准胝観音経
准胝功徳聚。寂静にして心常に誦すれば一切諸諸の大難能く是の人を侵すことなし。
天上及び人間福を受くること佛の如く等し。比の如意珠に遇はば定んで無等等を得ん。
若し我れ誓願大悲の裡一人として二世の願を成ぜずんば我れ虚妄罪過の裡に堕して
本覚に帰らず大悲を捨てん。
「 のうばさったなん さんみゃくさんぼだ くちなんたにゃあた
おん しゃれい しゅれい、じゅんてい そわか」
不動尊ゐのり経
一心に祈り奉る 香の煙は かすかなれども天に通じて
天より あま下らせ給う 其時 大日大聖不動明王
五色の雲の 中よりも 御みすがたを 顕わせ給う
あら おそろしや くりから不動や まんねん
剣を さかばに かやせば あうんの二字が 火ゑんとなつて
なわめて まんだら そはかの なみをあらくれ
金がら童子が か[う]べに あがって せいたか童子が 受けとり給ひて
悪病諸病を からめとつて 三つ石川原の せいはに たたりて
祈れや祈れや 叶うぞ叶うぞ さんげさんげ 六根清浄。
一より二けん。三界四はらい。五体の巻もの。六根清浄。七難即滅。
八方からめて。九もつをととのへ。十ぶに祈れば。
神は しょじょう なさしめ給う ほんぎゃ[く]ほんじの 大ごま童子
東は日の本 天照大神 鹿しまに香取 生須の明神 神たい日輪。
南は大唐 晴雲 星辰。
西は天竺 三世の諸菩薩 仏たい月輪
北は子のくに 出雲の御神 八百萬神。
天も感應。地神も納受。諸願も成就。
[急々如律令とあらそは 大日大聖不動明王。]
仏説聖不動経
その時に大会にひとりの明王あり。
この大明王は大威力あり。
大悲の徳の故に青黒の形を現じ
大定の徳のゆえに 金剛石に座し
大智慧の故に大火焔を現じ
大智の剣を執って 貧瞋癡(とんじんち)を害し
三昧の縄をもて難伏の者を縛す
無相法身 虚空同体なれば
その住処なし ただ衆生心想の内に住したまう
衆生の意想各々不同なれば 衆生の意に従って
しかも利益を成し もとむる所円満せしたもう
その時に大会 この経を説きたまえることを聞き
皆大いに歓喜し信受して奉行しき
仏説聖不動経