意識が化学反応の産物でない証拠

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118うみねこ ◆4PoCtcaPGU
いわゆる色盲では多くの場合、3種類の網膜錐体のいずれかの異常または欠損と、色盲の
症状とが対応している。そして言うまでもなく、3種類の錐体の違いは含まれる視物質(化学物質)の
違いに対応している。これは実は驚くべきことであって、このことは逆に、正常な脳で
あれば、波長700nm前後の光は赤として見るように、脳の側でそのようにできていることを
示している。

一方、色覚失認という疾患があり、これは多くの場合脳梗塞などで大脳皮質のいわゆるV4野が
損傷された時に出現する。

したがって、波長700nm前後の光を赤として見る能力は、化学物質ではなく、脳の大脳皮質に
おける神経連絡構造によってもたらされていると考えられる。化学物質によって気分などが
変化することが知られている(ドーパミンなど)が、これは大脳皮質ではなく大脳基底核群や
辺縁系に対する作用であることはほぼ確立されている。

以上より、我々が一般に「意識(覚醒レベル等ではなく)」と呼ぶものは、化学物質ではなく
脳の大脳皮質における神経連絡構造から生じると考えるのが妥当だと私は思う。化学物質の中でも
大脳皮質で情報伝達を行っているとされるアセチルコリンやGABAにはコンピュータにおける電子と同様、
それはあくまで情報伝達媒体であって、それ自体には情報は乗っていない、と思う。