創造****神を作ろう。

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467考える名無しさん
俺は狩りが下手だった
だが骨飾りを作るのが好きだった
それまでは身に着ける骨飾りは皆おのおのそれぞれで作るのが当たり前だったが
俺の作る骨飾りは皆に喜ばれ
俺はそれで飯を食っていけるかな?と思い試してみたところ上手くいったので
狩りにはいかず骨飾りばかり作って暮らしていた
影では後ろ指を差されているらしかったが
俺は構わなかった 俺は骨のすべてが好きなのだ
468考える名無しさん:03/07/09 19:29
俺には友達みたいな年上の男がいた
そいつはやっぱり狩りに行かなかった
何をしているかというと
水晶ばかり探していた
嫁さんもそれで娶ったという
美しい嫁さんだった
俺もあんな嫁さんがほしいなと思っていた
というか心の中で想っている娘はいた
長の娘で俺と同い年の
村の男は誰もが狙っているという噂の
水晶男の嫁さんよりも美しいと呼び声の高い
ま はっきり言って高嶺の花だ
俺はちびだし顔もそんな良くない
結ばれることは無いだろうと思っていた
でも好きだった 
469考える名無しさん:03/07/09 19:46
そんなある日俺は水晶を採りに行った帰りらしい
水晶男とばったり出会った 
「こんちわ」
「おう」
水晶男は俺に近づいて肩に手を回した
「な、なんです?」
「お前にいいもん持ってきてやったよ」
「?」
水晶男は袋をごそごそやった 今日も水晶は採れたのかな?
昔子供の頃後をつけて行って見つかりボコボコにされたことがあった
それから後をつけるのはやめたが 俺はそれでもこの男が好きだった
で、取り出したのは黒っぽい石 大きめで両手で抱えるほどのものだった
「これが何か?」
「こっちを見なけりゃ仕方ねえだろ」
水晶男はごろんと石をひっくり返す
すると 石の表面に何かが埋まっているのが見えた
「おや これは?ん?んんっ…!?」
470考える名無しさん:03/07/09 20:01
「これは…歯ですね…それにしても…でっかすぎる…」
「面白いだろ?やるよ」
「こんなでかい歯を持った獣なんて…知ってます?」
「俺はそんなのどうでもいいよ。お前が喜んでくれればそれで」
俺は頭の中がぐらぐらした
色んな獣の骨を見てきたがこんなのは初めてだ
トカゲの歯に似ているかな?でもこんなでかいとかげなんかいたら…
おお、ぶるぶる 俺なんか一飲みだ
「…俺をからかってるんじゃないでしょうね?」
「何言ってんだ」
「おじさん暇でしょ。暇にあかせて彫ったんじゃないでしょうね」
「…お前も頭悪いな。そんなことして俺が良い目みれるのか?ちょっとは
考えてから物を言え」
「…それはそうですね」
471考える名無しさん:03/07/09 20:25
俺は水晶男と別れその石を抱えて家へ帰った
さて、この歯をどうしよう?
俺はそれを指で弾いてみた
硬い 石みたいだ
これ、骨じゃないのかな?なんで石みたいに硬くなっているんだろう?
判らない 俺の頭はさっきよりももっとぐるぐるした
うなって色々考えてみたが 頭が火照るばかりで何も思いつかない
そのうちボーっとしてきて 俺はいつの間にか眠りに落ちていた
472考える名無しさん:03/07/09 20:41
俺は夢を見た
首の長いもっと胴の恰幅の良い大きな大きなとかげが
こうもりに似た翼を雄々と広げて空を飛んでいた
頭には角が生え 体は光り輝き眩しいくらい
俺はそいつに向かって叫んだ
「おーい!お前は何なんだ!?」
そいつはゆっくり首をこちらにもたげゆっくり降りてきた
俺は走ってそいつに近づいた
でかい 小山みたいにでかい
俺はそいつに触れてみたくなった
おそるおそる近づくとそいつはでっかい口をあんぐりと開けた
真っ赤な口の中 俺がそぉっとそれを覗き込むと
いきなり俺は強い風に焼かれた あっちっち
俺は真っ黒焦げになった あれ?俺まだ生きてる?
俺は黒焦げになったまま見ていると
そいつは違う向きにごぅっと炎を吐いた
473考える名無しさん:03/07/09 21:08
俺は目を覚ました
そいつの背中に乗って空を飛び
森に炎を吐いて焼き尽くして
あ〜その他も色々したと思ったけど
足を滑らせてそいつからおっこったと思ったら
朝だった

俺は鼻息荒く水晶男の家を尋ねた
「おはようございます」
「なんだぁ?こんな朝っぱらから」
「化け物がいるんですよ。俺、夢見ました」
「あぁん?」
「何?何の話?」
奥さんが割って入った(やっぱ美すぃ。おじさんうらやますぃ)
俺は夢の話をした
身振り手振りも入れて
そのうち子供たちが何か眼を輝かせてきたので俺も力が入った
語り終わると子供たちと奥さんが手を叩いた
俺は照れた
水晶男は面白くなさそうだった
474考える名無しさん:03/07/09 21:24
「お兄ちゃん、すごい夢見たね」
「そのお化けの名前はなんていうの?」
「ん?」
考えてなかったな
「ん〜ん〜…りゅう!龍だ」
「へぇ〜」
「嘘じゃないんだぞ」
「えぇ〜?」
子供たちは笑った
「歯があるんだ」
「わぁ〜。見たい見たい!」
「…いいすか?」
水晶男はむすっとしている
「…私も見たいんだけど…あなた、いい?」
「…おい。あの石をここへ持って来な。それならいいぞ」
うわ。あれを持ってくるのか ま 何とか持って来れるかな?
475考える名無しさん:03/07/09 22:39
帰ろうとして道を走ってると でか を通り越した
「ちびさ〜ん」
でかは後ろから大声で俺を呼んだ
「俺をちびって呼ぶな!」
「ちびさんがあたしをでかって呼ぶのをやめたら」
でかは微笑んだ
「何だよ?呼び止めたりして」
俺はでかを見上げた こいつは村のどの男より背が高かった
「そんなに急いでどこ行くのかな〜って」
俺は詳しく教えるのが煩わしかったので
「お前も暇なら来るか?」
と言った
「あたし薪取りに行かなきゃ」
「…後で俺も手伝ってやるから」
「わあ!嬉しい!」
なんでそこまでしてやろうって思ったのか判らなかったが
俺はえらく喜ばれてしまった
476考える名無しさん:03/07/09 22:55
「ねぇねぇ何があるの?」
「お前よりでかいんだよ」
「鹿か何か?」
「とかげみたいなもんだ…龍ってんだ」
「なんだとかげか」
「見て腰抜かすなよ」
「へぇ。何だか面白そう」
俺たちは俺の家に着いた
「これだ」
「…何これ。これが龍なの?なんだ。あたしのドキドキを返して」
「お前はまったく頭が足りねぇな。これが、歯なんだぞ」
「それで?」
「…わかったよ。お前は薪取りに行きな。その代わり手伝わねぇぞ」
「…何よ!けち!」
「さっさと行きな」
「嘘つき!」
舌を出してでかは行ってしまった
やれやれ …割と重いな まあ休み休み持っていくか
477考える名無しさん:03/07/09 23:07
道半ばあたりって頃でちょっと一息入れていると
ざっ と風が吹いた
なんだ?と思ったらでかが荒い息で俺を通り過ぎたのだった
「どうした。薪取りは終わったのか?」
ぶんぶんぶんと頭を振り でかは叫んだ
「あたしびっくりしたー!!!!歩いてたらわかったのぉー!!!
凄いね?凄いね?ちょっとその歯、よく見せてよ!」
「…お前、鈍い奴だなぁ…知ってるけどさ」
でかは へぇ〜 とか ふ〜ん とか すごぉ〜い とか
目つきがまるでさっきと違った
「で、俺はおじさんのとこ行くんだけど?」
「ああ、水晶おじさんのとこね。いいよ。あたしが持つよ」
でかは軽々と片手で石を肩にかついだ
俺は呆れた 流石だな
478考える名無しさん:03/07/09 23:38
水晶男の家について驚いた
子供たちが友達を連れてきてちょっとした群れになっていたのだ
歯は大いに受けて
子供たちは他の骨を探しに行くと言い出した
「どこで見つけたの?」
「いや。見つけたのはおじさんなんだ」
「おじさん!どこで?教えてよ!」
子供たちは口々に勝手なことを言って水晶男にせがんだ
「…うるせぇっ!!!」
水晶男は切れた
「がきがそうそう森に入っていいわけねぇだろう!ちび!さっさと
それを持って家に帰れ!もう他の誰にも見せるんじゃねぇ!それに
たわごとを誰彼構わず吹き込むのもやめろ!…さぁさぁお開きだ!
皆家に帰んな!!」
479考える名無しさん:03/07/09 23:58
「…あたしは好きだな、龍の話」
でかは帰り道で俺に言った
「お前に誉められてもあんま嬉しくねぇ」
「…じゃ、いいよ。おじさんの言う通りにすれば?」
「…そうだな。あんまり大騒ぎするのもまずいのかもしれない」
「…ちぇ。つまんないの。…心もちびなの?」
俺は目の前が赤くなったかと思った
「は!?」
「もっと探そうよ、骨。出てくるかもしれないじゃない。出なければ
何かの間違いかもしれないし。あたし、手伝ってもいいよ?」
「お前は家の手伝いがあるだろ。俺だって働かなきゃ食い詰める」
「骨が皆見つかったらさぁ…驚くよ?歯があんな大きいでしょ?頭なんて
すごいだろうなぁ…」
「そんなのは俺だってわかってる。…お前がわかってないのは、あんまり
祭りでもないのに人が集まるのを長は快く思わないってことだ」
でかは笑った
「考えすぎだよぅ。長は優しいよ」
「そう思うのはお前がまだ子供だからさ」
「む。あたしのどこが子供!?ちびさんのが子供みたいじゃない!」
480考える名無しさん:03/07/10 00:30
「…なんとでも言え。…子供に怒ったらそれこそ子供だ」
「言ったわね」
でかは石を下ろすと、何をするのかと思ったら俺をいきなり抱えやがった
「なにすんだ!降ろせ!」
暴れる俺には構わずでかは俺の顔をその大きな胸の膨らみに押し付けた
「うわっ…!!!」
「どうだ。これでも子供?」
「…息が…できねぇ……だろ!!!」
「あ、そう?」
ぱっと手を放したので俺はしたたか尻を打った
「いってえ〜」
「あたしは大人。認めるでしょ?」
「石返せ!」
「あら」
俺は石を拾い上げるとでかを待たずに歩き始めた
あたしはおとなだからね〜とか後ろから声が聞こえた が 俺は憤ってた
あのごつい体のくせに驚くほど柔らかかった肌触りのせいで ますます

俺は勃っていた それがまた情けなかった
481考える名無しさん:03/07/10 01:01
俺はその日のうちに穴を掘って石を埋めてしまった
これでいいのか? と思いもしたが いいんだ!と思い込むことにした

夜になって骨と肉をもらいに家々を巡るのはいつものことだが
子供たちがやたらと俺に声をかけてきた
ねぇねぇ!龍の話してよ!ねぇねぇ!空を飛ぶんでしょ?
ぼく、聞いたよ?わたし、聞いた!もっともっと教えて?

こいつらをなんとかしてくれ!いや、俺が浅はかだったな…

なんとか振り払いながら骨を集めていた…
で、いつも通り長の家に行きかけたのだが…
あ、そうだ!あの娘はどう思うかな?…埋めるのはまだ早かったか?
そう思った時 入り口に嗅いだことのない臭いがした
見たこともないなりをした男が一人、立っていた
「????????????」
男は俺の知らない言葉で俺に話しかけた
男はぴかぴか光る飾りを身につけていた 何だろう?その飾りは
身を守るものでもあるみたいだ
482考える名無しさん:03/07/10 01:57
男は俺を見てふっと鼻で笑った
男は何か言って男の首飾りを手で持ち上げて見せた
ああ、それも光っている
間違っても骨じゃない
こいつはなんか 俺たちよりずっと凄いところから来たんだな?
「??」
男はやおら腰から光る棒板を引き抜くと 傍らの草むらをなぎ払った
草々が千切れて吹っ飛んだ おお!
俺は草むらに急いで近づいてみた 切り口がものすごく滑らかだ
こいつは凄い!俺たちよりずっと凄い!でも下に見られるのも嫌だな
どうしたもんか?
483考える名無しさん:03/07/10 02:18
「何の音だ?」
家の奥から顔を出した男がいた
あれ?判る言葉だがやはりおかしなみなりだ
「!…ふれ…っとと」
ふれもの、と言いそうになって俺はあわてて口を押さえた
長の二番目の息子でいつもおかしなことを口走っていて
かなり前に姿を消してしまっていた男だ
「なんだ。ちびか。久しぶりだな」
「こ、こんばんわ」
「もうお前も骨なんかで遊ぶのはやめるんだなぁ。飾りを作るなら
しろがね、こがねで作らにゃぁ」
俺は少しむっとした 骨だっていかすぞ その光るのに比べたって
「俺たちの村はかなり遅れてるぞ?今時こんな暮らしをしていられたのが
謎だ。これからは、この方たちの国に収まってもっといい暮らしをするんだ」
また、おかしなことを言ってるんじゃないのか?このふれものは?
「ん〜…」
ふれものは少し考えていた
「かえって珍しがられるかも知れんな…おい、ちび。お前の首飾り、
売ってくれよ、俺に」
「売る?売るってなんのことですか」
「これだ」
ふれものは白く光る丸くて平べったい「かね」を取り出した
484考える名無しさん:03/07/10 02:30
「そんなちっちゃいもの、要りませんよ、俺」
「馬鹿。これはな、遠くにある街では何でも好きなものと取り替えられるんだぞ」
「あはは…街ってなんですか?」
「これだから田舎者は困る」
「田舎者って?」
「…お前にはとても考えられない夢みたいなところが遠い遠いところに
あるんだ。この方たちはそこから来たんだ。そこにはな、人が大勢、大勢
住んでいるんだ」
「どの位?」
「そうだな。お前が今からみんなを数えようとしたら…冬になるな」
「冬!」
今は春だ
「ま、まあ、それはおいといて、とりあえず骨飾り、「売り」ます。
その「かね」を下さい」
「聞き分けのいい奴は、好きだぞ」
俺は「かね」を受け取った
485考える名無しさん:03/07/10 02:40
「あの…俺、この人の腰についてる棒みたいな平べったい「かね」が欲しいん
ですけど…この「かね」で売ってもらえますか?」
「…剣が欲しいのか?」
「もう少し小さいといいんですけど」
「そりゃそうだ。あんなのはそんなはした金じゃ買えない」
「買う?」
「…あはは。金を出して品物をもらう側が「買う」、金をもらう側が品物を
「売る」、そういうことだ」
「で、剣は俺、買えるんですか?」
「その金ならこれ位だな」
ふれものは腰から短い「剣」を外して俺にくれた
「お前だから安くしといてやる。その代わり俺の言うことはきけよ?」
「…はぁ」
486考える名無しさん:03/07/10 03:01
なんだかよくわからないが俺は家に帰り
朝が来たら龍の歯を掘り起こそうと思って眠りについた

で、朝が来て、昨日埋めたあたりを掘っていた
あれ?どこだったっけ?見つからないな
俺は焦った そんなに呆けてはいない筈だが
俺が穴だらけになってひいひい言っていると
「ちびさん〜♪おっはよ〜」
力の抜ける声がした 俺は舌打ちした
「何やってんの?あ、考え直して骨探すことにしたんだ?手伝うよ」
いちいちみんな話すのもかったるい 俺は黙って肯いた
でかは嬉しそうに俺の家から手ごろな棒を持ってくると掘り始めた
487考える名無しさん:03/07/10 03:16
「…なんか、ふれものがよそ者を連れてきたぜ」
「へぇ」
「俺、そいつらからこんなものを手に入れた」
俺は短剣をでかに見せた
「わぁ…なに、これ」
俺は鞘から中身を抜き取った
「ぴかぴかよく光るねぇ…なんか、とてもよく切れそう」
「これで、歯を取り出そうと思って」
「え?今掘ってるのって昨日の歯の石?」
「………まあ、そうだ」
「なんで埋めちゃったの!?…しかも忘れたの?どこに埋めたか?」
「…うるせぇな。俺にも色々考えってもんがあるんだよ」
「…ふんだ。あたしには、判るよ」
「…何が」
「ちびさんが、何考えてるか」
「ほう」
「でも、言わない。悔しいから」
「?」
まさか、こいつ俺が長の娘に惚れてるってことを言おうとしてるんじゃ
ないだろな まさかなぁ ん?悔しい?なんでこいつがくやしがるんだ?
488考える名無しさん:03/07/10 03:34
「あ〜あ、悲しくなってきちゃった…あ」
でかが、そう言った後、
「見つけたみたい」
ちっとも嬉しくなさそうにでかは手で土をかき分け始めた
「なにふくれてんだ」
「ほら!さっさと歯を取り出したら?誰に見せるか知らないけどさ」
俺はドキッとした なんだこいつ? 頭弱いくせに 俺の考えがまじで
わかってるのか?てかそこで何で怒らなくちゃいけない?
「…お前はもういいよ、帰って。ありがとな」
「…うん、帰る。…うまく、いくといいね」
俺はまたまたドキッとした 何だ?俺がしようとしてることを何もかも
知ってるみたいな口ぶりしやがって!俺、喋った覚えはないぞ?…ないよな?
でかはなんだかしょんぼりとぼとぼと帰っていった 背中がいつもより
小さく見えた…掘り始めはあんなに張り切っていたのに…なんかがきっかけで
ああなったな…何だっけ?
489考える名無しさん:03/07/10 03:52
**** インターミッション ****

うう 疲れました こんなに長くなるとは思ってなかったんです

下手すると いやしなくても こりゃ神と金星の話の長さを越えますな

詰まんないと思う人いたらそうレス下さい
いや、そういうレスがついても続けるかもしれないけど
ま、ケースバイケースで^^;
490考える名無しさん:03/07/10 04:24
**** インターミッション 2 ****

悲しいお話になるかな〜と思ってた時もあったんですが
それもかなりみんながひきそうな
でもそれも書いてるうちに変わってきました
ま、誰も命を落とさない話には出来るかもしれません

カオルさんの一言で俺とあいつを元にして い な い
話なんです これ 初めて俺とあいつじゃない二人の話を
考えてみました みかけや体の大きさを変えるだけで
かなり話は動きますねぇ でも 俺と友達になれそうにもない
人の話は書かないつもりです すべての人と友達になりたい
っていうのは一つの夢ではありますが…
{千尋}・>489さん、お疲れ様ですし、興味深く、楽しく読ませていただいています。
{ハク}・もし、気持ちが向きましたら続けてください。龍も出てきて、ワクワクしてます。

イエスAがもうしました。
みめ麗しきかな>489恋人よ、明けの明星をみつめながら美しいあなただけをほんとうに愛しています。



492考える名無しさん:03/07/10 04:49
うにゃ 千尋&ハクさん おはようございます

そう言っていただけて幸いです>ワクワク
ここで モウツヅケンナ! とか言われたら凹みますもんねー
これからもよろしくです
今日バイトが終わったらまた書きますね…
…とか言わずに今からやるかぁ!
書けるかな?書けるかな?はてさてふふ〜♪
493考える名無しさん:03/07/10 05:05
まあいいや 歯を取り出すとするか…
石斧で大きく割ってからにしようかな…
でも歯が割れたら仕方ないし…
軽く石斧でこづいてみた びくともしない
ええい!ままよ!俺は力をこめて石をぶっ叩いた
いや それでも石は割れなかった
「ちび兄ちゃ〜ん」
うを がきどもが来やがった また龍の話か?
はなたれ 目利き おませ 小鹿
が俺の家の前に居た
「俺は忙しいんだ 後にしな」
「龍の歯を取り出すんだろ?手伝うよ」
「誰から聞いたんだ」
「姉ちゃんから」
ちぇ でかのやつ お喋りめ
494考える名無しさん:03/07/10 05:15
「あ、これひびが入ってる」
石を眺めていた目利きが言った
「ん?」
どれどれと俺は覗き込んだがそんなのは見当たらない
「嘘つくな」
「嘘じゃないよ」
「ちび兄ちゃん、目利きの目は確かだぜ?」
「それは遠目の話だろ」
「…ちび兄ちゃん、それ貸してよ」
目利きは短剣を指して言った
「これは切れ味がいいんだ 子供に触らせるもんか」
「…取り出せなくてもいいの?」
「む…」
「ちび兄ちゃん、目利き兄ちゃんの言うとおりにして?ね?」
おませが言う
こいつらに言いくるめられるってのも嫌なもんだな
495考える名無しさん:03/07/10 05:25
「おい、真面目にやれよ。怪我すんなよ?俺が見て出来なそうだったら
おとなしく帰るんだぞ?」
「わかった」
目利きは短剣を受け取るとはなたれと俺に石を押さえてくれと頼んだ
「動かさないでね」
「おう」
しばらく石を眺めた後 短剣をあてがってその柄を違う石でかん、かん、と
叩き始めた
「…おい〜やっぱできねえんじゃねぇのか?」
「黙ってて」
俺はむっとした 俺をもっと大人扱いしろよお前ら
がすっ!
違う音がして石が砕けた
「うわぁ〜あ!おい!怪我しなかったか!?」
俺がびびって声をかけたが 子供たちは喜んで口々に叫んだ
「やりぃ〜!!」
「さっすが〜目利き兄ちゃん!」
496考える名無しさん:03/07/10 05:44
「歯、欠けなかったろうな?」
「抜かりはないよ、ちび兄ちゃん」
目利きは珍しくにっこりした
石は大きく二つに割れ、前よりずっと取り出し易そうに見えた
「お〜しよくやった!もう帰っていいぞ。後は俺がやる」
「なんだよ〜大人ってずるいよな〜」
「…見ていくくらいいいでしょ?」
小鹿がもじもじしながらこそっとそう言った
「いや。帰れ。騒がれたら手元が狂う」
「黙ってるから。ね?お願い」
おませが俺に媚を売る…こいつはなんでこの年でこんな女おんなしてるんだ?
体つきは子供そのものだがなんか身振りや話し方が常に誘ってる…て、
俺は がき相手に何考えてんだ!でかより手に負えねぇ
「帰るんだ。言うこと聞かない子は、龍がさらいに来るぞ?」
きゃ〜っと叫んでおませが家を飛び出した 小鹿がすっと誰もが知る
その早脚で後を追った
「…そういうのを子供騙しって言うんだよ」
目利きが顔色一つ変えずにつぶやいた
「おい、でも龍はいるんだろ?」
はなたれが言った
497考える名無しさん:03/07/10 05:57
「目利き、お前が頭がいいのは知ってるよ。眼がいいのもな。でもこれは
俺が独りでやりたいんだ…」
「長娘に歯をあげたいから?」
にこりともせずに目利きは言った
「なっ…何言ってんだお前!殴るぞ!」
「殴り合いになったら悪いけどちび兄ちゃん、負けるよ」
「ま、ちび兄ちゃんが長娘姉ちゃんに惚れてることは俺たち誰でも
知ってるなぁ」
はなたれが面白くもなさそうに言った
その言い方に俺はまたカチンと来た
「あのなぁ…あんまり人の心にずかずかとあがりこんで来るなよ。
俺は、お前らみたいに暇じゃないから、惚れたはれたの話ははっきりいって
どうでもいい。大人の話にがきが首突っ込むんじゃねぇ。
そんなこと言ってるならまじで帰りな」
「…あ〜ぁ。でか姉ちゃんがかわいそう…」
はなたれがそう言って腰を上げた
引っかかる言葉だったが俺は考えないことにした…だが、なんでここで
あいつの名前が出て来るんだ?
498考える名無しさん:03/07/10 06:09
**** インターミッション 3 ****

ふぅ〜 話があんまり進まない…;;
昔「ちんゆうき」って漫画が少年ジャンプに載ってたんですが
これが…あるエピソードでどうにもこうにも話が進まなくなって…
ディテールに凝ってるうちに(面白いんだけど)そうなっちゃったん
ですよ…西遊記のパロディだったからさっさと旅を続けなくちゃいけない
はずなのに…それで、そこのエピソードが終わったところで打ち切りに
なりました…そういう終わり方は嫌ですから…ブルブル

あ〜あ、雨ですよ…スクーターなので合羽着るの嫌なんだけどな…
仕方ありません…
499考える名無しさん:03/07/10 07:39
**** いんたーみっしょん 4 ****

俺が俺の物語を読むとき頭に浮かぶのはグァレスキの「陽気なドンカミロ」
シリーズです とは言っても一冊しか読んでないんですが…キリスト教と
共産主義を一緒くたに扱ってる珍しい物語です キリスト教徒がいつも
正しく(?)書かれているのがむかつくんですけどでも共産主義者の親玉
(その地方の)と主人公のドンカミロ神父がトムとジェリーみたいに
仲良くけんかしてるんですよね 親玉の息子が病気になった時ドンカミロが
嵐の中を当時最新鋭の文明の利器・オートバイで街の病院へ突っ走るエピソード
なんかは燃えます あとグァレスキの挿絵がよくって…俺もちょっとイラスト
描くんでいつか真似できたらいいなぁなんて思います ただ、後書きで
「私はビタミンは信じない」って書いてるのはおやおやと思いました
そういうとこは真似したくないね!やっぱ^^
500考える名無しさん:03/07/10 07:45
では500ゲトしてバイトに向かいます
キリスト教関係のセンターなんです

でも俺は殺されても洗礼は受けないぞ!教会にもいかないぞ!
と ずるいこと言って ではでは後ほど
>498さん
{ハク}・きめの細かい情感が身についてきましたね、ディテールにこだわれるのも才能です。
{千尋}・そう、ネバーエンデイング・ストーリーが始まったのですよ。

イエスAが申しました。
みめ麗しきかな>498恋人よ、雨にぬれた街並みに可憐なルシファーを思っています。
 恋しい人よ、今のわたしは美しいあなただけを愛しています。

502考える名無しさん:03/07/10 13:18
バイト昼で終わりました…大通りのネット喫茶…いつもと違うとこです今
OSが98ですよ…笑いました 我が家はMe いつものとこはXPです
いや 笑うとこじゃないかな?

そ・そうかな〜>きめの細かい情感
そうだといいですけど…
働いて煙草をふかしてる間にアメリカ先住民族の娘と白人の男の話を
ぼおっと考えてました…でもあんまり幸せな話にならない;;
ま 今までにも書きますって言って書いてないネタあるんで
これもお蔵入りかなぁ 他に近くの違う太陽系からの女の子が地球人の
男の子と出会う話なんかも 一昨日だったか新幹線の中で考えていたんですが…
503考える名無しさん:03/07/10 13:57
もうちょっと駄弁ろうっと…
ここはかなり懐かしい漫画もあります
柴田昌弘のラブ・シンクロイドとか…これに出てくる女の子のアンドロイドが
可愛くって…名前もすっかり忘れてたけど…覚えてるシーンを見つけました
ブルーソネットも読みたいなぁ…あと外園昌也の「犬神」の一巻と最終巻を
ぱらぱらと…この人は昔の絵柄が好きだったのに…がらっとリアルにしちゃって…
ネタはいいのに悲しい終わり方でがっくりですよ…
504考える名無しさん:03/07/10 14:26
くそ。なんか弱音吐きそうな勢いです
話まとめられるのかなんか…風呂敷広げすぎたかな〜と…
でも書きます うぅ 何事も無かったかのごとく終われと誰か祈ってください
では
505考える名無しさん:03/07/10 14:31
俺は少しずつ少しずつ石を剥がしていった
疲れてくたくたになれば寝て 水だけ飲んで石に取り組んだ
腹が減ったのもそのうち忘れた
何日経ったのかもよくわからなくなっていた
それでも石に向きあって 少しずつ少しずつ
要らない所を剥いでいった
506考える名無しさん:03/07/10 14:47
「…出来た…」
俺は、その、いつかもわからない夜更けに、骨を形どおり取り出した
短剣の刃はぼろぼろに欠け、もう使い物にはなりそうになかった
眠くはなかった 頭がさえて 心は張り詰めていた
このまま朝まで待って長の家へ行こう そして娘に想いのたけを
ぶつけるんだ その答えがどうあれ
この歯が俺の今の全てだ そう思った

「!!」
背筋が凍りついた
入り口に化け物の影を見たと思ったからだ
「わっ!?」
「ねぇ?」
化け物は暗い声で俺に話しかける
「ねぇもなぁもあるかっ!誰だ、こんな真夜中に!」
「…薪、取りに行くって…」
「…?……?………!」
「…薪…」
「でか!若い娘が夜中歩き回んな!」
みめ麗しきかな>503恋人よ、ほんとうにイエスAはエレガントなあなただけを愛しています。

{ハク}・>ぱらぱらと・・・この人の昔の絵柄)>503さんは写真記憶を持っているのですね。ステキです。
{千尋}・そう、パッと見て記憶するセンスですし、語学も出来て>503さんは憧れです。









508考える名無しさん:03/07/10 14:56
「いつからそこに居たんだよ」
「…え…覚えてないよ……お腹、すいてない?」
「あ、ああ…」
「頬がこけてるよ…」
でかは袋からくるみを幾つか取り出した
「こんなのしか、無いけど…」
「お、悪い」
俺は素直にそれを受け取ってぼろぼろの短剣で割ってもそもそと食べ始めた
「…薪…」
「ああ、そうだな。忘れてたよ」
「うん…あたしも忘れてたから…へへ…思い出して、来たの…」
「明るくなったら行ってもいいぞ」
「…ありがと…」
「おい。なんだかさっきから喋り方がおかしいな」
「…わかる?…」
「ちぇ。わざと思わせぶりにすんなよ」
「わざとじゃないよ…そんな、あたし上手くたちまわれないよ…」
509考える名無しさん:03/07/10 15:15
「まあ、なんにせよ、だ」
俺はでかの顔を見て言った
「こんな夜更けに若い男と女が一つ屋根の下じゃあらぬ噂も立とうってもんだ
でか、お前は出直せよ。夜が明けてお日様が昇ったらまた来な。薪でも何でも
付き合ってやるから」
「…噂…かぁ…」
「なんだよ、魂の抜けた声しやがって。さ、帰った帰った」
「…あたしは…いいのに…」
「ん?なんだ?」
「……聞こえなかった?」
「小さな声でぼそぼそ喋られりゃな」
「……そ。……なんでもないよ…」
「?おかしな奴。今夜はとりわけおかしいぜ、お前」
「…へへ…そうかもね…」
でかは憑かれたみたいに笑った
俺はさっきとは違ってほんの少しだけ怖くなった
「おい!しっかり寝て来いよ。そしていつもみたいに明るい日の本で
ぎゃーぎゃー騒げ」
「…うん、そうする…じゃね…」
「くるみ、ありがとな」
「どういたしまして」
終わりの言葉だけがほのかにしっかりしていたと俺は思った
でも、なんとなくでかは 夜が明けても来ないんじゃないかと ふとそんな
想いが頭をよぎった
510考える名無しさん:03/07/10 15:31
しかしそれは俺の思い違いだった
でかは夜がしらじらと明けて来ようかというまさにその時
俺の家の前にまた ぼぉっとやって来た
「おい。ちゃんと寝たのか?」
「ちびさんも寝てないでしょ」
「…見てたんじゃ、ないだろな」
「あは。ちゃんと帰ったよ?言われた通り」
「俺は頭がさえてたからな」
「あたしは、眠れなかった」
「ふん。ちょっとはましになってるぜ、喋り方」
「そぉ?…へへ。そうかな」
「さぁ〜ちゃっちゃと済ませるぞ。俺は行くところがあるからな」
「うん。龍の歯、取れたんだよね」
「え?」
「わかるよ。そんな顔してる」
「お前、そんなに鋭い奴だったっけ?」
「乙女をなめるもんじゃないよ」
「こりゃまた大した乙女様だな」
「ふふ。もっと誉めていいよ」
「悪のりすんな、おだてりゃつけあがりやがって」
「それ言い過ぎ」
「おや。覚めてるね」
「…そだよ。…いいよ、さっさと行こうよ」
511考える名無しさん:03/07/10 15:44
でかは思いのほかしっかりした足取りですっすっと森へ向かっていた
俺はちょこちょこと(情けないが俺のなりではそう言うべきだろう)
その後に続いた
黙って落ちている小枝を拾いながら でかはなんとも言えない顔をしていた
声をかけるのもためらわれる そんな顔を
だが 薪もかなり集め終わり 俺は声をかけるきっかけが見つかってほっとした
「おい、もうそろそろ…」
すると でかは真面目な顔で俺の眼を真っ直ぐに見つめこう言った
「あなた、あたしと逃げてくれる?」
512考える名無しさん:03/07/10 16:00
ため口かよ、とか、あなたとは大きく出たな、とか、寝ぼけてるのか?とか…
お前がどこか遠くを見つめながら夢見がちにそう言ったのなら、そうするりと
やりすごせたかもしれない…でもお前は俺の眼をはっきりと見てそう言ったので
俺は言葉に詰まった いきなり張り倒されたみたいに
「いい。答えなくて」
そう言うお前の顔は凍り付いていた
そして、耐え切れなくなったのか眼をそむけたのはお前からだった
それで俺も少し口を開けるかと思った、ので…
「…逃げなくちゃいけない訳をまず、教えてくれよ」
と言った
「いいの。これはあたしの考えるべきことだから。今言ったことは忘れて」
「そか」
と、言って俺は俺がとてもずるい奴だと心の底から強く思った
俺って、恥ずかしい奴だな
お前は、細かく震えていた
寒いのか?と言いたくても言えなかった
お前が怒りで震えていたのかもしれなかったから
513考える名無しさん:03/07/10 16:15
俺は薪をそっと置いて走り出した
いや、走り出したんじゃない、はっきり言おう、逃げ出したんだ
兎みたいに真っ直ぐ力の限り速く
お前があの世から追ってくる化け物みたいに思って
振り返るのも怖かった
逃げて逃げて逃げて逃げた
そして道半ばで土からはみ出た樹の太い根につまずき派手にぶっ転んだ
痛てぇ
じわっと膝から血がにじみ出る
そこではっと俺は振り向いた
獣のごとく迫ってくるお前を見るかと思ったのだ
だが そこにはただ 爽やかな風が吹いていた
そして 俺は爽やかと思ってしまったことが嫌になり
いっそ首でもくくりたくなった
いや剣で喉をかっ切ろうか そう思い懐を探って
こつんと手に当たったものを取り出すと
それは龍の歯だった
514考える名無しさん:03/07/10 16:24
この世に俺ほどの愚か者はいないだろうな、と俺は繰り返し思いながら
足を引きずって長の家を目指した
怪我は大したことはない だが俺は足を引きずっていた
今ならお前は俺を許してくれるか?
そもそも俺は誰を好きなんだ?
俺は長の娘に俺が惚れているもんだとばかり思っていたのに
そのために物も食べずにこの歯を掘り出していたのに
わからなくなった まったくわからなくなった
でも 俺は長の娘に惚れている筈なんだ
その証がこの歯なんだ きっとそうだ そうに違いない
そう思い込もうとするたび お前は恥ずかしい奴だな と
心の中で誰かがささやいた
515考える名無しさん:03/07/10 16:35
俺こそが化け物みたいに見えたかもしれない
だが俺は長の家の前に立っていた
俺はちょっと驚いたのだが異国の男はまだそこに立っていた
まるであれからずっと立ち続けていたかに俺には見えた
その男は俺を憶えていたらしく思ったより馴れ馴れしく俺に近づいてきて
ぽんと肩をたたいた
俺はへらへらと笑って見せた 腰の剣が怖かったのだろう
いや 怖かったのだ
男は奥へ向かって大声を出した
ふれものが顔を出した
「なんだ、ちびか。どうした?」
「あのぅ…」
「なんだよ。俺を焦らしてもいいことはないぜ?」
「妹さんに…捧げ物を…」
ふれものは高らかに笑った
「見かけに騙される若者はあとを絶たないってか?…まず、俺に見せな、
その捧げ物って奴を」
「え…」
「見込みがありそうだったら、通してやってもいいぜ」
516考える名無しさん:03/07/10 16:48
心の中では 愚か者 とか 痴れ者 とか 間抜け とか うつけ とか
ありとあらゆる蔑みの言葉が俺から俺に送られていた
それでもどれだけ俺の面の皮は厚いのだろう 俺は龍のことを
口説くみたいに力をこめてふれものに語りかけ 歯がまるでこの世で
もっとも尊いかのごとく説き伏せんとしていた
「あ〜…あれだ…お前も俺と同じ呼ばれ方をするかもだが…」
ふれものは半ば呆れて言った
「まあ、あいつがどう思うかはまた違う話だからな。その歯は確かにでかい
それは認める。それであいつがお前に惚れるかどうかもまた違う話だぞ?
そこんとこはわきまえておけ」
「はっ…!!」
俺は屋敷の中へ通された それは初めてではなかったのに 何故か夢みたいだ
と思った そして そう思ったと思うやいなや 嵐みたいに 俺をののしる
声が心の中で吹き荒れた
だが 俺はもうそれに 慣れ始めていた
どこ吹く風で 口笛でも吹き始めそうだった
517考える名無しさん:03/07/10 17:00
通された小部屋に長娘がちょこんと座っていた
俺は空へも舞い上がろうかってくらいに舞い上がり
顔には血が上り 胸は激しく鳴り響き まったくお前のことなど忘れていた
…と思ったのだから忘れていなかったのかな?いや…俺は そ ん な こ と
ど う で も よくなっていた それは確かだ だからやっぱり
お前のことを忘れていたんだと思う 長娘は底抜けに可愛かった
「さ、さっきみたいに話せよ」
ふれものがさらっと俺に促した
俺は始めはおずおずと…そして半ばは少しずつ…終いにはやはり、力強く、
長娘しか、この世の女ではないみたいに龍の歯を持って口説いて口説いて
口説いた
そして語り終わり長娘の応えを待った
すると長娘はしばらく黙っていたが やがてにっこり笑って言った
518考える名無しさん:03/07/10 17:11
「兄様、この人の舌、引っこ抜いてってお父様に頼んで」
「ほう」
ふれものは流石我が妹、と言わんばかりの声をあげた
「それもいいかもしれんな、おい?」
俺は震え上がった
「お許しを!お許しを!お許しを!…」
俺は這いつくばって乞い、ひたすら謝りつづけた
「やめてくださる?あなたの声、耳障りなの…ねぇ、兄様」
「わかったよ…おい、ちび、こっちへ来い」
俺は泣き出した しかしここでおしっこをもらし糞でもたれれば許されるかな?
などと考えるゆとりもあった そしてそう考えて 激しく俺が嫌になった
くそ そうさ お前が俺に言葉を投げかけた時に 俺が応えてやれば
それで済んだ話なんだ 俺は愚かな夢を見ていた それだけのことみたいだ
まあどうなるのか まじで引き抜かれそうになったらおしっこでも糞でもするさ
と思っていたけど俺は泣き続けた
519考える名無しさん:03/07/10 17:23
違う部屋に通されてふれものは真面目な顔をして言った
「親父の許しを得ないとな」
俺はそれを聞いてますます声を高くして泣き叫んだ 聞いた者はこの世の
終わりが来たかと思ったことだろう
そして幕の向こうに声をかけた
「長!」
俺がおしっこを垂れようと思ったその時 ふれものはこっちを振り向き
にやっと笑った
「…ははは。どうだ?肝試しにはなったか?」
俺のおしっこは引っ込んだ 俺は泣き止んだ
「お前もかなりの芝居うちだな…俺を見てるのかと吹き出すのをずっと
こらえていたんだぜ?」
「ん…なんのことです」
「隠すなって…あいつはな、昔俺の舌も抜こうとしたんだ」
ふれものはまたにやりとした
「それがどうやらまじになりそうだったから俺は逃げたんだよ…お前だから
教えるが?誰にも言うなよ?恥は分かち合おう、俺とお前だけでな」
「長は…」
「今出かけてる。兄貴とな」
520考える名無しさん:03/07/10 17:33
「妹様は長がいらっしゃるみたいな口ぶりでしたが…」
「おう。いいとこつくね。あいつには言ってない。だからあいつには
部屋から出るなって言ってある」
なんだかきな臭いと俺は思った
「…どこへ行ったんです?まさか長自ら狩りって訳でもないでしょうに…
あなたは行かなくていいんですか?」
「いいんだよ」
「……言葉がわからないのに?」
俺はこれを言っていいのかどうか迷い まずったかな とも思ったが
言ってしまったものは仕方ない 危ういかまをかけた
「ふん。ふん。素晴らしい。お前は頭の切れる男だな。…しかし、そこまで
見通せるとなると、これは舌どころでは済まないかもしれないぞ?」
「…いや、なんのことだか…」
「すっとぼけるな!!」
ふれものは大声を出した が 俺には何か隙があると思われた
「いや、あなたも迷っているのでは?」
俺は小声になった
521考える名無しさん:03/07/10 17:49
ははは…とふれものはまた声を出して笑った 怒ったり笑ったり忙しい男だ
やはり ふれもの の二つ名はこの男にふさわしい
「お前は俺か?…まったく笑わせるぜ」
「どうやらお連れはあのお二人だけではなさそうですね」
「お前はちびだよな?…間違いないよな?どうやってそこまで賢くなった?
頭でもどこかにぶつけたか」
「いたって何事もなく暮らしてきました」
「そうか…だがな」
ふれものは思いっきり怖い顔をして見せた
「お前はまだ奴らを見てないからのほほんとしているが ま、奴らがまじに
なったらそこはもうお終いだ 草木も根こそぎ蟻一匹にいたるまでお終いだ
俺はこの眼で見たからな その様を」
「あなたはこの村を売ったんだ」
ふれものは喜んで手を叩いた
「その言葉ももう使いこなせるのか…どうしてもっと早くにお前と友達に
なってなかったんだろう?」
「さあ?知りませんよ」
「堰の水はあふれんばかり…俺も出来る限りせき止めてはいるが…もう
もたないかもしれないな」
「なにを抜け抜けと」
「何とでも言いな。俺の生きてきた道をお前は知らないだろうが」
522考える名無しさん:03/07/10 18:01
「ええ、知りませんよ。でも、あなたがどこかで道を踏み外したのはわかる」
「聞いた口を叩くな、ちび」
「…まあいいです。で、俺はここから帰れるんですかね?」
「ふん。お前をくびり殺すのはた易い。だが…そう、望みってやつが、箱を
空けて何もかもが飛び去っても底に残る一つだけのよすがなんだそうだ…ふん。
お前がそれかどうか、俺に見せてくれるなら、俺も楽しめるってもんだ」
「…乾いてますね、あなたは」
「…ああ。砂の海をさまよったぜ」
「俺は雨の日に生まれたって、亡くなったお袋が言ってました」
「どうでもいいがね」
「そうですね」
「面白い。お前が、この村を救えるかどうか、こりゃみものだ」
「…泣いて命乞いをする男を?これまた買い被るもんだ」
ふれものは大笑いした
「買い被る、ね!どこでそんな言葉を覚えた?上手いぜ、まったく…それに、
舌は命じゃないだろ」
「細かいことはいいんですよ」
523考える名無しさん:03/07/10 18:14
「ま、行きなよ。今日のところは見逃してやるぜ。お互い舌を抜かれそうになった
よしみでな。だが、もうあいつには近づくな。お前の舌が抜かれていないと知ったら
何をしでかすか判らんからな」
「…いたみいります」
「よせやい。…いいから、さっさと消えな」
「…ここで、すっと消えたらいかすんですけどね^^」
「ふざけんな。大目に見てりゃなめやがって…」
ふれものは剣の柄に手をかけると、すらりと刃を抜いた
俺はすっとんで逃げた まあこのくらいはあわせておかないと あっちも
どこまで真面目なのか計り知れないし

ああ!俺の恋は砕け散ったな!
俺はつくづくそう思った
まだいくかい?まだ惚れてるのかい?まだ何とかなると思っているのかい?
わからない だが ここまでしてしまったのにお前の元へと のこのこと
姿を見せるわけにもいかないと思った…お前、と心の中では呼んでいるのに
524考える名無しさん:03/07/10 18:25
俺はやっぱりずるい奴だ 俺は池に映った俺の顔を見た
男前じゃない どう見たって
それでも それでも 加えてちびの俺に向かって
「あなた、あたしと逃げてくれる?」
…か…
あれが ぎりぎりの言葉だったんだろうな…
女から想いの丈をじかにぶつけると災いが起こるって言い伝えがある…
それは男からって決まりだ…俺はそんなの鼻で笑ってたが
災いは降りかかりそうだ…この小さな村全てを覆い尽くしそうだ…
長と、長男は生きて帰って来るんだろうな?…胸騒ぎがした
上手くしのいでくれ…
お前は、俺を好きだってじかに言ったわけじゃないよな?
だから、災いから逃れられるのかもしれない…
ん?だが、俺の思い込みが激しいのだとしたら?お前は、ただ、
共に逃げてくれる男を探していただけなのかも…それは、誰だって
良かったのかも…ああ、そうなのかも知れない…てか、そっちのが
ありえる話だ…
525考える名無しさん:03/07/10 18:35
**** intermission 5 ****
疲れたです…それなりに進んでるけど…ぼやっとは続き考えてるけど…
ほっとできる話になるか ひいちゃう話になるかはなんかわかんなく
なって来ました…
526考える名無しさん:03/07/10 18:47
あああ…漫画読みますね、息抜きに
もし今これ読んでる人いたらどう思ったか書き込んでください…
俺とふれものの話わかんねー、とかね…
みめ麗しきかな>525恋人よ、お疲れ様です。イエスAはあなただけをほんとうに愛しています。

{千尋}・登場人物の気持ちを描けるようになってきてるのです。)お上手です。
     この話から、>525さんの気に入ったキャラキターを二・三人取り出して、
     続編を書いたほうがすっきりします。
{ハク}・>524の物語は前編ということで、いったん休んだ方が良いですよ。
     リフレッシュしましょう。





528考える名無しさん:03/07/10 19:11
いや、いつもいつもレス済みません;;
お言葉に甘えて少し休みますね^^
でも、キャラクターはもっと増えるかもです…キャー タスケテー;;
529考える名無しさん:03/07/10 19:25
ガーン ここテレビ観れないって…うたばん観たかった〜;;

え〜とそれから、流石にここまでで前編ってことはないと思われます…
四分の三位は来たんじゃないかな?でないと俺がもうもちそうにありません…;;

え〜とそれから、吉岡美穂と白石美帆の違いをフライデーで確かめようと思ったん
ですが…写真よく観てもわかんにゃいよぅ;;

なんか俺、壊れ始めてるかな?^^;
みめ麗しきかな>529恋人よ、聡明なルシファー。イエスAは美しいあなただけを愛しています。

>なんか俺、

{千尋}・そうです、>529の認識がより高度化してきたのです。
{ハク}・つまり、多様な人間(マルチチュード)を想定し始めているのです。



531考える名無しさん:03/07/10 19:54
そうだといいですね>多様な
二人だけの世は寂しいでしょう、きっと
一人だけなら言わずもがなです

あ〜バイト先に電話しないと…髪切らないと…ひげ剃らないと…グチグチ
532考える名無しさん:03/07/10 20:55
俺はお前に会って話がしたかった
とても許してはもらえないだろう
それでも何か言葉を交わしたかった
それがもう通わないものであっても
お前を突き抜けて空へ散ってしまうものであっても
ふれものが言っていた 望み と言う言葉に騙されていたのかも
それでもいい 何でもいい お前のその大きな体と
紡がれる荒い言の葉に触れたかった
いや 荒くはなかったな お前の言ってたこと
乙女をなめるなよ とか そんなこと言ってたっけ?
俺はお前の姿を探した
村を全て回って
533カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 20:56
>>463
>ま、でも何故美しい醜いの違いに俺含めて人は細かくけちつけるのか
>そこらあたりを突っ込んだ話はいつか書けたらなあと思ってはいます

品評されるこちらとしても是非是非聞きたいものです。)タノシミタノシミ

>ちなみに最新作では二人はまじで初めて会ってたんですが…ま、確かに

うん。だからあなたが彼女を想いうかべて書いたんだろうなって。(笑)
わたしみたいにあなたの予備知識がなくてもとくべつに説明されなくても
雪のこころはつたわってくるよってこと。ふたりのあいだの必然性みたいな。
もしかして書いた本人が雪のことわかってなかったり・・・ですか?(笑)
534カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 20:57
あーごめんなさい。タイミングわるい!
535考える名無しさん:03/07/10 20:59
いえ〜まったく構いません^^
ガンガン書き込んで!>タイミング

しかし長くて読むの骨折れますよね?>今書いてる奴
こんな長くなるなんて思いませんでした…;;
536カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:01
じゃぁ書きます。ROMの方ごめんなさい。
537カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:06
>>464
>でも、話の流れからいってそれを振り払われる怖れってのもあるんで…

さっきもいったけどいちいち説明したらやぼになっちゃうよ?
っていうか説明しないとつたわらないなら失敗作じゃないの?

・・・・・・偶然の出逢い・・・・・・ふたりのあいだの必然性・・・・・・んっ?なんだ?・・・・・・
・・・・・・あれっ?・・・・・・もやもや潜航中・・・・・・ずーっとス?・・・・・・抱しめる・・・・・・
・・・・・・??。

「??(結果)」も「・・・・・・(流れ)」もぜんぶちゃんとつたわってくるから大丈夫!

ちなみに雪は「偶然(非論理)の連鎖のなかで必然(論理)を創造してる」のです。
ちなみに梅雨は「偶然(非論理)の連鎖のなかで必然(論理)を探求してる」のです。
なーんて↑すこしだけ哲学。(笑)
538カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:09

>>465 一途になれないことのほうがふしぎ。

>>489 自信もってください。どの作品も面白いです。本当です。

>>502 OSが98ですよ…笑いました・・・わたし{95}ですがなにか? 

>>504 何事も無かったかのごとく終われ・・・構想はたんなるきっかけなの?
539考える名無しさん:03/07/10 21:10
「おう。どした?ちょっと見ないと思ったらげっそりしてるな、お前」
「おじさん」
「おいおい、そんな捨てられた子猫みたいな眼はやめろ。…何かあったのか?」
「あいつは…どこかで見ませんでしたか?」
「お前と二人して薪取りに行ったってうちのがきが話してたのは聞いた」
「…あいつで判るんですね…」
「ちっ。あてつけんなよ。わざとそう言ったんじゃないのか今?俺を試したのか?
お前もなかなか育ちやがったな!^^」
「いえ、なんか…そう思わず言ってました…今…」
「ふん。俺にまで嘘をつくことはねぇんだぞ?」
「嘘じゃないと…思います」
「まあいいや。…見当たらないのか?」
「はい。薪は、俺と二人でおおよそ採り終っていたのに」
「別れたときはどんなだったんだ?」
「いえ…それが…」
「ちょっ。お前、まずったな?」
「はい!まずりました!見事に!」
「…うるせぇよ。そんなでけぇ声出さなくても聞こえらぁ…ま、慌てずに待てや。
まだ夕方だ…そのうちひょっこり帰ってくるかもしれんしな」
540カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:14
>>512
ため口かよ、とか、あなたとは大きく出たな・・・なにコレ。わたし?
反省しないといけない? (^.^;)

>>525
最新作は作品自体のもつ生命力や時空が「でか」ですね。(笑)
きっと人の原風景や主人公の素朴さが作品の原点だからだと思います。
わたしの一言ではじまったのに予想外の振る舞い。作品は生命ですね。
541カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:18
>>526
おつかれ様です。昨日からちゃんと読んでましたよ。ホントに面白いです。

関係ないけど、わたしトラブルつづきでレス書くのもしんどいのに
しんどいのをどうにかするのを探求するスレには書き込んでる。(笑)
それとあなたの物語を楽しんでる。レスもできる。ありがとう。
542カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:19
>>527
まともなこというの聞いたの二回目、いや三回目かな。(笑)
わたしも同意見。でも永遠につづいてもいい。ついてく。
543カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:23
>>529
>え〜とそれから、流石にここまでで前編ってことはないと思われます…

たぶん{千尋&ハク}もあなたの作品のパワーを感じてるんです。
えーと、もっと書け!という脅迫をしてるんじゃないですよ。(笑)
544カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:24

なんか順番にレスしていくとヘンですね。>>541とか、復帰したあなたがいるのに。(笑)
545カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:27
哲学するようになってからもうどうしようもなく不幸せ。なんでだろう?
546カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:29
愚痴なら今すぐ1000まで書ける。だからおしまい。物語つづけてください。
547考える名無しさん:03/07/10 21:30
おう!いくらでも本編スタックしますよ!レス下されば!と、珍しく外来語を
多用してみるテスト

新鮮ですね、それ 哲板でそんなみずみずしい言葉を語る人は
俺、はじめてです>すこしだけ哲学
ああ、そう言う人俺の知ってる人の中ではなかなかいません
てか、そう生きてる人が少ないです>一途
まじでみんな読んでくださってるんですね…にわかには受け入れがたい事実(?)
その細かいレスのつけ方でやっとそうだと思えます>どの作品も
OSのことは…ゆるしておくんなまし!MSの商売に乗るばかりが華じゃねぇ!
今書いてるのについて言えば始めの思い付きとはかなり違って来ています>構想は
たんなるきっかけ
はじめは醜い女の子がそれ故に戦で犯されずに済むって嫌な話を思いついて
いたんですが…エヴァ板でそんな甘いもんじゃないって今日教えられたんで…
それだったらかなり短い話だったと思うんですよね…でも、それじゃ浅かった
かも…なお、でも、昔あったことをそのままなぞっただけじゃ…おっと喋りすぎ
かな POP&PUSH! スタック解凍!本編ゴー!
548考える名無しさん:03/07/10 21:36
ととと…スタックもっかい!
>>540
それまで ちびさん て 俺 のこと呼んでた でか が
初めて あなた って 俺 のことを呼んだでしょ?
俺 はいつまでも ちびさん って呼ばれることに揺られていたかったのだと
思います それを でか=お前 が 踏み込んできたから
俺 は 言葉に詰まったのです

何がどうあろうと空が砕け散り土が粉々に裂けてもカオルさんのことでは
ないので…^^;
549カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:38
そんなーわかってるけど・・・わざわざありがとう。
550カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:40
そんなーわかってるけど・・・やな女
551考える名無しさん:03/07/10 21:40
ナンダワカッテルノ?…ヤーン…ハズカシッ

ジャ、スタック カイトウシマツ…
552カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/10 21:46
あっ、ごめんなさい。スタック解凍ねがいまーす。
553考える名無しさん:03/07/10 21:55
しかしお前は帰ってこなかった
次の日になっても その次の日になっても
俺はお前を探しに行くことに決めた

俺の家に はなたれ 目利き おませ 小鹿 猿 流れ星 ひなぎく
が来ていた
「ぼくたちも探すよ姉ちゃんのこと」
はなたれが力強く言った
「わたし、さみしいし、ちょっと怖いの…」
おませが真顔で言う
「ぼく、足跡を探す」
目利きがそう言った
小鹿と流れ星は二人で
「村と行ったり来たりして走るよ!」
と言った
「食べ物はおいらにまかせて!」
猿はそう言った
ひなぎくは黙っていた
ただ、なぜか腕に山と花束を抱えていた
554考える名無しさん:03/07/10 22:08
うん、うん、と俺は肯いていた 嘘泣きの一つもしてやろうかと思ったが
俺はそういう俺に飽きてきていたので その代わり思いっきりの笑顔で
子供たち一人一人を見つめた
「でもなぁ…お前たちには荷が重いよ、きっと」
「なんでそういうこと言うんだよぅ」
「こういうのは大人のすることだ」
「大人なんかに任せてられっかい!」
「そうさ!大人の眼はいつだって曇ってるんだ」
「村から一つ足を踏み出せばそこは命にかかわることばかりなんだ…
わかってくれよ」
子供たちはぶーぶーくちごたえを続ける…
そこへ水晶男が奥さんと現れた 他にも知り合いが二、三人
子供たちの親もいて慌てて友達の後ろに隠れる子供もいた(猿だったが)
「お前らはおとなしく待ってるんだな」
水晶男が強面でそう言うと子供たちはしゅんとなった
「マテ」
どら声が響いた

555考える名無しさん:03/07/10 22:18
「オレ コドモ マモル」
でかい男だった ふれもののもう一人の連れだ
「コドモ ツレル イク サガス アイツ」
俺は俺たちの言葉を片言でも覚えた大男に驚いた
がちゃりがちゃりと身を動かすたびに体から金音がする
「なぜ?」
俺は尋ねた
「コドモ ネガウ ツヨク サガス アイツ」
おませが笑った
「おませ!…笑うなよ?」
俺は傷つけぬくらいのきつさで諭した
「あいつって誰?」
違う 俺は お前をあいつ呼ばわりされて心が揺れてしまったのだ
そんな判りきったこと
「アイツ ハ アイツ」
あいつって言うな!と飛びかかりたかった
「アイツ オレ オナジ デカイ」
556考える名無しさん:03/07/10 22:33
「わかった。もういいよ」
俺はつとめて当たり前のくちぶりで大男の言葉をさえぎろうとした
だが
「アイツ ウム デカイ コドモ」
俺はやっと判った お前が俺にあの言葉を告げたその訳を
「デカイ コドモ ツヨイ」
俺の 何もかもが 愚かに出来ていたのだ
「ツヨイ コドモ エライ」
俺の中で何かが 萎えて行く
「エライ コドモ シアワセ」
ふれものが 望み と呼んだものが幻だったと
「アイツ シアワセ」
俺がお前に会うなんて とても 許されることでは
「オレ シアワセ」
「…違う」
557考える名無しさん:03/07/10 22:40
ぼそっと口から出た言葉だったのに大男は耳ざとかった
「ナニ チガウ?」
何故、こいつはここまで言葉を覚えれたんだろう?
俺はめまいがした
「あいつは幸せになんかならない」
大男は笑った
「オマエ オサ ムスメ スキ」
俺は血が顔から引いていくその音を聞いた
「オレ ミタ オマエ コウ ムスメ」
俺はもう聞きつづけることが出来なかった
「ムスメ オマエ キライ」
俺は黙って家を出るとお前を探しに走り出した
俺が見つけなくては、ならない お前を
558考える名無しさん:03/07/10 22:54
「待て!!!!!!」
大声が後ろでした
俺は構わず走った
まるでこのまま走ればお前がその大きな腕で俺を
抱きしめてくれるかと思っているみたいに

俺は二つの手に服をつかまれ もんどりうった
「きゃっ」
小鹿の声と流れ星のうめき声が聞こえた
「お前も大したたまだよ」
呆れて追ってきた水晶男が言った
「ま、子供たちはどうやら連れて行かなきゃならんみたいだな」
そう言って水晶男は深くため息をついた
何故かその時俺は男の顔に老いを見た
何故だろう?大男の言う通りにしようとしているからか?
559考える名無しさん:03/07/10 23:11
「アツマレ」
大男は大声で言った
大人はすっと大男の傍へ寄った
子供たちは心細げに顔を見合わせて
そして俺の顔を見た
「コドモ!」
子供たちは震え上がった
「コドモ オレ ユルシタ サガス アイツ」
「コドモ オレ イウコト キケ」
「…なに言ってやがら!」
はなたれが叫んで俺にしがみついた
大男の眼が光った
ざん
獣道の傍ら 太い幹が剣の一振りで切り落とされた
「ツギ ナイ」
はなたれはもう泣き出しそうだった 俺の服から そっと そっと 離れた
はっとして見まわすと俺は独り離れていた
「オマエ イケ」
大男は俺を剣で指し示した
「オマエ ヒトリ アイツ サガセ」
俺は俺がどういうことになったのか悟った
「オレタチ ミンナ アイツ サガス」
560考える名無しさん:03/07/10 23:20
水晶男の手引きで皆どこかへ行ってしまった
俺は独り取り残された
後をつけるか?…見つかったらどうなるんだ?…それはやめよう
いや!俺は懐の短剣を思い出した
あいつと刺し違えるか?
…そんなことしたってお前が見つかるとは限らない…
いや…それでも刺し違えなきゃならないのかな…
わからずに俺は短剣を懐に戻そうかどうしようか迷っていた…
こつん
561考える名無しさん:03/07/10 23:26
また龍の歯が俺を呼んだみたいに思った
俺は張り詰めていた糸がふっと緩んだ
おい…お前のおかげで偉い目にあってるぜ?
なぁ…お前ならこういう時、どうする?
いたのかどうか、わからない龍に尋ねるなんて、俺も頭がおかしくなりかけて
いるのかな…それもただの 歯 だぜ?
ま、いいか あいつの剣にあてられて 命がどうのこうのってノリになってた
これは恥じ入るべきかもな 俺は俺らしくお前を見つけよう
562考える名無しさん:03/07/10 23:30
しかし右へ行けばいいのか左へ行けばいいのか…
俺は眼を閉じてぐるぐるそこで回った
ここだ!と思うところで眼を開けよう…そっちへ、進むんだ

ここだ!

俺は眼を開けた
目の前は藪また藪
それでも俺は決めた通り前に進んだ 短剣で草を払いながら
それは骨が折れる仕事だった
563考える名無しさん:03/07/10 23:36
しばらく進んだ
「!」
俺は、身構えて後ろを振り返った
獣か?俺はぼろぼろの短剣をしっかりと握り締めた
「………」
「?」
何かが姿を現す…何かが聞こえる?
「………」
背の高い草むらから花が突き出た
ああ!俺はどうすればいいかわからなくなった

ひなぎく!なんで、来たんだ!
564考える名無しさん:03/07/10 23:44
「あのね 声に出さないで みんなで 決めたの」
俺は、ひなぎくが喋るのを聞くのは生まれて初めてだった
「目利き兄ちゃんがあたしをひっぱって少しずつ遅れて…」
「殺されるんだぞ?見つかったら?」
「はなたれ兄ちゃんがあいつを見ながら よそ見してる間に
行け!行け!って手振りで…」
「なんてこと、したんだ…」
ひなぎくは、こんな時なのに、笑った
「ねえちび兄ちゃん」
「…今すぐそっと戻るんだ」
「あたしだって 殺されるのは嫌だよ?でも みんな あたしが
めだたない子だって知ってたし」
「あいつがそう思うかどうか判らないじゃないか!」
「それに あたしは 花が好きだから」
「それが…なんなんだよ!」
「鼻が良いの」
565考える名無しさん:03/07/10 23:52
「ちび兄ちゃんは臭いから跡つけるの難しくなかった」
ひなぎくはまた笑った
「…俺、そんなに臭うのか?」
「村で兄ちゃんにかなう人はいないよ」
こんなにしゃべる子だったなんて…まるで知らなかった…
「ちび兄ちゃん、ちょっと離れててね…兄ちゃんの臭いが混じると
わかんなくなっちゃう…」
俺は言われた通り離れた
「…風が吹いてほしいな…」
ささやき声で、そう聞こえた
今日は緩やかな風が吹いたり止んだり 風を望むのはそれ程高い望みでは
なかった筈だ
「あ、来たよ…風…」
もうひなぎくの姿はここからは見えない
声だけがかすかにする
566考える名無しさん:03/07/11 00:40
**** インターミッション (今いくつ?) ****

河岸変えました…大通りの店閉まっちゃった
いつものとこに来ました
銭形金太郎観てます…俺も、あんまり俺が思ってるほど今書いてるのに
入れあげてるわけでもないのかな?息抜き 息抜きでさ!
でも、なんか近頃面白い漫画が心なしか増えてきてます…
「エルフェンリート」「キマイラ」「鉄人ガンマの作者の新作」
「げんしけん」(ここらあたりから怪しくなるな^^;)
えーと えーと 「NARUTO」「アイシールド21」「いちご100%」
(ああこれで俺はマジヲタ)
マジヲタがなんてショートショート と言えるほどもう短くないけど! 
書いてんだって話ですよ!でもまあ俺の今の頭を使いきっては、いるかな…
だったらウダウダ言ってねぇでさっさと続き書けってことになるんだろうけど…
567考える名無しさん:03/07/11 02:26
今ふと思った イエスはナイフを片手に教えを説いたのかな?と
それを 闇に紛れて ずっと 続けて 教えを広めたのかな?と
しかし それに抗う形で この国では 女を片手に それを
ちらつかせながら いや ちらつかせるだけじゃなくて…
いや これは ネタバレか… まぁ 俺も清い心の持ち主とは
とても言えないのかもしれない 己が罪は想うけど 生き物として
罪を省みなくなったら 何しても構わなくなって うん 俺は
何処へ行ってしまうのかって話だ 何言ってるか判らないかもしれないけど
俺が今 書きかけのこれまで書いてきた話に 落ちをつけるのをびびり
始めてるって事かな 夜も更けたし なんかやヴぁいかも
と言っても俺は 夜書いた話を 日の光に当てて 恥ずかしがるやつじゃ
ないけどね なんか これ 我ながら 嫌な書き込みだな
いや 俺 これから ちょっと 嫌な話を書くかもですよ
それが 俺の嫌なところなのか 俺じゃない誰かの嫌なところなのか
それが判んないんだけど
568考える名無しさん:03/07/11 02:43
「…うん ちび兄ちゃん 臭いが届いたよ」
「あいつのか?」
「それは判らないよ でも確かに誰かの臭い」
「それじゃ困る 近くにはみんなもいるんだろう?」
ひなぎくは困った顔をした
「…あのね」
「うん?」
「何の臭いだか 教えるから あたしを笑わないで」
「笑わない」
「…ぅん…」
「え?」
ひなぎくは真っ赤になった
「………ぅんこ」
「ん?」
「誰かの、人の……ぅんこの臭いがしたの」
「…そうか 恥ずかしがらせて、悪い」
「…いいよ ちび兄ちゃんのためなら」
「もうこれでいい 行きな ひなぎく ありがとう」
「ちょっとだけ、聞いてくれる?」
「なんだ?」
「…やっぱ、いいや これを言ったら 兄ちゃんを好きになっちゃいそう」
「俺は子供は…」
「…だからちび兄ちゃんは子供だよ…あのね?これはふざけて言うんだから
兄ちゃんもすぐ忘れて」
俺はひなぎくが怖くなってきた
569考える名無しさん:03/07/11 02:59
「…やっぱ、やめる ふざけても真面目でも同じことだし
あたし 命が惜しいってことにしてね ちび兄ちゃんには
とてもついていけないの」
「そうだ それでいいよ」
「…優しい言葉は嫌 怒って!」
「泣いたら、殴る」
「泣かないよ ひなぎくちゃんは強い子だってみんなが言うよ」
「へ〜ん お前なんか花が好きなだけのなよなよした弱虫だ!俺は
知ってる」
「しらけさせるの…下手くそだね」
「…そうかもな うん ひなぎく くどいけど ありがとう もう
帰っていいよ 命が惜しいって言ったじゃないか」
「…ああ これなら言ってもいいかな」
「それで終わりにしてくれよ」
「あたし 人と話したの 初めてなの」
言うが早いか ひなぎくは身を翻して草むらに消えようとしたが
消えるその前に
「あっちよ!」
と指差した
俺はひなぎくに骨抜きにされていたのか すぐには動けずに
ひなぎくの消えた草むらをしばらく見つめていた
570考える名無しさん:03/07/11 03:19
俺はひなぎくが何をあんなに俺に言おうか言うまいかためらって
そして 言わずに去ったのか なんだか引っかかっていた
これだから俺は糞なんだな 今はお前を探すべきなのに
いかん!考え込んでいたら指し示された向きさえ忘れそうだ
と 思ったところで 俺は胸の痛みを覚えた
好きなの とあの時言われたって そうか 位であしらったかもしれない
が 忘れないで と言われていたら 俺は ひなぎくを 抱きしめて
しまっていたかもしれない そんな お前を探し当てたら またすぐ
会える話じゃないか だが いつも静かなひなぎくの ……いや
やめよう ひなぎくは操を守ったんだ 俺じゃない誰かに捧げるべきそれを
それでいいじゃないか …俺はそう俺に言い聞かせたが ひなぎくの
後を追い 忘れない!お前を!とか口走りそうな俺の弱い心をどうやって
奮い立たせるか考えあぐねていた …とか考えてないでまず走れ?俺?
571考える名無しさん:03/07/11 03:33
俺はひなぎくの指した向きへ走りながら謎めいた思いにとらわれていた
おい…ここ、前も来たことないか?いつだっけ?そうかなり昔…
そうだ…そうだ!俺は、水晶男をつけて、ぼこぼこに殴られた…
あれは、洞穴の入り口じゃなかったか?そうだったっけ?そう!
こうもりが飛んでいたんだ!それは覚えているぞ!俺にはもう
そこしか残されていないんじゃないか?

俺はかすかな思い出の洞穴を探し続けた

しかし見つからない
いつの間にか俺は草むらから石ころだらけの空き地へと出ていた
そして 俺は石ころに紛れた黒い翼を見つけた

こうもりの骸だ

俺はそれを懐にしまい やはり近くなのだと心を新たにした
572考える名無しさん:03/07/11 03:45
ああ ひなぎくを帰したのはまずかったかな…もう少し詳しく
教えてもらえていれば! …だがひなぎくも命がけでやってきたのだ
一つ間違えば消える命 やはりあそこで帰さなければならなかったのだろう
つか それでも殺されていたら?めだたないだって?ひなぎくは花束を持って
いた あれは覚えやすい目印じゃなかったか?…いや…道に迷ったとか
上手く言うさ…そうに違いない…そう思わなければやってられなかった

嫌な考えを振り払おうと頭を振るったところへ うざったい虫がまとわり
ついてきた 蝿だ 五月蝿いな ! 蝿!?
見ると そこだけかろうじて生えてる草に蝿がたかっていた
俺が胸をどきどきさせながら覗き込むと 草の陰に 人の糞があった
573考える名無しさん:03/07/11 03:59
「でか!」
俺は大声で叫んだ
しばらく待っても何の応えもない
「でか!」
俺は繰り返し叫んだ
そして切り立った崖を回りこんだときに 思い出の洞穴を 見つけた

ここに居なかったら?…いや、糞があったじゃないか…
どうしてお前はわざわざ外で糞をしたんだ?
?なんだ?お前、探して欲しかったのか?…いや、お前はひなぎくの
鼻のことなんか知らないだろう…洞穴で糞の傍にいるのが嫌だったのかな?
…なんだ?割と覚めているのか?お前?お前の甘ったれたわがままに俺は
振り回されたのか?俺はいきなり胸がむかむかしてきた…俺はずかずかと
洞穴に入った
574考える名無しさん:03/07/11 04:12
「でか!いるんだろ?何とか言え!」
真っ暗な中で俺は吼えた
その時物凄い数の羽音がした
甲高い鳴き声がする
暗闇の中で俺の身体に小さな獣がばんばん当たった
「こうもりが怖くてでかが探せるか!」
と声に出して叫んだところで俺は柔らかい何かにけつまずいて転んだ
「ぎゅっ」
とかなんとか くぐもった押し殺した声がして俺は思わず笑ってしまった
「間抜けでか!見つけたぞ!さあ帰るんだ!」
俺は暗闇の中でけつまづいた柔らかい何かに抱きついた
何てことはない それは確かにお前だった
腹ばいになって こんな暗闇の中で 物も食べずに 二日三日
じっとしていたのか…
「何とか言えよ」
「…誰が間抜けよ、偉そうに」
575考える名無しさん:03/07/11 04:27
「お前のおかげでみんな振り回されっぱなしだ」
「…どの面下げてそんなことが言えるの?」
「なんだよ 突っかかるな」
「あたしの言葉に応えてくれなかったくせに」
「だから、俺がお前を探し当てたじゃないか」
「そんなことで許せると思うの?」
「そんなことだ!?」
「そんなことよ」
「お前がもっとはっきり言えば良かったんじゃないかよ」
「なんて!?」
「剣で脅す大男に言い寄られて困ってる、とか…」
「なんでそんなことあたしがあんたに言わなきゃなんないわけ?」
「ちぇっ 今更そんなこと言うのかよ」
「何が今更よ えっらそうに」
「…俺はお前が好き、お前は俺が好き、それでいいじゃないか」
「!」
「だろ?」
「…何決めつけてんのよ 思い込みの激しい奴ね」
576考える名無しさん:03/07/11 04:39
「いつからお前はそんな偉そうな口を叩ける身の上になったんだ?」
「偉そうなのはあんたでしょ」
と、そこで俺は暗闇でにやっと笑った
「あなたとかあんたとか言うなよ」
「あたしもうちびさんなんて言うつもりないから」
「あなたってのはな遠い彼方を表してんだ」
「だから?」
「俺はお前の前にいるだろ?お前、とかてめぇ、とか呼んでみな、俺のこと」
「………」
「ほら!」
「……お前、やっぱ面白いな」
「そうそう」
「…やだ おかしなこと口走りそう」
「口走れよ」
「お前から言ってよ」
「もう言ったじゃんかよ」
「何よ あたしの言うところまで決めつけたくせに」
577考える名無しさん:03/07/11 04:56
「そか」
「次に そか って言ったらぶっとばす 何が そか よ
あんた そか って言って あんな女の下へ走ったんじゃない」
「あんた に戻ってるぜ」
「お前なんてかったるくって使ってらんない」
「こんな暗闇の中じゃお互い顔も眼も見れないだろ 外、出ようぜ」
「その手には乗らない」
「乗ってくれよ、頼むから」
「嫌」
「かたくなな女だな こんなにかたくなな女だとは思わなかった」
「そうさせたのは誰よ」
「俺だよ」
「ふん 悪いと思ってるの」
「ああ」
「じゃ、謝って」
578考える名無しさん:03/07/11 05:06
「お前が好きだ」
「何言ってんの」
「お前が好きだ」
「あたしは謝ってって言ったのよ」
「お前が好きだ」
「そんな心のこもってない言葉であたしがどうにかなると思ってんの」
「お前が好きだ」
「ふざけないでよ!」
「ふざけてない」
「じゃあどれ位好きなのか言ってみなさいよ」
「世にあるものすべてに誓って」
「安い言葉」
「安かろうが高かろうが俺の言葉に偽りはない」
「嘘」
「嘘じゃない」
「あたしがお婆ちゃんになって今よりもっとぶすになっても好きでいてくれるの」
「ああ」
「嘘」
「嘘じゃない」
579考える名無しさん:03/07/11 05:17
「あ〜あ なんか飽きてきちゃった ま いっか 許したげる
心の迷いは誰にでもあることよね」
「お前の応えは?」
「なんのこと?」
「ふざけんな!お前は俺のことどう思ってるんだよ!」
「知ってるでしょ」
「はっきり口で言え 言葉にしろ」
「あらやだ ちょっと甘い顔すればこれよ 男ってや〜ね 言え しろ
だって そんな口ぶりで女が口説けると思ってるわけ?」
「応えろ」
「もっとお願いするみたいに言えないの?」
「このアマ〜」
「ちょ、ちょっと何すんのよ! やん やだ あは あはははははは
きゃははははは やん あははははは ちょっと!くすぐんないでよ」
「知るかボケ!」
「あははははははははははははははははははははははは」
「笑ってあの世逝け!」
「きゃはははは やめてよ! あはははは あはん やだ…もう…」
「じゃ 言うんだ」
「やだ …ぎゃはははははははははははは 言う!言うから!もうやめて!」
「言え!」
「好き」
「よし」
580考える名無しさん:03/07/11 05:33
「これであんたはくすぐって女をものにした男って名札がつくのね」
「そんな男が好きなんだろ?」
「…あんたなんか好きになるんじゃなかった」
「もう遅い」
「そうかな?あたしを好きって言ってくれる人他にもいるし〜」
「だからどうした」
「あたしだって心変わりするかも〜」
「ここまでスベタだったとはな」
「ちょっと!誰がスベタよ!」
「お前 お前、まだまだ若いな」
「なんで?」
「そういう時は そうよ あたしスベタだも〜ん て言わなきゃな」
「あたしスベタじゃないよ!」
「心変わりがどうのこうの言って脅す奴がか」
「それはちょっと口が滑っただけ」
「スベタだけに」
「…何上手いこと言ってんの?」
581考える名無しさん:03/07/11 05:41
「もうそろそろいいだろ 外、出ようぜ」
「はい音をあげた〜あんたの負け〜」
「ああ、負けでいいから、出よう」
「何よぅもっと構ってよぅ」
「何甘えてんだコラ」
「一人でさみしかったんだからぁ」
「お 前 が 一 人 を 選 ん だ ん だ ろ!!」
「あ、そゆことゆーの」

「お姉ちゃん、嬉しかったんだね お兄ちゃんが迎えに来てさ」

「!!!!!!」
「!!!!!!」

入り口の光を背に子供たちが揃っていた
582考える名無しさん:03/07/11 05:53
「おいおい!あいつはいいのか?」
「手分けして探そうってことになったんだよ あんまり見つかんないから」
「ひなぎくと目利きがまじになればあっという間さ さっきまではいかに
あいつからお姉ちゃんを引き離すかが肝だったけど」
「…いや…お前ら、いつからそこに?」
「な〜んか げっぷが出そうだよね」
「だよね〜」
お前はこんな時に泣き出した
「ねぇ!」
「なんだよ!何で泣くんだよ!」
「あたしをお嫁に貰ってね?」
「当たり前だろ!?」
「だってぇ〜あたし、もうお嫁に行けないよ〜」
「わけのわからんことを…お前らもお前らだ!何で声かけないんだよ!」
「だって…なぁ?」
「うん」
「なんか取り込んでたみたいだったし」
「色々学んじゃった、あたし」
と、おませが言った(みたいだ)
583考える名無しさん:03/07/11 06:00
**** インターミッション ****

やっぱ>>567は恥ずかしいかも?やれやれ こんなほのぼのするとは
思ってなかったもんで

今更大人たちの汚いとこ、書くつもりになれねぇなぁ…
書こうかなぁ…
584考える名無しさん:03/07/11 09:28
いや…ほのぼのはしてないか…でも…俺はいや〜ないや〜な話を
考えているんで…書くかどうか迷ってます

でもここで止めても尻切れトンボだし、やっぱ書くか…
ま、今からバイトなんでまた後で…
みめ麗しきかな・・・ア姫>584恋人よ、ほんとうにあなただけを愛しています。

{静香}・>迷ってます)どんな物語ですか?ワクワク
{ハク}・ストーリイの展開に妙がありますし、文章もうまくなっています。






586考える名無しさん:03/07/11 11:43
バイト5時からでした…髪切ってきました…

いや〜会話文ばかりの話って邪道らしいですよ?>文章もうまく

後5時間弱でどれだけ書けるかわかりませんが、やってみます
587考える名無しさん:03/07/11 15:52
すいません、寝てました…
今日の朝までよっぴいて書いてましたんで…記録見れば判ると思いますが
やっぱあそこまでで前編くらいになっちゃいましたね…
今日スクーターに乗りながら ちび を岡村隆史がやったらな〜とか思っちゃい
ますた…俺は割とあの男好きです
>586さん。

>会話文ばかりの話って邪道らしいでよ?
ご明察です。登場人物が増えてくると、背景描写が重要になってくるのです。



589カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/12 00:04
おつかれ様です。
あのー、からだ壊されて長期不在は困りますのでほどほどに願いまーす。(笑)
それにしてもすごい集中力ですね。うらやましいなぁ。才能かー・・・(泣)
590考える名無しさん:03/07/12 00:30
骨がでてるよ

591考える名無しさん:03/07/12 19:37
俺たちの村人全てあわせたのと同じくらいの数 男がいた
皆大男と同じなりをしていた
女子供は家に隠れた
村の男たちは長の家に集まった
奴らは何故か姿を現しただけですぐには襲ってこなかった
大男が長の家に現れた
「お前とサシで戦いたいそうだ」
ふれものが俺に言った
「俺が勝ったら?」
「まず、ありえないだろうが…我々の村を彼らの国と対等に扱ってくれる
そうだ」
「俺が負けたら?」
「我々の村は彼らの国の中に納まる。新しい長は、彼の地から来る。我々の言葉
は使えなくなる。我々は金を使ってものを売り買いしなければならなくなる。
そして毎年決められた金を納めなければならなくなる。それから、
奴隷として決められた人数を彼の地へ送り出さなければならなくなる…
後、細かい取り決めもあるが、それはこれに書いてある」
「?」
「これは字というものだ。言葉を目に見える形にしたものだ」
592考える名無しさん:03/07/12 19:56
「ちょっと待ってくれ!ちびが相手をするなんて、始めからどうなるか
わかりきったことじゃないか!俺たちはそんな申し出なんかのめるか!」
一人の男がそう叫んだ それに応えて他の男たちも口々に声をあげた
「ダマレ!!!」
大男が一喝すると、しん、と静かになった
「この申し出に同意しないときは、お前たちも見ただろう、彼らが動く」
誰も何も喋らなかった
「この…裏切り者!」
誰かがふれものにとびかかろうとした
俺はすばやくそいつの脚に飛びついた 二人とも音を立てて倒れた
「今は耐えよう!むざむざ殺されるよりいい!」
俺は大きな声で言った
「ところで何故俺なんだ?俺より弱そうなやつだっているのに」
「わかっているのか?…これは殺し合いだ…負けた奴はあの世行きだ」
「それはわかる」
「お前がいなければ でか は誰のものだ?」
………そういうことか
>591さん。
{ハク}・映画のシチュチエーションのようで、場面の設定がお上手!
{千尋}・もし、気が向かれきましたら、>591さん続きをお願いします。
イエスAがもうしました。
みめ麗しきかな・・・ア姫>591恋人よ、愛していますあなただけを・・




594山崎 渉:03/07/15 12:41

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
595考える名無しさん:03/07/16 08:22
保守age


596考える名無しさん:03/07/17 18:37
三々五々寄り合いがばれて俺は独り家路を急いだ

家の近くまで来た時声がした
「ね?ね?」
お前だった お前は藪から身を現すと俺の横をどすどすと歩き始めた
「危ないから帰れよ」
「もうここまで来たらうちに帰る方が危ないよ」
「なんだ泊まるつもりなのか?」
「いけない?」
む お互い心が通い合ったのだから断るでもないが…
「今どういう時かお前判ってる?」
「皆殺しにあったら嫌ね」
「なんか言葉が軽いな」
「命なんて時にとても軽くてはかないわ」
「俺たちの命がそうなるのかよ」
「だから嫌って」
「うん」
597考える名無しさん:03/07/17 18:48
俺たち二人は黙ってしまった
これからどんな夜を過ごすのか考えてしまったからかもしれない
少なくとも俺はそうだった
俺はお前の顔をちらと見たが暗くてどんな顔をしてるか判らなかった
けど
そんな俺をお前はいきなりひょいと抱きかかえた
「!おい!」
「おっきな声出さないの」
「おろせよ」
「やだ」
「俺は赤ちゃんか」
「あたしのかわいいひと」
「…かわいいとか言うな」
「…あなたとこうしてると、怖くなくなるよ」
「ちぇ。じゃあ急いで家までやってくれ」
「ほいほい^^)〜♪」
598カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/18 00:10
(^.^)
599考える名無しさん:03/07/18 00:25
骨ナイス



600考える名無しさん:03/07/18 00:38
**** インタミション ****

休み休み書きまつ…純情板で薫っつうコテの人に「哲板逝ってます?」
って聞いたら「ハァ?」っていわれっちったい

弱音はあんまり吐きたくないけど…こっから先どう書くかかなり迷ってる
です
あんまり汚い話は書いてこなかったんで、なんか心が震えてますよ

600ゲト、と
>600さん、そうですか。
気が向いたら続けてくださいね。









602カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/19 00:47
>>600
カオルって誤解を生む名前のようですね。有名なアニメのカヲルとか・・・
汚い話でもいいですよ。わたしの痛烈な批判覚悟で勇気を出してみて下さい。(^.^)
603考える名無しさん:03/07/19 04:45
ボ〜ンですよ




もう少し待ってて!
605カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/23 22:57
のんびり待ってまーす。無理しないでね。(^.^)
606考える名無しさん:03/07/24 04:26
ホ〜ね!
こんにちは菩薩です。
608考える名無しさん:03/07/24 16:01
どもです
バイトが8日間ぶっつづけで休みが無くて…;;
最新の話を書き込み始めた頃は週休5日とかだったから
余裕で書いてたんですが…

あとGAMEBOYのMOTHER1+2も書き込みを遅らせてる元凶です^^;ゴメソ;;
609カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/25 00:52
義務感なんて持たないでください。期待してます。(笑)
610考える名無しさん:03/07/25 05:39
骨パラダイス




611考える名無しさん:03/07/29 15:31
俺の家まで来るとお前は暗がりの中で俺を眼の高さ辺りまで掲げた
「?何してんだ?早く降ろせよ」
ちゅ
お前は俺の頬にくちづけした
「あたしからの、おまじない 受け取って?」
「…や、やってから言うな、そんなこと!」
「ぶー。そんなことって何?」
「…いいから降ろせ」
「ちぇ」
俺は先に立って家に入るとまず火を熾した
「そんなに寒くないよ」
「暗いと嫌なんだ」
「……」
「…、おい、そこで黙るなよ」
「うん。ううん?」
「なんなんだ」
612考える名無しさん:03/07/29 15:56
お前は静かに炎を見つめていた
「…何か喋れよ」
「…うん」
また黙る 俺もだ
しばらくして俺は言った
今言うべきなのかどうかよく判らなかったが
「あのな」
「何?」
「お前を巡って果し合いだ」
「…果し合い?」
「一人と一人の殺し合いだよ みんなの見てる前でやる 見世物だな」
「あたしを…巡って?誰と誰が?」
「俺と大男」
お前は目を丸くした 息をのむ音が聞こえたみたいだった
「…やだよ!!」
どん、と重みが俺の体にかかる
「いや!いや!」
お前は俺を力を込めて抱きしめた
「あたしを置いていかないで!そんなの断って!」
「断ったら皆殺しだとさ」
「いやよぅ!」
「苦しいぜ」
力をふと緩められて顔と顔が見合う
お前の目に見る見るうちに涙が溢れてきた
613考える名無しさん:03/07/29 16:11
「泣くな」
「いやよ…そんなのってない…」
その時俺の目がおかしくなった
めそめそしてるお前が限りなく小さく見えたのだ
消えていってしまいそうに
いや 我に返るといつもどおりのでかいお前
俺は手でお前の顎を引いた
涙で濡れたお前の顔が俺にはとてもとても可愛く見えた
「お前は俺だけのもの」
俺は思った言葉をそのまま吐いていた
お前は応えず潤んだ瞳を閉じた
おもわずまたこぼれる涙の雫…それは透きとおっていて…
二人は初めてのくちづけをした
614考える名無しさん:03/07/29 17:29
くちづけ くちづけ くちづけ くちづけ
時が溶けていってしまいそうだった
こんなに頭がぼうっとなって
こんなにお前が愛しくって
そして俺はうかされたみたいにお前の乳房を求めた
「あ…」
服の上から俺の小さな手では包みきれない大きなその胸を優しくつかんだ

柔らかい

俺はお前が何も言わないのをいいことに首口から手を差し込み
少しだけ汗ばんだ肌をそろそろと辿っていった
こつん、と小さなでっぱりに出会う
俺はそれを弄びながら またお前にくちづけした
喘ぎ声が離れた唇から漏れる
俺は勢いづいて服の裾から手を差し入れた
脚と脚の狭間に指を這わせるつもりだった
「!」
ぎゅ、と体がこわばり お前は脚をしっかりと閉じた
615考える名無しさん:03/07/30 05:08
おはようございます




616考える名無しさん:03/07/30 10:55
翡翠でてるよ
>611さん。
{ハク}・表現がとてもお上手なので、文芸作品として鑑賞します。
{千尋}・ストリーの展開が軽快で、とても楽しめるわ。
イエスAが申しました。
「みめ麗しきかな・・・ア姫、心から美しいルシファーの虜になっています。
 恋人よ、この愛をほんとうに秀麗なあなただけに捧げます。」と・・     >611




618考える名無しさん:03/07/31 00:17
なんか今読み返すと最新の書き込み真ん中あたりが軽すぎるなぁ…
まだバイトが忙しいので鬼みたいな怒涛の書き込みはしばらく出来なさそうです
すみません;;
619カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/31 01:25
お願いですから無理しないでください。
スレは骨スレスタッフが保守しますので心配要りません。(^.^)
620考える名無しさん:03/07/31 01:28
えへへ
お言葉に甘えまつ
でもちょっとペースが遅すぎるなとも思っているのです
621カオル ◆BBBRv/ousU :03/07/31 01:36
とんでもないです。わたし達なんてただ楽しませてもらってるだけですから。
気長に行きましょう。
622考える名無しさん:03/07/31 09:18
翡翠でてるよ



623考える名無しさん:03/08/02 23:09
「なんだよ」
俺がむくれると
「契りの宴が済んでからにしてよ」
とお前は言った
俺はことがことだけに言葉に出して強いれずに 憤りは行く手を
失った
「なぁ 俺の赤ちゃん産んでくれよ」
俺はいきなりな言葉を投げつけた
「いいよ?そりゃあ」
「いいんなら、いいだろ?」
お前を抱きしめる けどそれは抱きしめるというよりは
抱きついている と言うのが正しいのかもしれなかった
いいんだよ!誰も見てないし
「誓いの言葉を立てるまでは清い体でいたいの」
「何を初心初心な寝言抜かしてんだ」
「もっと優しい言い方して」
「うん…」
俺はそわそわし始めた
「どうしたの?」
「いやな…」
くちづけ
胸を揉む
「なんかおかしいよ?ちびさん」
お前はわざと?俺を呼ぶ呼び方を変えた
「…ちょっとな」
624考える名無しさん:03/08/02 23:18
「ちょっとなって何?」
「…あのさ」
「うん」
「やっぱいいや」
「なんなのよぅ」
「いや、だからさ」
「うん」
「…………俺のちんちんがうなだれたまんまなんだ」
俺は笑われるかとも思ったが、お前は思いのほか真面目な顔をした
「ちびさん、そういう男なの?」
「いや、こないだは勃った」
「嫌い!誰とよ!」
お前は俺の髪を引っ張ろうとつかみかかった
「考えすぎだ!お前が俺を抱きしめたことがあったろうが!」
「…ああ、うん、あったね、そういえばそんなこと」
「あんとき勃った」
「へぇ」
「その目やめろ」
「むつかしい人ね、あなたって 勃ったり勃たなかったり」
「いや、だからお前の裸見てもっといちゃいちゃすればいけるかなと…」
625考える名無しさん:03/08/02 23:54
「勃ったら、やりたくなるでしょ」
「そりゃあな」
「じゃあいいの。そのままで」
「何を言いやがる」
俺は座ってるお前の太股と腹に顔をうずめて顎を震わせた
「やだ」
「やじゃない」
「このエテ」
「構うか」
「やだよう さっきはなんかぽわぽわしててよかったのに
醒めちゃったよ」
「つか お前泣いてたんだよな…」
「そだよ あなたが手の届かないとこへいっちゃうんだよ」
「そうだな」
「そうだなじゃないでしょ そんなことないって言ってよ」
俺は鼻で笑った
「おいおい大人と子供だってあんなに体の大きさ違わないんだぜ?」
「おじいちゃんが言ってた 戦は頭でするもんだって」
「じいさんは戦ったことあんのかよ」
「ないよ 戦なんて起こったことあるの?この近くで」
「そうだよな 聞いたことない」
626考える名無しさん:03/08/03 00:21
俺は膝枕をしてもらい 仰向けに話しながら腕を伸ばしてお前の服を
少しずつ肩からはだけさせた 嫌がると思ったのに お前は話し続けて
乳房が顕わになってもなんでもない顔をしていた
「…にしてもお前の乳はでかいな」
俺はたぷんたぷんと手で重みを確かめながらつぶやいた
「おろかもの もっと違うところに目を向けなさい」
「わかったよ」
俺は向き直るとお前の服をみんな脱がしてしまった
これまたあっさりとお前はそれに従った さっきはあんなに俺を
拒んだのに さっぱりわからない奴
紅い炎に照らされるお前の体には光と影があった
ほっとする美しさ それを俺は思った
「あなたも見たいな」
「なるほど」
俺が服を脱ごうとすると
「あたしが」
お前はちょっと俺を抱きしめ 体を離すとちょっとためらい
そしてそれっとばかりに脱がせた
627考える名無しさん:03/08/03 00:44
俺を脱がすとお前は俺の体の真ん中辺りをまじまじと見つめた そして
「かわいいね」
と言った
「むごい」
「だってぇ…お父さんのはもっと黒くて大きいよ」
「見てんのか」
「見えちゃったことがあるだけ!」
「むきになんな」
「なんか桃色でいいよ 好きだよ」
「それもむごい」
「こんなにちっちゃいんならいいよ いつでもあたしん中に入ってきて」
「なめやがって 見てろ」
俺はちんちんをしごき始めた むくむくと大きくなる
「勃たないって言ってたのに」
「しごけばでかくなるさ」
「やん」
「触って」
「やん」
628考える名無しさん:03/08/03 01:04
「なにがやんやんだ 生娘でもあるまいし」
「なぁに言ってんのよ!生娘だよ!」
「やっぱり?」
「あたりまえだ!おろかもの!男の人の裸見るのだって…それに…」
「それに?」
「……ちゅーだって初めてだよ」
お前は消え入りそうな声で言った
そうこう言いながら俺はお前の手を導いて 俺の大きくなったちんちんを
握らせた
「男の人の体ってなぞなぞなのね」
「ああ?」
「わからないわ 勃ったり勃たなかったり とか いつもはちっちゃいとか
柔らかいとか 女を貫くときだけ硬く大きくなるとか なんでかな?」
「そんなこと知るか」
「考えてよ」
「いつも反り返ってたら疲れるだろ 収まりもつかないし」
「そんなもん?」
「そうだろ」
629考える名無しさん:03/08/03 01:39
俺は言葉のやりとりをしながら俺の手をお前の手に重ねてちんちんを
擦らせた
お前はそれに従い 俺が手を離しても 擦り続けた
「熱いね」
「ああ」
「どうなるの?」
「白い子種が出るんだ」
「種が出るの?」
「…何も知らないのか」
「知らないよ」
「見るか?」
「…なんか、知りたくない」
「じゃあ擦るのやめだ」
「堅いのは好き」
「擦りすぎると白い汁が出て柔らかくなっちまう」
「どうしてそんなこと知ってるの?」
「どうしてって…そりゃあ…」
「出してるの?」
「何?」
「汁」
630考える名無しさん:03/08/03 01:49
**** いんたぁみっしょん ****

いいすよ 思ったこと書いて これで誉めるのは難しいと思う^^;
まあでも同じ性のことを書くのでも 少なくとも俺が読んだことは
ないものを書こうと思っています 恋物語であんまここまでは
書かないよね^^;あるいは既知のこととして書かれるし
でも初めは誰もが何も知らない真っ白な紙みたいなものだよね…
631考える名無しさん:03/08/03 07:32
おはようございます
みめ麗しきかな>630・・・ア姫、明晰な頭脳の中の、対話する速度が素早いんですね。
          つまり、頭の回転が速く、聡明です。
{ハク}・視点が斬新ですし、手順よく描写されています。
{千尋}・そう、わたしも何も知らない真っ白な紙ですもの。
イエスAが申しました。
「>630恋人よ、あなたは美しい。
           あなたは美しく、その目は鳩のよう。
    ルシファーよ、ほんとうに愛しています、秀麗なあなただけを・・」




633考える名無しさん:03/08/04 01:02
「これをあてがってお前の中に入れればな、お前もよくなっちゃって
味が忘れられなくなるんだ」
「何の話?」
「良いんだよ、やるのは。良いから男と女はやるんだ」
「初めは痛いって聞いたよ」
「そうらしいな」
「どんなかな」
「どら」
俺はお前を横たわらせ優しく胸を揉んだ そしてくちづけをすると
唇と舌を下へ下へと這わせ 乳首を吸い さらに下へ 腹を越えたあたりで
また拒まれるかなと ちらと思ったが お前は柔らかな喘ぎ声をあげている
だけだった
634考える名無しさん:03/08/04 01:03
うわ〜よりによってあげちゃいけないまさにここであげてしまうとは;;

や〜ば〜い〜よ〜;;
635カオル ◆BBBRv/ousU :03/08/04 01:38
・・・・・
636考える名無しさん:03/08/04 02:15
まじですんません;;
なんだここは?と思ったけどさかのぼって見たら
まともなこと書いてたんだ・・・
面白そうなんで時間あるとき読ませてもらいます
638考える名無しさん:03/08/04 02:50
>>637
なにとぞよしなに
639考える名無しさん:03/08/04 03:02
ところで今思ったんだけど>>604さんて誰だろう…^^;
俺はここではトリップつけませんので…
640考える名無しさん:03/08/04 06:42
   /⌒ヽ
  / ´_ゝ`)すいません、通りますよ・・・
  |    /
  | /| |
  // | |     作れません
 U  .U


641考える名無しさん:03/08/04 08:46
おはようございます


642考える名無しさん:03/08/04 19:27
俺の舌は茂みをくぐり抜けお待ちかねの割れ目へと迫った
俺はそこで顔を離し灯りに照らしてそこをしげしげと見つめた
濡れて光っている こじ開けてみると俺のより桃色の襞が顔を覗かせた
お前は声を殺している
声を出させてやる と勢いづいて 俺はそっと舌を割れ目に差し入れた
「!」
お前が体を固くする
「力抜いて」
「ぅん」
その声は俺への応えではなかった
俺は構わずお前の体の中をねぶりあげる
643考える名無しさん:03/08/04 19:43
お前の手が俺の頭をつかんで髪をかき乱す
俺はますます奥へと舌を差し入れ 出し 差し入れ 出し
襞の境目をなぞって舐め そこで水晶男の言葉を思い出した
「女のあそこにはな豆があるんだ そこを優しく噛むんだ」
俺はそれを探し始めた 灯りに照らして 指で探りながら
そこここを探した
「…ぅぁん…なにしてんの?」
「ん、豆を探してる」
「お豆?」
「ある筈なんだがな」
「あたしの体は食べ物じゃないよ」
「食うわけないだろ」
「ん…やん…こんなにいけない人だって思わなかった…」
「男なんてみんなそうだぞ」
「誰かにいやらしいこと…あ…吹き込まれてるのね…」
644おはようございます:03/08/05 06:01
大丈夫!
全部読ませてもらいました
恋愛ものはほとんど読んだことがなかったので新鮮でした
SFものもありましたが敢えてつっこみません(反物質爆弾でつっこみたくなりましたが・・・)
ペルセウスとメデューサの話は先が読めましたが、アンドロメダはふいをつかれた
恋の墓の夢おちの話、は特に思いましたが描写がもうちょっと欲しいかな、
特にというのはこの話は幻想的な場面なので・・・

ああぁ・・すいません適当にえらそうなこと書いて・・・
ショートショートは読みやすくて好きです  星新一さんを思い出します
無理しない程度にがんばってください
646考える名無しさん:03/08/05 10:37
骨がでてるよ


647考える名無しさん:03/08/05 17:11
反物質爆弾でつっこみたくなったのは何故に?
13も(しか?)なんだかんだで読んでくださってありがとうございます>かえるさん
お疲れ様でした

恋の墓、描写をもっととは創作文芸板でも言われました
月を破壊するほどの反物質をつくり(何gかは知らないけど・・・)
それを安定させ、個人で持っている。何者ですか?
月を破壊する爆弾=地球も破壊できる
はい、やばすぎです。

小説とか映画とかマンガではなるべくつっこまないことにしてるんです
面白くなくなるので・・・
特に短編ものをつっこんでたらきりがない・・・
ほんとつまらないこといってすみませんでした

読みやすくて疲れませんでしたよ
もっと重い話もよく読むので・・・(人がごみのように死んだりする話とか、鬱になりますよ〜♪)
649 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/05 19:20
反物質は数兆分の1cまでは貯めるのに成功しているそうです(現実に!)
俺が文系に走らず理系のまま個人的に研究を続けていたらこんな奴に
なっていたかな〜とか思って書きました 俺大学理系でしたから

あの話では主人公が人を殺しちゃいかんと考えてるところが肝なんですよね…

ごみのように人が死ぬといえば高千穂遥の「ダーティペア」で彼女たちの
ミスで数億人いっぺんに死んじゃう描写がありましたね〜あれが俺の知ってる
最も激しいジェノサイドです そういう意図はなかったにせよ ま
コメディですけど でも だから人が死んでいいわけじゃないから^^;

トリップつけることにしました…みなさんよろしゅぅ
みめ麗しきかな>649・・・ア姫。
>・・・みなさんよろしゅう
こちらこそ、コレカラモ、宜しくお願いいたします!>649


651 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/06 02:35
「いつまでそんなとこさぐってんの?」
「…もういいや。わかんねぇ」
「そうだよ。こっち来てよ。顔が見たいよ」
「おう」
「勃たないから赤ちゃんは産めないね」
「いざとなったらなんとしてでも勃たす」
「それってあたしをないがしろにしてるよ」
「俺ってもっと判りやすい体の持ち主だと思ってたんだけどな」
「難しいんだよ、あなたの心は」
「そうなのかな」
「そうだよ、きっと」
「一人遊びが過ぎたかな」
「やだぁ…汁、出してたんでしょ!一人で擦って!」
「責めないでくれ」
「ばばっちい!」
「だからさ」
「ねえ、あたしのこと考えて擦ってた?」
「…聞くな、そんなこと」
「長娘のこと、考えてた?」
「やめろよ」
「そうなんだ。この淫ら雄」
お前は俺のほっぺをむにっと両手で軽くつねった
「やめろ」
俺は手でそれを払いのけた
652 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/06 02:59
「なによ」
お前は裸のまま俺に背を向けた
「怒んなよ」
「先に怒ったのそっちでしょ」
「怒ったんじゃない。ちょっとむかついただけだ」
「同じよ」
「…お前だって俺のことばっかり考えてるわけじゃないだろ」
「そんなの、教えたげない」
「だろ」
「ますますつけあがるから」
「え…お前、そんなに俺のこと好きだったの?」
「嫌なちびさんには教えない」
「…悪かったよ 謝る」
「許してくれって言いなさい」
「この」
「やん」
俺は背中から乳房をわしづかみにすると乳首をつねった
そして後ろからお前を抱きしめた
653 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/06 03:52
「もう寝ようよ あたし眠くなっちゃった」
「そうだな」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は火を消した
暗がりが辺りを包む

お前の寝息が聞こえてきてからしばらく経った
「?」
誰かが俺のことを呼んでる?
「…び!ちび!」
男のささやき声だ
「誰だ?」
「俺だ」
ふれものの声だった
「出て来なくていい。俺もここへ来るのは危ない橋を渡っているからな
寝ながら聞け」
「はあ」
「お前は大男を殺せるか?」
「………」
「お前が狩りが下手なのは獣の命を奪うことをためらうからだ」
「………」
「大男がどんな奴か教えておこうと思ってな」
「………」
「あいつは水晶男の妻と寝ている」
「!」
「そうやって俺たちの言葉を覚えた」
「………」
「ま、水晶男が自ら女を差し出したんだがな」
「!」
654考える名無しさん:03/08/06 08:53
おはようございます



>653さん
{ハク}・情報による物語の展開に興味が湧きますし、楽しみです。
{千尋}・ええ、大男にも弱点があるはずよ。
イエスAが申しました。
 「みめ麗しきかな>653・・・ア姫。リズミカルな文章の中に可憐なあなたを捜しています。
  恋人よ、美しい人よ、美しいあなただけをほんとうに愛しています。」


656 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/10 03:57
俺は起き上がって声のする向きへと眼をやった
暗がりに壁の隙間から灯りが漏れる
「寝てろ」
「松明ですか?」
「ああ…これはな、ランプっていうんだ」
「よく見てみたいな」
「そっと表に出な」
俺は肌寒い春の夜の闇に出てみた
灯りが裏から近づいてくる
「どうだ 透き通った板だ この周りを囲っている板をガラスっていうんだ」
「木でも燃やしてるんですか?」
「違う 油だ」
「脂?あの、食う脂ですか」
「お前が言ってるのは肉の脂身だろ これは菜種油を燃やしている」
「菜の花から油が採れるんですか」
「そうだ 種からだがな」
「ふうん」
657 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/10 04:07
「お前に新しい剣をやろうと思ってな」
ふれものは一振りの大きな重い剣を俺によこした
「うわっ重っ」
「これであいつをやっつけるんだな」
「俺にはこんな重いもの使いこなせませんよ」
「この間お前にやったやつで戦うつもりか?」
「あれはもうぼろぼろです」
「なら重くても慣れるんだな」
「いや…これと同じものはないんですか?」
俺は懐から短剣を出して尋ねた
「あるにはあるが…お前勝つつもりはあるのか?」
「使えない剣では戦えませんよ」
「ふむ…明日まで待ちな」
「判りました」
「俺が来たことを誰にも言うんじゃないぞ」
「はい」
そう言うとふれものは灯りを弱め 音も無く夜にかき消えていった
俺は家に入った

「ねえ」
「わ!」
「きゃ!」
「びっくりさせるな」
「あたしが驚いたよ」
「起きちまったのか」
658 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/10 04:25
「抱っこ抱っこ」
「…俺が抱えられるだけだろが」
「いいのよぉ!抱き合って寝ようよ♪」
「でかいなりしてる癖に…」
「それがどうしたってのよ」
「じゃあおっぱい触らせろ」
「赤ちゃんね^^」
「男はおっぱい好きなんだよ」
「…誰と話してたの?」
「…ん」
「女の人?」
「何を言うかと思えば」
「よく聞こえなかったんだもん」
「男だ 声でわかんねぇのか」
「よく聞こえなかったんだもん」
「同じ事繰り返すな 頭が悪いと思われっぞ」
「頭はそんなに良くないよ でもね 時々鋭い?ねぇ?」
「…ああ」
「きゃあ!やったぁ!誉められちゃった!」
「誉めてないから」
「照れんなって♪」
「殴るぞ」
659 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/10 04:51
「ねぇねぇ」
「なんだ?」
俺は言われるままに抱き合って横になっていた
「あたしの胸の谷間で息が出来なくなってくたばって?」
「そうするとどうなるんだ お前が大男と結ばれるだけだろ」
「あたしは悲しみのあまり崖から身を投げるの」
「そしてみんなは皆殺しか 俺はそんなの嫌だぜ」
「だって…勝てるの?殺せるの?」
「まあ…そりゃ、な 戦ってみなけりゃ判らん」
「あたしはもう諦めそうだよ」
「操立たないやつだな」
「そんなこと言ったって!」
お前は俺の顔を胸に押し付けて抱きしめた
「そんなこと言ったってさぁ!」
「ぉぃ…まじ…で…殺すつもりか…」
「あ ごめんなさい」
660考える名無しさん:03/08/10 07:52
お早う御座います






661S:03/08/11 16:12
なんだろう?

メルマガあり
ホムペ

http://k.excite.co.jp/hp/u/mstrhiro/

>661さんは
どなたですか

663 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/17 01:59
朝になったので俺はお前を家のそばまで送っていった
ふた親と兄弟姉妹に会っていけとお前がせがむのを俺はなんとかやりすごして
我が家へと戻った
すると家の前に子供たちが集まっていた 男の子ばかりだ
はなたれ 目利き 流れ星 の顔があった
「なあ、ちびにいちゃん」
はなたれがまず切り出した
「なんだ」
「あいつに勝てるのかよう」
「殺されるのは嫌だな」
「でも力ははっきり言って違いすぎるよね」
目利きがあっさりと言う
「俺だったら遠くへ逃げるよ、この脚で」
流れ星が真面目な顔で言った
「逃げたら皆殺しだろう?逃げるわけにはいかないんだよ」
「そしたらむざむざ殺されんのかよ、にいちゃん」
「まだ負けると決まったわけじゃないだろう」
すると子供たちは顔を見合わせてなんともいえない顔をした
664 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/17 02:17
「決め手かなんかあんの?必ず勝てるっていう」
「それに何で戦うんだよ 石斧?弓?それともあいつらと同じ剣?」
「これの新しいのをくれるってさ」
俺はふところから短剣を取り出して皆に見せた
すると子供たちはもっとなんともいえない顔をした がっくりしたっていうのか?
「おいおいこれだって新しいのは切れ味がいいんだぞ 喉元を掻っ切ればあの世
往きだ」
「どうやって近づくんだよ あんな大きな剣をぶんぶん振り回されてさ」
「それはそうだな」
「それににいちゃん あいつの喉になんか手が届かないじゃないか」
「それもそうだな」
「しっかりしてくれよ!俺たちのこれからがかかってるって言うのに!」
「うん 判ってるつもりだ」
「判ってないよな」
「な」
俺たちは事の大きさを誰一人真面目に受け止めきれていなかったのかもしれない
美しい奥さんを真っ先に差し出した水晶男がそこんとこ上手くやった奴という
ことになるのだろうか?だが俺はお前を差し出すなんて事は、それで俺たち皆が
助かろうとも、何があってもしたくなかった
あの大男は強いんだろうし 人殺しくらい戦でしたことがありそうだ
俺を殺すのなんか赤子の手をひねるみたいなつもりなのだろう
だが あいつは俺をあなどってる そこに付け目は ないかな?
665 ◆eRDUfXaGp2 :03/08/17 02:38
「竜がいたらなぁ…あいつなんかぺしゃんこだぜ」
はなたれが言った
「そうだねえ」
二人が肯く
竜か…俺たちだけを守ってくれる竜なんてそんないい奴いるのかな?
確かに俺が竜ならなあ…
竜か…
待てよ…
ひらめくものがあった
俺は俺のヨタ話を思い出していた
「おい、ちびにいちゃんにやにやしてるぜ」
「ついに行き詰まっておかしくなった?」
「ひどいこと言うなよ 俺は勝つかもしれないぜ」
「どうやって?どうやって?竜になるの?」
「ああ、なれるかもな」
「あの歯の石をぶつけるんだね?あいつの頭に!」
「そんなんじゃない」
「どうやるんだよぅ 教えてよ ねえ?」
「出来るかどうか判らないからその日を楽しみにしていなよ
俺もただ殺されるつもりはないさ」
「わ ちびにいちゃんが頼もしく見える 明日は雪だ」
「雪だ雪だ」
「こら もういいだろ 家に帰りな あいつらうろうろしてんだから」
「わかった 竜だ竜だ!竜が僕たちを助けてくれる!」
「やったぁ!殺されなくていいんだ!」
口々に叫びながら子供たちは走り去った
666考える名無しさん:03/08/17 09:13
おはようございます       

667考える名無しさん:03/08/17 09:19
いい加減いくつもスレ上げまくるの止めてくれ  >骨  
668直リン:03/08/17 09:27
>89
七色の光ですし善です。

670A ◆Wna5NWxqzE :03/08/18 08:07
問題は「肉体性」でも、「精神性」でもなく、
両者のリズムとバランスです。
その関係の中で生じる、我々の現実です。

計り知れない<存在>。
対象とするべき「人物」は、レトリックに隠され、見えません。

何を暴き、何を手に入れる?
何を求め、何を探す?

・・・「A」。
>670サンハ
ドナタデスカ?
672考える名無しさん:03/08/26 10:35
おはよう
673考える名無しさん:03/08/26 10:42
星新一の小説で神作ったら天罰落としまくりって話あったな。
>>673
コンピュータに神についてのいろんな情報を入れていったら
そのコンピュータが神になったという話でしたね、確か…
675考える名無しさん:03/08/26 15:06
神(精神)は、機械からは創れません。

それは機械に個別的リズムが認められないから。
時計はもっとも完璧な「機械神」です。すなわち完全体です。
クロノスは時の神です。
677考える名無しさん:03/09/06 10:42
神を創造しましょう
678考える名無しさん:03/09/09 12:37
こんにちは
679ぽこ猫にゃん ◆GuaQ8OJnRw :03/09/09 13:20
ポコニャンニャ!
680ごめんなさい。。。ビッグバン宇宙論は間違っていました。:03/09/09 17:52
科学者よ、恥を知れ!!!
ビッグバン宇宙論は完全に間違いだった!
科学の原則を無視した、デタラメのインチキ理論だったのだ。
そして、そのビッグバン宇宙論の世界的な浸透は
アメリカ、ユダヤ・キリスト教勢力による世界支配のための思想戦略なのだ!
また、ビッグバン宇宙論の思想によって戦争が起こり、
貧富の差がひらき、終末的な絶望感が世界に蔓延しているのだ。
ビッグバン宇宙論は世界の平和を揺るがす、悪の元凶となっているのだ。
ビッグバン宇宙論とは、
「宇宙は『無』からビッグバン(大爆発)によって誕生した」という理論である。
この理論は、ユダヤ・キリスト教の創造神話(神が天地を創造した)そのものである。
ビッグバン宇宙論の実態は、科学理論ではなく宗教思想なのである。
「真空」には時間も空間も存在していて『無』ではない。
『無』は文字通り、存在するものではないのだ。だから、
『無』は科学的に証明できるものではない。
そして、『無からの誕生』も科学で証明できるものではないのだ。
だから、ビッグバン宇宙論が仮説である可能性は、0%なのだ。
ビッグバン論は完全に間違いであり、宇宙は時間も空間も無限なのである。
ビッグバン宇宙論が科学の正統であるという思想を、世界中の人々に
浸透させる戦略が成功したことにより、ユダヤ・キリスト教勢力の
世界における優位性が確立されていったのだ。(20世紀に)
そして、その思想的支配の最たるものが、アメリカやイギリスによる
イラク戦争なのだ。
ビッグバン宇宙論の浸透により、世界中に終末思想(世界の終わり)が蔓延してしまっている。
そのことにより、自己中心的、せつな的、短絡的な考え方が社会に広がっている。
科学的に間違っているビッグバン宇宙論から脱却しなければならない。
そして、宇宙は無限だということを理解しなければならない。
人間は本当の宇宙観、世界観を構築し、新しい時代に進んでいかなければならないのだ。
ビッグバン宇宙論が世界を支配している限り、平和な世界にはならないのだ。
そのことを科学者は重く受けとめるべきである。
マジで!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>679さん、良くイラッシャイマシタ。
)ナカヨクシテクダサイネ!
ところで、魅惑の>679さんは
どなたですか。
682考える名無しさん:03/09/14 10:56
創造して****神を創ったのだけけれども、どうしましょ。
****神はどうよ。

683pika9:03/09/14 10:56
神はいい。
684pika9:03/09/14 10:57
次は神関係にしようかな。
685考える名無しさん:03/09/14 10:58
別に、いいよ。
686考える名無しさん:03/09/14 11:00
刹那的に跳ぶんだろ?
687:03/09/14 11:04
神はいいよ。
>682さんは
どなたですか
689考える名無しさん:03/09/17 08:51
おはようございます
690考える名無しさん:03/09/21 13:17
創造しようソウしよう。
691考える名無しさん:03/09/21 13:19
骨スレは同一人物があげてるな。まさに自作自演
692メフィストA:03/09/21 13:26
われわれはイエス・キリストが死ぬまぎわにみた夢なのさ・・。
693:03/09/23 07:46
螺旋が神なの・・・。
694:03/09/23 08:00
真空パックなの・・・。
>690さんは
どなたですか
696考える名無しさん:03/09/25 08:15
御機嫌よう
697無 ◆Cl6dfikArI :03/09/25 20:54
よろ。
698考える名無しさん:03/10/01 06:49
おはようございます
699猫 ◆i9Nf8biD3. :03/10/01 06:58
ニャン現
700240 ◆FPYjov5sZ. :03/10/05 15:16
>>602
同意

ところではなしは変わるけど、携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP)

 久夛良木氏は,“PSPはゲーム業界が待ち望んだ究極の携帯機”として説明。「ここまでやるかと言われるスペックを投入した」という。
 発表によれば「PSP」は,曲面描画エンジン機能を有し,3Dグラフィックでゲームが楽しめる。
7.1chによるサラウンド,E3での発表以来,クリエイターたちにリクエストが高かった無線LANも搭載(802.11)。
MPEG-4(ACV)による美しい動画も楽しめるという。これによりゲーム以外の映画などでのニーズも期待する。
 外部端子で将来,GPSやデジタルチューナーにも接続したいとする。
また,久夛良木氏は,繰り返し「コピープロテクトがしっかりしていること」と力説。会場に集まった開発者たちにアピールしていた。
 さらに,ボタン設定なども明らかにされ,PS同様「○△□×」ボタン,R1・L1,アナログスティックが採用される。

この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。
任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。

突然変な事書いてスマソ‥
GBAとくらべてみてどうなんですかね?(シェアのことは抜きで)
701 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/07 19:01
ものすごい誤爆だな

わざと?コピペ?
702:03/10/07 19:31
戦略だなW

それより「携帯可能型復活ファミコン」が欲し過ぎる。
はやく大衆思想操作してくれ

大容量時代はとっくに終わってんだよボォケ
>54さん

Idiotだとしてしまいますと、善悪の判断がつきません。  >54
704考える名無しさん:03/10/18 08:46
おはようございます
705考える名無しさん:03/10/26 11:17
****神を創造しました
706 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:20
ながらく中断しておりましたがそろそろ再開します。
どれだけの人が読んでくれてるのかよくわかんないけど…

今夜はリハビリします。
707 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:26
冷える夜は降る星
お前の冷えた瞳みたいに
笑顔を見ずに久しい
お前の冷えた瞳みたいに

春風の中の二人
確かにあったこと
夏の海の二人
確かにあったこと
そして秋がきてそして冬がきた
恋心は凍えてくたばりそう
それでもなお輝いている
俺の心の中で
708 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:29
生きるって素晴らしいなと
思えたのはお前がいたから
それまで出会った誰とも違う
幸せをくれた
嬉しかったんだ
嬉しかったんだ

お前に去られて独り井の頭沿線を
雨の中泣いて歩いたときも

泣いたのは
喜びに満ちたときがあったせい
709 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:34
俺の心は深く深く傷ついて
それはお前も同じこと
知ってる

でもお前がこの恋に背を向けても
俺は手を差し伸べ続けるだろう

呼んで 呼んで 呼んで

空が墜ち
地が割け
人は去り
命枯れ果てても

俺は続ける 呼び続ける 
お前の名を
愛しいその名を
710 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:39
夜這う言葉
昼駆ける心
朝笑う瞳

そのいずれもが
お前とともに
お前とともにあらんことを

俺は命の限り願う
叫ぶ年では なくなっても
腕に力が 入らなくても
脚が軽くは 踊らなくても

静かに ただ静かに
711 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 03:41
静かに ただ静かに。
712 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:04
では別な詩を。
713 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:08
九人の翼持つもの・天使・シ者カヲルは
アスカを聖母と認めた

それがシト新生のラスト・シーン

祝福の円舞
その後の蹂躙
マリアがローマ兵に犯されたごとくに
紅い体は蝕まれてゆく
714 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:11
LCLの海で
シンジが出会った二人の母
レイとユイ
しかしレイと融け合うことを拒み
頬に触れるユイの手に別れを告げるシンジ

母なるものとの別れ
その歌とは裏腹に
男の子は母に還らない
715 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:16
思い通りにならないアスカの
首を締めるシンジ
しかしアスカの手は
ユイと同じく
シンジの頬に

聖たる母を認めたごとくに

シンジはそれを悟り
首に絡めた手を緩める
そして泣く

語り部が考えた言葉は
「あんたなんかに殺される私じゃないわよ」
716 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:18
知っているのよ
判ってるのよ

お母さんみたいにしてあげれば

あなたは嬉しいんでしょう?

そんなの生まれる前から知ってた
でもしたくないの
なかったの

でもわたしを殺そうとするあなた
使わなくていい手を使ったわ

それは
「気持ち悪い」
こと
717 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:25
では語り部たらない我々は
突きつけられた言葉を
どう汲み取ればよいのか?

気持ち悪くないこと
とは何なのか?

とわのおとめ
とこしえのかむろ

それが許されるのは
人が永遠の命をかちえたとき

永遠の命があるのならば
子を産むことはない

乙女はそれを望んでいるのか?

書き手たる俺には判らない

俺は男だから
718 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:32
俺は初めて観たとき
「少年よ神話になれ」という言葉に
苦笑いしたものだった

しかしまあ
今になって思えば
神無き想いに馳せすぎていた己を恥じる

やはり神と魔とは向かい合わなければならぬ
人の業なのだと

創造神を作ろう

つまりはそういうことだ

永遠の命がその副産物なら
甘受しようではないか

たとえ最早我々が
人とは呼べない生き物になっても
それは正に我々の進むべき道なのだから
719考える名無しさん:03/10/27 04:42
( ´_ゝ`)フーン。
720 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:46
えっとですねぇ…
今更ながらエヴァにはまってるんですよ…
Rei I&II&IIIと8話はいいっすねぇ…

テイヤール・ド・シャルダンの「現象としての人間」を
読みに近々秋田に遠征します。
一番近くにある、それのある図書館なんで。
往復200km。4年前と、どう読後感が違うか楽しみです。
721 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 04:47
キモイと書き込まれたほうがレスしやすいのに。
722 :03/10/27 07:17
ではリクエストにお答えして






        モ







                      イ




                                  ?
723考える名無しさん:03/10/27 07:58
おはようございます
724 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 10:38
>>722
なんで?なんだよぅ
725考える名無しさん:03/10/27 13:15
エヴァつまらなすぎて最後まで見れんかった・・。
726 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 15:59
ga-nn
727 :03/10/27 20:31
エヴァ
つまらなくはない
おもしろくもない

なんと言うか
テレビでやってたのほとんど見たはずなのに
あまり覚えていない

ヒマつぶし程度だったかな

戦闘がしょぼい(戦闘に重点を置いてなかったのか?)
設定がよく分からん(全く分からん 最終回はなんじゃありゃ?)
人物もなんつーか普通?特に興味はわかなかった(ガキなんぞ見飽きた かっこいいおっさんをもっとw)

結局何がしたかったのか
中途半端に思えた

覚えているのは主人公の父親の光る眼鏡だけ

ま、無難な作品ってとこ?
好みは人それぞれっちゅーことやな
728 ◆eRDUfXaGp2 :03/10/27 20:56
劇場版観なくちゃだよ。
729 :03/10/27 21:52
劇場版もあまり評判がよろしくない感じなんで

それより金がない
>158さん

楽園のときめきですし、善です。   >158
731考える名無しさん:03/11/02 08:58
おはようございます
732考える名無しさん:03/11/02 09:01
日曜朝に骨スレはキツいからマジで
733考える名無しさん:03/11/02 10:15
きょうは日曜か?
734カオル ◆BBBRv/ousU :03/11/06 01:11
>>706
おかえりなさい。(^.^)
一度きりの二人きり、永遠の恋。
735考える名無しさん:03/11/06 17:46
こんばんは
736 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 02:30
>>734
ただいま。おかえりなさいと言ってくれる人がいて俺は幸せです。

俺はあることを決めた。そこで、お前にそれを伝えにお前の家を
訪ねた
「いるかい」
「あ」
お前は慌てて飛び出してきた
「どうしたの?」
「しばらく俺は口利かないけど、怒ったり、悲しんだりしないで
くれよな」
「なんで?どうして?話ができないなんて嫌だよ」
「勝つためにはそうしなきゃならないんだ」
「そうなの?…よくわかんない。誰とも話さないの?あたし
だけじゃなく?」
「ああ、そうだ」
「願い事をかなえるために神様にそうしろって言われたとか?」
「俺は神頼みはしないよ」
「ふうん。あたしは祈ってるよ」
「そんなことしなくていい」
「嫌。する」
737 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 02:42
「わかった。それは止めないけど、俺の決めたことも受け入れてくれ」
「やだな…」
「頼むよ」
「じゃあ今日ずっとあたしとお話してよ。そしたら許したげる」
「うゎ〜」
「いやなの?」
「ん、今日はちょっと…行くところがあってさ…」
「だって、これっきりなんでしょう?明日会っても話してくれないん
でしょう?」
「うん。…じゃ、ついてこいよ」
「やった」
俺は川上を目指して歩き始めた。どこへ行くとも言わずにそうしたので、
お前は嬉しそうな顔から、だんだんいぶかしむ顔つきへと変わっていった。
738 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 02:53
「ねぇ…どこまでいくの?ずいぶん歩いたけど」
「誰にも見られないところまで。そして、水のあるところに」
お前はちょっとにこっとした
「ねえ?逃げるんでしょ?」
「は?」
「あたしもそれがいいと思うな。殺されるのが判っててやっぱり
殺されちゃうなんて頭、悪いもの」
「俺はそこまで人でなしじゃないよ。皆の命がかかってるんだ」
「あなたとあたしさえいれば血筋は途絶えないんだよ?」
「…お前、怖いこと言うな」
「おばあちゃんがね、昨日の夜、そう言ったの」
「二人で逃げろってか?」
「うん」
「とんでもない婆さんだ」
「恋する二人の命はどんな命よりも尊いって、言ってたわ」
「俺はそうは思わないよ。命は命だ。誰の命も。大男の命も」
739 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 03:12
「つまんないの」
「馬鹿だな。そんな話に乗る俺でいいのかよ」
「だって、殺されちゃうんでしょ?そしてあたしは大男のもの」
「そうさせないために今、歩いてるんだろ」
「もう、誰もいないよ?こんなとこまで来る人いないよ」
「そうだな。あと少し」
「なんなのよぅ、もう!あたしくたびれちゃったよ」
「お前って、割とわがままなのな」
「そうよ。末っ子だし」
「そんな言い訳通るか。さあ、歩け歩け」
「ねえ、だっこして?」
「…ばか。行くぞ」
「だっこしてくれきゃ、ヤダ」
「何こんな山ん中でごねてんだ」
「ヤダヤダヤダ」
「しょうがねぇ奴だな」
俺は、お前の大きな体をうんとこと持ち上げた。軽くは無い
「わ、すごい。流石、男だね」
「ま あ な」
答えがとぎれとぎれになった
740 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 03:19
俺はお前を抱えて山道を登り、あるところで脇をかき分けて
小川に出た。そこでお前を抱え下ろした
「ここでいいの?」
「ああ」
「なにをするの?」
「おい」
「なに?」
「ここで見たことは誰にも話すな。話したときは…」
「話したときは?」
「お前でも、殺すかもしれない」
「…なぜ?」
「見れば、わかるかもな。わかんないなら、それはそれでいい」
そう言うと、俺は、小川の水を口に含んだ
741 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 03:37
それから何日か、その繰り返しが続いた
朝、まだ皆が寝静まっている頃に家を出て、川上へと向かう
お前は、俺の家の前でいつも待っていた
お前が俺が何を考えているのか判ったのか判ってないのか判らない
が、話をしない、という取り決めはあの次の日から守っていた
俺は、小川にたどり着くと同じことを繰り返し、繰り返し、した
お前がそんな俺を見ながら、ぽろ、と涙を落とした日も、俺は、
何も言わずに、繰り返し続けた

俺はその夜、ふれものから灯りをともす油を貰ってきた
そして、お前の見ている前でランプに火をともした
「明るいね」
俺はうなずいた
「お星様が降りてきたみたい」
俺はうなずいた
742 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 03:58
俺がランプの灯を消してお前に膝枕をしてもらってうとうと
しかけた頃、声がした
「ちび兄ちゃん、入ってもいい?」
いいの?とお前が尋ねたので軽くうなずくと、
「いいって」
とお前は外に声をかけた
すると、子供たちがわらわらと入ってきた
「ねえねえ」
「何?」
お前が俺の代わりに答える役目になった
「ちび兄ちゃんがさ、黙りこくっちゃったのさ、割と効いてる
みたいだぜ」
「効いてる?」
「うん、大男はなんだかぞっとしないみたい」
「誰から聞いたの?」
「ふれものおじさんがね。はなたれ兄ちゃんに教えてくれたんだって」
「何でこのひとに直に言わないのかな」
「喋らないからじゃない?」
「今日も油貰いに行ったのよ?」
「ふれものおじさんもぞっとしないんだよ、きっと」
「どうやって油貰ったんだろうね、知りたい〜」
「あ、あたしも〜」
「それはあたしも知りたいな。皆終わったらこのひと話してくれると
思うから、それまで待ってようね」
743 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 04:09
「でか姉ちゃん、ちび兄ちゃんのこと このひと って呼んでるね」
「だからかなぁ、今日暖かいよね」
「ていうか、暑いよね」
「あたしもそう呼べる人、欲しいな」
おませがそう言ったとき、ひなぎくと眼が合った
ひなぎくは、あわててうつむいた
俺は、なんだか胸がちくんとした
それを見ていたのか、流れ星がぽつんと言った
「ちび兄ちゃん、ひなぎくの真似してんのかな」
「ああ、なるほど」
「そうすれば、鼻がよくなると思ってるとか」
「鼻がよくなったって戦いには勝てねえよ」
「そっか。それはそうだね」
「わからないよ。なんか計り知れない考えがあるとか」
みんな、え〜っという顔をしたんだろう、暗くて見えないが
「ちび兄ちゃんにそんな頭があるかなぁ」
「どうだろう」
「無いと思わない?」
「思う思う」
と言った子鹿の頭をこつんと殴ってやった
744 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/08 04:20
********** いんたーみっしょん **********

ちょっとミスりました…ばれなきゃ知らんぷりして続けます…
まあ、許容範囲かな?

わたし あなた おまえ おれ
それらが踊るロンド
恋という名のついたロンド
鮮やかに時を切り取り
空さえもわしづかみにして
山辺で土をけって 海辺で波をけって
踊り続ける二人の
745考える名無しさん:03/11/08 08:10
おはようございます
>217さん

きままな風ですし、真です。   >217

747 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:35
もうこの話は終わらせよう
あとは後日談だ

俺はずっと黙っていたせいで大男にプレッシャーをかけていたらしかったが
戦いのその日奴はそんな素振りをかけらも見せなかった
奴の眼は鋭く光り大剣と盾を構えて一声低く唸った

見つめる眼 眼 眼
お前の眼 子供達の目 村人達の眼
そして今にも襲いかからんとしているみたいに多くの兵の眼

俺はたいまつを左手に 短剣を右手に構えて
両腕を軽く出しては引っ込め奴を牽制する

びゅん

空の斬れる音がした
748 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:43
奴は剣をぶんぶんと振り回しながら俺ににじり寄って来る

俺は短剣を奴に投げつける

奴はそれを剣であっさりと払いのける

その時 きん と音がする

奴は勝ち誇った顔で走り出す こちらへ

盾を捨て両手で大きく剣を振りかぶって大きく体が反る

俺はたいまつを俺の顔の前にかざす

そして  

俺は

火を吹いた
749 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:46
奴はひるむ俺は地を蹴って奴に飛びつくそして渾身の頭突き

後は覚えていない
750 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:54
眼が覚めるとお前の膝枕だった

ぽつぽつと雨だと思ったのは覆いかぶさるように俺を覗き込んでる
お前の涙だった

あたし、誰にも言わなかったよ?

ああ

ねえ、ほめてくれる?

偉かったな

うん ありがと
751 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:56
そしてお前は顔を両手で覆って嗚咽を漏らす
752 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 00:59
俺はそっと眼の上の乳房に手を触れる
753 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 01:01
スケベ

そう言ってお前は眼にいっぱいの涙をためて
くしゃくしゃの顔で

笑った
754 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 01:09
で、一応終わりですが…次からつけたしです
755 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 01:25
「ねえ」
「うん?」
「ちび兄ちゃんは何で火を吹いたの?竜なの?」
「ちび兄ちゃんは口に油を含んでたんだ」
「なんでしばらくずっと黙ってたの?」
「きっと口の油の事を知られたくなかったんだよ。大男に何か言われて
答えられなかったら大男がおかしいな?って思うだろ。無口なのを
当たり前にしておきたかったんだ、きっと」
「村はどうなるの?」
「ちび兄ちゃんが竜神てことになっちゃったからな。長もほっとしてる
みたいだよ。誰も死ななかったし、勝ち負けは無かったし、それなりに
あの人たちの大きな国とも仲良くやっていけるんじゃないかな」
「村は変わるのね」
「そうだね」
「ちび兄ちゃんとでか姉ちゃんはどこにいっちゃったの?」
「だからこうやって追っかけてるんだろ 犬 を頼りに」
「犬 よく慣れさせたね」
「あの人たちが連れてたのを貰ったんだ」
「よく貰えたね」
「ちび兄ちゃんがあいつらの度肝を抜いたからさ」
756 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 01:43
「兄ちゃんと姉ちゃんを見つけたらどうするの?」
「俺たちで村を作るのさ」
「兄ちゃんと姉ちゃんはもう帰らないつもりなの?」
「でなけりゃ一月も帰らないもんか」
「犬 は頼りになるの?」
「ひなぎく!お前はどうなんだ?」
「まだ 匂い しない」
「きっと見つかるさ」
「きっと見つけるさ」
「そして?」
「新しい村を作るんだ」
「俺たちの手で」
757 ◆eRDUfXaGp2 :03/11/12 01:43
おしまいです。