昔のやつだけど…。
《人間の構造》
[A]精神
【芯】⇔『決して認識され得ぬ認識主体』
----->『虚存』としての混沌である『ただの存在』。
意識の根源としての中心点。
【我】⇔『強制事項としての個体化原理』
----->『実存』としての『生』の形態の原理。
思考・感情等『意識活動』の原点。
【私】⇔『自律自己と盲信されている影』
----->【我】の原理を『言語化』という過程を経て表象化した『個性』。
『現象』として表面化する『意識』『思考』『感情』『記憶』の総体。
[B]身体
【体】⇔『個体化原理により顕現した場』
----->【我】の原理を『物質』に宿らせて表象化した『肉体』。
【我】と【私】を接続する橋渡し的な『場』であり【我】を現象界へと顕現させる道具。
《各部詳細》
『決して認識され得ぬ認識主体』とは?
ただ『在る』という存在そのもの。
何者でも無い存在意識の『本体』である『意識体』。
中心に在って不動のものであり、全ての知覚認識の対照となる反象。
『強制事項としての個体化原理』とは?
『個体化原理』とは『虚存』を『実存』へと変化させ『生命』へとシフトさせる『因』である。
以下の特性の総体を『個体化原理』と称す。
○秩序性 … 自己を『実存』として『虚存』(混沌=無秩序)から分離する。
○稼動性 … 本来不動である『意識』を中心点から分離し稼動させ『知覚』とする。
○分類性 … 『言語化』という『認識手段』を経て知覚情報を各カテゴリーへと分類する。
○蓄積性 … 知覚配列物を『記憶』として自己の内部に蓄積する。
○照合性 … 記憶配列物を比較対照し『思考』活動を行う。
○多動性 … 複数の思考配列物を『意識』が往復し『感情』を発生させる。
○閉鎖性 … 時間的・空間的に『境界』を想定し『自他』の関係性を成立させる。
○合理性 … 【体】(身体系)を基盤とした非言語的な維持回路。
○生命種 … 『物質』と『生命』との壁を越える根源力となる何か。
更に最も重要な点だが…
『実存』として存在を続ける為には一瞬足り共『完全な静止』は許されない。
これは『止まるな。動き続けろ』という至極単純な命令が組み込まれている事を意味する。
その命令は完全に『強制事項』であり、尚且つ『強迫観念』的な『本能』として刻まれている。
『自律自己と盲信されている影』とは?
【芯】(『認識主体』)を【我】の有す『分類性』によって客体化する事で発生する『自己意識』。
更に【我】の『個体化原理』をも『分類性』によって現象化させ『個性』として加える事で表象化する『意識』。
それは『私が』『私は』等の『自我意識』に繋がる。
と同時に『個体化原理』の有す『知覚認識』『記憶』『思考』『感情』が表面に顕在化する。
(無論、その全てでは無く【我】(『個体化原理』)のサブセット的なものに限定されるが)
【私】は【我】に隷属し【我】は【私】を支配する。
『個体化原理により顕現した場』とは?
『生命』として現象界で活動を行う為に必要となる道具としての『肉体』。
その基本はあくまで【我】(『個体化原理』)に在る為、その支配下にある。
【私】の命令よりも【我】の命令の方がプライオリティが高い。
『生存本能』などは良い例であろう。
【静止】(=『悟り』)とは
『個体化原理』そのもので在る所の【我】を滅し、【芯】−【我】−【私】の多層構造を【芯】−【私】の二重構造に変える事を意味する。
これにより『個体化原理』による心理的二元分類(ラベリング)から脱する事が可能。
と同時に、【我】に含まれる『生命種』の消滅により永劫の輪廻からの脱却=現世が【生命】としての【存在】の終わりとなる。
つまり、存命中は『心理的な【静止】』が表面化し、死後に『物理的』『存在的』にも【静止】が行なわれ『完全なる【静止】』となる。