資本とネーションと、時々、国家 20

このエントリーをはてなブックマークに追加
622第三の波平 ◆JXLBbnYqTY
マクドナルド型規律訓練権力とは、清潔でシンプルで無個性的空間演出、セルフサービス導
入することで、「儀礼的無関心 civil inattention 」による空間内の(擬似的)公共性を高め、自
律的な秩序維持を促す。

清潔であることは、秩序立てられた境界とその内部にいることを意識させる。そしてセルフサー
ビスによって自らその秩序を維持することへ参加させる。たとえば割れ窓理論の効果とは、街
を清潔にすること、市民活動とするで、街そのものにマクドナルド型規律訓練権力を作動させ
ている。あるいは工場における5S活動も同様だろう。

たとえば田舎の街でふらっと地元の店に入ったときに、生活空間と混在し生活用品が見え隠
れしたり、子供が遊んでいたりするが、居心地が悪い。あるいは店の店主の私的な趣味で店
の内装が飾られている。店に入ると店のおばさんの縄張り感が出ている場合など。常連にな
ればくつろげるのだろうが、一元の客には敷居が高い。

ネットでマクドナルド型規律訓練権力が働きにくいのは、マクドナルド型規律訓練権力が、場の
空気(コンテクスト)を操作する権力であるからだ。ネットではコンテクストをやぶり情報が飛び
交うことで抑止がきかない。逆に実社会では全面化しているマクドナルド型規律訓練権力が働
かないことがネットの異様な場を形成している要因といえるだろう。