補記、結局クオリア空間の数学的構造の候補と、時空からクオリア空間への写像の具体的な形を示してくれないと意味がない。
科学者だって自称してんなら、哲学者みたいに原理や可能性を提唱してるだけじゃなくて、他のヤツらの様にちゃんと方程式提出してみなね。
だいたいニューロン原理てなんだ?
チャルマジアンの茂木が、何で突然 自然界におおける意識体験の範囲をニューロンに限定してんだ?
汎心論というレッテルを貼られてテレビに出にくくなるのが嫌だから
予防線はってニューロン原理なんて書いておこう、ぐらいの姑息な戦略にしか見えん。
物理出身なら自然法則の中に「ニューロン」なんて単語が出てくる事自体が
全く持って歪かつ珍妙だってのは自明だろ。
クオリアの何が問題なのかがよく分からないんだが。
赤いものを見たときに外部から「これは赤というんですよ」と教えられるから、それを「赤」と認識するだけなんじゃないの?
ただの学習だと思うんだが。
952 :
考える名無しさん:2008/01/12(土) 18:20:09 0
>>951 どういうこと?
赤いとされるものを見たら脳はそれを記憶する。
そのとき同時に「これは赤というのですよ」と名前を教えられ、それも記憶す。
あとから記憶を引き出すときに「赤=さっきみたやつ」となる
というだけではないの?
>>952 理論物理の方程式の中に、その「赤さ」というやつが出てこないように思える。
これが問題なわけ。
で、ここから立場が分かれる。この問題にたいする立場はザックリ分けて次の三つ。
1.クオリア錯覚派
この立場では、クオリアの話は結局は今の物理学の範囲内で終わる話でしかない、と考える。
つまりクオリアは歴史上のカロリックなんかと同種の概念だと考える。
いわゆる消去主義とか物理主義とか言われる人たちがこの考えかたを取ってる。例えばチャーチランド(哲学者)とかデネット(哲学者)とか。
2.判断保留型
ややこしい問題には立ち入らずに、とりあえず実証的な成果を蓄積していこう、という立場。
多くの科学者がこの立場で、デネットの錯覚だ、という主張にも、チャーマーズのような汎心論の主張にも
どちらもにも単純には同意しないタイプ。たとえばクリストフ・コッホ(神経科学者)とかがコレ。スティーブン・ピンカー(進化心理学者)なんかもそんな感じ。
3.クオリア実在派
クオリアはマジである、という立場で、物理学の拡張、または基本的改革が必要と考える。
例えばチャーマーズ(哲学者)とかが拡張派(あと茂木も)、そしてマッギンなんかが改革派。
954 :
考える名無しさん:2008/01/12(土) 20:05:30 0
>>953 詳しくありがとう。
でも俺はたぶんその1歩前でつまづいている。
700 nm 近辺の波長を「赤」というだけじゃないの?
人間の感覚器である目がそれを捕らえ、脳に「こんな波長を捕らえました」と送る。
脳はそれを記憶する。そのとき同時に「これは赤というんですよ」と言語をもって教えられる
そうするとその人の中に「これは赤というのか」という認識が生まれる。
あまり疑問に思わないのだが・・・。
>>954 例えば波長700nmの赤い光の持つ電場は、ごく簡単に書くと物理学ではこんな風に記述される。
E = 3 sin(2700000000000000*t)
ここでtというのは時間のことで、具体的には1とか4.8とかそういう数字になる。で、sinというのは三角関数のサインのこと。
で、これに対して波長450nmの青い光の電場だとこうなる。
E = 3 sin(4200000000000000*t)
違いは括弧の中の 27...の所が47...になってるってだけ。ただこれだけ。
そう、赤い光と青い光の違いってのは、物理的にはこれだけの違いでしかない。周波数のちょっとした違いだけ。
で、問題はここから。
「空のあの青い感じ」と「トマトのあの赤い感じ」(クオリアのことね)
これを上の違いだけから説明しなければならない、ということ(出来そうかな?)
これがクオリア問題とか意識のハードプロブレムと呼ばれるものの本性。
どうだろうか。
956 :
考える名無しさん:2008/01/12(土) 23:16:55 0
>>955 すまん、ますますわからなくなった。
>そう、赤い光と青い光の違いってのは、物理的にはこれだけの違いでしかない。周波数のちょっとした違いだけ。
人間の感覚器にそのわずかな違いを判別する能力がある、というだけではないの?
>空のあの青い感じ
それは誰かに「空は青い」と教えられた、
もしくは似た波長の何かを見せられたときに「これは青だよ」と教えられたからでは?
957 :
考える名無しさん:2008/01/12(土) 23:43:51 0
958 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 00:37:18 0
おいおい消去主義と物理主義は全然違うだろ…。
大丈夫か?
959 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 01:12:28 0
機能主義はさらにそのどちらとも同じじゃないけどね。
>>958 まぁどれも幅のあるismだろうけど、クオリアの実在云々の議論に関してだけ言えば大体ひとまとめに出来るよね。
ひろい意味での物質一元論と二元論でわけといた方が、シンプルだったか。
>>959 機能主義も存在論的な意味では普通クオリアの実在を認めない立場にたつよね。論理的には排除してないんだろうけど。
961 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 02:00:46 0
>>967 自分が機能主義者であるかどうかはわからない。
クオリアの何が問題なのかがわからないんだよね。
962 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 04:18:34 0
>>956 「赤」とか「青」とかの名前は関係ありません。
「痛み」「痛さ」と言った場合はどう考えますか?
刺激等による入力により、脳内に或る状態が生じたとする。
その時、人は「何か」を感じているわけだが、そこに生じている『「何か」そのもの』を指しているのです。
>>953は解り易い。
>理論物理の方程式の中に、その「赤さ」というやつが出てこないように思える。 の通り、
すっぽり抜け落ちる概念を「クオリア」と呼んで抽出している。
図式的に言えば、
外界からの刺激→感覚器による受容→伝達→(それによる)脳の状態→認知・認識
という大筋があった時、「感じている何か」はどこにあるのか?ということ。
953の1で言えば、脳内の或る電荷状態がクオリアだと切り捨てることもできる。
が、本当にそうなのか?当人が感じている「赤さ」や「痛み」は、そうした電荷状態としてよいのか?
全く同じ電荷状態を生じせしめたとして、AさんとBさんの感じている「赤さ」や「痛み」も同じになるのか?
或いは、伝達中の事象(伝達物質の量や強度、経路)の差異が「赤さ」や「痛み」の差異なのか?
もう一つの問題は、それらは当人しか知り得ない・外部からは観測し得ないということ。
964 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 11:22:26 0
>>960 消去主義は色のクオリアを認めないが
物理主義は色に物理的性質を認めるぜ。
965 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 15:27:07 0
どうもダメだ。
何故ここまで多くの人がクオリアなるものについて考えているのか自体がどうしてもわからない。
>>963 >「痛み」「痛さ」と言った場合はどう考えますか?
痛み、痛さ、という名前があることを教えられればそれを「痛み」「痛さ」と認識するのでは。
名前を教えられなくても外界からなんらかの刺激があった、という事は認識すると思う。
>外界からの刺激→感覚器による受容→伝達→(それによる)脳の状態→認知・認識
>という大筋があった時、「感じている何か」はどこにあるのか?ということ。
どこにも無い、のでは?
>全く同じ電荷状態を生じせしめたとして、AさんとBさんの感じている「赤さ」や「痛み」も同じになるのか?
過去の経験、脳以外の身体機能の状態などによって変わると思う。
966 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 15:58:45 0
>>965 クオリアを認めないってことは独我論で
他者を哲学ゾンビと見なすんだよ。
それが不自然だと思うからみんな心的なもの
つまりクオリアは何だろうと考える。
クオリアについて考えることと
クオリアの正体を突き止めることは一緒じゃないぜ。
蛇足だが965は俺の言ってることが分からないのなら
哲学に向いてないからこの板にこないほうがいい。
968 :
考える名無しさん:2008/01/13(日) 16:12:55 0
>>966 認めないんじゃなくて、わからないんだよ。
「クオリアって何?そしてそのどこに疑問を感じるの?」
>>966 他者の、ではなくクオリアそのものを認めないとなると他人どころか自分もゾンビであることになっちゃうわけで。
そうすると、じゃあそのクオリアっていう概念はどっから仕入れてきたの?とかいろいろと・・・。
>>965はクオリアを認めないわけではなくて、クオリアが何かは知ってるしそれを勿論経験もしてるけどそこにはなにも問題はない、既存の学問で全て説明できるって立場じゃないの?
赤という質感はどこから来ているのかといったら、
視神経細胞の励起が最初で、その後一連の神経処理を経るだけで
質感という認識、赤というカテゴライズをするからには、前頭葉も関係するんだろう。
>今後、科学がどんなに進歩しようとも、
>この謎を解き明かす見込みはまったくない、
>不可能である
って、なんでやねん。
>我々の意識の上に起きている『この質感』」の起源を
>原理的に決して解明することができないということだ。
「質感」という意味、それが何を意味しているのというのが問題で、
それが解明できないものを含む定義・存在しないものを組み合わせた概念なら、
当然解明は無理だ。
>>965 とりあえず物理の知識はどれぐらいある?
読み物としての物理じゃなくて、
系について微分方程式立ててそれを解く、そういう物理学の基本的な作業てやったことある?
もしそういう経験がなかったら、クオリアの問題の意味はよく分からないと思うよ。
(補足)
なぜかって言うのを簡単に説明しとく。
物理をやった事ある人なら、
「様々な現象(や現象論的法則)を基礎方程式から導出する」っていう作業
これを何回となく目にしてるし、実際に自分で計算したり、ぼんやりと筋をイメージしたりもよくするようになる。
例えばシュレディンガー方程式(これが基礎方程式)に対して、格子によって作られる周期ポテンシャルを仮定することで
オームの法則(これが現象論的法則)を導びきだす。
こういう作業を何回となく目にしてるし、実際に自分で計算したり、ぼんやりと筋をイメージしたりもするようになる。
で、この作業がうまく出来て初めて、「オームの法則はシュレディンガー方程式で説明されるのだ」となる。
これが「還元」という作業。
けど今知られている物理の基礎方程式、これへクオリアを理論的に還元することは
誰がどう考えても最初のパッと見には完全に不可能なように思えるのね。
だから「どうなってんだべ?」と関心を呼んでる。
そのあとどう考えを発展させるかは、上に書いたみたいに人によって立場が分かれていくんだけどね。
まあ、こういう流れ。
973 :
考える名無しさん:2008/01/14(月) 15:00:42 0
>けど今知られている物理の基礎方程式、これへクオリアを理論的に還元することは
>誰がどう考えても最初のパッと見には完全に不可能なように思えるのね。
それはあたりまえ。
物理方程式は「ありとあらゆる現象」を
論理的に還元することを目的にしているわけではない。
>こういう作業を何回となく目にしてるし、実際に自分で計算したり、ぼんやりと筋をイメージしたりもするようになる。
でも、こんな基本的なことさえ理解せずにぼんやり見たり計算してたんだな。
物理学は「ありとあらゆる」問題を扱う学問ではない。「扱わない」問題はもちろん存在する。
974 :
sai:2008/01/14(月) 15:15:15 0
客観主観の問題ではないかと思います。
脳を詳細に調べれば、赤と認識される因果関係をいつかは究明できると思われますが、
それを主観的になぜ赤と認識できるのかを説明することが困難です。
さらにその主観が、物理的因果律に本当に働きかけることができるのか、
人は当然のように主観(自由意志)が物理的因果律に働きかけているように思われます。
しかし、その主観(意識、認識、質感ークオリア、自由意志など)を客観的(物理的)に
証明することが難しい(ハードプログレム)、と数学物理音痴が愚考します。
>>973 でも、クオリアは脳の活動から生じている(と便宜的に言っておく)生物的自然現象なのは間違いなさそうだよ。
思いっきり素人的な発想ではこういう現象は段階を踏めば物理に還元できそうに思うんだけどどうかなあ?
クオリア以外に同じような生物的現象で物理に還元できなさそうなものってなにがありますか?
もし、他にもいろいろあるのならクオリアについてだけハードプロブレムが殊更言われるのはあんまりだってことで多少の慰めにはなる気がするんだけど。
クオリアに関して法則と呼べるようなのがまだ無い訳だから気の長い話ではある。
>>973 多分言ってる意味がよくわかってない。
物理学での還元なんて基本的に近似とか入りまくりの超いいかげん作業。
だからそれは単純に枠内にあるか、という事の確認作業でしかない。
>>974 自由意志をハードプロブレムと考えてる人間はいないでしょ。
それは「ない」ですでに固まってる。
>>975 >物理に還元できそうに思うんだけどどうかなあ
うん、そういう方法を、哲学者がやってるみたいに言葉でウダウダやるんじゃなくて
もし本当に具体的に示せたら、Natureでも普通に載せてくれると思うよ。
>クオリア以外に同じような生物的現象で物理に還元できなさそうなものってなにがありますか
歴史的には生気かな。100年ぐらい前まで普通にあった話(今は完全に消えたけど)。
あとは特にない。ホーリスティックな性質ゆえに単純に還元できない類の概念、というのはもちろん沢山あるけど。
>>978 茂木が提案してる指針だね。何かにつながるか、というのは別にしても、とりあえずはおもしろい。
テレビとか出てるのもいいけど、こういうアイデアをドンドン発表してって欲しい。
幽霊を質感として捉えたらそれもクオリアなんですかね。
その辺にクオリアのあやしさと特別さがあると思う。
虚構の認識つーか
>>974 茂木に公開書簡を出してる斉藤なんかと同じ勘違いをしてるかな。
チャーマーズとかの流れは精神や魂の実在を追っかけてるんじゃないよ。
つまりデカルト的な二元論を追っかけてるんじゃない。
こいつらは単純に物理学を拡張しよう、っていってるだけ。
一般に了解を得ている4次元時空に対して、物事の説明のためには5次元必要だ、とか21次元必要だ、とかやってるのと一緒。
つまり、現象場とか現象空間といわれるもの、そういうものを新たに導入すべきだといってるだけ。
あとハードプロブレムを普通に扱ってる人間てのは、「数学物理音痴」なんてのとは対極にある人がほとんどだよ。
チャーマーズは若い頃は数学オリンピックで銅メダル(だったかな?)を取ったこともある人間で元数学畑。
茂木は知ってると思うけど理論物理出身。
ペンローズはクオリアは今の物理への単純な還元はできないと考えてる(はずの)人だけど、当然だけど理論物理。
>>981 そうだね。幽霊を怖がったら、そこにもクオリアはあるよね。
ここは各自で頭を整理してもらうより他ない。
錯覚という認知過程も世界の中で起きてるひとつの物理現象なんだから、それ自体が危うい、ということはない。
単にそれについて考えると、頭がこんがらがるという人にとって危うさが感じられるというだけ。
とりあえずは、脳の神経細胞の接続状態を行列(matrix)の形で表現しよう、という
connectomeというアイデアがあるね。
どんな信仰も妄想も錯覚も、原理的にはまずこの行列の表現の中だけに理論的に還元できるはずだね。
(血液中の酸素濃度とかだとそのままではconnectomeに含まれてないから、少し工夫がいるだろうけど。)
でもこのconnectomeへの還元は機能的側面しか出てこない。あとはハードプロブレムだ。
(補足)
簡単に言えばconnectomeが取りこぼすものがあれば、それがハードプロブレムで、物理学の拡張が必要ということ。
逆にconnectomeが取りこぼすものというのが結局何もなかったら、ハードプロブレムは擬似問題。チャーマーズと茂木の主張は誤り、という事になる。
connectomeが全ての脳の機能を有しうるのかつーのはかなりあやしいな
connectomeが取りこぼすものがあってもそれはconnectomeの機能不全を示している可能性がある
だからそこからハードプロブレムやクオリアを論じるのも変だね
986 :
sai:2008/01/14(月) 22:41:22 0
>>979 >自由意志をハードプロブレムと考えてる人間はいないでしょ。
>それは「ない」ですでに固まってる。
知りませんでした。
>>982 >こいつらは単純に物理学を拡張しよう、っていってるだけ。
これも知りませんでした。
実は哲学音痴でもあるので退散します。
>>985 ふぅん。じゃあ波動関数ならどうなの?つまり脳のとる物理状態(超々々多体系)を,波動関数として書き下したもの。
これにクオリアも含む脳にかんする全てのことは含まれてるかな?
988 :
考える名無しさん:2008/01/15(火) 12:40:13 0
クオリアは無い、と仮定した場合なにか不都合って存在するの?
>>988 クォークは観測できない事になってるのに、なんであると仮定してるんだろね?
990 :
考える名無しさん:2008/01/15(火) 17:25:21 0
>>972 >けど今知られている物理の基礎方程式、これへクオリアを理論的に還元することは
>誰がどう考えても最初のパッと見には完全に不可能なように思えるのね。
じゃあ物理の方程式かクオリアか、どっちかがおかしいんじゃないの?
もしくは当てはめ方がおかしいか。
>>988 脳の機能からもたらされる現象的側面のうち現象的側面のみを取り出したのがクオリアなわけだから
その現象を物理的な方程式から導出するっていうことはただ脳の機能を模倣すればいいわけだ
それで波動関数でそれができるかっていうわけだが、むしろケミカルな粒度でよくて、
困難なのは脳を構築しきるときの複雑さだと思う。
993 :
ちゅう:2008/01/15(火) 19:28:18 0
クオリアは物理量ではないから物理学の対象にはならない。
数量化もされないから数学の対象にもならない。
クオリアは定性的な質感にとどまるから美学の対象だろう。
>>990 だね。300年後に振り返ったら、きっと今言われてる事のほとんどは物理にしろ哲学にしろ間違いだらけ。
いま確実なことは、簡単で辻褄のあった、うまい説明がまだない、てことだけ。
>>991 ふむふむ、
化学レベルで十分ということは、量子レベルなら完全に含まれている、という事だ。
つまりミクロ特性の複雑な絡まり方として、マクロな特性としての現象的性質が現れて、
その複雑さゆえにハードプロブレムは誤解されてる、と。
(補足)
クオリアが既存の物理量の組み合わせで表現されるものではなくて
電荷やエネルギーなどと並ぶ新しい物理量のひとつだ、という考えが
チャーマーズや茂木なんかの基本的立場ね。
で、その立場に基づいてクオリアの数学的表現を探ってる(と宣言してる)のが茂木ね。