プラトン

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292考える名無しさん:2010/06/29(火) 19:45:11 0
なんで医療に限定するのか分からんけど
293考える名無しさん:2010/06/29(火) 20:41:31 0
>>286
証明責任ならば、最初に主張された言説について発生すると思うね

体が頑健で健康であったから長寿だったという言説の方が、
物的環境が整っていたから長寿だったという言説より
時代的に前だろう
294xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 15:39:15 0
時代的に前だから何だっていうんだろう。要するに言説というのは時代がすすむほど無条件に
進歩するっていいたいのか?時代がいくら進もうとこの世から馬鹿や無知がいなくなることは
ないんで、つまり馬鹿な言説や無知な言説というのも消滅することはない。だから、あらゆる言説が
時代の進歩につれ、無条件に進歩するなどとはいえないね。

それはともかく、ソクラテスが頑健だったというのはよく知られた話だが、ソクラテスは肉体的素質が
頑健だったというだけでなく、医学や健康についてもかなりの知識をもっていたことは、いろいろな
資料の記述から窺える。医者の知り合いがいたことは「饗宴」に書かれているし、さまざまな医術知に
ついても、機会があれば摂取していた。人体の構造についてもかなりの知識をもっていたことは
クセノフォンの記述にあるね。つまり肉体的素質が頑健であるというだけでは、健康の条件として
十分でなく、健康になるためのさまざまな知識がくわえて必要ということだろうな。ソクラテスは貧乏でも
そういう知は非常に豊かにもっていたということだ。まあ、>>292->>293よりも、健康法についての
知識はソクラテスの方が豊かだったというのは確実じゃないかと俺は思うなぁ。
295考える名無しさん:2010/06/30(水) 17:40:55 0
その医術というのは貧乏人が易々と身に付けられるものなのかね
296xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 20:14:46 0
「易々と」? 易々とみにつく知識なんてありませんよ。 よっぽどの才能に恵まれているなら
ともかく、努力しないで知識は身につきませんよ。
297考える名無しさん:2010/06/30(水) 21:04:31 0
プラトンの「弁明」によれば、
ソクラテスの裁判のときに、ソクラテスのために金を工面した人達がいるよね
それで量刑のときに、工面された金額を量刑としてソクラテス自身が申し出た
ソクラテスは金を受け取らず、貧乏だったという説によれば、
それはどういうことになるのかな
298xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 21:21:30 0
ソクラテス本人は工面できるほどの金がなかったということだろう。
だから友人が工面したのさ。 そういう困ったときに金を工面してくれる
友人というのは、金そのものよりも貴重なもの、という教訓でもくみとれば
いいんじゃないの。
299考える名無しさん:2010/06/30(水) 21:30:40 0
ソクラテスは困っていたときには金を受け取ることはあるということかな
例えば、貧窮していた時とか
300xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 21:37:11 0
知らないなあ。ソクラテスが誰かから金もらったとか金借りたとか、そういう話は
聞いたこと無いんで、おそらくはなかったとおもうよ。裁判に巻き込まれるようなことに
ならなければ、ソクラテスは多額の金を払う必要に迫られることもなかったはずで
「弁明」の中で、裁判の場に出頭するのは長いこと生きてきてこれが初めてなどと
いってるからねえ。
301考える名無しさん:2010/06/30(水) 21:52:30 0
>>273でソクラテス自身が友達から金をもらっていたという話はないといっているけど、
それはどういうことになるのかな
302xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 21:54:13 0
>>301
本人のいうとおり、ということじゃないの? さすがに裁判に巻き込まれて死刑に
されるおそれがあるとなれば、友人がいろいろと手をつくそうとするのは当然だろうよ。
303考える名無しさん:2010/06/30(水) 22:02:58 0
それは、ソクラテスは裁判では友達の工面した金を受け取っておきながら、
俺は友達から金を受け取っていないと言っているということかな
304xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/06/30(水) 22:08:35 0
しつこいね。友人が金を工面してくれる用意があるという話だったんだけど、結局
裁判の成り行きで援助がいらないという話になったんじゃなかったか?

弁明はしばらく読み返してないから、正確に覚えてるかどうか自身がないけど。
おまえもしつこくごちゃごちゃいうくらいなら、弁明を読み返して自分で疑問を
解消しろよ。
305考える名無しさん:2010/07/01(木) 13:35:32 0
文献という割には文献の中身を余り覚えてないのか
そりゃ残念だね
306xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/01(木) 14:44:48 0
細かいところは覚えてないが、だいたいの流れは覚えてるね。
307考える名無しさん:2010/07/13(火) 15:14:01 0
ソクラテスがプラトンの創作でも構わない立場なら、それこそプラトンのソクラテスの貧乏描写で満足しとけよ
308考える名無しさん:2010/07/13(火) 18:18:05 0
クセノポンもアリストパネス見てもやっぱ金ないよね
309xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/15(木) 13:48:54 0
アリストファネスはアテナイで一番の売れっ子喜劇作家だったんだから、その売れっ子が
ずっと貧乏だった、というのは、どうも考えにくいな。

クセノフォンも若い頃は戦争にずっと従軍してたが、壮年になってからは郊外に荘園を
もらって悠々自適の生活をおくったというから、貧乏というイメージはあまりないね。
310考える名無しさん:2010/07/15(木) 21:55:41 0
>308はクセノポンとアリスとパネスを見ても
やっぱソクラテスは金ないってことだと思うが
311考える名無しさん:2010/07/16(金) 12:43:41 0
金持ちでなければ貧乏というわけでもないし、
貧乏でなければ金持ちというわけでもない。
両者の間には中間の段階があるわけだ。
ソクラテスはアテネ市民の一般的な生活水準からすれば貧乏な方だったかもしれないが、
言われるほど貧乏ではなかったかもしれない。
餓死するほど貧乏でなくても、奴隷を置くほど金持ちでもないといったところか。
312xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/16(金) 16:19:18 0
そらー、樽一個しか財産がなかったというディオゲネスよりはソクラテスのほうが
財産もってたとはいえようがね。 あくまで比較の問題だよね。結婚してたという
ことは、ソクラテスも完全なホームレス、乞食というわけではなくて、家くらいは
もってたんじゃないか。たぶんボロな家だろうけど。で、家のきりもりは全部妻に
まかせて、ソクラテスはずっとアテナイの街での対話に明け暮れていたわけだ。
313考える名無しさん:2010/07/17(土) 21:11:42 0
ソクラテスはどうやって妻と子供たちを養っていたんだろうな?
親の残した資産があったのか、それともクサンティッペが何か商売でもやって
夫と子供を養っていたのか。
314xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 03:11:51 0
ソクラテスの父親は石工で母親は助産婦と伝えられてるね。莫大な遺産が残るほど
金のもうかる仕事とはとてもおもえないが、ソクラテスにもそこそこの遺産はあったと
考えてもおかしくはないな。ソクラテスも石工を生業としていたという話もある。

「弁明」においては、壮年期において、いろいろな分野の仕事に従事した、ととれる
発言もしているんで、そういう色々な仕事で獲得した金をためておいた、ということも
考えられるな。で、クサンチッペはそういうふうにしてソクラテスが貯めたささやかな金の
管理運用をやっていたとも考えられるね。家政学というのはギリシャ語で『オイコノミコス』と
いうが、これは『エコノミー』=経済学の語源としても知られている言葉だ。本来はどうも
家の財産の管理運用を意味する言葉であるらしい。

クサンチッペが商売やってたという話は聞いたことないんで、むしろそういうような
「オイコノミコス」に従事していたと考えるほうが自然じゃないかなぁ。
315xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 03:40:07 0
こういう問題については、十分な資料がないところを、まずはいろいろと想像でおぎなわいと
いけなくなるな。

ソクラテスによる金銭についての発言をいろいろな資料からとりだせば、ソクラテスの金銭感覚と
いうのも、朧気ながら浮かび上がるかもしれない。

「われわれはよく金銭を大切なものに思うけれど…」 これは確かリュシスの一節だったかな。
「私の持つお金の高は、ただ思慮あるもののみが担い運びうるものでありますように」
これはパイドロスだな。

まあ、ソクラテスは貧乏であったが、貧乏礼賛金持ち敵視だったかというと、そうでもなさそう
だよね。上記の発言からすると。(これらはプラトンの対話篇における発言だから、プラトンが
ソクラテスをそのような人物として創造したかった、という可能性もあるわけだけど。)

他にもソクラテスが金銭についてしたとおぼしき発言はいくつもあるけど、それをいちいち
ここに全部書き連ねていく煩に耐えない。
316考える名無しさん:2010/07/18(日) 03:52:11 0
イデアは哲学的に存在すると思っていますか??
317xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 04:00:00 0
よくわからん質問だな。哲学的でないイデア、エイドスとは単に「かたち」というものを
意味するそうな。 俺も一般的にものにはかたちがあるとおもってるんで、哲学的
ならざるかたちの存在なら、最初に認めるよ。 哲学上のイデアの教説の是非に
ついては煩雑な議論が必要になるだろうから、結論出すほどの深入りはなしえないね。
318考える名無しさん:2010/07/18(日) 04:14:07 0
質問が分かりづらかったら申し訳ないです.
でも,言葉のとおりの意味なんですけど・・・
煩雑な議論を避けるなら哲学などいらないと思いますが.
319xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 04:19:32 0
まあ、存在するともしないともにわかに断定しがたいといっとくのが無難かね。
プラトンの哲学においてもっとも重要なイデアの教説は善のイデアであるが
長大な「国家」編においても、善のイデアの存在が証明されているとはいいがたいんでね。

後期対話篇になると、前期におけるようなイデア論は影をひそめ、むしろイデア論の
不十分さを論駁するようなパルメニデスが書かれたりしていているんで、プラトン哲学が
一貫したイデア論のシステムに内包されるとは俺はおもえないんだよなぁ。
320考える名無しさん:2010/07/18(日) 04:54:19 0
なるほそ.
それはさておき,まず,私は証明云々については私は何も言及していません.
ただ,あなたの意見をお聞きしたかっただけです.悪しからず.

少なくとも「内包」されることはないでしょうね.同意します.

しかし,私の考えではプラトン(あるいはソクラテス)のイデア論は一読して
貫性のなさを指摘できるほど,脆弱なものではないと思います.
特に洞窟の比喩は強烈です.

残念ながら「パルメニデス」は一読もしていないので,
その辺りのことはわかりません.

ぜひ,その辺りの論拠をもってお示しいただければとおもいます.
321xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 05:03:12 0
洞窟の比喩がいくら君にとって強烈な喩えでも、喩えはやっぱり喩えだからw

喩えというのは、あくまで理解を容易にするための補助手段であるという話は
国家篇のみならず、その他の対話篇においても確か論ぜられていたはずだな。
322考える名無しさん:2010/07/18(日) 11:53:38 0
っていうか、「洞窟の喩え」は、イデアそのものについては、
何も論及してないと思うんだけど、
なんで、イデアと対応付けて引き合いに出されることが多いんだろうね。
323xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/18(日) 13:56:17 0
洞窟の光を善のイデアにたとえてるからだろう。善のイデアというのは、直接その目で
みると、あまりのまぶしさに目がくらんでしまい、直接その目で善を見た人は、しばらくの
あいだ半ば盲目のような状態になってしまう、という風に喩えられているわけでね
洞窟の比喩においては。
324考える名無しさん:2010/07/20(火) 13:28:01 0
プラトンとマキャベリの比較みたいなのをちょくちょくみるけどなんかピンとこない

誰か解説してくれないだろうか?
325考える名無しさん:2010/07/21(水) 11:28:19 0
age
326xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/21(水) 12:56:08 0
プラトンとマキャベリ?

一般的にプラトンは理想主義者でマキャベリは現実主義者とみなされているね。
理想主義と現実主義は正反対の政治思想であるから、両者は正反対の政治思想の
持ち主といえばすみそうだな。

とはいえ、それでおしまいじゃ話が続かないね。話を続けるためには、プラトン哲学の
中に現実主義的なものをみいだし、マキャベリの中にある理想主義的なものをみいだす
ことによって、両者の共通点を指摘することがおそらく近道になるだろう。

マキャベリは現実主義者として軍事力の重要性を論じているが、プラトンの理想国家に
おいても、軍事力についてやはり論じている。戦争に負けてしまえば、国家は存続しえない
あるいは、国家は強国に従属せざるえない、という事実の認識においては、両者にそんなに
差はないともいえる。
327xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/21(水) 12:56:50 0
マキャベリが人間の本性は悪であり利己主義的であると認識していたのはよく知られているが
プラトンもまたいかなる立派な人間の人格のうちにも悪が潜んでいる、というようなことを
いってるね。現実の政治世界を支配しているのは力であり、これを弱者は悪とよぶ、というような
話もしている。これに反対して政治は理想にもとづいて導かれるべきという話は、子供に
聞かせるお伽話のようなものであるとも、対話篇の登場人物は語っている。

プラトンもマキャベリも現実政治の世界においては失敗者だったという点も共通しているか。
プラトンは自分の理想的な政治学を現実化するために、独裁者に近づいたりしてるが、これは
マキャベリ的な目的による手段の正当化ともみなせよう。マキャベリもまた単なる現実主義的
政治家ではなく、イタリアの統一という理想をもっていたので、そういう理想に近づくための
手段を現実世界で模索していただけともいえる。

マキャベリは「政略論」において、王政、貴族政、民主政という政治制度の類型論をもちだし
これらの政治制度は時代が下るにつれ堕落していく、という風にいっている。マキャベリの
このような類型論はギリシャの歴史家ポリュビオスに負っているという。そしてポリュビオスの
類型論がプラトンの「国家」における分類に端を発しているというのも、俺には自明におもわれる。
マキャベリの思想もまたプラトン的な政治哲学の伝統をひいているといえるわけだね。

プラトンとマキャベリというお題がでたので、とりあえず思いついたことを書いてみた。
328xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/21(水) 13:42:33 0
プラトン哲学にたいして、かつて向けられた中で最も悪意ある攻撃は、犬儒派の哲学者による
「僭主のおべっか使い」という批判であった、とニーチェが確かいっていたなぁ。
329xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/21(水) 13:44:44 0
プラトンとマキャベリについて語るなら、やはり「高貴な嘘」の話をよけておくわけにはいかないか。

プラトンは国家統治のために「高貴な嘘」が必要という話をしてるね。「高貴な嘘」というのが
仮に宗教のこととすると、マキャベリもまたローマの宗教について、それらは一般大衆をよく統治する
ためにはとても重要なものであり、勧善懲悪の機能をもっているというふうに言っている。
「高貴な嘘」というのは、一見してマキャベリ的な考え方とおもえるね。

とはいえ、俺から見ると両者にはくい違う点もある。

マキャベリはローマの伝説的な建国者ロムルスについて、ロムルスは弟殺しという大罪を
おかしたが、国家の建国者というものは、その目的達成のために、たとえどのような犯罪を
犯したとしても、国家の建国という立派な目的のためには許されてしかるべき、といって
いるそうだね。

このあたりは、マキャベリとプラトンは意見が食い違う可能性があるな。ギリシャにおいて
国家を守護するものは神々であると一般民衆は認識していたのであるが、その神々が犯した
数々の罪を神話として伝えることは、国家をよく統治するうえで、致命的な害となるとプラトンは
「国家」において強硬に主張しているからね。マキャベリは国家の建国者=守護者=神々の
罪をあれこれあげつらうべきではないというだけで、それならやはり両者はこの点において
食い違うといえよう。
330考える名無しさん:2010/07/22(木) 22:09:05 0
>>329
そのあたり、西洋の思想で今ひとつわからないのは、
密教とかでよくある「ある段階に到達して初めて教えられるべきこと」
みたいな、受けて手のレベルに応じて使い分けるという発想があるのかどうかということ。

その話でいうと、マキャベリは、読者がある程度以上のレベルの人間であることを
想定していて、プラトンは(自分の書物の読者ではなく)、不特定多数の大衆に
語られる場合の話をしているような気がするんだけど。
331考える名無しさん:2010/07/22(木) 22:32:26 0
http://www.carls.keio.ac.jp/20100807plato.pdf
「プラトン哲学の現代的意義〜ポリテイア(国家)を中心に」
2010年8月7日 14時〜18時 慶應義塾大学三田キャンパス 西校舎ホール
入場無料・参加申込不要

提題者:
加藤信朗・岩田靖夫・納富信留・Luc Brisson(国際プラトン学会副会長)・Livio Rossetti(国際プラトン学会元会長)・佐々木毅

プラトン哲学、とりわけ『ポリテイア』(国家篇)が今日の日本においてもつ意義について、
第9回プラトン・シンポジウムの議論を踏まえて、紹介・検討を行い、一般の皆さまにもわかりやすくお話しします。
また、皆さまからの質問を踏まえ総合討論も行います。
332考える名無しさん:2010/07/23(金) 01:14:26 0
「国家」でプラトンは統治の観点からいかなる宗教が望ましいかを議論し、その観点から
従来語り伝えられてきた神話を批判している。
プラトンには信仰の大切さを説いた言説も少なくはないが、「国家」を読む限りにおいては
宗教を政治の道具としてプラグマテッィクに扱っており、実のところ本心では無神論者なのでは
ないかと疑わしくも思われる。
プラトンの場合、理想政治を実現するためにどうやって権力を獲得するかということを度外視している点で
非現実的であるが、僭主政治、民主政治への批判に関してはきわめてドライで
リアリステッィクなところがある。
理想主義者である割には、「国家」6巻496D辺りを読めば、性悪説的で悲観的でもある。
いや、理想主義者だからこそ、現実に対して強い絶望感があるんだろうが。
333xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/23(金) 15:50:37 0
>>330
>受けて手のレベルに応じて使い分けるという発想があるのかどうかということ

仏教の方では「ひとを見て法を説け」という言葉があるそうで。ソクラテスの対話に
おいても、相手の性格や知識に応じて説得のやりかたを変えるということは、普通に
おこなわれるので、むしろそれが当たり前のやりかたであるといっている。書物による
知識の授受というのは、受け手のレベルに応じたきめ細かい対応ができないので
文字や書物というのは、その点が劣っているという話もしてるね。
334xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/23(金) 15:51:52 0
>その話でいうと、マキャベリは、読者がある程度以上のレベルの人間であることを
>想定していて

マキャベリの代表作「君主論」は、ロレンツォ・デ・メディチに献上されたもので
政治にたずさわる貴族階級にたいする政治的助言として執筆されたもんだから、一般
大衆向けの書物ではなかったことは確かだな。そういうわけで、マキャベリが著作を
ものしたとき、誰を読者として想定していたかは、簡単にしることができる。

それでプラトンの著作は、誰か特定の王や貴族に捧げられたものではないから、ならば
一般大衆向けに書かれた書物なのかと無条件にいえるかというと、そうとはすぐに
断言できないんだな。確かに対話篇を書いていくにつれ、文名が高まっていったと
いう話は、プラトン自身が書簡集のなかで書いているので、対話篇が当時かなりの読者を
獲得したことは間違いないだろう。しかしプラトンが自らの著作にどんな読者を想定して
執筆していたかというと、これはなかなかはっきりしないところがある。

自分の著作について得意げにあれこれ論じるやつは、実は何もわかっていないのだという
風にプラトン自身が述べているので、その発言に沿えば、俺がいろいろ書いたことも、この
スレのすべての発言もみな無意味ということになる。そういう風な気難しい著作家である
プラトン相手に、プラトンは一般大衆を読者として想定していたなどと、迂闊な口は聞けない
というところか。
335xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/23(金) 15:53:50 0
>>331
面白そうなプラトンシンポジウムだね。聴きにいってみようかしら。
336考える名無しさん:2010/07/28(水) 14:11:08 0
プラトンはアカデメイアの塾生を対象に執筆したとしても、外部に持ち出される可能性がなくもない。
そうすると迂闊なことを書いていれば、ソクラテスのように難癖をつけられて裁判にかけられるということも
ありえなくはない。プラトンがミュートスを多用しているのはそういうわけだという見解もある。
337xeotopa ◆xpMBYslGAo :2010/07/30(金) 23:51:11 0
>>336
なーるほど、面白い見方だね。

8月7日は別の用事がはいったので、プラトンシンポにはいけなくなりそうだ。残念。
338考える名無しさん:2010/08/01(日) 03:07:00 0

諸君
まずは『西洋古典学事典』で娯しみながら基礎知識を身につけよう!







339考える名無しさん:2010/08/01(日) 09:59:38 0
あのさ、プラトンの「評伝」って、何がある?
ここに専門家がいたら教えてほしい。

日本語で読めるまとまったものとしては、田中美知太郎『プラトンI 生涯と著
作』以外に知らない。
それに加えて、山本光雄の『プラトン書簡集』の巻末解説が充実していたけど、
これは独立の著作というわけではない。

プラトンの評伝は、ほとんど史料がないから、どうしても彼の書簡集をベース
にせざるを得ないと思うけど。



340考える名無しさん:2010/08/01(日) 13:20:32 0
>>339
ああ、忘れてた。
まだ、あったな

プラトンの哲学ではなく、プラトンの評伝となると、ブラック『プラトン入
門』、斎藤忍髄『プラトン』の中の一部。(田中や斎藤の古い岩波新書も同様)
大昔のバーネットのものとかは、見ていない。たぶん、ほんの少ししか記述さ
れていないだろう。

それから、それらの元ネタとしては、ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシ
ア哲学者列伝』、プルタルコス『英雄伝』の中のディオン伝(ちくまではなく
岩波文庫)、ネポス『英雄伝』の中のディオン伝。
キケロの著作にもプラトンに関する記述が散見するらしいが、未見。

一番の元ネタは、プラトン自身の書簡集になるが、それには、岩波の『プラトン
全集 14巻』、前記事で書いた山本光雄の『プラトン書簡集』となる。
両者とも解説が充実しているが、特に山本のものはディオンに関しても多くの
記述がある。

要するに、俺はプラトンの評伝に強い関心があるのだけど、まとまったものは
非常に少ないような気がするが、専門家の皆さま方、如何でしょう?

341考える名無しさん
>>338
たけえよボケ