ニーチェ

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731考える名無しさん
ルドルフ・シュタイナーの自伝から抜粋

ニーチェが彼なりの方法で霊の世界を目指す営みを続けながら、結局は自然科学的な自然観に捕捉されていたこと
は、当時の私には明白だった。それ故、私は彼の永劫回帰の思想に潜む神秘的解釈を厳しく拒んでいた。私はペー
ター・ガストの説に同意する。ペーター・ガストは彼の編集したニーチェ全集に、次のように書いている。「ニーチェの永
劫回帰の思想は、純機械論的に解釈すべき有限性に関する理論であり、したがって宇宙の分子結合の反復性に関
する理論である。」----ニーチェは自然の原理から高邁な思想を導き出さねばならないと考えていた。これが彼の、
同時代を病弊とする苦闘のあり方であった。このように、19世紀末の自然観が原因となり----霊へ眼差しを向けな
がらも----苦悩を背負わざるをえなかった人間の苦悩が、1896年当時の私の眼前に、ニーチェの魂の像となって
現れたのである。