【動物化そしてチャイルドプレイ】東浩紀 13th【RePure】

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853考える名無しさん
>>845
それがあるんだねえ。
2002年3月18日の裏モノ日記

吉例読売新聞朝刊書評欄評だが、今回の東浩紀氏のジャック・ラカン『精神分析の四基本概念』の評は
皮肉抜きで、見事なものであった。もちろん、文章力におぼつかないところはあるものの、これまでの
彼の書評とは格段の差で説得力があり、末尾の“もし読者が、そんなラカンにいちどでも挑戦してみよ
うと思うのなら、私は絶対にこの一冊を薦める”という文章も、武骨ながら非常な重みをもって、こち
らの読書欲を刺激する。ラカンを読んだのはもはや遠い過去の私も、こういうものなら再び挑戦してみ
ようかと思い、さっそくオンラインで 注文したくらいだ。

この説得力はひとえに、この書籍が、東浩紀氏の専門領域のそれであり、その解説と説得が、地に足の
ついた専門家の技になっているからだろう。文章を読み慣れた人々は、文のホンのちょっとしたはしば
しに、書き手のアテコミを嗅ぎ取って、それを胡乱なものと判断する。大衆を煽動するには、そういう
鼻利きをごまかす、非常に高度なレトリックと、文章力を必要とするのであって、それはこのヒトの手
に余ること だった。これまで、『ミルク・クローゼット』や『戦闘美少女の精神分析』を評した 東氏
の文章からは、下手糞な扇動者のニオイがもう、プンプンと漂っていたものである。この『精神分析の
四基本概念』評からは、そういう怪し気な雰囲気がまったく感じられない。東氏も書いていて気持よか
ったことと思うし、読者たちの多くも、東氏に求めているのはこういう分野での彼の仕事であると思う
のだけどもな。