善悪とはなんですか?

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 既出のようですが、

 『所属する集団全体の利益に繋がる行為 = 善』 なのでしょう。

 生物には群れて集団を形成することで、生き残りを図ってきたものが少なく
ありません。もちろん人間もその手の生物に該当します。この集団化の過程で
必要となったのが、「お互いに殺し合わない」「奪い合わない」「尊重し合う」
といった一定のルールだったのでしょう。

 仲間同士互いに殺し合う集団では、集団の中で、お互いに自分を守るのにエ
ネルギーを割かねばなりません。このような内部でのエネルギーのロスが多い
と、集団としての競争力は低下して、進化の早い段階で種を残せなくなったの
ではないでしょうか。
 
 逆から言えば、お互いに協調し、助け合う種が生き残ったのでしょう。
人間をはじめ、現在残っている多くの動物はこの手の生物を祖先に持ち、この
性質を多少なりとも引き継いでいるため、原則としては殺し合わずお互いを尊
重する性質を自然に持っているのだと思います。

「お互いを尊重し合う」ことを全員が暗黙のうちにでも約束しあうことで、人
々は安心して生産的な活動にそのエネルギーの大部分を投入できるようになり
ます。この向上した生産力によって、多くの人々が豊かな生活を享受できるよ
うになります。結果として死滅する確率は減るわけです。

 すなわち、「隣人を愛する」「勤勉である」といった、集団を豊かにする方
向に作用する行動は、神様のおぼえがめでたい(生き残る可能性を高める)こ
とで、このため「善い行い」と認識されるようになったのではないでしょうか。

 逆に、集団の存続を危うくすうる行為は「悪い行い」として疎まれるように
なったのでしょう。そして、悪い行いが横行したとき「神の怒り」を買い、神
の裁きにより「自然からの淘汰」を受けるわけです。

 人々は、昔からこのメカニズムを本能的に理解(あるいは記憶)しており、
これを基に生み出されたのが「神」という概念なのだと考えています。

 神については、またいずれ。