男は暗闇の中で目覚めた。激しい痛みが男の頭を襲う。
「ッ!?…ここは?…俺はいったい…
!?なぜだ、何も…思い出せない…。」
2 :
考える名無しさん:03/09/16 19:41
いったんCM
「めがね!めがね!」
手元のめがねをつけると、そこには男を心配そうに見つめる、美しき娘の姿。
「大丈夫ですか?」
「おお、娘さん……なんて美しいんだ。その紅潮した頬。
まるで真っ赤な林檎のように……
ん、林檎?
林檎はどうして赤いんだ?
俺の目にも娘の目にも、赤い林檎。
しかし、その【赤】は、はたして同じ赤なのか――」
男は再び、意識を失った。
ジャイアンはジャイ子のあんちゃんだから
ジャイ・アンなのか!!!
6 :
考える名無しさん:03/09/16 19:52
彼は身を起こす、胸から毛布がはだけて落ちる。
落ちる。そう、彼はベッドの上に居た。
闇に目が慣れてくる。六畳ほどの広さの部屋が浮かんでくる。
天井は高く、窓は一つもない。ベッドの他には何も無い、がらんとした部屋だ。
部屋の片隅にはドアらしきものがある、しかし、取っ手がない。
それは太いサインペンで壁に引かれた、四角形のようにも見える。
「・・・」
男は目をつむり、深呼吸をした。その間に、言葉を探すために。
なにもかもが現実感を伴っていない。まだ夢のようだ。
しかし、目が醒めていることは分かっている。そのことを自覚するための時間。
男は息を大きく吐き出して、言葉を見つけた。
「やれやれ・・・」
男はまどろみから解放されつつあった。
夢心地の中に、そのような哲学的問いが紛れ込んできた事を思い出した。
男ははっとした。
そして今度は目の前の娘を、その意識でよぉ〜く確認してみた
……ジャイ子だった。。。
8 :
考える名無しさん:03/09/16 19:59
「あにちゃま〜!!」
見知らぬ女が現れた。
俺のペニスは屹立した。
「挿入するぞ・・・」
彼は少女を押し倒した。
年齢は分からない、9歳にも見えるし、35歳にも見える。
「うん・・・いいよ、私ずっとあにちゃまのことが・・・・嬉しいっ!!!」
自然に吸い込まれた。自然に受け入れた。
彼は暗闇の中で、彼女の顔を間近に見た。それは・・・
夢だった。
男は自分の名前を思い出していた。
「浅倉・・・威(たけし)・・・」
そこには長いあごひげを生やした、東洋風の老人が立っていた。
「人生なんて、夢みたいなもんじゃよ、ふぉふぉふぉ」
一瞬、目を疑った。
気が付くと、老人の姿は消えていた。。。
男は老人の言葉を反芻しつつ、おのれのゆく末を案じた。
「俺はこの先、何度"夢オチ"に遭遇するだろう――?」背筋が凍った
11 :
考える名無しさん:03/09/16 20:29
そして己の人生に絶望し、自殺した。
そう、俺は浅倉 威・・・そんな感じの名前だった。
男にすべての記憶が蘇った。
「そうだ!早く行かねば……」 その時だった――
「ども〜コンチハぁ!……浅倉でぇーす!アサクラタケシでぇーす。誰かいませんかぁ!」
またわからなくなった。。。
(
>>11 あれ、自殺したんかい! ^o^;)
薄れゆく意識の中で男が思い描いた物――それは、さまざまな時代の自分の姿だった。。。
14 :
考える名無しさん:03/09/16 20:41
記憶なんて曖昧なものだ。
体験していようと体験していまいと、信じたぶんだけ記憶は真実に近づく。
「あいつが浅倉威ってんなら、俺は・・・麻 蔵 武 だ・・・・」
彼は自分勝手にストーリーを作り続ける。
彼は麻倉武に近づきつつある。彼は少なくともゼロではない、ゼロであるよりは偽りの1を。
「そう、俺は麻く・・・」その時だった――
「こんにちはー!志田幾多郎さーーん。小包でーす!」
誰になればいいとゆうのだ・・・
EVERネタやめれ
16 :
考える名無しさん:03/09/16 20:52
「EVER。。。」
声に出してみる。
出してみたところで、それが何の意味を持つのか分からない。
EVER・ネタ。たぶん英単語のeverではない。なにか固有名詞なのだろう。
しかし、分からない。いや、分かりたくないのだ。
悪い予感がする。不思議なことだ。予感は、なにか記憶を取り戻す鍵かもしれないのに。
しかし、彼は諦める。
「どうせ電波の言うことだからな。。。」
17 :
ダダダっダダっダーラー♪:03/09/16 21:10
いったんCM
18 :
考える名無しさん:03/09/16 21:13
♪もしも願いがかなうならばぁ ちょっとのぞいてみたーい
じゃあ テーマソング とか 作って貰えますか?
よし!
21 :
考える名無しさん:03/09/16 21:32
てつがくてき・てーまそんぐ、か
22 :
考える名無しさん:03/09/16 21:33
哲板音頭♪
23 :
考える名無しさん:03/09/16 21:37
その時、足に画鋲が刺さった。
25 :
◆naHkxE64D. :03/09/16 21:38
曲名はどれがいいですか?
テ・ツ・ガ・ク LOVE
クルっちゃった
カントが街にやってきた
「痛てーっ!」――涙が出た。なんで俺がこんな目に。。。
しかし、次の瞬間 男は悟った――
哲学的思考――ああ俺は今まで世界を捕らえてきたと思ったのに、
画鋲1つで、そのすべてを忘れてしまうような男だったのか!
そんな柔な思想だったのか!!ああ……ああ……
男は泣き崩れた。その拍子に画鋲の入った箱を倒してしまい、
男のその上に尻餅をついた。
27 :
考える名無しさん:03/09/16 21:44
28 :
考える名無しさん:03/09/16 21:45
>>25 そーね。わたくしは ひとつめか、みっつめがいいとおもいまふ
29 :
ダダダっダダっダーラー♪:03/09/16 21:54
またCM
1は物語とはいったがテレビでやるとはいってないぞ。
31 :
考える名無しさん:03/09/16 21:58
>>25 個人的には
アグネアのケイオス
〜そして新たな世界へ〜
みたいにサブタイトル付きの意味不明なものがよいです。
32 :
考える名無しさん:03/09/16 21:59
"らぢおどらま"ですか?
33 :
考える名無しさん:03/09/16 22:01
>>30 醤油戦士キッコーマンだって主題歌があるじゃないか!
34 :
考える名無しさん:03/09/16 22:02
思い出せないこと自体が思い出せない。
何を思い出せばよいのか思い出せない。
混乱
35 :
(メフィストフェーレス、あらわる):03/09/16 22:09
ふふふ。君はなにをそんなに悩んでるのかね?
この世で本当の自分を知っている者なんか、だぁ〜れもいないじゃないか
ましてや人間てのは、一番タチが悪いよ。
自分の愚かさを微塵も知らぬまま、破壊・破戒の限りだからね
ところで君が旦那様かい――?
魔の画鋲をお尻で踏んで、私を呼び出したのは……
36 :
考える名無しさん:03/09/16 22:17
37 :
考える名無しさん:03/09/16 22:27
以降、物語と関係ない内容のレスは{}をつけて書こう。
そして俺は和歌山で彼女と出会ったんだ
{みかんの木の下で彼女を見つけて駆け寄ろうとしたら
鳥よけのネットに引っかかって転んでしまった
ネットの存在を否定なんてしてみたけど無駄だったよ
なぜネットをすり抜けられないのかわからないんだ}
{
>>39 人はそれにより精神と現実の距離を知る。}
良スレ!
42 :
考える名無しさん:03/09/17 00:48
わぁ〜っ!42は見ちゃぁダメョ〜!!
44 :
考える名無しさん:03/09/17 00:55
もうおこった象 ・U どかーん
45 :
ダダダっダダっダーラー♪:03/09/17 01:37
とことんCM
これは小説という事にしよう。
47 :
あ、じゃぁCMなしね:03/09/17 01:52
そゆことで。。。
48 :
考える名無しさん:03/09/17 02:30
42のURLは、アブナイョ〜!見るなァ〜〜〜 !!
50 :
考える名無しさん:03/09/17 02:34
あぁぁ見ちゃったのね。。。こういうのって、も〜やめよーヨぉ。。。
52 :
考える名無しさん:03/09/17 02:42
ごめんって書いたのお前か!?
あほかお前は!!
ねー、何なの?
そのとき、宇宙は膨張を停止し、収縮を始めた。
時間が逆行していく。
>>48が真実を知ることはなかった。
56 :
考える名無しさん:03/09/17 02:59
だってお前の名前が謝ってるだろ!誰だってお前が書いたと思うわ。
教えてよ。なんか高橋クリニックって書いてあるし疾患ってことはちんちんの
画像かな?
……あ、や、私のレスがキッカケで見ちゃったのかな〜って。。。
まぁ……ンじゃ、以後お互い気ィつけましょーね★
(誰か、本題に入らんかなぁ〜……^.^;)
60 :
考える名無しさん:03/09/17 03:06
頼むよ。教えてくれよ。
教えてくれたらスレタイに沿う物語を作るからさー。
>>60 あの……その、見ないほうがイイ、、、んじゃないかな〜(汗)
気持ち良く寝たいでしょ? 悪い事 言わないれすから……ね??
63 :
考える名無しさん:03/09/17 03:12
>>61 いや、見ろ!!
お前だけが逃れようとしてもそうはいかん!!
そんなこと言うなよー。
あんた何歳だよ?俺なんてまだ大学生だから怖いもんは怖いんだよ。
教えてよー。蓮の画像でびびりまくってからは慎重に生きてるんだ。
65 :
考える名無しさん:03/09/17 03:20
>>64 いやそんなにきついものじゃないよ?てか蓮の画像てなんだ?
66 :
考える名無しさん:03/09/17 03:20
予想外のストーリー展開だな
67 :
考える名無しさん:03/09/17 03:21
ちんちんに極近い空間に起こるまんこ的変性過程のノーマライズに関する
差延の大地溝帯だな。
68 :
考える名無しさん:03/09/17 03:22
蓮父スレは、まだ埋まっているのか?とっくに消えたか?
69 :
考える名無しさん:03/09/17 03:23
どうでもいいけど、こないだ見た「仮面ライダーファイズ」に「北崎君」とかいうのがいて、
その口調と64の口調似てるぞ。
「なにがそんなにたのしいの?おしえてよー。」とかいってた。
>>65 蓮って知らない?いつだったかなぁ。今年の6月だか7月だかのはじめに流行った画像。
おっぱいに、蓮の種が蓮自身から出てくる画像をコラージュしたの。
なんか見た人の中にはストレス性の発疹を出した人もいたらしい。
だから俺は画像見ない。怖い。
もう寝る。
71 :
考える名無しさん:03/09/17 03:31
72 :
考える名無しさん:03/09/17 03:35
「まんこ的変性過程」を哲学的に説明してくれ。
73 :
考える名無しさん:03/09/17 03:50
やったあと、洗わずにいると
74 :
考える名無しさん:03/09/17 03:54
少しずつ溜るわけだな
75 :
考える名無しさん:03/09/17 03:54
キノコが生えてきた。それを夕飯のみそ汁に入れてみると
76 :
考える名無しさん:03/09/17 03:54
そうそう
77 :
考える名無しさん:03/09/17 03:57
いや、入れてはいかん。大事にほっかむりさせてとっておくのだ。
78 :
考える名無しさん:03/09/17 03:59
実は、フォッサマグナではない・・・
79 :
考える名無しさん:03/09/17 04:01
大恥垢帯になるという(怖
可哀想なスレだなぁ
何をおっしゃる。たった数枚の画像から、実に意義深い、哲学的物語が生まれたのだ!!
82 :
考える名無しさん:03/09/17 04:11
話題の差延も入っているし
83 :
考える名無しさん:03/09/17 04:13
ちょっと、酢烏賊臭いが
ウォーターメロン?
85 :
考える名無しさん:03/09/17 04:20
酸化した生烏賊
86 :
考える名無しさん:03/09/17 04:22
γ /ヽ ヘ ヽ ヽ
(o )' / ヽ ヽ(o )
/ / / // /| || | |ヽ | ヽ
| | | | | / | | | | | ヽ | |
| | | | | | / | | | | | | | | |
W|_| |. V V_ V V _ V V| || |
| |' /T ̄Т Т ̄Tヽ| | | 〜 v
| | |____ノ , ヽ_| | | || / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ν | | //// //// | ノ | <おまえ等まとめて逝ってよし!!
| \ > ワ ν | | \_____
ゝ \ /| | ノ |
V W _ト ___ イ_ |ノ /v
/ ̄ ̄ ̄ | |  ̄ ̄ ̄ ヽ
| |
.| \ / |
87 :
考える名無しさん:03/09/17 04:27
賞讃のお言葉いたみいります。
88 :
考える名無しさん:03/09/17 19:32
さ!気を取り直して、、、どうせ学問にあらずなんてあきらめる前に
誰か この美しくも深遠な物語を紡ぎ、
すばらしい運命の世界と、ロマンの旅へ連れてってください。
支配人に芸人に観客、役者はすべてそろっております。。。
さぁ、あとはご自由に、、、ではっ!!
89 :
考える名無しさん:03/09/17 19:34
(たぶん物語としての連関性が見出せるのは、
>>1-40 の間のみ。続きはその辺から……)
{精神と身体はどうつながっているんだろうか?
精神が身体を動かすのかな?
それとも身体が動くのを精神が感じているのかな?
いやいや、全く関わりがないかもしれない
なんて考えながらフラフラ歩いていると…}
91 :
考える名無しさん:03/09/17 20:29
ん !?(目をこすりながら)……あれは、、、デカルト、、、
そう!教科書で見た、デカルトそっくりだぞ !! なんだいありゃぁ。。
92 :
メフィストフェーレス:03/09/17 20:46
誰がルネ・デカルトだって?あんなヤツ等とは、一緒にされたくはないね。
いまのこの顔は、この世界にあわせて作っただけさ。
たまたま最初に、この俺と会ったのが、ヤツだっただけさ。
まぁちょいと彼には、智慧をやったがね。
なぁ〜に、人間に俺たちの世界から遠のいてもらいたかっただけなのさ。
……ところでお前なんだな?麻倉武 !! この俺を魔界から呼び出したのは。。
1つだけ願いを叶えてやるぞ。何だ、言ってみろ。
この世界か?この世界の真理か?人間の行き着く果ての街か?それとも自分の正体とやらをか?
さぁ、遠慮はいらん。言うが良い。。。
(ふふふ、それにしても、困惑した人間を見るほど楽しい事はないな。これぞ役得、目の保養ってもんだ)
93 :
考える名無しさん:03/09/17 20:47
武は言った
「結婚してください」
「月に手取り、いくらあんの ? 」
「吉野屋でかっぱらった紅ショウガを売って暮らしています」
「それでいいよ結婚してあげる、ただし次の質問に答えられたらね」
97 :
メ(ryさん:03/09/17 22:58
あなたはだれ?
98 :
考える名無しさん:03/09/17 23:22
雨は一層激しさを増した・・・
「俺、俺は・・・」また、頭が激しく痛んだ。
100 :
考える名無しさん:03/09/17 23:28
「歩こうか?」タケシはそういうと、そっと彼女の肩を抱いた。
101 :
考える名無しさん:03/09/17 23:29
頭痛薬飲めよ>(・∀・)つミ∴
彼女はこんなどしゃぶりの中を歩こうと言う武の神経を疑った。
「どこへ行こうっての? ぬれちゃうじゃない!」
103 :
考える名無しさん:03/09/17 23:35
「俺なんてちっぽけな石ころみたいなもんさ」そういいつつタケシは
空き缶を蹴った。空き缶はカラカラと乾いた音を立てて排水溝に転がり込んだ。
「ねぇ」甘えるように体をあずけながら美里は言った。
「すぐそばにマツモトタケシがあるんだよ。すぐそこだ」と武。
105 :
考える名無しさん:03/09/17 23:40
「店長やってるけどヤトワレだし共稼ぎじゃないとやってけないさ」
タケシは降りしきる雨に向かって大きく唾を吐いた。
106 :
考える名無しさん:03/09/17 23:43
どこが哲学的なんだ?
107 :
考える名無しさん:03/09/17 23:46
美里はだしぬけに「不条理って知ってる?」と訊いた。
タケシはほとんど驚愕せんばかりであった。というのも彼の
卒論のテーマが「カミュ論」だったからだ。
おお!いきなりの展開に驚く観客。
109 :
考える名無しさん:03/09/17 23:56
タケシはとぼけた様子で「難しいこと知ってるんだね」と言いつつ
美里の白いうなじに目を走らせた。
110 :
考える名無しさん:03/09/18 00:06
タケシの脳裏に「関係のエロス」などという言葉がよぎったが、この場合
何の意味も持たなかった。
美里は「アイスクリーム食べよ」といった。
「シーシュポスの神話」って本、よんだの。と美里。
112 :
考える名無しさん:03/09/18 00:16
タケシは遠い空を見るような目つきになると「アア、そんな本もあったな」
と、ぶっきらぼうに答えた。
「怒ったの?」美里は表情を曇らせた。
113 :
考える名無しさん:03/09/18 10:10
「いや、怒ってない」
あいかわらずタケシは虚ろな目をしている
「じゃあなんなの」逆に美里が怒ったような口調になる
「時間と空間というアプリオリによって
この世界という現象をみている」
タケシは何かに憑かれたような声で話し始めた
114 :
考える名無しさん:03/09/18 11:09
美里は商品の交換価値を表現したに過ぎない500円玉を握りしめていた。
雨は容赦なく二人の頬を打った。
タケシは言った。「そのカネがカネだと見えるのはフェティシズムに陥っているんだ。」
「さあ、二人の直観で500円玉の本質をはっきりさせよう」
街は夕闇に包まれつつあった。
115 :
Sophia ◆8ADoZCl6.k :03/09/18 11:10
「でもその世界という現象を見ているという事は
アポステリオリな対象を想定して見ているって事じゃない?」
と美里は優しくさとすような口ぶりでなだめてみた。
そして、「今、私たちが共有しているこの世界がたとえ夢であっても
確実な現実だとしても、この世界にいる以上はそう見たものがそう写る
だけでしょ?」
と美里はためしに言ってみた。「じゃ、ためしにこの世界は素晴しい
!!」ってみてもいいんじゃないの?
116 :
Sophia ◆8ADoZCl6.k :03/09/18 11:14
美里は冗談で言ってみた。
「その5百円玉はこの世界で5百円の価値として扱われている物全て
と交換できるの。。。だから私はいっぱい欲しい」
117 :
考える名無しさん:03/09/18 11:23
「スバラシイ〜〜」タケシは怒鳴ってみた。
美里はつられて口を開けて笑った。
遠い雲間にわずかな夕日の名残りが赤く輝いていた。
118 :
考える名無しさん:03/09/18 11:34
今、ここに二人でこうして居る。それだけは疑い様の無い真実であった。
たとえ明日という日が来なくとも・・・
119 :
Sophia ◆8ADoZCl6.k :03/09/18 11:37
そして笑い転げた後、美里は赤く輝く夕日の名残を
まだ消えきってないうちにその光を否定するように点く
古くなってちかちかする街灯と今のタケシの面差しを
重ね合わせて何かノスタルジックなものを感じるのであった。
120 :
Sophia ◆8ADoZCl6.k :03/09/18 11:51
そんな美里の感傷にまるで「そんな感傷には同調しないぞ!」とでも
言わんばかりにさきさきとあたかも独りで歩いているようなタケシの
背中をみて、美里はその状況すらも自分とタケシの観念的な関係の
一部なのだと、すこし華奢な心持になった。
121 :
考える名無しさん:03/09/18 11:53
「宇宙の本体は希望なんだ。」ポツリとタケシは言った。
続けて美里が言った「そして、この世界は考え得る最善の世界てね!」
122 :
考える名無しさん:03/09/18 21:26
ハッピーエンド??
123 :
考える名無しさん:03/09/19 21:49
うっ・・・
全身を走る激痛に俺は目を覚ました。
・・・俺は・・・俺はどこにいるんだ?
・・・美里は?
辺りを見渡したが、誰もいない。
いや、正確に言うと何も無い。
前にもこんなことがあったように思えた。
暫しの沈黙の後・・・
・・・俺は右手に種を握り締めているのに気が付いた。
124 :
考える名無しさん:03/09/19 22:45
なんだ?この種は。
まさか・・・
俺はいそいで光を探した。
数歩離れたところに一筋の光がさしこんでいた。
俺はその光にその種をかざした。
するとその種は、その身から妙なる音楽を奏でだした。
間違いない。
これは知恵の種だ。
125 :
考える名無しさん:03/09/19 22:53
それはニュートンの錬金術の著書に出てくる「智恵のリンゴ」の種
だったのだ。旧約聖書にも出ているし、ニュートンが万有引力を発見したのも
この「智恵のリンゴ」のおかげだったのだった。
「智恵のリンゴ」からすべての罪が生まれた
この悪夢が始まった、あらゆる苦しみが創り出された
悲しみがそこからあふれた、それが「智恵のリンゴ」
そう、「智恵のリンゴ」とは「パンドラの箱」だったのだ!
今、俺はその種を持っている…
それが一体なにを意味しているか俺には理解できなかった
正確にはパンドラの壷です。
知ってるけど、箱のほうが通りがいいので…
129 :
考える名無しさん:03/09/20 17:33
「なにがあったの?どうして泣いているの?」
130 :
考える名無しさん:03/09/20 20:25
振り返るとそこには女性が立っていた。
髪は長い銀髪で、腰の辺りで一つに束ねてある。
服は古代ギリシア風の服を着ている。
俺は以前・・・遥か昔に彼女に合ったことがある気がした。
131 :
メフィストフェーレス:03/09/20 21:56
ふん、どうやら己の出る幕は無さそうだな
この板には、もはや中世を知る者がいない。
さっさと帰って、明日の『サザエさん』のジャンケンの手でも
決めておくか―― (霧とともに消える)
132 :
考える名無しさん:03/09/20 22:44
どうでもいいが、タケシゆうな。「威」だ。
ジャイアンじゃあるまいし。
133 :
考える名無しさん:03/10/07 03:22
134 :
考える名無しさん:03/10/07 04:33
ふと気付いた。
「
>>1は束の間の郷愁に溺れ、かつていた世界へと旅立っていったのだ」
_____________________
題一章 つかの間のアナムネーシス 終了
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
136 :
考える名無しさん:03/11/15 15:00
_____________
題二章 異界からの接触者
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺は闇の中に立っていた
目の前にはメフィストフェレスがいた
奴はこう言った
↓
137 :
考える名無しさん:03/11/15 15:15
「力が欲しいか?ならばくれてやる」
・・・
気が付くと私は家に居た。
私は何の変哲も無い日常に戻って来たのだった。
奴から与えられた力を除けば…
翌朝、妻に見送られて私はいつも通りに出勤した。
私は会社に着くまでいつも通りに満員電車にゆられている…はずだった。
139 :
考える名無しさん:03/11/15 22:25
あ、あたらしいとこだ。どなたか、スレ値をおしえてください。
突然後ろから話し掛けられた。
振り返ってみると、キャラもののTシャツ、バンダナ、そして汗ばんだキモい顔が目に入った。
そこには社会に姿を晒すこと自体が犯罪に思えるようなキモオタがいた。
ウフフフ。
時代がようやく僕達に追いついてきたよーえー
秋葉原はさー
常に世界の最先端なんですよー
日本が次に進むべき方向なんですよー
電化製品が来て
携帯電話が来て
次は、次はーえへへへへー
143 :
考える名無しさん:03/11/21 01:23
気が付けば、そこは男のカップルしか存在しない世界だった――
144 :
考える名無しさん:03/11/21 01:25
人間とは何か――
合成樹脂の人形が、物言いたげにこちらを見つめていた。
145 :
考える名無しさん:03/11/21 02:03
「人間トハナンテ、リコテキナイキモノナノダロウ」
人形のようなモノはそう言ったのだ。だがその言葉は
私との隔たりを超えること無かった。
それを樹脂としか見ることの出来ない日曜の午後、少し
咽び鳴いた。
146 :
考える名無しさん:03/11/21 02:16
帰りの電車で、自由がひしめき合っていた。
お互いの思想が、彼らをおのおの遠ざけた。
歩ける距離も、いつしか世界より遠かった。
「ま、人間なんて小っせえ生き物だからなぁ」
と、パンタグラフから降りた猫は、人形に言った。
「俺たちの実存なんて、初ッから無いも同然なんだろうぜ」
148 :
考える名無しさん:03/11/21 02:36
それでも秤に懸けられた奇形児の双子の気分だった。
僕はどんなものだってこの両手で持ちあげらると慢心していたのか。
「お前を燃やしたらどんなに軽くなることか!」
149 :
考える名無しさん:03/11/21 11:52
しかし、と私は思い直す。
「帰らなければならない」
電車は私を運んでゆく。
「今日の朝、私は妻に見送られ、『会社』に出勤した……」
私は呟いた。
「『会社』……とは何だ? 私はどこから帰ってきたのだろう。
――思い出せない」
150 :
考える名無しさん:03/11/21 12:01
私は歩いた。
白々と光る公園の木漏れ陽を
冴え渡る空と汚れた空気の間を
小一時間ばかり立ったろうか
せわしない表通りを離れ、
辿り着いた場所。それは――
歯医者だった。
私は己の愚かさを呪った。
151 :
考える名無しさん:03/11/21 12:06
歯医者。
幾らなんでも「会社」との響きの違いは解っていた。
何故だろう......語呂?
馬鹿な!そうだとしたら、ああ俺ってやつは
何と言語的な生き物なのだろう!!
目から大粒の涙がこぼれた......次の瞬間!!
152 :
考える名無しさん:03/11/21 12:31
ドゴォッ。
ぶつかられた。
角から飛び出してきたのは女子高生だった。
「あっ、ごめんなさい。大丈夫ですか!?」
眼に涙を浮かべている私をみて
彼女は慌てたようだった。涙の向こうの彼女は
トーストを加えていた。
「なぜトーストを……?」
「朝はいつもトーストなんです」
「もう夕方じゃないか」
「夕方が朝なんです」
「バカ言っちゃいけないよ、夕方は朝ならざるもの、
朝は夕方ならざるものだろう。矛盾してるよ」
「でも、対立物は相互浸透するんですよ」
153 :
考える名無しさん:03/11/21 12:42
「相互浸透だって? 君は単にふたつのものを
ごっちゃにしているだけじゃないか。今は夕方であり、
朝じゃないよ」
「言い切りますね」
「当たり前だ」
「でもほら、聞こえませんか?」
クックドゥルドゥー!
一番鶏の声だ。
「いつのまに!?」
もう朝になったというのか。
「人間は誤謬から逃れられないですから、
夕方が夕方のままだと思うのも
しょうがないですよ。次からちゃんと
認識すればいいんだし――」
茫然とする私。
「あ、もうこんな時間。遅刻しちゃうから私、
行きますね。さようなら」
彼女は走っていった。
######
「うまくだませたわ、はいこれ」
彼女は駐車場の車の陰に隠れていたニ酉女史に
フライドチキンを渡した。
「にわとりの鳴き声なんて簡単よ」
「男ってバカよね。ステロタイプ丸出しで」
「ほんとよねえ」
彼女たちはけらけらと笑った。
154 :
考える名無しさん:03/11/21 13:31
良い感じで......Fin !?
155 :
考える名無しさん:03/11/21 16:18
「とにかく、帰らなければ」
人間には家が必要だ。
すべてが疑わしくなったとき、そこに
帰っていけるような家が。
「”気楽な我が家こそ最良の家!”ってやつだ……」
妻は朝帰りを許してくれるだろうか。
私はタクシーで帰宅した。
運転手はいやに無口だった。
世の中には大事なこととそうでないことがある。
運転手がスベスベマンジュウガニだったかどうかは
大事ではないことだ。
「そして妻の機嫌が在りかは大事なことに他ならない」
彼はそう唱えながら自宅のドアを開けた。
「遅かったのね」
おそらく窓から帰宅するのを見ていたのだろう、
妻は玄関に立って待っていた。
「うん、竹田君にまた議論をふっかけられてね……」
「連絡くらい入れといてよね。どうせ”圏外”で呑んでたんでしょ」
「そ、そうなんだけど……。ところで今何時かな」
「呆れた。もうウシミツドキよ、あなたがいつも楽しみに
してる深夜番組があるからあたしも待ってたのに……。
ねえ聞いてるの、わたしちょっと本気で心配しちゃ……ん!」
語ることができなければ、沈黙せずにはいられない。
沈黙のあとでも神へと手を伸ばしていくか、
それとも動物化していくか、それは人による。
「だめよ……いやぁ……あ、」
あなたっていつもこればっかり、と言いたかったのだろうか。
明日が土曜で助かった。
「相互浸透だって? 君は単にふたつのものを
ごっちゃにしているだけじゃないか。今は夕方であり、
朝じゃないよ」
「言い切りますね」
「当たり前だ」
「でもほら、聞こえませんか?」
彼女は慌てたようだった。涙の向こうの彼女は
トーストを加えていた。
「なぜトーストを……?」
「朝はいつもトーストなんです」
「もう夕方じゃないか」
「夕方が朝なんです」
私は歩いた。
白々と光る公園の木漏れ陽を
冴え渡る空と汚れた空気の間を
小一時間ばかり立ったろうか
「人間トハナンテ、リコテキナイキモノナノダロウ」
人形のようなモノはそう言ったのだ。だがその言葉は
私との隔たりを超えること無かった。
それを樹脂としか見ることの出来ない日曜の午後、少し
咽び鳴いた。
歯医者だった。
私は己の愚かさを呪った。
「いつのまに!?」
もう朝になったというのか。
「人間は誤謬から逃れられないですから、
夕方が夕方のままだと思うのも
しょうがないですよ。次からちゃんと
認識すればいいんだし――」
茫然とする私。
「あ、もうこんな時間。遅刻しちゃうから私、
行きますね。さようなら」
彼女は走っていった。
--- THE END ---
161 :
考える名無しさん:03/11/21 17:00
変な夢だった。もっとも夢とは変なものであり、それで
正常なのだ。夢というのは奇妙奇天烈なものだが
結局は現実の切り貼りに過ぎない。私にとって夢と
現実のさかいは曖昧だ。だからといってまず混同したりは
しない。大方の人間と同じだろう。起きたら妻が隣で寝ていた。
それで十分リアリティは保たれる。
昨晩はなんだかんだで別の意味で
「お厚く」なってしまったな、などと少しくだらないことを
考え、苦笑し、また反省した。そういえば
昨夜のあの番組のテーマは『ディーツゲン』か……。
知らない名だな、後で調べておこう。
私は新聞をおいた。
162 :
考える名無しさん:03/11/21 17:03
地域によっては日が遅れて放送されることもあるからNE.
163 :
考える名無しさん:03/11/21 17:15
「ねえ、今日は二人で映画観に行くんでしょ」
「え、あ、ああ、そうだったな」
私はアプリオリにスケジュール帳を備え付けているわけではない。
だが、頭のなかが空っぽとはどういうわけなのか。
「何の映画だったっけ?」
「あなたから観ようって言ってきたんじゃないの。
え〜と、『マイスター・エックハルト』とか言ったっけ」
「中世の哲学者の伝記映画……だね」
「そうよ……あーほんとにあなたって何でも忘れるのね」
164 :
考える名無しさん:03/11/21 17:23
そしてぼくは彼女の目の前でうんこを頬張った
165 :
考える名無しさん:03/11/21 17:34
彼女はしばらく驚いた様子だったが、涙を流し、
おいらを抱擁してくれた――
(まったく、人称の統一くらいしろよな)
「私」は妻が運転するキャデラックの助手席で
学生時代に窪田の家で見たE級スカトロビデオの粗雑さを
思い出して文句をつけていた。
つまらないことばかり思い出すものだ。
それでいてレゾンデートルは常に忘れられている。
もっともそんなものがすでにあればの話だが。
針のむしろ・・・そんな形容が頭をよぎる
こんな家からは出てゆきたい
そわそわ、落ち着かない、unheimlich
私は現存在をやめることにした
・・・私は時間の外側を目指した
167 :
考える名無しさん:03/11/21 17:52
頭がぐるぐるしている。私は思った。
私の感覚に立ち現れる様々な表象のうち、どれが
現実の基礎として据えられるべきなのであろうか。
「病気だな、」
自嘲した。
「普通は現実に起こった出来事と回想や夢とは区別が
つくものらしいからな……」
雑駁な純粋経験の中から何を真実としてみていけばいいのだろう。
コンテクストの一貫性が真理を保証するというのか。
168 :
考える名無しさん:03/11/21 17:59
静かな風に揺らされる、目の前の一面の花々。白と緑、そして空の青。
視界に納まらないのが悔しかった。全てを一度に焼き付けておきたかった。君は俺の足元に寝転んでいる。
しゃがみこんで、すでに冷たくなっているその頬を撫でた。君はもう動かない。肌には僅かな抵抗も感じられない。それでも君は美しい。
静かにキスをした。君の唇を染めている乾いた血を拭うように。
腐らなければいいのに。
そう思った。俺もずっとここにいたい。君の横に。だからそのままでいて欲しい。
世界で一番時間の停まっているところに俺たちはいる。でもこの時間にはいつか終わりがくる。
宇宙に行けばよかった。星空に浮かぶ透明な棺の中で、二人でキスをするんだ。いつまでも、絶対零度の空間で。
ふいに、強い風が髪を乱した。
唇を離した。おしまいだ、と思った。二人の時間はここまでだ。花の香り、雲の流れ、そして俺と君。
この世界は所詮生きている。
ざわざわと騒ぐ花たちが、勝ち誇ったように笑っているように思えた。
横たわるものに別れを告げた。俺は立ち上がり、憎らしい風の中を歩き始めた。
169 :
考える名無しさん:03/11/22 02:28
あれはなんだ
あれはいしころだ
近くによってみよう
やはりこれはいしころだ
いや、おれは何かを勘違いしている
おれはいしころを見ている
そう思う
しかし、実はいしころ以外の世界を見ているからいしころが見えるのではないか
いや、そうでもない
むしろおれがいしころなのだ
おれはいしころなのだ
おれはいしころなのだ
おれはいしころなのだ
170 :
考える名無しさん:03/11/22 02:33
違う。おまえは焼きイモだ。
おまえはおいしいおいしい焼きイモだ。
ほっかほっかのあま〜いあま〜い焼きイモだ。
おまえは食べごろの誰もが食べたがる焼きイモなのだ・・・。
じぶんを偽ってはいけない・・。
171 :
考える名無しさん:03/11/22 02:34
そうだ、いしころが俺なのだ!
172 :
考える名無しさん:03/11/22 02:34
わかるな?
「悟性的にはね」とあいつは言った。
しかしこの屋台はどう見てもおでん屋だった。
そして雷門の椀には豚汁が注がれた。
おかしいのはこの世界か。
あるいは俺自身なのか。
また自分を見失ってしまいそうだった。
174 :
考える名無しさん:03/11/22 04:06
おかしいのは子供子供こども子供コドモこども子供子供こどもです
175 :
考える名無しさん:03/11/22 04:18
おかしいのは、自分が焼きイモであることをあくまで否認し
続ける君のストレス後外傷体験だ!
176 :
考える名無しさん:03/11/22 23:17
その瞬間、私の本質は焼きイモであった
177 :
考える名無しさん:03/11/22 23:32
私はここにいる
しかし、私のほかに
このスレを読んでいるもの
このスレに書き込んでいるものどもは
はたして存在しているのだろうか
ひろゆきが私を騙そうとしているのではないか
178 :
マトリックス・ひろゆき:03/11/22 23:39
ヨクキヅイタナ
179 :
考える名無しさん:03/11/22 23:40
ひろゆきは死んだ。
180 :
考える名無しさん:03/11/23 18:33
神は死んだ。
神話も崩れた。
だからマトリックスが現れた。
物語とは……
181 :
考える名無しさん:03/11/23 22:21
私は、とある男性器である。
名前はまだない。
183 :
考える名無しさん:03/11/23 22:38
チンポ・シャブリアーノ
184 :
考える名無しさん:03/11/23 22:40
生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ。
そんなことより、貸した金、返せ
186 :
考える名無しさん:03/11/23 22:51
いくらだ?年利は?
トイチ ( 複利 )
188 :
考える名無しさん:03/11/27 07:05
朝焼けを見ながら考えた。
ぼくはどうしてこんな風に、未だわめいているのかと。
君はぼくより先にそちらに行ってしまった。
ぼくはそれを羨ましくも思うけれど、結局今のところここに居残っている。
ここはどこだろう。
ぼくにはわからない。朝焼けの空がすべての色を奪っている。
ぼくとコンクリートの壁と自動販売機が一つに溶けている。
道路にはだれもいない。ひょっとして、ぼくはここに生き残った最後の人間なのか。
空がやけに広いんだ。
ぼくは歌った。ぼくの声を風がさらい、それは前に広がっていった。
結局、すべてのぼくの言葉はこういうことだ。
君が見たら笑うだろう。
189 :
考える名無しさん:03/11/27 07:21
部屋の真ん中に黄色いおばけがずっといるんだ。
邪魔だからどけようと触ったら、電気が走った。
私は感電が何よりも恐いから、仕方なくそのままにしておいたよ。
おばけは何もしないし話もしない。
試しにキャンディーをあげたことがあるけれど、何の反応もなかった。
でも見ていると、たまに色が少しずつ変わるんだ。
ゆっくりオレンジになって、赤、ピンクへと変わる。
もしかしてこれは彼の言葉なのかもしれない。まったく意味はわからないけれど。
最近、それをなんとか理解しようとすることばかり考えている。
ずっとこちら側を見ていた。
何か望むことでもあるのかい?
そうやって問いかけても相変わらず同じ反応。
仕方なく最近覚えた簡単な料理を作り、そして悪くない気分で
夕食を迎えた。
191 :
考える名無しさん:03/11/28 00:01
一つの感銘にじっくり向き合うのは無駄なことじゃない。
それが君のなかで太陽よりもよくできた灯りになるならね。
どうもありがとう。
192 :
考える名無しさん:03/11/29 01:45
気がつけば
太陽は西からのぼっていた
西日が部屋の床に反射して
私は全ての連鎖を、ほんの一瞬だけとびこえられる気がしていた。
フローリングの床を撫でるように、風は暖かい部屋の中を通り抜けた。
「できたよ、こっちにおいで」
家族からの緩やかな導きは、
すでに日が落ちていた外の世界とのあいだに、
新たに灯がともった、空間の中に対の姿となってあらわれていた。
あの人はいたずら好きな人らしくて、
どこからかパーティー用の道具のような代物を仕入れてきていた。
彼はよくいっていた。
現在のところ、自分のやっている事は世の中にとてもではないが、
活用できるようなものじゃないから、
その為にはもっとこの場所でいま見えてるような、気体のようなものなのだけど、
大事なものをどうやって削らないでおくかなんだよと。
私は問題に答えられる自信がないのは昔から分かっていた事だったのだけど、
大事なものを削らずに過ごすのは今迄はハードだと思っていたところだったから、
彼に申し訳ないけれど、破棄してしまった事を一言伝えておく事にしようと決めた。
真っ暗な闇の中で、赤い提灯の灯が点いた。
お馴染みの焼き芋の屋台では、二人の男がおでんをつつきながら談笑している。
どこからか、「人の望みの喜びよ」が流れてきた。
「社長なら、何だって出来るものだ
私も社長のような方のもとで働らけるのは感無量ですな」
「私の仕事は重要なものを動かす位置にある、私の腕次第でこの仕事は一変する」
「私だって分かってますよ」
提灯は青色に変わって点灯した後、再び暗闇の中に消える事になったのは、
深夜3時をまわった頃だった。
何度目か分からない激痛の所為で朦朧としたなかで浅倉威は目を覚ました。
こんな時に限っていつも見えてしまう、彼女のビジョンは何かとぼんやりと考えていたが、
・・・・いつの間にか、目の前に見知らぬ人影が立って居て、こっちを見つめていた。
さいしょのうちは医者かと思っていたが、次第にその姿が浮かび上がってきた。
約1時間、威はカミュと実存について話し合っていたのだが、
そのカミュの話す話題は過去、すでに知っていた人物像とは著しく違う者だった。
彼は今は音楽の方に関心が移り、もう文は書かないとまで、語った。
会話を続けていると、威は彼と話す事がもう苦痛でしかなくなっているとかんじていたが
「威君だったか?私の経験では・・・・だ、
人間、最後は諦めが肝心だという事に尽きるよ」
それを聞いてからはもう何も気にする事なく、彼の話を遮って殴る事でさえ抑える事はなかった。
思った通り、それはただの合成樹脂でできた偽者の人形だった。
「ジジジ・・・・ニンゲントハ・・・・」
「不条理って知ってる?」
少しだけ、不思議な雰囲気を思い出しそうになっていたが、掌の痛みによってじきにその事も忘れてしまう。
あの頃は、と言うのが陳腐な問い掛けだと思った。
世界の仕組みさえ分からないのに自分自身はあの頃からはもう確実に離れてしまっているのだろうし、
これからも離れてしまうのだろうか、もう過去には行けなくとも、あの雰囲気に着地する事はないのか、
「知恵の実食べたら、こんな煩わしい事考えなくて済むのか
いや、食べたから余計に悩まなきゃならないのか・・・・」
急に自分は本当は死ぬ覚悟があるのかどうか、混乱してきた。
その原因となっている目の前の人形は、さっきからトーストと繰り返し呟いているのだ。
この世界は、無意味でなければ一体何に依って生きているのだろう。
ドゴォッ。
ぶつかられた。
角から飛び出してきたのは女子高生だった。
「あっ、ごめんなさい。大丈夫ですか!?」
眼に涙を浮かべている私をみて、 彼女は慌てたようだった。
涙の向こうの彼女は、なぜかトーストをくわえていた。
「なぜトーストを……?」
「朝はいつもトーストなんです」
「もう夕方じゃないか」
「夕方が朝なんです」
「馬鹿言っちゃいけないよ、夕方は朝ならざるもの、
朝は夕方ならざるものだろう。矛盾してるよ」
「でも、対立物は相互浸透するんですよ」
「相互浸透だって? 君は単に二つのものを
ごっちゃにしているだけじゃないか。今は夕方であり、朝じゃないよ」
「言い切りますね」
「当たり前だ」
彼女はふう、といきをついてから、
「でも、ほら・・・・夕焼けだってきっと朝焼けとたいして変わらないものでしょう?」
「訳が分からないよ」
そう言った途端、彼女は笑い出しながら、
「いいんですよ、分からなくても、
あなたみたいな人の先入観を解く気はさらさらありませんから」
私は気分が悪くなってその場から立ち去る事になったのだった。
彼女と会う場合は、決まって海の近くの、高速道路の建設予定地だった。
しかも、そこで会える時間は早朝の薄暗さから、丁度、朝焼けが見られる時間帯に限られてた。
誰かが捨てていったらしき、花火の燃えクズを近くのコンビニの袋に詰めながら、
彼女はその瞬間だけ誰に対しても沈黙を要求して、強いているようだった。
それから、彼女は話をし始めた。
「あなたに私の大切なものをあげましょうか?」
そして、懐(ふところ)から、
『シジフォスの神話』、『合成樹脂の人形』、『歯科医の診察券』をとりだした。
この中から好きなものを与えてくれる、と宣言していたので、どれをとればいいのか迷っていたが、
結局はどれもいらない、とだけ言った。
彼女は小さく、そう、呟いてからふいに顔を近づけ、
力まかせに顔面にカミュを叩きつけて、また小さく、それあげる、とだけ言った。
夕方の五時「居酒屋みどり」で
八日この方、石ころ道を、歩き続けた僕の靴
すっかり破れてしまってた
シャルルロウへといま着いた
「居酒屋みどり」で僕はまず
トーストとハムを頼んだ、ハムはどうやら冷えていた
久々で僕は楽々、両脚を、テーブルの下にのばしたり、
壁紙の暢気(のんき)な模様を眺めたり
そこへあの、目もと涼しくやけに乳房のやけにでっかい別嬪(べっぴん)が
出てきたのだからすばらしい、
−−こいつ接吻くらいではビクともしない剛の者!−−
にこにこしながら、註文のトーストと冷えかけのハムを載せた
はでな絵皿を運んで来た、
刺すような大蒜(にんにく)の匂いまでする桃色と白のハム
それさえあるに念入りに、彼女はビールまで注いだ、
大ジョッキ、夕日を受けて金色に泡の立つこと
帰りの電車で、自由がひしめき合っていた。
それでも秤に懸けられた奇形児の双子の気分だった。
お互いの思想が、彼らをおのおの遠ざけた。
僕はどんなものだってこの両手で持ちあげらると慢心していたのか。
歩ける距離も、いつしか世界より遠かった。
「お前を燃やしたらどんなに軽くなることか!」
ふふふ。君はなにをそんなに悩んでるのかね?
この世で本当の自分を知っている者なんか、だぁ〜れもいないじゃないか
ましてや人間てのは、一番タチが悪いよ。
自分の愚かさを微塵も知らぬまま、破壊・破戒の限りだからね
ところで君が旦那様かい――?
世の中には大事なこととそうでないことがある。
「妻の機嫌が在りかは大事なことに他ならない」
彼はそう唱えながら自宅のドアを開けた。
「遅かったのね」
おそらく窓から帰宅するのを見ていたのだろう、妻は玄関に立って待っていた。
「うん、また残業をふっかけられてね……」
「連絡くらい入れといてよね。どうせ”圏外”で呑んでたんでしょ」
「そ、そうなんだけど……。ところで今何時かな」
「呆れた。もう丑三つ時よ、あなたがいつも楽しみに してる
深夜番組があるからあたしも待ってたのに、ねえ聞いてるの?
わたしちょっと本気で心配しちゃ……」
語ることができなければ、沈黙せずにはいられない。
沈黙のあとでも神へと手を伸ばしていくか、 それとも動物化するか・・・・それは人による。
「また、やってる・・・・・」
隣の新婚夫婦を横目で見つつ、会社へと続く道を走っていた。
私は歩いた。
白々と光る公園の木漏れ陽を、
冴え渡る空と汚れた空気の間を、
小一時間ばかり立ったろうか、
せわしない表通りを離れ、辿り着いた場所。それは――
いつもの場所だった、以前に比べてゴミが増えた?
コンビニの袋にそれを詰めて、ゴミ箱に捨てようとした、
「この辺りにゴミ箱はないぞ」
見れば、老人が海を背にして立っていた
「ところで・・・・・・」
1つだけ願いを叶えてやるぞ」
「・・・・・・・・」
「何だ、言ってみろ」
「この世界か、この世界の真理か?
人間の行き着く果ての街か、それとも自分の正体とやらをか?」
「さぁ、遠慮はいらん、言うが良い」
「・・・・・・・・私は」
あいつはこう言った
「力が欲しいか?ならばくれてやる」
・・・
私は何の変哲も無い日常に戻って来たのだった。
奴から与えられた力を除けば…
翌朝、いつも通りに出勤した
私は会社に着くまでいつも通りに満員電車にゆられている…はずだった
突然後ろから話し掛けられた
「ウフフフ、時代がようやく僕達に追いついてきたよーえー」
「秋葉原はさー、常に世界の最先端なんですよー
日本が次に進むべき方向なんですよー
電化製品が来て
携帯電話が来て
次は、次はーえへへへへー」
「次は、ケイオス?」
「おはようございまーす、キレイな夕日ですねー
リスナーの皆様、いかがお過ごしでしょうか?
「あの頃の懐かしいナンバーをお届けするラジオ番組
『らじおどらま』の時間がやってまいりました」
「それではまずは1曲目、
ラジオネーム『さんじゅういち』さんのリクエストで、
『アグネアのケイオス 〜そして新たな世界へ〜』です、どうぞ」
その後立て続けに、
『テ・ツ・ガ・ク LOVE』
『クルっちゃった』
『カントが街にやってきた』
『哲板音頭♪』
が流れた・・・・
「何だ!?この選曲は・・・・」
次々と流れる奇妙な音楽に、番組のセンスを疑った。
210 :
哲学的物語の"しおり"(本文とは関係有りません:03/12/17 01:44
すげぇ!!
誰か知らんが、途中からのカットアップが、誠にお見事!
本当にすごいよ。詩板の人かな?
密かに私はこのスレのファンだったりするので、
これからも楽しませてください。
「物語」の意味が、激しく非哲学的なんで萎え
全文読んだら、いいよ
ところどころ文章力が凄いよ!
多分に哲学的。
あと、それを順番変えて再構成した誰か。
数学的悟性があると見た!
でも哲学というより、カフカかな
文学だね
物語の意味が違うだろーが。文学板でヤレ
物語の意味を、物語以外で語る必要は無いですよ
と言うか、ニーチェが論文じゃないのと同じことですよ
哲学的思考の裏づけがあるならO.K.だと思います
許してください
216 :
双子の西兄弟:03/12/17 05:50
カントがニーチェに言った。「おまえら兄妹は近親相関関係だ」
ニーチェがカントに言った。「童貞のおまえよりマシだ」
217 :
考える名無しさん:03/12/17 07:34
我々は絶対的に
宇宙は何億年もの経験をしてきていて、
我々自体、生まれて数十年、
輪廻転生を信じるなら何十億年も歴史と時間を経験していると信じて疑わない。
だが実在は単にデータでありプログラミング可能なのだとしたらどうだろう?
実はプログラミングの始まりがほんの数分前、数秒前なのだとしても全くおかしくはないではないのだろうか。
実際ヨーガ理論では最小の時間の単位として”刹那”というものが定義されているらしい。
この一見リアリティーに溢れるかのような実在の世界は実はほんの一瞬の瞬きでしかないのだというのだ。
まさに実在とは狂気と紙一重である。
218 :
双子の西兄弟:03/12/17 07:44
消防士
夜更けに全裸になって、自室のベランダに立ち、階下の路上に
向かって放尿する。そんなことを丸四年続けてきたが、なぜか空
しい。確かに待ち行く娘どもの髪の色が金色に変わったのは私の
小便を浴びたせいに違いないが、それはこの物語の主題とはなり
えない。
思うに、包茎がまずいのだ。なるほど、私のチンポ子の先っち
ょときたら、まるで冠雪した尖峰のようなありさまだ。おかげで
咥えタバコで大便をしている最中にうっかりタバコを股間に落と
しても、大事な大事なチンポ子の先だけは火傷を免れるわけだ。
そこで、はたと気がついた。私のチンポ子は耐熱性。というこ
とは街中で火事が起きた時、真っ先に現場に駆けつけ、自らのチ
ンポ子から放水すれば、私は一躍、世界の救世主となるだろう。
そうだ、永遠にして絶対の消防士だ! 次の瞬間、私はライター
のオイル缶を片手に夜の街へ飛び出していた。
219 :
考える名無しさん:03/12/17 09:40
哲学的ショートショートになってきたな
220 :
双子の西兄弟:03/12/17 10:03
そうです。
「哲学者(カントとニーチェの対話)」は (相対主義)、
「消防士」は (知行合一)がそれぞれの作品のテーマです。
皆様、双子の西兄弟(長崎生まれ)の作品を100点満点で採点してください。
単純に全編通して読むのがしんどかっただけでは・・・とは言わずに、
点数ですか!?
う〜む。
>>216は50点。
>>218は−273.15点ですかね。
222 :
考える名無しさん:03/12/17 16:36
ワラタ
223 :
考える名無しさん:03/12/17 16:41
カントがニーチェに言った。「最高ですかー!!」
ニーチェがカントに言った。「定説です」
224 :
考える名無しさん:03/12/17 16:50
カントがニーチェに言った。「カントンですかー!!」
ニーチェがカントに言った。「昨日手術しました」
「ねえ、今日は二人で映画観に行くんでしょ」
「え・・・・ああ、そうだったな」
いつもスケジュール帳を備え付けているわけではない。
だが、頭のなかが空っぽとはどういう訳なのか。
「何の映画だったっけ?」
「あなたから観ようって言ってきたんじゃないの。
え〜と、有名な哲学者の伝記映画とか言ってたっけ?」
「…だね」
「そうよ・・・・・・あー・・・本当にあなたって何でも忘れるのね」
知らない間に見知らぬ女が居ついていた。
いつの間にかこうなっていた、年齢は分からない。
自然に受け入れられていた。
暗闇の中で彼女の顔を間近に見た。
それは・・・紛れもなく『彼女』だった。
彼女はしばらく驚いた様子だったが、涙を流し、
抱擁してくれた――
彼女の運転するキャデラックの助手席で
学生時代に友人の家で見た、ある洋画の粗雑さを思い出して文句をつけていた。
つまらないことばかり思い出すものだ、それでいてレゾンデートルは常に忘れられている。
静かな風に揺らされる、目の前の一面の花々。白と緑、そして空の青。
視界に納まらないのが悔しかった。
全てを一度に焼き付けておきたかった、君は俺の足元に寝転んでいる。
しゃがみこんで、すでに冷たくなっているその頬を撫でた・・・・君はもう動かない。
肌には僅かな抵抗も感じられない・・・それでも君は美しい。
静かにキスをした、君の唇を染めている乾いた血を拭うように。
腐らなければいいのに。
そう思った。
俺もずっとここにいたい、君の横に。
・・・・だからそのままでいて欲しい。
世界で一番時間の停まっているところに俺達はいる。
でも、この時間には何時か終わりが来る。
宇宙にでも行けばよかった?
星空に浮かぶ透明な棺の中で、二人でキスをする。
いつまでも、絶対な、零度の空間で。
ふいに、強い風が髪を乱した・・・・・
唇を離した、
―おしまいだ、と思った。
二人の時間はここまでだ。
花の香り、雲の流れ
―そして俺と君。
この世界は所詮生きている。
ざわざわと騒ぐ花たちが、勝ち誇ったように笑っているように思えた。
横たわるものに別れを告げた・・・
俺は立ち上がり、
憎らしい風の中を歩き始めた。
あれは何だ?
あれは石ころだ
近くに寄って見よう、やはりこれは石ころだ
何かを勘違いしている
私は石ころを見ている―そう思う
でも、実は石ころ以外の世界を見ているから石ころが見えるのではないか
いや、そうでもないむしろ私が石ころなのだ
私は石ころなのだ
私は石ころなのだ
私は石ころなのだ
「違う、お前は焼き芋だ。
お前は美味しい美味しい焼き芋だ」
「ほっかほっかの甘い甘い焼き芋だ」
「お前は食べ頃の誰もが食べたがる焼き芋なのだ
じぶんを偽ってはいけない」
「そうだ、いしころが俺なのだ」
「わかるな?」
「悟性的にはね」
とあいつは言った。
しかしこの屋台はどう見てもおでん屋だった。
そして雷門の椀には豚汁が注がれた。
おかしいのはこの世界か。
あるいは俺自身なのか。
また自分を見失ってしまいそうだった。
>>227-229 何事かと思った。
ぱっと見意図がよくわからないが、一部改変されているね。
その後の流れもコピペされてるが…。
ああごめん、168169ね。170は別人だ。
屋台に座る二人の男のなかで、1人の老人が語りかける。
「おかしいのは子供子供こども子供コドモこども子供子供こどもです」
老人は狂ったようにさらに声を荒げた。
「おかしいのは、自分が焼きイモであることをあくまで否認し続ける君のストレス後外傷体験だ」
その瞬間、私の本質は焼きイモであった
「俺、俺は・・・」
また、頭が激しく痛んだ。
「頭痛薬飲めよ」
医薬品を渡す老人の手はいつの間にか若返っていた。
「何せ社長の手前だ、お兄さんも主に挨拶するんだ」
「初めまして威君、私が威君のサポートを務めた社長です」
お互いに名刺交換。
「ふむ、君の本質は石かと思ったのに、焼き芋だったとは驚きだ
本当は弊社としましてはもっと力を授けてあげれば楽に生きられるかなんて
こいつとここで話し合って君の本性を何にしようかと熱心に意見交換してたりと・・・・
難しい話はここで終わり、威君にはもっとタフになってもらわないと
力を求めたのは正しい、生物的にも、理に適う選択だった」
「何だろう、社長はサポートなんて行ってないし、何も知らないのに
じゃあ、行く先は何か―とか、あるいは人類のこの先」
社長は青色にランプを点灯させてから
「そんな事とっくの昔から知ってるけど、教えてはやれない社長だから」
「じゃあいいよ」
屋台は待合室に成り果て、彼の配下がたまらないように変装してからこう言う
「次の方―」
「威君は弊社独自の調査によりますと、
不良品である疑いがありますね
螺子を一本と燃料一本ってとこだ」
「遠慮しときます」
性別が変化した社長はふう、と息をついて
「考えても見給え、威君が設定した機能を果たさないという事は
大事な役割を放棄しているならば、威君自身に価値はない
あるいは、威君が人生にこれだけの後悔を抱えるという事はすでに
威君が何か欠けている存在―不良品の証明だ」
「社長は何で、かけひきしようとしてる?」
「威君、口のきき方がなってない
社長にはもっと相応しい・・・・・」
交渉はもちろん決裂した。
どうやら交渉できる自由くらいはあるらしかった。
待合室に戻ると、置いてあった紅茶を配下に思い切り投げつけた。
社長が居た部屋では、配下の人との会話が聞こえる。
「だから、あんなものを読ますなと散々言っておいただろ
その所為で治らなくなっているだろうが」
帰ろう。
_____________________
題一章 つかの間のアナムネーシス 終了
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いったんCM
「ウォーターメロン」
施設から出てくると、車が待ち構えていた。
「・・・・雛・・・?」
ライトでフロントガラスの内側が見られなかったが、直ぐに誰か判明した。
帰り道、雛がDVDをかけてくれた。
よくある内容のものだった。
「シャブリアーノの登場でーす」
映像の中の観客席からは、悲鳴にも似た歓声があちこちから聞かれた。
一体、何をやったというのだろうか?
どこかで、聞いた事のある声かと思えば、
それはらじおどらまのパーソナリティーの声だった。
「これから最強のやつでいきまーす」
またもや、悲鳴のような歓声―嫌な予感がした。
咄嗟に眼を逸らし、危機を回避した。
「なあ、これどこで買った?」
「御老人に施設に呼ばれた時に、これでも見てなさいって渡されたの」
「捨てるぞ」
そう思った瞬間、不意にテロップが目に入った。
「制作・著作 株式会社東京アクセス&イレギュラーズアンドパートナーズ株式会社」
あそこか・・・・・
底知れぬヴァーチャルリアリティの世界。
永遠に続くかとまで思われる荘厳な音楽。
無機質なパターンの連続。
私はどこにいるのか……頭が痛くなった。
私は、外の空気を吸うために部屋を出た。
すこし歩いた。
街は幻想的なイルミネーション。
どこも彼処も、クリスマス一色である。
だが、「クリスマスそれ自体」は、どこにもなかった。
―― Merry Chiristmas !!
フセインのような男。
謎に包まれた色とりどりの箱を売っていた。
あのサンタクロースの赤は、コカコーラ社のイメージ戦略から産まれたのだ。
こないだ視たTVが、そう言っていた。
実体の無い、空騒ぎ。
始まる前から、こんな物は「後の祭り」なのだ。
「お兄さん、\5,000-ポッキリだよーいかがー??」
私は急に実存が恋しくなり、その店へと吸い込まれていった……。
そこにも居た―― 。
「威さんは喋るの得意じゃない・・・・?」
一種不思議な雰囲気で、彼女の胸元を見、そしてああやはりと、
剃刀の痕を見た。
そんな事を繰り返しても、決して彼女達はこっちに振り向きはしない、
何故なら、彼女は自由で奔放で、そして図々しいからだ。
彼女の人生の濁流に飲み込まれる一滴の自分だと思った。
君は決して愛してはくれない、おそらく好きなのはろくでもないいつもの男性像だから・・・・。
245 :
考える名無しさん:04/01/12 20:32
年が明けた。
世界は新たな物語を築けずにいる。
246 :
考える名無しさん:04/02/16 18:59
それぞれの物語がもはや多元的に共存しえなくなっていたのだ。
しかし哲学板のやつらは真面目にリレー小説を書くな。
248 :
考える名無しさん:04/02/29 17:14
恥ずかしがってるのかな
とそこに警官マニアが変装して現れた!
本官は本官だ
「警官って本っっ当にいい景観ですね!」
この警官マニア、もしや
彼女欲しさに古本屋に現れた超サイヤ人だった
超サイヤ人は乖離際に思いついた
「漏れは景観を愛していたんだ」と
そして古書店「未来永劫」をあとにした……
そして僕は、命を垣間見たんだ・・・。
夜の微かな薫りにひかれて
また人生という哲学の不明に嘆く・・・
TEST
有史以前から繰り返されてきた絶望の発見は
現代に至っても尚僕等を追い詰め続けている。
より逃れがたい言葉を紡ぎながら
258 :
考える名無しさん:04/04/10 07:38
実体なき土曜日、あるいはその虚体としての対概念・・・
すべては関係しあっている
あの最後の一枚……
あの花びらが散るとき
私の体は燃やされてしまうのです
……
変な夢をみた
261 :
考える名無しさん:04/04/10 15:02
意識がしっかりしてくると、両手に重みがあった。
…本だ。そう、分厚い哲学書だ。すり切れてもうボロボロだ。
俺はもう10年以上も、いや生まれてから今までの間、
ずっとこの事について考えてきたんだ。
俺の豆腐みたいなちっこいこの脳みそで、ずっと…だ。
顔を上げた。空は青かった。雲はない。
哀しいほどに鮮やかなブルーだ。
そうだ、俺は何故今まで気付かなかったのだろう。
今こそ答えを出そう
俺の生涯を、俺の情熱を、俺の鼓動をこの哲学の調べに乗せて!
見出した真理、それは即ち
(あとはよろ。( ゚Д゚)y-~~~)
262 :
考える名無しさん:04/04/10 15:08
チンチンシュッシュッ
264 :
考える名無しさん:04/04/10 15:21
まずは頭に栄養を贈らねばならない
真理がどうあれ、少なくとも脳というものは
想像以上の唯物論者なのである。
10年目か……
俺はキライな納豆に手をつけた
納豆を掻き混ぜながらタレスの言葉を思い出す。
万物の根元は水である
その言葉は間違いだったろうか?
まさに粒子は波の性質を持ち
この世界は量子の波間にたゆたっている。
或いはこの糸を引く納豆のように
絡み合っているのだろうか?
否、この納豆はむしろ人の心だ。
混ざり合うほどに糸を引き、より深い味わいとなる。
その臭いに顔を顰めながら、もう一度空を見上げる。
哀しいほどに鮮やかなブルー。
今日見出したこの真実の調べが
明日も変わらぬ響きを奏でてくれるだろうか?
僕は他者を通してしか自己を知りえない。
なんて当たり前なことだったんだろう。
そして私はこの大嫌いな納豆を頬張る。
それが世界であれ人の心であれ私自身を形作る為に
食器を片付けながらあの奇怪な夢を思い出してみる。
あの夢が俺にこの言葉を届けたのだろうか?
それともこの理解があの夢を見せたのだろうか?
澄み渡る空の下で花びらが静かに散っている。
世界から孤立していたはずの私は
今、音もなく燃え尽きようとしている
私自身を残して。
実存の証明、自己の喪失。
そしてまた実体なき土曜日が訪れる・・・
・・・華やかな電飾、虚ろな喜びをつれて、
日常という虚体の対概念として。
快楽という自己、刺激という他者
しかし快楽さえ自己を形作る他者に過ぎない。
それでも僕等は関係し合っている
騒がしい街並を抜け、
布団で眠る君のぬくもりを感じながら
どうして俺はお前じゃないのかを考える
否、君を通してしか僕は自分を見出せない
或いは君を含む全てを通して
ありもしない納豆の臭いが鼻を突く
ゆっくりと目を閉じる。
君を見失う。
じきに柔らかな肌触りも、その寝息も失うだろう。
お前を失うことに何の不安があるだろう
それはいつでも戻ってきた。
そして君を失い、僕自身を失う。
コーヒーの匂いで目が覚める。
ティーカップの下に「さよなら」の書置きが敷いてある。
僕は君を取り戻したはずだが、
君は僕の傍にはいない。
こうなる事はわかっていたのに
君があんまりいつも通り変わらぬ姿で振舞うから
いつでも僕の思い通りと思ってしまっていたのだろうか。
今でも君が感じられる
でも僕には君がわからない
また僕は君を探すのか
森の中の一片の木の葉を
積み重ねた記憶の中から
コーヒーに僕の輪郭が映る。
僕には君しか映らない、君の僅かな欠片しか。
その欠片を掻き集めて、上手に繋いで組み上げる
綺麗にパズルがそろったら
きっと君の事を教えてくれる。
君の事がもっと知りたいのに
知る程に、君は遠くなる。
今でも僕を抱きしめてくれる君を
なんで僕はわからないんだ。
君の淹れる苦いコーヒー
ミルクをたらすと渦を巻く。
まだ冷めてない
いつかは冷めてしまうこの波を
僕は静かに味わう
ティーカップによせた君の言葉が
僕の日常を埋め尽くして
その杯を飲み干すこともできず
残されたものを眺めるだけ
カップの底に浮かんでいる
僕に似た輪郭は
君をどうしたいのだろう
もっと知りたい、自由にしたい
それとも君の思いのままかな?
君は隠しはしない、君は応えてくれる
君が指図なんかするだろうか?
君にたくさんを望むけど
その願いは君のもの
君が僕にくれたもの
カップの底にはまだ
苦いコーヒーにぼやけて映る
僕によく似た輪郭が揺れている
コーヒーをカップに残したまま
君を探しにでる
ほんとの君がどんなだろうと
僕に映る君が
僕にとっての君の全て
君だけが僕を苦しめ、君だけが僕を充たしてくれる
君だけが僕の答えで、君だけが僕の問
また君がわからなくなって
何もかも見失っても
ただ君と向き合う
それがきっと僕の全て
僕は君を取り戻したろうか?
君は傍にはいないけど
今も君を感じている
保守
279 :
考える名無しさん:04/05/22 00:38
街角に佇み人なみを望む。
例えば意識が
高次元のグラフをなぞるただの座標点だとすれば
この押し流される一人一人の点の集積が
世界を浮き上がらせるのだろうか?
例えば人の生がグラフに引かれた一筋の線なら
幾つの線を束ねれば
この世界はその輪郭を現すのだろう?
或いは僕という幻想は
言葉で綴られただけの物語でしかないのかもしれない。
それでも自分を保ち守ろうとする感情は
僕の位置を教えてくれる。
でも一体どこを探せば
君は見つかるんだろう?
「街か…。やっかいなことになったな。我々と同じ文明レベルを持った異星人なら、
接触を避けねばならんから、イデの探索ができなくなる。」
私を探してくれるのなら
まず、貴方の安心できる場所で
ゆっくりと目を瞑ってください。
ふだんの時間を忘れるぐらいの、空間を失うぐらいの
水色の優しいエネルギーになってください。
そこで、私の日々感じている雷鳴の悲鳴と巨大な暗雲を知ってください。
そうすれば、いつか空はオレンジに開け、無限の湖上にかかるような
空想的な橋が貴方の原風景の底に、
きっと、それが浮き上がるように見えて来ます。
その信じられる気持ちだけが、その橋をダイヤより硬質で完全な永劫時計へと、
この宇宙へと、この星座状に変わりゆく時に、その間に、、
私たちのプリズム色の影絵が、いつまでも誰かにその物語を未完のまま
ひとつの愛を残していくのです。白の世界にずっと包まれて、守られて、、
「何だ!この輝きは。異星人め、反物質エンジンを使ったな!」
283 :
考える名無しさん:04/05/22 02:20
SFになっとる…
284 :
考える名無しさん:04/05/22 02:25
コーヒーカップの下には机がある。
この机がなければコーヒーカップは置けない。
そう、君がいなければぼくがここに存在できないように。
今君が作るトースト。
それはぼくにとって何を意味するものなのか。
ダイアのように効果でもなく、手編みのように手間がかかるものでもない。
しかしこのトーストはあの宇宙よりも大きく、
ぼくの心を包容している。
ただのトーストではない。ましてやパンストでもない。
君がつくるトースト。この無限であるかのような、しかし有限である味わい。
フロイトすら気づかなかったトーストへの性。
そう、今ぼくはこのトーストを愛している
僕という存在の全ては
もう君に捧げられている
僕の意識が映す心象と
異界の来訪者の心象が
まるで違う君を映したとしても
君が別人になるだろうか?
それでも彼が
君は誰
と問うなら
君はなんと答えるだろう?
そこにいるのは僕がまったく知らない君自身
僕であり彼でもある
君を問うものが残される
物質に対する反物質のように
他者に対する自己
僕という存在の全ては
もう君に捧げられているのに
僕でなく彼でもない
この問は残されたままに
永劫時計の針によって刻まれ続けるのだろうか?
それでも今この瞬間
僕の空腹を満たしてくれる
トーストの魅力にはかなわない
286 :
考える名無しさん:04/05/22 03:40
ポストモダンが否定された翌日、私は妻とともに散歩に出かけた。
もう冬だというのに木は青々としている。
人々の表情は希望と活気に満ち、額から流れる労働者の汗が太陽光を反射していた。
「低能のデリダやリオタールのような低能のポストモダニストどもが自然科学に挑戦する時代は終わったのだな」
物理学者のソーカルさんが、ほっとしたように私たち夫婦に言った。
「ええ、これからは自然科学が絶対、科学者が偉大な時代なんですよ」
普段は滅多に話に加わらない妻の靖子が、斎藤さんの肩に手を置いて優しく言った。
「ほら、みんながドゥルーズやクリステヴァのようなわけのわからないてめーの主観だけを述べ立てて自然科学のような真実を追究する崇高な学問を誹謗中傷した低能ポストモダニストを罵倒しその訳のわからない意味のない著書を集めて焼いているではありませんか。
自然科学の勝利です!!!」
通りがかりの髪の長い中年男がそう言って微笑んだ。
ポストモダンに洗脳されていたある学生は長年使ってきたラカンやボードリヤールの著書を焼き払い、自然科学書をいっぱい購入した。
「訳のわからないてめーの主観だけを述べ立てて自然科学のような真実を追究する崇高な学問を誹謗中傷するポストモダニズムはもう不要だ。これからは世界に自然科学の音を響かせよう」
洗脳から解き放たれた清々しい笑顔で男は言った。
青空のなかををツバメが横切っていった。
そして僕らは太古の疑問にたちかえる
自然の規則性が示しているものは何なのか
何故僕らはそれを見出せるのか、と
Willam Mayne の翻訳数が少ない。変なファンタジーがいっぱい出ている。
安房直子作品ですら言っちゃ悪いが、読むのがちょっとタルイというのにな。
東浩紀とか大塚英志とかは、少なくともファンタジー系に関する限り、まま
ごとあそびにしか思えんな。
とはいうものの、「りんご園のある土地」も「砂」もその時代のノスタルジーで
惹かれているにすぎないからダメです、と言われれば引き下がる他ない。
ファンタジーの文法とか物語か小説か批評かとかはどうでもいいと思っていて、
結果として形になるかならないかの問題としか思ってない。