう。イノベーション
へ向かうのは、不確実性があり、そこにチャンスを求めるからである。さらにいえば、ケイン
ズが不況時の流動性選好、「保蔵や貨幣を蓄積する衝動の非合理で病理的な性格」につ
いて言及したように、またリスク選好、イノベーション、創造的破壊もまた、同様に同様に言
うことができる。
不確実性を前にすると人に狂気が宿ることは、精神分析における知見である。これをフロ
イトは「快感原則の彼岸」と呼んだ。しかしフロイトがいうようにこのような症候を人間がそも
そももつ本性を呼べるだろうか。この過剰な症候は自由主義経済を成立させるために全面
化したのだ。
で、ぴかぁ〜さんよ、
ここは哲学板だから、経済学板で立てるべきなんじゃないのかね?
まず、そこらへんについて言い訳を聞こうじゃないか。
24 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 15:54:56 0
>>
ケインズは保蔵や貨幣を蓄積する衝動の非合理で病理的な性格にしばしば立ち戻っ
た。…理想社会では、これらの病理に対する手当は、精神病の専門家に委ねられる。この
ような専門家とはフロイトや彼の弟子たちのことであり、彼らのうちの何人かはメイナードの
親友であった。
・・・ケインズのビジョンが自ら古典派のそれと区別するのは、不確実性および貨幣と同様
に、時間を考慮している点においてである。これら三つの要素はたがいに関連している。貨
幣の蓄積は、将来について恐れ、不確実性について恐れと、死の不可逆性を否定すること
から生じる。貨幣を保有することは、将来の危機に対する最適な反応である。
「なぜなら、貨幣の重要性は本質的にはそれが現在と将来を結ぶ連鎖であることから生ず
るからである。…貨幣はその重要な属性においては、何にもまして、現在と将来とを結ぶ
巧妙な手段であって、われわれは貨幣に基づく以外には、期待の変化が現在の活動に及
ぼす影響を論じ始めることすらできない。(ケインズ)」
「ケインズの闘い」 ジル・ドスタレール (ISBN:4894346451) P374ー375
<<
哲学板ですよ〜ぴかぁ〜さ〜ん
ケインズは経済学板ですよ〜ぴかぁ〜さ〜ん
暇なんで、向こうで書いた奴で、
>>1のぴかぁ〜の主張を引っ繰り返してみよう。
ぴかぁ〜『おまえらケインズワールドに生きてるの知ってるのか
「雇用、利子および貨幣の一般理論」最強論』
@ 相次ぐ蟹工船や資本論のコミック化によって、
共産党入党者は増えている(つまり、コンビニで売るのは有効である)
A ぴかぁ〜や一般者は金がある社会=資本制と思い込んでいるが、
共産は財産共有なので、別に金を使っても共産主義に矛盾しない
B そもそも、資本制では私有財産制の筈なので、
ぴかぁ〜は本来、自分で自分の財産を稼がねばならないが、
今のぴかぁ〜は専ら、親からの贈与(=反資本制)や、
家族との財産共有(原始共産制)によって生かされている
C と、いう矛盾にそもそも気づいていない
比較対象は、
>>1のぴかぁ〜理論と、
私の指摘のBで十分だろう。
ぴかぁ〜『おまえらケインズワールドに生きてるの知ってるのか
「雇用、利子および貨幣の一般理論」最強論』
B そもそも、資本制では私有財産制の筈なので、
ぴかぁ〜は本来、自分で自分の財産を稼がねばならないが、
今のぴかぁ〜は専ら、親からの贈与(=反資本制)や、
家族との財産共有(原始共産制)によって生かされている
>>28 Bの発想には笑った。共産党宣言には相続権の廃止みたいなことが書かれてなかったか?
ぴかぁ〜『おまえらケインズワールドに生きてるの知ってるか?』
↑
矛 盾
↓
そもそも、資本制では私有財産制の筈なので、
ぴかぁ〜は本来、自分で自分の財産を稼がねばならないが、
今のぴかぁ〜は専ら、親からの贈与(=反資本制)や、
家族との財産共有(原始共産制)によって生かされている
つまり、
ぴかぁ〜は専ら、原始共産制に頼って、
いわば、共産ワールドだけでしか生かせてもらえていない、
逆に言えば、ぴかぁ〜は本来、資本制に投げ出されてしまえば
生きていけないが、資本制、つまりケインズワールドとは
異なる理の中である原始共産制の中では辛うじて生かせてもらえる。
という事ですな。
資本を持たない単なるニートに過ぎないぴかぁ〜は
ケインズワールドでは1個の失業者に過ぎない。
しかし、ぴかぁ〜はニュース番組で資本主義最強!と
洗脳されている為に、ボクは強い資本主義の仲間なんだ!
と思い込みたくて、ケインズ万歳(マンセー)と叫ぶ訳だろ?
しかし、ぴかぁ〜が幾らケインズ万歳と叫んだところで、
ケインズから見れば、ぴかぁ〜は単なる勘違いしている
1個の失業者という全体の中の1コマに過ぎない。
ケインズはぴかぁ〜という失業者が幾ら出ようが
知ったこっちゃない。
それはケインズが裕福なところから、
社会をある一転で抽出して見ているからで、
一方、ぴかぁ〜にそんな余裕は無い筈だ。
ぴかぁ〜のお母さんは困ってる筈だよ!
36 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 16:44:58 0
ああ、なるほそ♪
37 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 17:55:26 0
ケインズは哲学者ではありませんよ。
不況下の経済に有効需要を注入すると言う政策を
立案しただけの経済学者です。
最高の思想家ではなく、経済の永遠の拡大均衡を模索した
だけの人です。
38 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 17:56:55 0
哲学が難解で語れないので、ケインズに逃げたのでしょうかね?
やれやれ、ポールが出てきてしまいましたか
書く気が失せます
41 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 18:48:21 0
負けないで軍神純一!
まあ、ポールもぴかぁ〜と同じ批判が当て嵌まるんですが、
ポールは、ぴかぁ〜に全部擦り付けて逃げるんですよね〜
困った男です。
ちなみにポールは見た感じ勘違い男〜って感じで、
一人で勝手に喋る眼鏡の男ですよ。
44 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 20:49:25 0
>有効需要を注入する
??
45 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 22:41:08 0
政府が金を市場にバラまく事で、不況を乗り切ろうとしたと言う事か?
財政投融資の様に。
哲学とは全く関係ないと言う事。
46 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 23:38:03 0
>>
豊富の中の貧困というパラドクス・・・貧しい社会は生産物のはるかに大きな割合を消費し
がちだが、ごく控えめの投資でも完全雇用を与えるには十分であろう。しかし富裕な社会
は、豊かな成長の貯蓄性向を貧しい成員の雇用と両立させようとするなら、もっと十分な投
資機会を見つけ出さなければならない。社会が潜在能力の面で富裕であっても、投機要因
が弱ければ、有効需要の原理がはたらいて現実の産出量を減少させずにはおかず、最後
には、その潜在的は富にもかかわらず、消費を上回る余剰が弱い投資誘因に見合う水準
に減少するまで、貧しくなってしまうだろう。
もっと悪いことがある。富裕な社会では、限界消費性向が相対的に弱いだけではない。資
本蓄積がすでにかなり進んでいるために、これ以上の投機機会は、利用率が十分な率で
急降下するのではないかぎりますます魅力の乏しいものとなる。P44-45
「雇用、利子および貨幣の一般理論」 ケインズ
<<
日本はケインズのいう「豊富の中の貧困というパラドクス」に陥っているのか。
47 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/20(水) 23:48:55 0
このケインズの考え方がおかしいのは、これでは貧しい国ほど、
完全雇用に近くなるが、そのようなことはない。
現に日本は低い失業率を維持してきた。
48 :
考える名無しさん:2009/05/20(水) 23:51:13 0
それはたいへんじゃよ
49 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 00:12:19 O
ここにケインズ経済学の弱点がある。需要サイドを重視したために、心理的な不安定佐をかかえる。
ここで欠落するのが、蓄積である。とくに供給サイドは固定資本、人的資本などとして蓄積される。
このような固定性は一時的な不況などでは簡単に変更されなず、長期的な経済成長をささえる。
不確実性がフロイトの快感原則の彼岸とすれば、蓄積はフーコーの生政治−規律訓練に対応するだろう。
50 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 00:36:00 O
これは経済の心身二元論といえるかもしれない。
新製品が安いケインズデンキ
政府という不確実性が見出されていると思うのです。
そうだとする時、ケインズ主義経済と自由主義経済の論点として経済活動の自然発生的な秩序が成り立つか否かを考えた次に
政府の機能の成立が自然発生的な秩序として成り立つか否かを考える論点が発生する。
さらに次に政府がより介入する経済と、より介入しない経済とのそれぞれの不確実性の中でそれぞれの「自然な」秩序の発生を経験(歴史)の中で語ろうとするとき、経験は足りなく、歴史は信用できない。
というのは歴史のコンテクストとして、目論み(嘘)が有ることが推論されることを想定しています。
ケインズ主義経済批判の一つとしてそうした権力抵抗的な視点が有ることを導入されたいと思うのです。
53 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 10:54:13 0
■ケインズの心身二元論
心身二元論の罠
ケインズの経済学とフロイトの精神分析が近似している。特にケインズは不況を重視して
分析したことから、不況と神経症がメタファーとなっている。そしてこのためにケインズの経
済学は精神分析と同じ罠にはまっている疑いがある。
精神分析とは心を分析するが、そこでは身体が欠落している。たとえば動物に人間に近い
医療行為は行われるが、精神分析が行われることはない。すなわち精神分析はその成り
立ちからデカルトの心身二元論を継承しているが指摘されている。そして精神分析がそう
であったようにケインズの経済学にも「身体」についての分析が欠落している。
たとえばケインズのいう「豊富の中の貧困というパラドクス」について。このケインズの考え
方がおかしいのは、これでは貧しい国ほど、完全雇用に近くなるが、実際にはそのようなこ
とはない。現に日本は低い失業率を維持してきた。
>>
豊富の中の貧困というパラドクス・・・貧しい社会は生産物のはるかに大きな割合を消費し
がちだが、ごく控えめの投資でも完全雇用を与えるには十分であろう。しかし富裕な社会
は、豊かな成長の貯蓄性向を貧しい成員の雇用と両立させようとするなら、もっと十分な投
資機会を見つけ出さなければならない。社会が潜在能力の面で富裕であっても、投機要因
が弱ければ、有効需要の原理がはたらいて現実の産出量を減少させずにはおかず、最後
には、その潜在的は富にもかかわらず、消費を上回る余剰が弱い投資誘因に見合う水準
に減少するまで、貧しくなってしまうだろう。
もっと悪いことがある。富裕な社会では、限界消費性向が相対的に弱いだけではない。資
本蓄積がすでにかなり進んでいるために、これ以上の投機機会は、利子率が十分な率で
急降下するのではないかぎりますます魅力の乏しいものとなる。P44-45
「雇用、利子および貨幣の一般理論」 ケインズ
<<
54 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 10:56:16 0
健全な経済「身体」
ここで欠落しているのは、健全な「身体」である。健全な身体では投資すれば、それが血肉
となり蓄積されて、成長する。そして経済が成長することで、富裕な社会でも「十分な投資
機会」が生まれつづけ、所得が増えつづける。それに対して貧しい社会では往々にして「身
体」は弱く、投資が身にならない。そのために経済が成長せず、「控えめな投機」も生まれ
ず、雇用が生まれない。
経済の「身体」が健全であるためには、効率的に作動するよう規律訓練された環境であ
る。先にあげたように自由主義経済の「均衡」が作動することは歴史上でみてもそれほど
簡単なことではない。十分に多くの自由な競争者が存在するという、高度な民主主義体制
である。そのためには学校教育によって規律訓練された人的資本や様々なインフラの整備
などの固定資本が必要である。そのような健全な身体に投資することで経済は成長する。
すなわち貧しい社会と富裕社会の格差は、経済身体の健全さに関係する。
このように考えると、「健全な自由競争に健全な経済身体が宿る。」ということがいえ、ケイ
ンズを「精神派」と呼べば、「身体派」すなわち新自由主義へ振れる。しかしまた逆に「健全
な経済身体に健全な自由競争が宿る」ともいえる。
貧しい社会の問題として言われるのが政府の腐敗である。先進国との独占的な関係に
よって一部の階級のみが富む。それによって健全な自由主義経済環境が生まれず、経済
が発展しない。すなわちただ自由放任にするだけではだめで、高度な自由主義環境を整
備する政府の力が重要になる。
55 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 10:58:54 0
心身二元論の両輪
ケインズが示した需要(消費と投資)と供給(生産)という経済の心身二元論的な分離は、
ケインズの経済分析手法である以上に高度資本主義社会に向かう中で現れた自由主義
経済の二元論的な面といえるだろう。
このような経済の心身二元論的な説明は、長期的な経済成長は「身体」を鍛えることが重
要であり、不況のような短期的な変動は「精神」へ影響し、考慮する必要があるという、短
期、長期による分類によって説明されることが多いが、自由主義経済そのものが心身二元
論という両輪によって、経済発展する構造をもつ。
経済の身体が鍛えられたとしても、政府の計画的な判断から経済成長はうまれない。経済
成長はケインズが導入した不確実性によってそこにチャンスを求めることであり、ケインズ
が不況時の流動性選好、「保蔵や貨幣を蓄積する衝動の非合理で病理的な性格」につい
て言及したように、またリスク選好、イノベーション、創造的破壊もまた、同様に「非合理な
衝動」によって可能になる。
新製品が安いケインズデンキ
57 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 12:07:50 O
ケインズの身体の欠如は、バラマキの問題は身につかない投資は乗数効果のような計算された経済効果を生まない、ことにあらわれる。
58 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 12:11:16 O
経済の精神とは貨幣愛のことである。
貨幣経済は精神的、実態経済は身体的
59 :
そばかす次郎 ◆JXLBbnYqTY :2009/05/21(木) 12:31:28 O
ケインズは経済学に精神を吹き込んだが身体は忘れた
60 :
考える名無しさん:
私の十冊 浅田彰
1 論理哲学論考 ヴィトゲンシュタイン
2 城 カフカ
3 存在と時間 ハイデガー
4 雇用・利子および貨幣の一般理論 ケインズ
5 フィネガンズ・ウェイク ジェイムス・ジョイス
6 数学原論 ブルバキ
7 毛沢東語録 毛沢東
8 エクリ ラカン
9 千のプラトー ドゥルーズ+ガタリ
10 悪魔の詩 ラシュディ
「文芸春秋」1998年8月号
政・官・財・文化人 大アンケート 二十世紀図書館