【いま、もっとも】東浩紀スレッド65【危険な動物】

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301216
>>297-298
なんかすいませんね…

>商品と快楽のあいだの条件反射は消費社会のなかで十分に鍛えあげることが
ただ、消費者心理学、産業心理学とかあまり詳しくないですけど
条件付け(条件反射)一辺倒ではないんですよね。それで説明できる事もあるけど。
購買の際のスキーマ、スクリプト、商品のカテゴリー化とブランド知識…

人間には条件付け(訓練)だけではなく、認知的な情報処理があるので広告産業が成り立つわけで…
302しろうと ◆AUSirOutoE :2006/08/08(火) 20:29:17
>人間には条件付け(訓練)だけではなく、
>認知的な情報処理があるので広告産業が成り立つわけで…
面白そうな話ですね。東なら訓練・動物で済ませそうですけど。
303216:2006/08/08(火) 21:59:55
行動主義のパラダイムだと、個体の内面の情報処理(認知)ではなく、
刺激、反応、報酬でいろいろ説明がつく、と考えます。
例えば、オペラント条件付け、というのがあります。
ライトがついているときに、ラットがレバーを押したらエサを与えるように操作すると、

ライトが灯る【刺激】→レバーを押す【反応】→ エサ【報酬】

の一連の流れを生成できます(3項間随伴性)。
エサが出れば出るほど反応が「強化」される(よく反応が生起するようになる)
で、行動主義者は動物だけでなく、人間にもこの図式を適用するわけです。大真面目に。
消費行動もこれで説明しようとする。

コーラの自動販売機【刺激】→お金の投入【反応】→コーラ【報酬】

感想文の課題を与える【刺激】→良い読書感想文【反応】→褒める【報酬】

キャラクター【刺激】→攻略【反応】→エロシーン【報酬】
304216:2006/08/08(火) 22:00:32
いろいろな行動をこの3項間随伴性で説明しようとするわけです。内面の情報処理は見ずに。
キャラクターがかわいいと思ったかどうかはどうでもよくて、それに対して「反応したか否か」だけ見るわけです。
これはエサなどでなくともいい。
「脳内自己刺激」というのもある
ttp://www.prit.go.jp/Ja/PTokyo/TMolecpsy/GIRK/image31.gif

脳の報酬系に電極埋め込み、レバーを押すと電流が流れるようにすると

ライトが灯る【刺激】→レバーを押す【反応】→ 脳内刺激【報酬】

を形成できる。
ttp://www.shiojigyo.com/en/backnumber/0309/pict/hosyukei.gif
「報酬系」の部位は中脳、ドパミン系の作動性ニューロンで確認されていて、
自己刺激を行うと、側座核という部位のドパミン放出が増加することが知られています。

多分東さんがギャルゲーの「訓練」と言うときこの脳内自己刺激のイメージだと思います。
ttp://www.hirokiazuma.com/texts/addiction.html
ttp://www.hirokiazuma.com/texts/moe.html
あくまで推測ですが…
305考える名無しさん:2006/08/08(火) 22:27:56
>266
彼が、じゃにーず好きなのは、別にいいんだ。
僕が知りたいのは、じゃにーずの何がいいかなんだ。
だから、僕は、じゃにーずの何がいいかがわかる、漫画(アニメも可)一覧が知りたい。
306216:2006/08/08(火) 22:28:36
しかし、当然のことながら、これだけで消費者の購買行動などが説明できるとも思えないわけです。
この図式ならば、「単に良いもの」「単においしいもの」が【報酬】となり、よく買われるだけであって、
商品そのものではない、広告や宣伝が消費者の購買【反応】に一定の効果を上げることが説明できない。
そこで単に
[買う【反応】→商品を得る【報酬】]
という図式だけでなくて、
広告心理学や消費者行動学などでは、その購買【反応】に至るまでの内的な過程(広告の影響、社会的規範、信念の強さ、動機付け)
などを考えようとするわけです。
この分野にあまり詳しくはないのですが、例えばAIDMAモデルなどというのがあって、
Attention:注意
  ↓
Interest:興味
  ↓
Desire:欲求
  ↓
Memory:記憶
  ↓
Action:行動
消費者が広告に影響を受けて購買に至るプロセスをこうやって現したりします。
手元の本(消費者理解のための心理学)に、「行動意図モデル」というのが載ってて

              態度←評価値と信念の強さの値の調和
行動←←行動意図<
              社会的規範←規範的信念の強さと規範的信念に従う動機付けの強さの調和


とか出ています。理解してるわけじゃないですが…
つまり訓練(条件付け、刺激、反応、報酬)だけじゃなくて「興味」や「態度」「規範」「意図」
などと言った内的情報処理過程にも注目しなくては、ちゃんと広告効果、消費者行動を計れないと皆考えているというわけです。
東さんは
>商品と快楽のあいだの条件反射は、とくに実験室を用意しなくとも、消費社会のなかで十分に鍛えあげることが
と仰るわけですが、それは内的な過程を排除した、あまりに簡略化した見方だと思うのです。
307考える名無しさん:2006/08/08(火) 22:29:04
ついでに、女子高生は、そういう名前のアニメがあることからも、
カルチュアのなかで、それなりの意味合いのあるものと思われますが、
その生理・生態を知るための本を、探しています。何か知ってる?宮台とかは初歩的過ぎるので、除くとして。
308216:2006/08/08(火) 22:40:34
さらに興味深いのは、意識的に覚えてなくとも「単に広告を多く見たことがある」だけでも
商品に対する好感度が上がるという現象です。社会心理学の対人関係の話題だけど引用してしまいますが、

「繰り返し相手に会う(相手を見る)だけでも好意は生ずる(単純接触効果)。以前会ったことの
 ある人だという感覚(既知感)がある種の快感を引き起こすからである。ただし、この効果は
 少なくとも会って(見て)不快でない人の場合にしか生じない。なお、興味深いのは、主観レベル
 で既知感が伴わなくても、この効果が現れる点である。これは過去経験が意識下で直接対人魅力
 を規定しうることを示唆している」

これは商品にも当てはまる。「プライミング」や「潜在記憶」など繰り返してきましたが、
「意識下の記憶」が意識的な認知に影響を与えるのはまさにマジック・メモでしょう。
意識下の記憶がエクリチュールの層。しかも神経解剖に対応しているので面白いわけです。
フロイトは脳損傷云々を知らないはずなのに、現代の神経科学と全く同じ現象を見抜いている。
話がそれましたけど、なんというか、訓練だけでなくて認知的な現象に面白さがある、ということです。