創造****神を作ろう。

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241考える名無しさん
禁欲して頭がボーッとしてる時だといい話が書けるのかなー…などと
思ってたのです…そんなわけで今は割と醒めてるのですが…あんま
ブランク空けたくないので書いちゃいます。つまんなかったらゴメソ。

ペルセウスはピンチだった。足を滑らせて崖に宙吊りになっていた。
突然、綱が宙を飛んできた。命からがらそれにすがって上へと辿り着くと、
その綱を引いていたのは三人の女だった。皆、白い仮面を被っていた。
仮面は髪まで覆っていた。そこには、無数の蛇がかたちどられていた。
「ありがとう」とペルセウスは言った。命の恩人をいきなり殺すのは
ためらわれたのだ。
242続き:03/05/29 02:05
仮面を外すと、三人三様の美しい年頃の乙女たちの顔が現れた。
名前を教えてもらった。三人は姉妹で、上からティシフォニー、
メデューサ、メゲーラといった。ペルセウスは、メデューサに
一目惚れしてしまった。
243続き:03/05/29 02:16
ペルセウスは、三人の家に招かれた。上と下の娘はどこかへ行ってしまい、
メデューサだけが残った。茶を出され、ペルセウスは(ギリシャ時代には
茶は無いか^^;まあ雰囲気^^;)一息入れた。そして、言った。
「俺、あんた達を退治しに来たんだよね」
メデューサは可愛く、そして長く笑った。笑い終わると、きらきらした
瞳でペルセウスを見た。ペルセウスは慌てて顔をそむけた。
「どうしたの?」
「どうしたの?だ?今、俺を石にしようとしただろうが」
メデューサは、また、笑った。
「いらっしゃい。私たちがしてきたことを見せてあげる」
244続き:03/05/29 02:25
ペルセウスはメデューサに連れられ、林を抜け、近くの野原に出た。
「!」
そこには無数の白い石像があった。皆男の像だった。
「こんなに…」
ペルセウスは悲しみとともに剣のつかに手を掛けた。
俺はお前たちが醜い老女だと聞いていたが、そうじゃなくて
面食らった。メデューサ、お前には心を奪われてしまった。
だが、どうやらやはりお前たちを殺さなければなるまい。
これだけの命を奪ってきたお前たちなのならば。
245続き:03/05/29 02:31
メデューサは、ペルセウスの考えが判ったみたいだった。
「私たち、誰も殺していないわ」
「なに」
「あなたも、他の人も、はやとちりよ」
そのとき、遠くの方で二人を呼ぶ声がした。
ティシフォニーとメゲーラが、手を振っている。
よく見ると、二人は白い粉まみれだった。そして、手にはのみと
ハンマーが握られていた。
「わかる?」
「?」
「私たちは、彫刻家なのよ」
246続き:03/05/29 02:41
(落ちがばれても話は続きます…)

四人はアトリエにいた。作りかけの像。まだ手付かずの大理石。
「しかしだな、可愛い子ちゃん方。それじゃ俺の立つ瀬が無い。
勇んでやってきて悪い奴はいませんでしたじゃ俺は笑いものだ」
「そりゃあんたが悪いのよ。成り上がりたくて…」
「シフォン姉さん」
メデューサがいさめた。
「ペルセウスさん、しばらくここに留まって善後策を考えては?
何かいい知恵が浮かぶかもしれませんし」
ペルセウスは、それに従った。
247続き:03/05/29 02:50
それから一月というもの、ペルセウスはメデューサの後ばかり
追って過ごした。そしてメデューサも、それを嫌がっていなかった。
というか、実のところ、ペルセウスが閃いた時、ペルセウスは
メデューサに膝枕をしてもらっていた…のだ。
「彫るぞ」
「何を?」
ペルセウスも、芸達者な男だったと物の本には記されている。
ペルセウスは、醜い老女の首を瞬く間に彫り上げてしまった。
その髪は、無数の蛇だった。
「大きな鏡はあるか」
「ええ。でもなぜ?」
「鏡で自分の邪視を見てしまったことにするんだ」
「…頭、いいのね」
248続き:03/05/29 03:00
「本当にあの男についていくの?」
「ええ。シフォン姉さん、メグ、元気でね」
「詐欺師よ、はっきり言えば」
「抜けてる人が好きなの、わたしは。きっと」
ペルセウスは、退治した(ことにした)ゴルゴンの首と嫁さんを
貰えて有頂天だった。二人と二人は別れてそれぞれの家路につかんとする。
メデューサは尋ねた。
「でもわたしのことはみんなにどう話すの?」
「とらわれていたアンドロメダ姫を助けたとでも言うさ」
「アンドロメダ姫?誰それ」
「今作った」
「どこまでも適当な人なのね…」
そう言いながらも、メデューサは眩しそうにペルセウスを見ていた。