42 :
考える名無しさん:
・・・・・・さて、こうしたことが文化的娯楽としてはたいして害がないことは確かだが、別のところではこの<Xファイル>コンプレックスの効果はもっと有害でありうる。
非明晰主義的説明のよく知られている候補は、神の意志、異種の知的生命体の偏在、人間行動への星々の作用、等々である。
これほど明白ではないが、しかし確かに同様にひどく有害な候補は、フロイトにおける衝動、ユングの元型、ラカンにおける現実界、フーコーにおける権力、
デリダにおける「差延」、レヴィナスにおける神の痕跡、さらには後期ハイデガーにおける<歴史のうちの、あるいは歴史としての存在の停留期的な脱去>である。
このリストはさらに拡張できるだろう。
サイモン・クリッチリー『ヨーロッパ大陸の哲学』岩波書店、2004年