本上は、浅田のドゥルーズ&ガタリの導入がいかに間違って
いたかについてちゃんと批判もしている。
浅田のパクリというのはあたらない。
浅田が紹介したドゥルーズ&ガタリの『アンチ・オイディプス』を読んでみると、
スキゾ・パラノは真の対立軸ではないということがわかる。ドゥルーズ&ガタリは
むしろネヴローズ(神経症)とプシコーズ(精神病)を対立させており、プシコーズ
がさらにスキゾとパラノに分類される。解放のプロセスがうまくいけばスキゾヘ、
失敗すればパラノへ向かうとされている。浅田がいうところのパラノは、むしろ
強迫神経症や鬱病の蓄積傾向として捉えるべきだろう。(79ページ)