この数十年間で日本の政治思想・評論業界は孤絶し、かなり立ち遅れてしまった。ドイツとフランスの
古色蒼然たる百年前、二百年前の政治思想の本を。訳も分からないまま読み続けてるのが現状だ。
全くヒドいものだの一語につきる。 日本の八十年代の言論を圧倒したフランスの構造主義の大家
ミシェル・フーコのような、現代ものでも、かなり癖のある思想・哲学なのであって、本当はフーコや、
ジル・ドゥールズらの思想は 「人文」である。文学あるいは文化研究なのだ。政治権力なるものを
生まで扱う学問ではない。現在のフランスやドイツの本当の最高の知識人たちとは「どうやったら、
自分たちが、アメリカの支配から脱却できる」を本気で考えている人々だ。日本知識人は文化研究
しかできない人々だ。
副島隆彦「日本の秘密」