◆形而上学的な命題には何の意味も存在しない◆

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78考える名無しさん
>>53のような考え方は、小学生に直観的理解をさせるための方便。

数学は帰納的科学や実験科学ではない。
純然たる演繹科学。
2つの泥団子を柔らかいうちに合体させて、結果的に1つの泥団子ができたからといって、
「1+1=2は一般には正しくない」ということにはならない。
自然数の加法において「1+1=2」はつねに正しい。

一般に理論の基礎概念や、出発点となる公理を設定する段階で、
経験からある種の規則性を抽象する。
(経験の源泉は、物理学をはじめとする人間の思考活動全般。
とくに既存の数学理論も含まれる)
その後は、思考実験や直観により命題を予測はするが、
公理と基礎概念の定義から純然たる演繹によって証明されない限り、
定理とはみなされない。単に予想(Conjecture)と称される。

逆に数学における真理性は、ある体系内で演繹的に証明されたかどうかによってのみ決まる。
各体系を含む全域的な無矛盾性の保証には、超限帰納法など担保を外に求めているが、
数学における各種の定理は、公理(使用可能な推論規則も含めて宣言される)の範囲内で
形式的に演繹できるかどうかによってのみ真偽が判定される。
そして自然数論を含む理論を形式化して得られる無矛盾な体系内には、
上に述べた意味での真偽 を判定できない命題(論理式)がある、というのがゲーデルの示したことの一つ。