【神の起源】淘汰圧の擬人化

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そもそもヒトは何故神を必要とするのか?

平たく言ってしまえば「苦しい時の神頼み」の対象として必要とするからだろう。

ヒトに限らず生き物は全て自然界の淘汰圧にさらされている。とりわけヒトは高
い思考能力を持つが故に、僅かな環境の変化や、偶然に左右される不安定な自ら
の立場を認識することができる。「一寸先は闇」。この精神的に不安定な状態を
少しでも軽減するため、何かに容赦を請わずにいられない。この容赦を請う行為
自体が精神を安定させる作用を持つ。

このとき、容赦を請うべき相手としては誰がもっとも適切だろうか?
当然、自分の生死を左右する力を持つ『自然の淘汰圧』そのものに直接お願いす
るのが一番だろう。自分たちを見張り、賞罰を与え、ある方向へと導く、目に見
えない大きな力。この自然のメカニズムにぼんやりとでも気付いた人間がいた。
それを擬人化して神に祭り上げた。これが一神教の神の起源だろう。