【ゼロアカ】東浩紀スレッド109【レベル低過ぎ】

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 森隆之
論の内容は『推定少女』での他者は大人たち、そして『蹴りたい背中』での他者は同年代の
群れているヤツらであるとした上で、それらが対照的に機能していると指摘している。
『推定〜』では主人公は他者に埋没し、社会に参入していく。
そして『蹴りたい〜』では逆に主人公は変化することなく他者は希薄になると主張している。
それにもかかわらず筆者は結論部では、「人が成長する時には他者との関わりが必須である」と結論し、『蹴りたい〜』の方をはじいてしまう結果になった。

まず、『蹴りたい背中』の主人公の変化が描かれていないとするのは大きな間違い。
この作品の一番おいしい部分を見逃している。
『蹴りたい〜』の主人公はにな川という人物を蹴ることで、「鏡像としての自分自身」を
蹴ったのだから。にな川を蹴りたいと思った瞬間、蹴った瞬間が主人公にとっての大きな変化であり、
成長のシーンだったのだ。そこで主人公はにな川という他者と最も深い部分で向き合う
ことを強いられた。これがこの筆者の言う「成長の際の他者(自分を含む)との関わり」である。
すると、『推定少女』と『蹴りたい背中』は同じ構造を持った作品として評価されなければならなくなり、
筆者の結論部が最も理想的な形で説得力を持って現れてくるのである。
B+は妥当。もし『蹴りたい〜』で「にな川に自分の背中を見出だしそれを蹴ることで
社会に参入した主人公像」を読み取ることが出来ていたらAに値する程視点は良い。