創造****神を作ろう。

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379考える名無しさん
俺とお前は限りなく広がる草原にいた
数限りない石でずっとずっと埋め尽くされていた
草と石のコントラスト
それが傾きかけた夕陽と混じり合っていた

「ここはどこ?」
「俺が知るか」
「なんでこんなとこにいるのかな、私たち」
「うん。…これ、墓か?みんな」
「誰のお墓だろうね」

俺は一つの石に近づいてみた
何も書いていない
これだけの人が命を落としたのか…
なぜ、名前も何も書いてないのかな?
俺が首をかしげていると服の袖を引っ張る手が
380考える名無しさん:03/07/03 02:39
振り返るとお前はしゃくりあげていた
「どうしたんだよ」
「わかったの」
「何が?」
「これはね、恋のお墓なの」

俺は言葉を失って石の広がる草原に向き直った

まさか、なんてとても思わないし言えない
その通り、だと思ったところでそれを口にしてどうする?
なるほど、とわかったみたいに言うか?

俺はお前の賢さに舌を巻いていた
俺にもそれとわかったのだ、確かにこれは恋の墓たちなのだと
381考える名無しさん:03/07/03 02:53
「わたしたちもいつかここに埋められるの?」
「……」
「そうなのかな…」

立ち尽くしながら俺は、何か言わなくちゃ、何か言わなくちゃ、
そればかり考えていた

ここから逃げる?お前を連れて?
いや、それも違うと思った
お前を泣き止ませる、言葉をかけてあげなくちゃ
そしたら俺たちはここを去ることが出来る

「…もう泣くなよ」
「…だって、だって悲しすぎるよ」
「ずっとずっと、お前が好きだよ」
「…ここにもう、来ることはないの?」
「ああ。だから、笑うんだ」
「……」
「笑うんだ」
「…えへ。そんな、笑えって言われてもそうは笑えないよ」
それでもお前は涙混じりの笑顔を見せた
「あのさ」
「なに?」
「お前は俺のこと、好きなの?」
「…えへ」
382考える名無しさん:03/07/03 02:58
「ちぇ。ずるい女ってお前のことだよな」
「…えへ。……しゅき」
「…ん。いいよ、それでさ」

俺たちは抱き合った
夕陽が沈んで星が見えるまで

「…一番星だよ」
「うん」
「一番星は心の清い人しか見れないんだって」
「金星を見つけようと思って張ってれば誰だって…」
「ぶっとばすわよ」
言うが早いかお前は俺のみぞおちにパンチをくれた

で…

夏の朝だった
俺は目を覚ました
すぐ横でお前はまだ眠っている
つん、と丸い鼻をつついた
ん、と寝ぼけてお前はまぶたを開く
「なによぅ。なんで起こすの」
「夢を見たから」
「へぇ。どんな?」

うん。この話はここまで