別スレで質問が出たので、久しぶりにこちらにカキコ。
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/philo/1052665119/108 >108 :ふにゃぽん :03/07/11 09:43
>まず、階級、分業の廃棄のためには、高度な分業に裏打ちされた、高いな生産力が
>必要なわけですが、その高い生産力を維持、発展させて行くには、やはり高度な「専門技能」
>=「ほぼ一生を、その専門技能の習得、および発展に費やさねばならないくらいの膨大な教育、研鑚」
>が必要になるわけで、結果として、「分業の廃棄」が非常に困難になるように思われるのですが、
>ここはいかがでしょうか?
専門分野に必要な技能を習得するために「ほぼ一生を費やす」としたら、
それは高い生産力水準とは言えないでしょう。
一方で高度な道具=“簡単な”操作で高機能・高性能な作業を行う労働
手段が人間の<非有機的身体>として存在し、他方で高度な精神性=個別
的な形態のうちにある普遍性の習得が容易であることが高い生産力です。
「今では企業秘密がなくなり、世界のどこからでも最新コンピュータの
動作原理をマスターする教育プログラムを受講できるようになった。
これもInternational Non-Business Machine のおかげだ。」
310 :
ふにゃぽん:03/07/12 07:13
>>309 OFWさん。ありがとうございます。
>一方で高度な道具=“簡単な”操作で高機能・高性能な作業を行う労働
> 手段が人間の<非有機的身体>として存在し、他方で高度な精神性=個別
> 的な形態のうちにある普遍性の習得が容易であることが高い生産力です。
しかし、その技能(=操作法)の習得が容易だとしても、
その「非有機体」に関して、その原理から構造まで知り尽くしている人間がいないと、
それを「さらに発展」させることは難しいのではないのでしょうか?
例)携帯電話は、現在では小学生でも使える簡単なツールだが、
それを半導体や回路に至るまで、構造を熟知している人間は少ないし、
さらに、その機器をそれ以上、高性能にさせていくのは、そうした人間にしかできない。
311 :
考える名無しさん:03/07/12 08:10
常に新しい、常にダイナミック、それがマルクス。
こんな時代こそマルクスを読むにふさわしい。
>>310(ふにゃぽんさん)
>半導体や回路に至るまで、構造を熟知している人間は少ない
それは能力の問題ではなく、社会的必要(労働時間)がないためでしょう。
>高性能にさせていくのは、そうした人間にしかできない。
コンピュータと通信の一つの結合技術である携帯電話に関して言えば、
その原理とそれを実現させる機構、そして両者を物理的・論理的に
構造化させる技術(移動体通信技術)は比較的最近(30〜40年?)のもの。
それは短期間のうちに飛躍的に発展を遂げたが、それが可能だったのは、
(昔のエジソンやグラハムベルのように)少数の専門家がいたというより、
開発・製造が多数の<非専門的専門家>に分業化され、それらの社会的
総合(技術水準by戸坂潤)の成果として現われたからでしょう。
携帯電話を実現させるために動員される多くの知識・技術は、個別に見
れば、高校生レベルの能力・教養でも十分理解可能な科学技術であり、
理論やノウハウが公開されればされるほど、誰でも短時間で習得し活用
可能な環境になる。要は、各部門に割り当てるべき労働時間の節約
(エコノミー)の問題であり、素質や熟練の問題ではないでしょう。