1 :
考える名無しさん:
このほど著作集全5巻の刊行が完結したのを機に、
坂部恵のスレッドを立てます。
廣松や大森も亡き後、日本の哲学を牽引している現存の哲学者は
この人だけではなかろうか?
2 :
考える名無しさん:2007/04/14(土) 15:17:24
著作集の中身はここを参照。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/026166+.html 坂部恵集
■構成 全5巻
カントの現代的読解に始まる著者の歩みは,その領域横断的
な発想と繊細なスタイルゆえに,哲学研究の枠を越えて文学・
芸術をはじめとする多くの分野からの注目を集めてきた.和
洋の境を自在に往還し,哲学と文芸の垣根を越えてさまざま
に広がる思索の軌跡をテーマ別に集成した自選集.多彩な執
筆者による月報付.
1 生成するカント像
2 思想史の余白に
3 共存・あわいのポエジー
4 〈しるし〉〈かたり〉〈ふるまい〉
5 〈日本〉への視線,思考の文体
3 :
考える名無しさん:2007/04/14(土) 15:21:10
4 :
考える名無しさん:2007/04/14(土) 16:42:59
期待あげ
5 :
考える名無しさん:2007/04/14(土) 19:30:47
2ちゃんねらーにこの人を論じるのは無理。
終了
7 :
考える名無しさん:2007/04/15(日) 23:18:10
再開
8 :
考える名無しさん:2007/04/16(月) 14:13:44
日本には非常に数少ない正統派哲学者だよね。
正当派とか規範的なことはわからんが、
ユマニストっぽいかと思ったらスコラスキーでもあり、
つまりスコラのスタイルにすら詩情を感じる人文学者なり。
10 :
考える名無しさん:2007/04/16(月) 21:42:15
講談社学術のカントは名作
柄谷のカント論は、坂部氏のカント本をネタにしていたな
気が合うのか、何度も対談や座談をしてる。
坂部さんは思考が柔軟だよね。
14 :
考える名無しさん:2007/05/01(火) 23:26:49
坂部先生の本を文庫で読みたい
⊃『和辻哲郎 異文化共生の形』岩波現代文庫,2000
カント論が学術文庫から出てなかった?
18 :
考える名無しさん:2007/05/18(金) 00:12:24 0
ドゥルーズを強烈に意識してたんだろうけど
けっきょく小ネタ集の人で終わってしまったよね
「また、伝統的な哲学にもっとも近いところでの取り組みとしては、
『講座・現代の哲学2 人称的世界』(弘文堂)
に収められた坂部恵と市川浩の論文が明晰ですぐれている。」
浅田彰「知の最前線への旅」『逃走論』筑摩書房
21 :
考える名無しさん:2007/05/18(金) 01:30:32 0
1980年代から時間が停まってるんだろな
幸せな人だ
そう、ぼくのときは80年代でとまっている。
ぼくは70年代にもどりたい。
「統一的な「主体」の構成にとって、不可視なもの(父=神)の「声」を
つうじて与えられる「のり」(法)が、構成的な役割を演じることを、
フロイトの有名なシュレーバー症例の解析などを通してあきらかにしたのは
ラカンであったが、西欧の伝統的形而上学の思考における「声」の絶対権
(phonocentrisme)をつくことによって、階層的に秩序化された宇宙と
「臣下」=「主体」の彼方へ出る道を探ろうとするデリダも、また、おなじく
「声」の絶対権と統一的な人格主体の形成を王政的社会の「まつりごと」の
相関者にみたてて相対化しようとするドゥルーズも、ともに、ラカンの
この思考から少なからぬ示唆を得ているようにおもわれる。」
坂部恵「「まつろわぬもの」の「まつり」」1972
23 :
考える名無しさん:2007/05/19(土) 00:10:51 0
青田典子キタコレ
sage
26 :
考える名無しさん:2007/08/15(水) 00:26:33 0
age
sage
sage
sage
30 :
考える名無しさん:2007/11/25(日) 17:13:42 0
著作集の中身はここを参照。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/026166+.html 坂部恵集
■構成 全5巻
カントの現代的読解に始まる著者の歩みは,その領域横断的
な発想と繊細なスタイルゆえに,哲学研究の枠を越えて文学・
芸術をはじめとする多くの分野からの注目を集めてきた.和
洋の境を自在に往還し,哲学と文芸の垣根を越えてさまざま
に広がる思索の軌跡をテーマ別に集成した自選集.多彩な執
筆者による月報付.
1 生成するカント像
2 思想史の余白に
3 共存・あわいのポエジー
4 〈しるし〉〈かたり〉〈ふるまい〉
5 〈日本〉への視線,思考の文体
31 :
考える名無しさん:2007/11/25(日) 19:58:30 0
この人はメンヘラらしいぞ。
でも、立派な仕事をしたんだなあ。
メンヘラいうな
ちくま学芸文庫近刊
『かたり 物語の文法』 坂部恵 2/6 ¥998
34 :
考える名無しさん:2008/01/10(木) 04:50:56 0
ちくま、ありがと。歓迎。
36 :
考える名無しさん:2008/02/20(水) 05:15:23 0
sage
40 :
考える名無しさん:2008/08/14(木) 09:45:39 0
保守
sage
sage
44 :
考える名無しさん:2009/01/23(金) 01:10:02 0
まーーーーーた 荒らしか! おまえっておまえが分からないレスがどっかのスレに1つでもノボってたらすぐ荒らしに走るな!ほんと病院行ってくれ!
坂部先生、失読症でもう本が読めなくなったのだそうだ。
坂部先生がお亡くなりになったそうです…
合掌
47 :
考える名無しさん:2009/06/04(木) 00:35:16 O
ご冥福お祈りします。
48 :
考える名無しさん:2009/06/04(木) 00:46:03 O
コンサート会場みたいなのが思いいかぶ吹き抜けのデカイ会場
49 :
考える名無しさん:2009/06/04(木) 00:50:20 O
何が?
東大名誉教授(哲学)の坂部恵さん死去
2009年6月3日19時37分
坂部 恵さん(さかべ・めぐみ=東大名誉教授・哲学)が3日、神経膠芽(こうが)腫で死去、
73歳。通夜は8日午後7時、葬儀は9日午後1時30分から東京都千代田区麹町6の5の1の
聖イグナチオ教会で。喪主は妻玲子(れいこ)さん。
カントなどの西洋哲学から出発し、幅広い視点で精神の基底を探る試みを続けた。著書
に「仮面の解釈学」「理性の不安――カント哲学の生成と構造」など。「和辻哲郎」などでサ
ントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受けた。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0603/TKY200906030325.html 訃報:坂部恵さん73歳=東大名誉教授、哲学者
東大名誉教授で哲学者の坂部恵(さかべ・めぐみ)さんが3日、神経膠芽腫(こうがしゅ)の
ため死去した。73歳。葬儀は9日午後1時半、東京都千代田区麹町6の5の1の聖イグナチ
オ教会。葬儀委員長は加藤尚武・京大名誉教授。喪主は妻玲子(れいこ)さん。
東大を卒業後、東京都立大などを経て85年に東大教授。カントを中心とする西洋哲学の
立場から、人間精神の根底を探求する試みを続けていた。元日本哲学会委員長。01年に
紫綬褒章を受章。著書に「人類の知的遺産 カント」「不在の歌−−九鬼周造の世界」など。
毎日新聞 2009年6月3日 20時41分
http://mainichi.jp/select/person/news/20090604k0000m060091000c.html 坂部恵氏死去 東大名誉教授
2009年6月3日 22時03分
坂部 恵氏(さかべ・めぐみ=東大名誉教授、哲学)3日午前3時55分、神経こう芽腫のため
横浜市旭区の病院で死去、73歳。神奈川県出身。葬儀・告別式は9日午後1時半から東京
都千代田区麹町6の5の1、聖イグナチオ教会で。葬儀委員長は加藤尚武京大名誉教授。
喪主は妻玲子(れいこ)さん。
ドイツの哲学者カントに関する研究を基礎にしながら、芸術や芸能、文学、東洋思想など
をめぐり独創的な論考、著述を次々と発表。「おもて」「かげ」などの和語に関する斬新な解
釈で注目を集めた。著書に「和辻哲郎」「人類の知的遺産 カント」、共編に「カント全集」など
がある。(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009060301000922.html
51 :
考える名無しさん:2009/06/04(木) 03:13:19 0
70年代の頃はドゥルーズと肩を並べるような仕事が
できると思ってたんだろうなあ。
なんか切ないねえ
52 :
考える名無しさん:2009/06/04(木) 19:25:51 O
朝日新聞の訃報欄の扱いが小さくて驚いた。
坂部恵といえど世間ではこの程度の認知だったんだなぁ。
なんだか寂しいよ。
この手の地味な教養人は一般受けしないのよね
54 :
考える名無しさん:2009/06/05(金) 18:52:28 0
合掌。
クワインが死んだときなんて産経しか訃報欄で扱ってなかった。
56 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 01:08:21 O
外人が訃報欄に載らんのは普通だろ
目立ってるような、地味なような。まあ、社会的には地味だよなあ
58 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 09:53:24 0
ネットでもこんな程度の反響なんだなぁ。
彼の場合、彼の著作の直接の影響というよりも
(とくにある時期以降)示唆されたものからアイデアをもらったり
教育を通じて影響を受けた人たちが多い気がするので
こういう静かな反応になるのかな、という感じがします
確かに晩年の著作は、重厚な論文は殆どなくて、
宝石箱みたいな贅沢なアイディア集の著作だよね。
でもあれを面白く読むにはそれなりの知識と教養がないとツボが分からない。
61 :
仮面貴族シャルゼ:2009/06/06(土) 15:09:17 O
(^〜^) わなびー
62 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 15:51:17 0
>>60 はいはいボクチンだけが分かってるエライエライ
63 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 15:57:32 O
おまえふざけんさよあんな下のもってきて
64 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 18:16:29 O
雑魚が坂部先生のスレを汚してんじゃねぇよ
65 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 19:10:41 0
ドゥルーズ=ガタリの翻訳を降りたあたりの事情について
詳しい人はいますか?
66 :
考える名無しさん:2009/06/06(土) 19:16:08 O
ラック
俺の大学に、東大院出の坂部門下の教員がいたが、彼の授業は丁寧だった
68 :
考える名無しさん:2009/06/09(火) 02:12:53 0
先生の訃報に接し、ショックを受けています。
ドイツ観念論を修めた学者は長生きするもの、と勝手に思い込んでいました。
(大酒呑の渡辺二郎でさえ喜寿まで永らえたのに・・・)
カントについてはその深いバリトンで何度も蒙を啓いていただきました。
いま思えば、その学識の高さに怯えることなくもっと近づいて、
誼を通じておけばよかったのですが、とてもできませんでした。
今頃は高いところで和辻氏と何かを語っているに違いありません。
先生の魂の安からんことを祈っております・・・
(告別式は明日の13:30〜、四谷の聖イグナチオ教会です)
69 :
考える名無しさん:2009/06/09(火) 02:17:06 O
やあ魂の安らかんことをアーメン
日経朝刊に黒崎政男氏の、短いですが、追悼文が出ていました
71 :
考える名無しさん:2009/06/10(水) 17:52:10 0
アーメン、つけ麺、ぼくイケメン
学部生の時にこの方が翻訳された判断力批判を読みました。合掌。
73 :
考える名無しさん:2009/06/19(金) 11:43:29 0
不肖ながら告別式に参加いたした者です。
先生のお人柄に相応しい高潔で明朗なお別れに感慨を深くしました。
式中、村上陽一郎先生のご挨拶の中に短くも胸を衝く一節あり、
あぁ先生は本物の哲学者だったのだ、と泣きそうになりました。
もう一度残された著作を読み返すつもりです・・・
74 :
考える名無しさん:2009/06/19(金) 11:53:47 O
寺松岡問題はいいわけ?
75 :
アシカビヒコ:2009/06/28(日) 12:45:05 0
私も30年前に坂部恵氏のファンでした。
彼がこの30年間で、どこまで思索したのか、全集をぼちぼちそろえ
ながら勉強したい。少なくとも当時はカントを理解し、西田を理解
し、的確に先哲を使いこなすことの出来る哲人でした。日本の知が
西洋哲学の桎梏を解き放たれ、独自の知へと回帰する季節を告げる
預言者だった。彼がその後どこまで思索を深め、また彼が提示した
日本の知のポテンシャルを日本はどの程度文化として取り込むことが
できたのか、勉強してみたい。
76 :
考える名無しさん:2009/06/30(火) 01:24:11 0
西田も京都学派も理解してないだろ、こんな奴。
早速全集の4巻を取り寄せて、ひもどき始めました。もう30年ご
無沙汰していましたが、蘇る坂部節の知的緊張感を楽しんでいま
す。坂部さんがキリスト教の伝統と近いところにいたのだという
ことを葬儀の報道で知りました。坂部さんについては初期の著作
しか知りません。<しるし>を巡る思惟は坂部節の微妙な羞恥心
というか恥じらいを秘め、あるいは無用のアカデミックな波紋を
さける慎重さからか、アダムとイブの原罪には読み始めた部分で
は触れていません。これはあるいは彼には身近すぎて簡単には語
れない領域だったのかもしれない。知恵の実を食べて失楽園とな
った人類の運命について彼は萩原朔太郎の仮面を借りて語ってい
るというのが第一印象。ま、読み始めたばかりなので途中経過に
しかすぎません。
彼の死により、日本的思惟の伝統に空白が生じるかどうか。坂
部氏が彼の知的営為の業績を、いわば「色即是空と空即是色」の
脱構造と再構成の実存的訓練の教科書として完成させる域にまで達
して旅立ったのかどうか。私の関心はここにあります。非常に不
遜で恐縮ですが、彼の価値を理解する読者達が地上の閻魔となっ
て、彼の知的業績を検証し顕彰・批判的継承へと繋げること。こ
れが坂部氏への最大のレクイエムだろうと思うのです。
黙祷
,
sage
sage