リチャード・ドーキンス「利己的遺伝子」

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1果てなき名無しさん
その衝撃はどの哲学書よりも大きく、世界中を震撼させ、
現在もその影響力は計り知れない。
これは自然科学なのか、思想なのか、哲学なのか

満を持して、哲学板に登場!さあ、語るべ
2考える名無しさん:02/02/03 19:29
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
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ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
ゴルァぁァぁァアアアアーーーーー!!!!!
3アルチュセリアン:02/02/03 19:35
科学の衣をまとった形而上学(ショーペンハウア−とか)
4考える名無しさん:02/02/03 20:40
いまさら・・・
5考える名無しさん:02/02/04 01:33
この本って、読まなきゃならん本かねえ
6考える名無しさん:02/02/04 01:55
>>1 >>3
100%、自然科学の本でしょ。
>>4
剥げ堂
>>5
人生の意味とかを見出そうとして
読む本では無いよ。
7考える名無しさん:02/02/04 01:56
>>5
それは自分で考えるんだな。
人生観を変えたくなければ、読むのは止めよう。
8考える名無しさん:02/02/04 01:58
>>6
でもいまどきドーキンスも読まずに哲学語るヤツは、やばいね。
9考える名無しさん:02/02/04 02:07
読んでない人っているの?
そういう人ってなんか根本的に間違ってると思う。
10考える名無しさん:02/02/04 02:22
帯に「読めば貴方も気分は天才」とか書いてあったけど、ほんとにそんな気分
になった。(w
11考える名無しさん:02/02/04 02:25
あれで人生観変わる奴のほうがやばい。
あれで(生物学の哲学以外の)哲学に何か影響があるとか
思ってる奴も相当やばい。
12びたみん ◆BWLMxAG. :02/02/04 02:43
今西進化論てよく聞きますけどどうですかね?
13考える名無しさん:02/02/04 03:14
今西進化論も、中原英臣と佐川峻が唱えた
ウイルス進化論のように、学説として整えられると残るかも。
棲み分け理論はともかく、「変わるべくして変わる」じゃ学説になってない(w
今西本人も「自然科学じゃなくて自然学」と晩年言ってたし。

ドーキンスの分厚い本より、
中原英臣・佐川峻『利己的遺伝子とは何か』(講談社ブルーバックス)
佐倉統『遺伝子vsミーム』(廣済堂出版)

これらの解説本をお薦めするけど。
14考える名無しさん:02/02/04 03:16
『遺伝子と神について』は素人にはお勧めできない。
15考える名無しさん:02/02/04 03:17
この本読んだことないが、ドラマ「高校教師」
で話題になってた。愛は利己的に過ぎないとか。
でも生物学者でも恋愛もすりゃ神に祈ることもあるが。
ショーペンハウアーみたいな奴なら話は別だが。
16考える名無しさん:02/02/04 03:24
『遺伝子と神について』

誰の本ですか?
17考える名無しさん:02/02/04 03:26
18考える名無しさん:02/02/04 03:28
竹内久美子かあ・・(w
日高敏隆先生はなぜ、こんな弟子を(以下略
19びたみん ◆BWLMxAG. :02/02/04 03:29
調べてみた。
ドーキンスを誤解しまくってるらしいけど娯楽としてはいいらしい…。


そんなバカな!―遺伝子と神について 文春文庫
竹内 久美子 (著)

20びたみん ◆BWLMxAG. :02/02/04 03:30
被った…チッ。
21二酉:02/02/04 03:39
>>19 びたみんさま。
うん。面白いことは面白いでし(w
新潮文庫とかでも出てましよ。
2214:02/02/04 03:42
竹内久美子はたしかに面白い。
だが、利己的遺伝子理論についての間違った知識が身につく危険が付きまとう諸刃の剣。
23考える名無しさん:02/02/04 04:02
>>22
そういうのを「トンデモ」というんじゃないのか?
24無為:02/02/04 04:05
二酉君お久しぶり。後期は無事終了ですか。
25二酉:02/02/04 04:11
>>24 無為さま。
今日からテストでし〜(´・ω・`)
今頑張って解答を作っている所でし。レポートも面倒でし(しくしく)
26無為:02/02/04 04:14
>>25 ぎゃはは、ご苦労様。がんばってね(ハァト
27二酉:02/02/04 04:18
>>26
うい。一週間耐えるでし(ハァト
28復讐する名無しさん ◆AI14zans :02/02/04 04:31
現代思想のドーキンス特集がめちゃくちゃおもろいよ。まじめな学者の木瓜
ぶりや、何人かの鋭いつっこみとかね。
特に竹内とドーキンスを知り合いかのように批判しているk先生はうける。
29考える名無しさん:02/02/04 18:47
「ロボット・ミーム」展〜ロボットは文化の遺伝子を運ぶか?〜 @日本科学未来館
http://www.miraikan.jst.go.jp/calendar/rbm01.html
30考える名無しさん:02/02/04 20:16
ぴかぁ〜ですら読んでるのか。
一緒にされたかねぇな。
31考える名無しさん:02/02/04 21:14
生物板にもあったよ。
ドーキンス「利己的な遺伝子」スレッド
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi/life/972688792/l50
32考えるぴかぁ〜さん:02/02/04 22:18
>>30
読んでないといったら起こります?
33考える名無しさん:02/02/05 00:16
34考える名無しさん:02/02/05 00:19
35考える名無しさん:02/02/05 00:21
>>12
今西は日本の動物行動学の世界の権威だったから誰も逆らえなかった。
だからいい加減な事言っててそれがまかり通った所がある。
あまりおすすめできない。
36考える名無しさん:02/02/05 00:32
あ、ひょっとしてあの時の「若手中心に…」という発言はそういう意味が
あったのかも。
独り言スマソ。
37Iridium:02/02/05 01:13
中学生とかの教科書として採用したほうが
後々説明する面倒がなくていい。
掛け算とかと同レベルの基本的な知識で
現代人としては読んでないほうがおかしい。
(というのは偏った意見?)



38あちょー:02/02/05 02:45
遺伝子を増やすのが目的ならば、なぜ遺伝子をロケットで宇宙空間にばらまかないの?
39考える名無しさん:02/02/05 02:49
>38
宇宙空間では遺伝子は生存できないので無意味です
40あちょー:02/02/05 03:18
>>39
遺伝子が生存するってどういうこと?
41考えるぴかぁ〜さん:02/02/05 10:37
>>38
この手の馬鹿レスには対応でけへん
42考える名無しさん:02/02/05 10:41
>>38
まあ、フランシス・クリックが、意図的パンスペルミア説を出した
ことはあったなあ。
43あちょー:02/02/05 16:42
利己的遺伝子では自殺はどう説明するの?
44あちょー:02/02/05 16:54
パンスペルミア説では、遺伝子が降ってくることはあっても
ばら撒くことはないのでは?
ドーキンスは、遺伝子を増やすのが目的であり、生存とか生命活動
が目的ではないといっているんだよね。
45考える名無しさん:02/02/05 17:23
遺伝子に目的はない。
46マジレス:02/02/05 18:44
>>1
そんなに言う程の書物でもないでしょ。
むしろ今読んでもダーウィンの方がすごい。
47あちょー:02/02/05 18:49
ダーウィンの進化論によると、現在の猿は後々人間に進化するらしい。
トンデモですね。
48二酉:02/02/05 20:38
>>44 、あちょーさま。
増やすといっても遺伝子ってもんがただ広がる(生活範囲の拡大)のじゃなくて、
自己の複製が増えなきゃ(総数の増加)なのでし(アリ・ハチ類はこの点でとても優秀)
なのでロケットでばらまいても駄目かと。
子殺し・同族殺しは説明つくでしからいつかは自殺もつくんじゃないでしか?
なんてね〜。
49考える名無しさん:02/02/05 21:36
>47
ダーウィンの進化論は偉大なる先駆的業績であって、
それ自体は既に乗り越えられているのだ。
現在の研究成果を基準にして評価するのは酷というもの。
50考える名無しさん:02/02/05 23:16
>>44

クリックは、高度の文明を持つ星の住人が、狙いを定めて地球に
生命の種子を積んだロケットを送り込んだ、という説を出したの(w
それが、現在の科学的知識を根拠に説明可能であることを証明しようとしている。

『生命 この宇宙なるもの』思索社1982(おそらく絶版)
51考える名無しさん:02/02/05 23:19
いや、ダーウィンの仕事は未だに評価されていたりするよ。
47がダーウィンの進化論すら理解していないだけ。
ドーキンスの「セルフィッシュジーン」はメイナード・スミス、ハミルトン、トリヴァース
の仕事を纏め上げ、更に豊富なレトリックを詰め込み素人の好奇心をも大いに刺激する
論調で書かれたもの。
52猫電波:02/02/05 23:28
性淘汰なんてダーウィンによって唱えられていて(比較的)最近になって見直された理論だよね。
それ以前に、>>47のようなことをダーウィンは言っていません。

>>38
じゃなくて機械論的なものから、目的論的なものが出てくるのを説明しているんです。
ドーキンスよりメイナード=スミスの書いた啓蒙書の方がわかりやすいかもしれない。

53考える名無しさん:02/02/05 23:31
あんの〜、じゃあロケットで送り出した人らは、どどどどうやって・・・
54考えるぴかぁ〜さん:02/02/06 01:03
>利己的遺伝子では自殺はどう説明するの?

基本的には自然淘汰ではないの?
適応できないものは死んでいく。
55考える名無しさん:02/02/06 01:17
>>54
「特定の状況になったら自殺する、という表現型を持つ遺伝子の
ほうが淘汰を勝ち抜いた。」
56あちょー:02/02/06 02:30
>>48
遺伝子の総数の増加が目的なのですね。それならば遺伝子の詰まったカプセルを
大量生産すべきです。どちらにしても今すぐやらないのはおかしいです。
ドーキンスは、遺伝子を増やすのが目的であり、生命活動は単なる乗り物であり
目的ではないといっているのでしょう。

>>49
そうですね。ダーウィンの進化論の矛盾を解決するためにパンスペルミア説などが
出てきたんですね。

>>50
なるほどそれは利己的遺伝子と相性がいい説かも。

>>51-52
スマソ。ダーウィンの進化論を理解できていなかったです。
ダーウィンの進化論では現在の猿はどう進化するのでしょうか。

>>55
「特定の状況になったら自殺する、という表現型を持つ遺伝子
が淘汰を勝ち抜く」
これは重要な法則だと思います。
僕には利己的というのはイメージしにくいです。
57二酉:02/02/06 02:46
>>56 あちょーさま。
遺伝子を増やすのに最も効率が良いのが
生物として生命活動し自己複製を続けていく事なんでしよ。
だからドーキンスは生物のことを遺伝子のヴィークルと言ったのでし。
また大量生産できるツールを持つのは人間だけであり、
合成・培養できたとしてもその生産量は今この瞬間も全世界で複製され続ける
遺伝子の総数には到底およばないでし。

人間がどうしてそれをやらないかは、人間にとって
大量生産しても何の得策にもならないからだとも思うでし。
>>55
その場合は淘汰を勝ち抜いた原因は何になるんでしかね?
58考える名無しさん:02/02/06 03:23
厨房が嵌るにゃ良いんじゃない。
センセーショナルな売り出しに色んな思惑を感じ取るのが普通の感覚。
俺はミームの概念だけで後は要らない。
59あちょー:02/02/06 05:24
>>57
>大量生産しても何の得策にもならないからだとも思うでし。

そう思うのが普通。
なぜ遺伝子を増やすことが目的なんだろうとおもうでしょ。
6055:02/02/06 07:04
>>57
55は、自殺が本当に遺伝子のせいだったら、の話。そこが
そもそも議論の対象でしょうね。
55の線で押すと、「個体が自分の快(というか利益というか
幸福というか)にこだわる表現型と、こだわらない表現型と
では、前者は非常に苦しい状況に置かれて自殺する率が
0.1%、快を追求して子孫を残す率が80%、後者は苦しい
状況に置かれても気にしないので自殺率0%、でも自分の
快を追求しないので子孫を残す率は40%、だから前者の
表現型を持つ遺伝子が勝ち残った」とかでしょう。
61二酉:02/02/06 07:08
>>59
観察・推測の結果そういうことになったからじゃないでしか?
遺伝子を増やそうと思わなくても子供は作るし、生命活動を行って
成長し、新しい生物(ヴィークル)をつくる。と。
ここまで書いて気がついたんでしけど、そうじゃなく
「遺伝子はどうして自らが増えることを目的としているのか」でしか?
ミームについても同様の疑問がでましね。ふむ。
でもここから先を語るにはホントに推測しかないでしからー・・・

でも、運ぶ器がないと自己を確立?できないって、ドラえもんの何かに出てきた
寄生宇宙人(名前忘れた)みたいでしよね。それなのに増えたがる。
62あちょー:02/02/06 08:56
>>60
人間じゃない場合、子孫を残す率が80%なら、
自殺する率は20%と考えてよいのでは。

癌細胞は自殺しないし利己的なのでながく生存できないと思う。
ドーキンスは、遺伝子は利己的だから生存できたと言っていますね。

>>61
>遺伝子はどうして自らが増えることを目的としているのか
偶然増殖をするものが発生して勝ち残ってきたと言っているのかも。

いまさらだけれど、ドーキンスはダーウィンと同じ事を言っていますね。
63考える名無しさん:02/02/06 09:38
>>58
>俺はミームの概念だけで後は要らない。
厨房決定だな。
ミームを理解する為には利己的遺伝子の話も理解しなければならない。
64考える名無しさん:02/02/06 14:59
自殺はそれによって「遺伝子の活動を止める」ことを
目的として行われる以外、利己的遺伝子とは無関係だ。
死ぬ瞬間でも遺伝子は増え続けている。
そして上記の目的で行われるものはどんな解釈を持って
しても偶然死に至らしめられることと相違ない。
アポトーシスも同意。
それでも自殺を反論にするのであれば、全ての遺伝子が
自殺に向かうような可能な状況を説明してからでないと
議論にならない。
また利己的遺伝子予備軍は宇宙空間に五萬とある。
65考える名無しさん:02/02/06 16:00
自殺は近縁者の負担の軽減とかあるかもよ。
自分への協力はもう結構、俺はもう増えれそうにないし俺を助ける労力を自分や
他の近縁者に振り向けてくれ、ってね。
66 :02/02/06 16:20
自殺によって利己的な遺伝子に一定の打撃を与えることはできる。地球を壊滅させればかなりの打撃となろう。
67考えるぴかぁ〜さん:02/02/06 17:00
死そのものを否定的に考えすぎでは...
死と生は裏と表。
死ぬことは生きることでもある。
自殺することがかならずしも、負ではない。

利己的遺伝子ってことばにだまされて、
ごく個人的な次元で語りすぎ、
集団、社会、種の単位でも考えないとダメダメ!
68考える名無しさん:02/02/06 17:09
>1
いまごろ〜?って、素朴な疑問だけど…。
なんか急に再度注目される理由あり??
69考える名無しさん:02/02/06 18:27
「今頃?」「今更?」とか言うやつに限って未だに理解していない。
70考える名無しさん:02/02/06 19:49
ドーキンスって素朴なダーウィニズムってだけでしょう。

まあ、話としてはおもしろいけど、結局目的論じゃん。
最近の生物学のトレンドって如何に目的論を廃すってところが
焦点になっているから、オートポイエーシスみたいな
目的論を排除するシステム論が流行っているんじゃないの?

ちゃんと科学史を勉強しろよな……。
71考える名無しさん:02/02/06 20:04
>>70
>結局目的論じゃん。
それは典型的な誤解。

>最近の生物学のトレンドって如何に目的論を廃すってところが焦点になっているから
なんじゃそりゃ。
72考える名無しさん :02/02/06 20:48
>>結局目的論じゃん。
>それは典型的な誤解。

じゃあ、なんなの?
73考える名無しさん:02/02/06 23:40
>>72
遺伝子が意志や目的を持って振舞うかのように記述した方が理解しやすいからそう
しているだけであって、実際に目的なんか無いんですよ。
74考える名無しさん:02/02/07 00:20
多種の高分子を異常なまでに密集させることができた
遺伝子の功績は目を見張るものだ。
まさに自然が作り出した機械に思える。
75二酉:02/02/08 02:54
>>60
あ、それ面白いでし(笑)
>>62 あちょーさま。
>偶然増殖をするものが発生して勝ち残ってきたと言っているのかも。
個人的にはミトコンドリアがいつ人間の体内に入ったか、とか
そっちの方も興味があるんでしけどね〜。癌細胞は狭義の利己的でし。
遺伝子レベルで見たら、正常な細胞(の遺伝子)の方がずっと利己的だと思うでしよ。
とか言いつつウィルスの突然変異体出現率とか言うとすごい事になるんでしよねー。むーん。
76考える名無しさん:02/02/08 05:18
>>73

いやいや、結果的に、遺伝子の「行動?」を
利己的と記述してしまったら、それは目的論だよ。
遺伝子そのものが意志や目的を持っているいないは関係ない。
それが結果として、利己的であるとした時点で目的論。

そうなると、ダーウィニズムと同じだよ。
77考える名無しさん:02/02/08 05:46
なんで虫や鳥の生態や進化に関する理論で
人間の自殺を説明しようとするかなあ

生存力のある遺伝子が生き延びるって
そりゃゴキブリのほうが人間よりたくさんいるさ
78あちょー:02/02/08 06:26
単なる遺伝子を増やすゲームだったら
多細胞化する意味ないね。
79考える名無しさん:02/02/08 07:13
なんにせよ神様がそういうフウに創ったってことよ。
80考える名無しさん:02/02/08 07:18
アラン・ソーカルのでたらめ論文の邦訳はどこでみられますか?
81考える名無しさん:02/02/08 08:09
>>76
あの「利己的」を文字通りに受け取ってるのもヤバイが
ダーウィニズムが目的論だと思ってるのも相当ヤバイ。
82猫電波:02/02/08 11:05
>>78
遺伝子が完全に一致するので、適応的なのです。
メイナード=スミス サトマーリ『生命進化8つの謎』でも読んでください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022576855
>>80
『知の欺瞞』の付録に成ってます。

83考える名無しさん:02/02/08 16:59
生物学的に「こうなっている」と言う主張が社会的・道徳的に「そうすべき」に
なった時、それは社会ダーウィニズムとなる。
84  :02/02/08 17:28
>>82
ねこでんぱ・・・ありがとう・・。
85考える名無しさん:02/02/08 18:04
>>78
多細胞の衣を纏った方が適応的だったんだろ。
とりあえずドーキンスを読め。
86考える名無しさん:02/02/08 18:47
AERAMook『現代哲学がわかる』を買ったがサイエンス部門はたった2つでしかも
その片方が池田清彦…。
はぁぁぁぁ(溜め息)
もう片方も複雑系ブームの時に流布した言説と同じような事しか書いてないぞ!
87考える名無しさん:02/02/09 00:08
自殺は、利他的のように見える利己的な行為。
ミーム伝達目的という意味で利己的。

人間社会を見据えなければできないが、その全体を見たが故に、
人間社会のアポトーシス機構が働き(周囲からの圧力)
人間社会にミームを残すことと交換に自死する。

人間以外の生物の場合、もっと利己的な話になるが、人間の場合
利己性はかなり薄められ、交換する物が少ないという意味で
かなり利他的な部類に入る。

カマキリのオスの心境。
88田舎!:02/02/09 02:26
>>86
? 池田と・・・横山と河本だろ?
89考える名無しさん:02/02/09 10:05
>>88
システム部門の所に「オートポイエーシス」やら「カオスと複雑系」やらがありましたね。
90反逆は無理っぽい:02/02/10 20:49
個々の人間は、基本的には利己的な存在なのだと仮定したとしても、われわれの意識的な
先見能力(創造力を駆使して将来の事態を先取りする能力)には、盲目の自己複製子たち
の引き起こす、最悪の利己的暴挙からわれわれを救い出す能力があるはずだ。
利己的遺伝子に反抗し、利己的ミームにも反抗する力がある。
純粋で私欲のない利他主義は、自然界には安住の地のない・・・・
そして世界の全史を通じてかつて存在したためしのないものである。
しかし、私たちはそれを計画的に育成し、教育する方法を論じることさえできるのだ。
われわれは遺伝子機械として組み立てられ、ミーム機械として教化されてきた。
しかし、われわれは、これらの創造者にはむかう力がある。
この地上で、唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの、専制支配に反逆できるのである。
91考える名無しさん:02/02/11 00:08
クローンなどの遺伝子組み替え技術があるからねぇ。

あながちウソとは思えないが、信じたくないのは理解できる。(W
92利己的な名無しさん:02/02/11 00:11
>>90
カッコいい言葉だよね。
自分の行動を支配してる原理を理解できる奴だけが支配から逃れられるって
感じだろうか。
93Iridium:02/02/11 00:19
(強烈なレガシーっていうか遺伝子的な慣性が働いている。
 まるで大河のようなもので、ある程度はそれに流されていくしかない。
 肉体というボートに乗っていくしかない。
 そう考えると「支配」「被支配」モデルは微妙にフィットしないような…。
 「バランス」「アンバランス」とか。)
94猫電波:02/02/11 00:23
>>あちょーさん
良く考えたらパターソン『現代進化学入門』(岩波)とか薦めた方が適切だったかも。
化学関係に大きく量を割いている(それほど難解ではない)のが良い。

メイナード=スミスは『生物学のすすめ』(紀伊国屋)が包括的かつ非常に平易。
本の紹介sage
95 :02/02/11 01:12
なんで木村先生の名前が出ないんだ?
分子生物学はダーウィニズムと相補的な関係にあるのに・・・。
よーするに、ドーキンスしか知らん奴は無知とゆーことだ。
96考える名無しさん:02/02/11 09:10
>>95
知ったかぶり。
97考える名無しさん:02/02/11 19:16
>>92
自分に性欲や食欲がある事を知ってもなくならないよ。
98考える名無しさん:02/02/11 21:52
無くすことと制御することは別だろう。

99利己的な名無しさん:02/02/11 23:19
>>97
もちろんそうだけど。
ただ、性欲や食欲が何のためかってことを把握しておけば「手段の目的化」
を防げるってこと。

愛だとか正義だとか人間性だとか、直感的に絶対正しいように思われること
でも、「実は特定の目的のために操られてるんじゃん」ってことを認識すれ
ば「本来の目的」から外れてバグったりすることはなくなるでしょ。

抽象的だけど。
100考える名無しさん:02/02/11 23:22
リチャード・ホーキンスだけど何か。
101考える名無しさん:02/02/11 23:24
>>100
イキロ
102考える名無しさん:02/02/12 00:07
人間はミトコンドリアに操られてるんだよ。
いつかミトコンドリア星人に食い尽くされるんだ。
その「本来の目的」のために人類は飼われているんだYO!
103考える名無しさん:02/02/12 00:51
人間はシーフードドリアやエビドリアにも操られているんだよ。
いつかファミリーレストランに食い尽くされるんだ。
その「本来の目的」のために人類は飼われているんだYO!
104考える名無しさん:02/02/12 13:41
多くの人が団結して利他的戦略を取ると裏切りによる報酬が大きくなり、その魅力に
負ける者が必ず出てくる。
そこで裏切りに対する罰を作る事で利他的戦略(長期の視点で見た最も利益の高い
利己的戦略)を存続させようとするわけだ。
105考える名無しさん:02/02/12 14:32
その利他的戦略を多くの人が取るということをやるための前提として
遅延性の互恵的利他主義という利己的戦略をとり、あと
頑健戦略を組み合わせて、ESSだと。
106104:02/02/12 15:11
>>105
頑健戦略ってなに?
107考える名無しさん:02/02/12 15:32
これって読まなきゃいけないもんか?
108考える名無しさん:02/02/12 15:52
>>107
人がなぜ存在するのかを考える全ての人が読むべき。
109考える名無しさん:02/02/12 15:58
利己的遺伝子というより
創造創始からの計画による方向性とでもいったほうがいいのでは?
110文系大学生:02/02/12 18:15
利己的っていうのは遺伝子それ自身が「意識をもって」やってるんじゃなく、自己複製するものは「時間」というベクトルのなかで過去の延長である現在にあるだけで、しないものは時間という連続性の中で「終わった」からないってこと。
ボールを転がして右にいったから穴に入ったけど左に行くものは穴の中から見たら存在しないもの。でもボールにも転がす地形にも意識はない。
111考える名無しさん:02/02/13 12:15
読者のこの本に対するコストパフォーマンスの問題だから。
結果論でしかわからない。

どんな本でも2〜3時間で読めるんだったら、読んだ方がいい。
どんな本を読んでもコストパフォーマンスが同じだというなら、読んだ方がいい。
どんな本でも自分に役に立つというのなら、読んだ方がいい。

要は、自分の今の状況次第だということだと思う。
112考える名無しさん:02/02/13 16:02
なんつーか、恥かしい人一杯居るんね。
何時から哲学板は理系厨房の引取り板になったんだろ?
もう見切りを付けて他板へ放浪の旅に出ます。
113考える名無しさん:02/02/13 20:05
>>112
読めないからって僻むな。
114考える名無しさん:02/02/13 20:50
読めなくて僻む奴、初めて見た。ふむふむ。
115利己的な名無しさん:02/02/14 00:44
>>104
その意味で刑法は利己的なゲームの設定をいじろうとするものだし、都合よく設定を
いじろうとすること自体戦略といえますかね。
犯した罪の重さに応じた罰も、途中でやめたら刑を軽減する規定も。
「正義」って結局、各個体にとってESSであると思われるものの総称ではないかな。

「国民国家」が「専制・独裁国家」にとって代わりつつあるのも、それが属する個
体の遺伝子を残すために優位な戦略だったからともいえるのではないか(あまり良
く知らんけど)。

こんな感じで、文系と理系の枠が曖昧になり、人間を生物として相対化するような
発想が出てきたのには、ドーキンスの本の貢献が大きいんではないかな。

今じゃ、法制度をゲーム理論使って分析しようとする人がいても誰も違和感感じな
いけど、経済学者の功績というよりは、こういう社会生物学の啓蒙書が広く読まれ
ることで「人間性」とか「正義」の神秘のヴェールが引っぺがされたっていうのが
大きいんじゃなかろうか。
116考える名無しさん:02/02/14 00:53
人間性にも正義にも、元々神秘のベールなんてものは存在しないよ。
自分の説が画期的であると思いたい人が、
そういうものが存在していることにしたがってるだけでしょ。
117Nanashi et al.,:02/02/14 01:05
時代の先端は、ここで議論されているのよりも、
もっと先まで逝ってます。

Invariances: The Structure of the Objective World
Robert Nozick, Harvard University Press, 428pp
ISBN 0674006313

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0674006313/
humannaturecom/026-0890298-2420412

In this pathbreaking book, the eminent philosopher
Robert Nozick rethinks and transforms the concepts of truth,
objectivity, necessity, contingency, consciousness, and ethics.
Using an original method, he presents bold new philosophical
theories that take account of scientific advances in physics,
evolutionary biology, economics, and cognitive neuroscience,
and casts current cultural controversies (such as whether all
truth is relative and whether ethics is objective) in a wholly
new light.

118(w):02/02/14 01:14
>>117 thank you

119Nanashi et al.,:02/02/14 01:29
あと、進化論的なアイデア(遺伝子レベルでの進化を仮定しない)の
社会科学における応用に関心があるんだったら、これは必読ね。

比較制度分析に向けて
青木昌彦 著
瀧澤弘和・谷口和弘 訳

http://www.nttpub.co.jp/vbook/list/detail/2059.html
オリジナルは英語で出ていて、シュペングラー賞受賞。

規範、慣習、法、国家などの「制度」が、いかに生成され、
いかに変化していくのか、といった問いに関心がある人向けに。

最後に、何でこんな文献紹介するのかの理由。

「人間は利己的か?」とか、「人間の行動は遺伝子によって
支配されているのか?」を問うのは、ナンセンス。

これらは公理のようなものだから、「そのような
前提をおいたとき、人間・社会についてどれだけの事柄を
説明・予測できるのか?」という点で、「利己的遺伝子」
的なアイデアの評価は行われるべき。

以上の文献は「適応」というメタ理論が、様々な分野で、
どれだけ有力なツール足り得ているのかを紹介するためです。

120考える名無しさん:02/02/14 01:45
そもそも、ドーキンス自身は、進化についてどういう見解を持っているのだろう。
「ブラインド・ウォッチメーカ」のあらましとか読んだ範囲では、
全ては偶然の結果であって、

遺伝子の変化はすべて偶然によって起こり、
変化と淘汰が長い時間の中で繰り返されるうちに、
その行動の法則性をわかりやすく説明するならば、
「利己的に振舞う」といえるような性質を持つ遺伝子
が結果として残った。

というようなことになってるように思うのだが、どうだろうか? >>両方読んだ人
121117:02/02/14 02:16
>>120
そんな解釈で良いんじゃないですか。

たまたま「自分の複製を作る物質」が誕生して、
たまたま、その中でも、ある物質は複製を作る前に
消え失せ、ある物質は無事、複製を作ることができる。

ある物質の消え失せ安さは、結局、その物質が存在する
「自然環境」の構造によって決定される。たまたまその
自然環境に「合って」いた物質が残っていく。

「利己的」などという言葉は、このプロセスを外部から
観察している人間が勝手につけているラベルに過ぎない。

ドーキンズって、論文を読むとなかなか賢い生物学者の
一人だと思うし、その意味ではdistinctiveだけれど、
本に書いてあることは、他の生物学者から見たら、別に
何も特別なことは逝ってないと思いますよ。
(私は生物学者じゃないですけど)

122120:02/02/14 02:33
>>121
なるほど、ありがとう。

distinctive か・・・。
結局、巷で騒がれているほど、センセーショナルなことを
言ってるわけじゃないんだよね。

そうなると、むしろ、このひとの学説云々の問題というよりも、
専門的な分野において、いくつかの暗黙事項の上に成り立っている
言い回しを、一般の人がそのまま聞いた場合に、変な解釈が成立してしまう
といった問題(ナレッジギャップというか、アカデミックギャップというか)
のような気がする。

123117:02/02/14 02:48
ただ彼は、様々な意味で、目の付け所がすごく良いと思います。

何が他の分野にいる人間から見ておもしろいと思われそうか、
何が生物学を越えた広い領域で重要な問いとなっているのか、
生物学の中でも、何が重要な問いなのか、といった事を
鋭く見つけだす能力。

非専門家向けに「おもしろいお話」をできる人って
限られていますよね?彼はそれができる数少ない1人で
あるのは事実です。彼の敵対者であるS. G. Gouldと共に。

内容がセンセーショナルかどうか...

もはやそれは、人間の行動・心理に遺伝子が「全く」関与していない
という「伝説」を、読者が信じているかどうかに依存するのでは
ないかと思いますね。個人的には。
124120:02/02/14 03:06
>>123
>あるのは事実です。彼の敵対者であるS. G. Gouldと共に。
Stephen Jay Gould のこと?
彼と Richard Dawkins は敵対関係なのか・・
>>120
の話はほとんどまんま断続平衡説のような気がするけど・・・
(まあ、断続が絶対条件ではないけれど)。
まあ、そのあたりの詳細については板違いの話題になるので、
ここで聞かずに自分で調べます。

>もはやそれは、人間の行動・心理に遺伝子が「全く」関与していない
>という「伝説」を、読者が信じているかどうかに依存するのでは
>ないかと思いますね。個人的には。
これは、「関与」ということに関して、その在り方についての概念のバリエーションを
どの程度持ち合わせているかによるような気がする。
確かに全く関与していないわけではないけれど、
日常会話で人間に関して言うような意味しか発想に無い人が言う
「人間の行動・心理に遺伝子が関与している」と、
専門家の言うそれとは、意味が違うからね。
125117:02/02/14 03:19
>>124

そうです、そうです。訂正の方も。最後の話も。
120での内容は、良く分からない部分もあったのですが、
断続平衡説を意識されていたんですか?気が付きませんでした。

この辺りでお暇します。敵対関係についてはまた後ほど。
126考えない名無しさん:02/02/14 04:23
>>117
>時代の先端は、ここで議論されているのよりも、もっと先まで逝ってます。
思考の枠組みの変更という意味では「利己的な遺伝子」に書いてある以上の事は何も
出てないよ。反ネオダーウィニズムな人の言ってる事なんかも「それって現実を理解
する為にどれだけ使えるの?結局ドーキンスに心情的に反発してるだけでオカシナ理論
を創り上げてるだけじゃないの?」と言いたくなるような事しか言ってない。
社会学や社会心理学での「進化論的」アイデアも「人は利己的」という前提から従来
の規範を解体して読み進めているだけ。
「思考の枠組みの変更」のみを求める怠慢性の人はドーキンスだけで十分。
127考えない名無しさん:02/02/14 06:08
>>124
>日常会話で人間に関して言うような意味しか発想に無い人が言う
>「人間の行動・心理に遺伝子が関与している」と、
>専門家の言うそれとは、意味が違うからね。
そんな所に意味の違いは見出せないと思いますよ。
128117:02/02/14 06:15
批判しているという以外に、ちょっとポイントがつかめませんけど。

126さんは、どんなことが起これば「先に逝ってる」と見なすのでしょう?

何が「新しい」のかなんて相対的な話だから、
どんな話に対しても「それだけの話」、「何も新しくない」って
言うのは可能ですが...

具体的に、何を批判されているのでしょう?
129考えない名無しさん:02/02/14 07:09
世界を理解する思考の枠組みに根源的な影響を与え従来の世界観をぶち壊す
事を「先に逝っている」と見なしてます。学問のそういう美味しいところは
素人にも判る簡易な言葉で表されるので、ナマケモノの私はそこを重視して
見ている、という事です。

>何が「新しい」のかなんて相対的な話だから、
そういう意味ではありません。
130考える名無しさん:02/02/14 07:10
「先に逝っている」という専門用語はどの学会なら許容されるにゃ?
131117:02/02/14 07:19
>世界を理解する思考の枠組みに根源的な影響を与え従来の世界観をぶち壊す

けれど、誰もがこの点において「そうだ」とうなずくような革新性の例って、
何があるんでしょう?

その後、いろんな学問領域にどれだけの影響を与えたのか、提唱された考えに
基づく研究がどれだけ行われるようになったのか、という点で革新性を捉える
ならば、上に挙げた2冊の本は(ドーキンスだけじゃない)生物学者によって
蒔かれた「利己的遺伝子」的世界観が、哲学と経済学という2つの領域で
花を咲かせた立派な例だと思いますが。

素人の世界観を変える、という意味で革新性を捉えるのならば...
一体、何があるんでしょうね?コペルニクス?ニュートン?フロイト?
アインシュタイン?
132名無しさん:02/02/14 07:22
>>130

International Socity of 2ch.
133132:02/02/14 07:24
訂正 socity

society
134考えない名無しさん:02/02/14 07:59
>けれど、誰もがこの点において「そうだ」とうなずくような革新性の例って、
>何があるんでしょう?
永遠不変の真理を突いたものは無いのかもしれませんが、コペルニクス的転回
と呼ばれるものを起こしたと言われる人々の仕事はそうじゃないでしょうか。
ドーキンスもその挙げられた人々の中に入ると思います。

>Invariances: The Structure of the Objective World
>Robert Nozick, Harvard University Press, 428pp
>「比較制度分析に向けて」青木昌彦 著 瀧澤弘和・谷口和弘 訳
>上に挙げた2冊の本は(ドーキンスだけじゃない)生物学者によって
>蒔かれた「利己的遺伝子」的世界観が、哲学と経済学という2つの領域で
>花を咲かせた立派な例だと思いますが。
読んでみます。

ダニエル・デネットも「利己的遺伝子」的世界観を哲学に持ち込んでますね。
「人間行動の進化的理解」の立場から人間の道徳について説いている方で
知っている人がいたら教えていただきたいです。

道徳起源論から進化倫理学へ
ttp://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~suchii/Ev.Ethics1.html
135考える名無しさん:02/02/14 08:06
>>120
>全ては偶然の結果であって、
同じ環境と無限精度の同じ初期条件をそろえれば同じ結果になるという意味では
必然だと思います。
136あちょー:02/02/14 11:17
偶然に遺伝子が出来て、偶然に生き残っているというダーウィニズムは
生命について説明していないです。
すべてのものは偶然に存在し、意味はなく、説明不要という概念で
生命を見たもの。
ボールペンが字を書くためのものであることを知らない人が、ボールペン
について説明するにはこの方法が有効。ディベートテクニックのひとつ。
ダーウィンはあの世で笑っているのかも。
137考える名無しさん:02/02/14 12:28
>>136
馬鹿っぽくて素敵!
138考える名無しさん:02/02/14 13:45
>>136
あっはっは。

それじゃあ、そもそも生命が持つ意味なるものは何処に由来しているんでしょうね?
神様が与えてくれたもの?それとも、意味を持っていることが生命の定義?
けれど、それだったら「定義により真」の議論でしょう?

「生命の意味とは何か?」などという事を考える存在=人間が、
進化という無意味で無目的なプロセスから生じるという可能性
を提示している進化論は、最初から「生命は意味を持つ」なんて
いう議論をするやり方よりも、遙かに、エキサイティングじゃあ
ないですか?

そして、それが事実ならば「いかにして」人間の心の世界が誕生したのかを
解き明かしていく作業は、どれほど知的興奮に満ちたものとなるのでしょう?
139考える名無しさん:02/02/14 13:53
うーん、バカばっかだな。
個体の利益と遺伝子の利益は大部分では一致するものの部分的には不一致であるという
提示されている事実はそれだけなんだが。
140考える名無しさん:02/02/14 15:53
>>139
え〜。そんなこと誰も言ってないよ?
社会学で言う前向きの合理性と後ろ向きの合理性の話と勘違いしてない?
141考える名無しさん:02/02/14 16:16
そうそう、なんで社会性について話ができない。
個体だけで話しすぎ。
そもそも個体なんてのが幻想でることに早く気づいて!みんなぁ〜!
142考える名無しさん:02/02/14 16:18
>>139
更に馬鹿っぽくて素敵♥
143通りすがり:02/02/14 16:27
>>136
>偶然に遺伝子が出来て、偶然に生き残っているというダーウィニズム
これ電波だよね?ネオダーウィニズムでもないよね?違うの?そうなの?
嘘でしょ?嘘と言って!哲学板、も〜〜〜いや!
144117:02/02/14 17:42
もしかして、139さんは血縁選択の事を言ってるんでしょうか?

同じ遺伝子を共有する他個体のために自分を犠牲にする社会性昆虫の
場合には血縁選択の論理はいろんな事を説明できるけれど、
人間の場合にこれを言い始めると、結構、ドキュソ扱いされるようですよ。
生物学でも。

それに、これはハミルトンの話であって、ドーキンズも言及して
いるけれど、それが全ての主張じゃあないですよ。

>>134
>「人間行動の進化的理解」の立場から人間の道徳について説いている

以下の2冊でしょうね。

1.Unto Others : The Evolution and Psychology of Unselfish Behavior
Sober, E. & Wilson, D. S.

http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0674930479/o/qid%3D983410651/
sr%3D8-1/ref%3Daps%5Fsr%5Fb%5F1%5F1/103-4159355-5663063
2.Evolutionary Origins of Morality : Cross-Disciplinary Perspectives
Katz, L. D. (ed.). (1.のページの下の方にbuy together!で載ってます)

どっちも最近の本です。2.はJournal of Consciousnes Studiesの特集号に
のった4本のtarget paperとそれに対するcommentaryが本になった物。
2.の特徴は、moralityの進化的起源に関心を持つ、各領域における先端の
専門家の論文が読める点。

1.は、愛他性の進化に関して、最近、注目を浴びつつあるmulti-level
selectionの主張者達の本ですが、レビューとしてもなかなか良くできて
いると思います。
145117:02/02/14 17:51
>>134
もう一個。

「比較制度分析に向けて」は、ゲーム理論&進化ゲーム理論の知識を持ち、
かつ、制度派経済学で扱われている問題を知らないと、ややきついかも
しれません。

その前に、Evolution of the Social Contract, by Brian Skyrms
を読んだ方が良いかもしれません。とにかく薄いし、進化ゲーム理論の
基礎的概念も理解できるし、アクセルロッドの「つきあい方の科学」以降、
「利己的遺伝子」な見方の社会科学における応用が、どのような位置にある
のかを知ることができると思います。

http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0521555833/ref=pd_sim_books/103-4159355-5663063
146考える名無しさん:02/02/14 20:46
横からすいませんが一言。

嫉妬を生きる糧にしている人もいるんだなと、今更思ってしまいました。
これを哲学的に表現した物ってあるんでしょうか?
嫉妬を自分の食料とするためには、”ある能力”が必要なはず。
これが今の大衆社会が必要としている物ではないかと、一人推測してしまいました。

ですから、”嫉妬させること”を正義だとすることで、つまり
”嫉妬を交換するのが公共の利益”だと思わせるのが大衆社会ではないかと。
そうなると自然に、”知識を吸収するよりも自分を表現することが重要だ”と思うし
また、逆に”他人を嫉妬させる自分を正当化させる”ことになる。
つまり、”嫉妬を交換する”ことで生じる”社会と個人の相互の自然な反応”が
”大衆社会”と”表現する個人”という訳です。

もっと勝手に推論を続ければ、これまで天才と言われた人たちの情報が本という形で
残っていたために、後世の人たちはそういう天才と言われる人たちの功績を
いち早く今の生活に取り込むことが自分達の利益になると考え始め、
そういう考えが多くの人に”広まる”ことで現在のような大衆社会が生まれたのではないか
と思いました。

非難轟々、笑止千万との声がきこえそうですが、
ちょっと感心した感想を発言してみました。

つまり、メディアの影響ってことでしょうか?ん????
147考えない名無しさん:02/02/14 21:50
>偶然
進化生物学では進化を「集団中の遺伝子頻度が時間とともに変化すること」と定義
してます。進化のメカニズムとして自然淘汰以外に遺伝的浮動というものがあり、
これはたまたまそういう遺伝子を持ったものがやってきた事により集団中の遺伝子
頻度が変わる事を指します。そういう偶然による進化もありますが、一番重要なの
は自然淘汰の過程であり、これのみが生物学的意味での「適応」を生み出します。
自然淘汰の過程とは
1、生物には生き残るよりも多くの子が生まれる。
2、生物の個体には、同じ種に属していても、さまざまな変異が見られる。
3、変異の中には、生存や繁殖に影響を及ぼすものがある。
4、そのような変異の中には、親から子へと遺伝するものがある。
この4つの条件が満たされる事により、生存や繁殖に有利な変異が集団の中にだんだん
と広まっていくことになる、という過程です。

>>144
>血縁選択
>人間の場合にこれを言い始めると、結構、ドキュソ扱いされるようですよ。
>生物学でも。
子殺しや養育投資の選り好みなどは血縁淘汰での説明もあり、行動生態学をやっている
人の間ではマトモに扱われているように思います。社会科学系の進化ゲーム理論を
やっている人からどういう目で見られているかは知りませんが。

>>「人間行動の進化的理解」の立場から人間の道徳について説いている
>1.Unto Others : The Evolution and Psychology of Unselfish Behavior
>Sober, E. & Wilson, D. S.
>2.Evolutionary Origins of Morality : Cross-Disciplinary Perspectives
>Katz, L. D. (ed.).
どうもです。
日本語で書かれた一般向けのものはないでしょうかね。
広い範囲の2ちゃんねらーでも読めるような。
148120:02/02/14 21:51
>>127
我々は、一般に「利己的」という場合、その主体の欲望なり、意志なりを想定して、
「それを満たそうとする行動」という意味に理解しているはずだ。
しかし、専門家(あるいは dawkins)は、遺伝子について、「利己的」といってはいるが、
これには、遺伝子に、「己」があるという意味はおそらく含まれていないはずだ。
「利己的遺伝子」に関する、専門外の人間の誤解の多くは、
この点に起因するように思うけど。
149考える名無しさん:02/02/14 22:06
>>146
金原さんの新たな電波仮説でしょうか。
150利己的な名無しさん:02/02/15 00:15
>>136
>偶然に遺伝子が出来て、偶然に生き残っているというダーウィニズムは
>生命について説明していないです。

しかし、最初の遺伝子ないし生命が偶然できたってのは、結構一般的な考
えなんではないですか?

ボールペンは、人間が意思を伝え、残すために作ったものだけど、生命に
同様の説明が可能というのなら、それは、誰が一体何のために造ったとい
うことになるのでしょうか。

とりあえず、私には生命の意味・目的など説明することはできないし、
「そんなものはない」って方に一票を投じたいです(ただ、我々には
「(広い意味で)存続し続けようとする」ってプログラムが組み込ま
れてて、それに従って幸福とか感じたりする以上、法制度を論じたり
する時の「(さしあたりの)生命の目的」としては、「存続し続ける
こと」と考えておけば足りるんではないかと)。


私は文系人間なんでその辺詳しくないんですが(L・マルグリス他「ミ
クロコスモス」とかチラッと読んだ程度)、理系の方、現代科学の最前
線では「生命の誕生」ってどう考えられてるんでしょうか。
151考える名無しさん:02/02/15 00:16
152利己的な名無しさん:02/02/15 00:42
あと、私は「利己的な遺伝子」の内容が画期的なのかについては
よく知らんです。

素人にもわかる啓蒙書として書かれた以上、学問的に画期的な内
容を示すものじゃなさそうではありますよね。

ただ、この本が一般の人にまで広く読まれ、ドラマの主人公が「利
己的な遺伝子」を携帯するシーンがあったり、DNAがどうたらな
んて歌が日本のオリコンチャートを賑わすというまでの影響力を与
えたというのは、極めて画期的だったと思う次第です。


そして、そのような影響力が、現在及び今後の文系の学問・思潮に
与えていく影響もまた画期的なほどのものなのではないかと推測す
る次第。
153考える名無しさん:02/02/15 00:48
>>152
もう、1980年代以来、社会科学に画期的な影響を与え続けています。
154利己的な名無しさん:02/02/15 01:03
>>153
だからそうなんでしょうね。
ただ、法学系学問への影響はまだまだなんではないかと思います。

特に刑事系の学問では、遺伝子がどうなんて議論には嫌悪感が強
いのではないかと。
「生来的犯罪人説」なんかの負の遺産なんでしょうが。
155117:02/02/15 02:12
>>154

社会科学系への応用という時、注意しなければいけないのは、
「人間行動における遺伝子の影響」という点を、社会科学に
組み込んでいる訳ではない、という点です。

社会科学系の領域で進化的な視点が画期的影響をもたらした理由は、
それまで支配的だった「合理的選択理論」にとって変わる、新たな
理論的枠組みとして、遺伝子レベルでの進化を仮定しない、いわば
進化「的」な視点が組み込まれた、という事なんです。

どういうことか?

合理的選択理論は「人間は行動がもたらす帰結を計算しつくして、
もっとも多くの利益を生みだす行為を選択する」という前提を
おきます。

ところが、限られた計算能力しか持たない人間をこんな風に
モデル化しても、うまい予測を生み出せない。そこで次に出てきたのが
人間が持つ信念や選好を遺伝子のアナロジーで捉える考え方。

つまり「長い目でみて自分に(物質的)利益をもたらすような
信念や選好を人々は獲得する」という考え。なおここで「獲得」
というのは心理学でいう強化学習(ある行動をとったら利益が
得られた!)や社会的学習(世の中で成功している人たちの行動を
まねするぞ!)といったプロセスが仮定されるのが普通で、
本当の進化のプロセスが仮定される訳ではありません。

別の言い方をすれば、合理的選択理論の代わりに、「個人学習や
社会的学習による獲得」というプロセスを仮定すると、本当の進化と
同一の数理的モデル(ダイナミクス・モデル)を当てはめることが
できる訳です。

これが、社会科学における「利己的遺伝子的」世界観の応用。
プロセスを仮定すると、
156117:02/02/15 02:34
> 特に刑事系の学問では、遺伝子がどうなんて議論には嫌悪感が強
いのではないかと。

あえて、この手の議論に踏み込むと...

最近は嫌われている概念だけれど、ソシオパスという考え方が
あります。たとえば、アメリカでは常習犯罪の30-80%が、そして、
収監されている囚人の30%が、全人口のうちたった3-4%の人間によって
占められているそうです。イメージとしては道徳心を全く持たなず、
改悛の見込みが全く得られないハードコアな犯罪者。

ところが、このソシオパスには2種類いるらしい。まず、ソシオパスの
発生率は人種や階層によって異なることが知られています。これは、
「生まれ育った環境からの影響を受けて」ソシオパスとなった人々が
存在することを示唆する。

ところが、あらゆる文化、社会、階層、民族を通じて、ソシオパスは
常に一定の割合で発生してくるそうなんです。ソシオパスの遺伝子が
あるのかもしれないし、あるいは、脳に障害を負う確率が世界中で
一定なだけなのかもしれない。

さて、このような話はこれまでの「利己的遺伝子」の話とは無関係
ですが、こうした行動科学的データに基づいた、法律、ないしは、
制度の整備という考えは、結構重要であるように思うのですが、
やっぱり、法学では嫌われるんでしょうねえ...

Mealey, L. (1995). The sociobiology of sociopathy:An integrated evolutionary model. Behavioral and Brain Sciences 18 (3): 523-599.
http://www.bbsonline.org/documents/a/00/00/05/20/bbs00000520-00/bbs.mealey.html
157154:02/02/15 02:35
>>155
なるほど、社会学への応用においては「遺伝子の議論」の直接適用
でなくアナロジーであることを忘れてはいかんですね。
そこを強調すれば生来的犯罪人説などとの混同を未然に防止できる
のかも。

ご紹介のあった「比較制度分析に向けて」は、機会があったら読ん
でみます。
英語の文献は読めないけど。
158考えない名無しさん:02/02/15 04:07
利己的な名無しさんは多くの「文系」の人と同じく人間行動に対して何らかの遺伝的
基盤を考える事を感情的に拒絶してるのかな。フェミの人にも多いようですね。

>>148
>>>>もはやそれは、人間の行動・心理に遺伝子が「全く」関与していない
>>>>という「伝説」を、読者が信じているかどうかに依存するのでは
>>>>ないかと思いますね。個人的には。
>>>これは、「関与」ということに関して、その在り方についての概念のバリエーションを
>>>どの程度持ち合わせているかによるような気がする。
>>>確かに全く関与していないわけではないけれど、
>>>日常会話で人間に関して言うような意味しか発想に無い人が言う
>>>「人間の行動・心理に遺伝子が関与している」と、
>>>専門家の言うそれとは、意味が違うからね。
>>そんな所に意味の違いは見出せないと思いますよ。
>しかし、専門家(あるいは dawkins)は、遺伝子について、「利己的」といってはいるが、
>これには、遺伝子に、「己」があるという意味はおそらく含まれていないはずだ。
>「利己的遺伝子」に関する、専門外の人間の誤解の多くは、
>この点に起因するように思うけど。
「遺伝子が関与」という言葉から「利己的」という言葉の用法の違いに摩り替わってますが。
遺伝的基盤を考える全ての解釈を「一般人のトンデモ解釈と同類」に見なそうとしているよう
に見受けられます。
159考える名無しさん:02/02/15 11:41
進化とは、何を食料にするかの変化である。
また、食べるとは交換することである。

そのため、現代社会では情報を食べ、お金を食べ、言葉を食べ
文化を食べ、概念を食べ、他人の考えていることを食べるのである。
そしてもちろん、ご飯も食べているのである。
160120:02/02/15 15:29
>>158
>遺伝的基盤を考える全ての解釈を「一般人のトンデモ解釈と同類」に見なそうとしているよう
>に見受けられます。
それは全くの誤解だよ。
私は、「全ての」遺伝子の関与を否定するなんて一言もいっていない。
そういう主張を否定したいのなら、別の人と議論したほうがいい。

161考える名無しさん:02/02/16 11:27
遺伝的基盤を薄く見積り、優生思想と区別しないと自分の行為や「正義」に疑いがかかる。
社会秩序の維持と発展という名目には必ず優生思想が混ざっていて、それを誤魔化しながら
動かし続けた方が利益が高いので遺伝的基盤を考えないようにしている。
単純な優生思想より質が悪い。
162考える名無しさん:02/02/16 12:03
NetScience Interview Mail
【安藤寿康(あんどう・じゅこう)@慶應義塾大学 文学部 助教授】
http://www.moriyama.com/netscience/Ando_Juko/
『心はどのように遺伝するか』
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3a99074b2b5fa0105378?aid=freelink&bibid=01942610

リー・M. シルヴァー『複製されるヒト』(Remaking Eden)
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3a99074b2b5fa0105378?aid=freelink&bibid=01568915&volno=0000
生殖技術の発展により人間社会で遺伝的富裕層(gene-rich)と遺伝的貧困層(gene-poor)の分化が
起こると説いた本。
163利己的な名無しさん:02/02/16 12:43
私も、遺伝子的基礎は全然否定しないんですけどね。

ただ、「遺伝子によって生物にいろんな形態が現れるのと同様に、いろん
な信念や考え方が発現する」というってのは、まずないですよね(トンデ
モ解釈だ)。
双子だって全然違う信念・考え方を持ちうるわけで、遺伝的資質は考え方
や信念を形成する際の、一つの背景事情になるととどまるのが穏当でしょ
う。


ただ、いろんな考え方や信念にしても終局的には「遺伝子を多く複製する」
という遺伝子的に利己的な大目的の見地から説明できる、というのはそれ
なりに説得的だし、現在及び今後の文系への影響力も大だと思う。


その意味で人間の信念・考え方を「遺伝子が直接支配する」とするのと、
「所詮遺伝子的に利己的な戦略を目指しているに過ぎない」とするのは全
然違うので、混同してはいけないというのは、(特に、一般人、文系人間
には)強調しておかんといけないのではないでしょうか。

164利己的な名無しさん:02/02/16 12:53
ちなみにドーキンスは現代人の進化を理解するためには、進化を考える際に、
遺伝子だけをその唯一の基礎とみなす立場をまず放棄せねばならない邦訳305
頁)」としてますから、遺伝子の大目的で全部説明できるとは思ってないと
いうことでしょうね。

ただ、ミームとかも、「遺伝子基盤の戦略や、そのバグの模倣」みたいに説
明できないものなのか… 素人なんでよく分かりませんけどね。
165考える名無しさん:02/02/16 14:15
食べられる物は、何でも食べなさい!・・・・
親からよくそう言われました。
ただ、馬の糞は食うなと・・・。
というもの、「おまえは馬の糞を食えと言われたら食うのか?」
という問答の答えなんですけどね。

生命は食べないと生きていけないのです。だからといって
人を必要以上に分化させて馬の糞を食うのか?

私は分化させるはやめときます。なぜなら、
馬の糞は食うなと教えられたからです。
166117:02/02/16 19:21
>>163

本当にそうですよね。特定の信念が遺伝子によって支配されていると
考えるのは、やっぱり行き過ぎ。

たぶん、遺伝子によって支配されているのは、「誰が持つ信念を学ぶのか」。

つまり、子供は周囲の大人や子供達の信念や考えを学んで身につけていくんだ
けれど(社会化)、そのときに、多数派のもつ信念を学ぶのか、社会で成功して
いそうな人たちのものを学ぶのか、とりあえず目立っている人のものを学ぶのか....

「何を学ぶのか」が、遺伝子によって支配されていると考えた方が良いのでしょうね。

ドーキンズがここまで言ってたか覚えてないけれど、言い換えれば、「ミームの伝播を
支える心理的メカニズム」が遺伝子によって支配されている、という事ですかね。
167くびちょんぱ:02/02/16 19:24

 くびちょんぱ!
 くびちょんぱ!
 遺伝子レベルでくびちょんぱ!
168117:02/02/16 19:31
「何が遺伝子によって決まっているのか」という問題は、かなり複雑なんですよ。

例えば、こんな有名な話があります。

森に暮らすある種のサル(チンパンジーだったかな?)は、蛇を見ると怯えまくります。
最初、これは「(毒)蛇を見て怖がることは適応的。そういう感情をサルは遺伝子として
もっているんだろう」と考えられていました。

ところが。研究者達は「生まれてから蛇を一度も見たことがない」サルは、蛇を怖がらない、
という証拠を見つけました。どうやら「蛇を見て怖がる仲間サル」を見て、蛇への恐怖を
学習するらしい、という証拠も見つけました。

「やったね。やっぱり心が遺伝するわけナイジャン!」と言ったかどうか分かりませんが...

しかし、今度は別の研究者がこんな実験をしました。条件は2つあります。
1)生まれてから一度も蛇を見たことがない子サルにディスプレイ上で
  「(テレビに映った)蛇を見てパニックに陥る大人サルたち」という映像を見せる。
2)1とは違うけれど、やっぱり蛇を見たことがない子サルに「(テレビに映った)
  ウサギを見てパニックに陥る大人サルたち」という映像を見せる。

もちろん、1,2,とも合成映像で、移っているのが蛇かウサギかが違うだけ。

なんと、子サルは蛇に対する恐怖を学んでも、ウサギに対する恐怖は学ばなかったのです。

結論:サルは「蛇をみて怖がる仲間」を見ると、蛇に対する恐怖を学習する」という
バイアスのかかった学習メカニズムを遺伝子として持っている
169考える名無しさん:02/02/16 19:35
生命はは意識の乗り物にすぎないのです。
遺伝子はさらにその生命の設計図にすぎないのです。
物質の全ては意識に豊富な経験をもたらすための方便、
道具に過ぎないのです。遺伝子だけあっても何も意味をなしません。
遺伝子によって意識の宿る生命が作られ、意識に成長をもたして
くれるのです。
170117:02/02/16 19:42
もう一つ有名な話。

*クワインのパラドックスを子供はどうやって解決しているのか?

大人が子供に何かを指さして「ウサギだよ」と言ったとき、どうして子供は、
白い毛や、長い耳や、空気や、走るという動作や、ウサギを取り巻く風景や、
白という色ではなく、「ウサギ」という対象を、「ウサギ」という言葉に対応
させることができるのか?これがクワインのパラドックス。

一つの解決方法は、子供は元々、ウサギとか、犬といった概念を生まれつき
持っていて(これも本質主義というのかな?)、既に持っている概念に言葉を
対応させるだけだ、という考え方。これは随分と「遺伝子によっていろんなモノが
支配されている」とい考えに近いですね。

ところが、言語発達の研究者が発見した事は。
子供は、生まれつき大人と同じような概念・意味の体系を持っているのではないらしい。
むしろ、「大人が何かを指さして“?x’&%#!!”と叫んだら、その時発せられていた
音声を、目の前にある事物(動作や状態ではなく)の名称として認識せよ」とでも言った、
学習上のバイアスを持っているらしい。

つまり、子供はかなり小さい時から、名称、状態、動作、というように、世界を大まかに分類する能力
だけを持っているらしいのです。そして「まず最初は事物の名称だけ学ぶ」というやり方で、段々と
言語を獲得しているらしい。さらに、そのプロセスを通じて、今度は別の学習上のバイアスが作り出され、
それを使って新たな対象を学んでいく...

概念・意味が遺伝子上に存在する訳ではないけれど、遺伝子上に存在する、とてもシンプルな様々な学習バイアスが、
言語という複雑怪奇なモノの獲得を促進する... 斯くも遺伝子と学習の関係は複雑なんです。
171考える名無しさん:02/02/16 19:53
>>169

まあ、確かに、そうやって現実から目をそらした考え方でもしてないと、
人生なんてつらいかもなあ...分かるよ。人生のつらさ。
172169:02/02/16 19:59
>>171

すばらしいスポーツカーの設計図ができたら、それを保存継承して、
さらにリファインを重ねてより「洗練した設計図を作ることに専念し、
とうとう念願のすばらしい設計図ができた。
もちろん実際に組み立てて走行テスト済みだ。
めでたしめでたし。。。。。。ですか?

走らせて気分爽快を味わって堪能し、精神にこの上ない経験と滋養を与えることが
本来の目的のはずです。小学生でも分かる理屈です。
173考える名無しさん:02/02/16 20:05
え...マジだったの...
174Iridium:02/02/16 20:33
え〜、あの〜、ヒエラルキーって恣意的なんだけど…。

175169:02/02/16 20:37
コンピュータはアプリ実行のための情報処理、演算がその目的です。
コンピュータの設計図はそのための方便です。コンピュータを組み立てて
稼動させてこそ、設計図本来の価値が発揮されます。
同じナロジーで生命の存在意義を推し量れば、おのずと結論はでます。
子供でもわかる。。。。
176169:02/02/16 20:54
ついでに言えば、遺伝子は
意識からの指令で変化、進化を遂げます。
偶発的に洗練される方向にリファインされるわけではありません。
動植物の精巧な擬態を見れば分かります。
177考える名無しさん:02/02/16 20:55
真面目に喋ってる人と電波が入り混じってて訳がわからないんですが。
178120:02/02/16 21:00
とりあえず、真面目な議論は出尽くしたと思うが・・・。
179 :02/02/16 21:11
いずれにしろ、宇宙が開いてるか、平らじゃないとだめだ。
閉じていたらいくら乗り換えたり、進化したって無駄だからね。
180169:02/02/16 21:16
仮に、開いていたとして、
例えば永遠に開いていて、永遠に遺伝子が進化
し続ける目的は何ですが?
181考える名無しさん:02/02/16 21:25
開いた宇宙では永遠の進化(永遠が真理)
閉じた宇宙では繰り返し(輪廻転生が心理)
平らな宇宙は・・・???
182169:02/02/16 22:43
物質世界での進化は限界があります。
走る、飛ぶにしてもその速度が、あるいは脳の思考速度にしても、
当該宇宙、卑近には生息する惑星の物理定数で律速され、飽和します。仮に開かれていたとしても
飽和する時がやってきます。従って、この島宇宙も数十回破壊、
再生をくり返した後、永久に崩壊し、次の段階に進みます。
それは、当該宇宙を創造した意識そのもののレベルがあるいk値
を超えて進化したことを意味します。遺伝子の進化は意識の物質経験レベルでの
解脱のための重要な道具です。
183考える名無しさん:02/02/16 23:36
>>182
それは、物理を専攻しているあなた自身を慰めるだけの効果しか
ありません。

というかその前に、誰に言ってる?
184169:02/02/16 23:39
>>183

>>179さんにです。
ものごとには限度...、始まりと終わりがあるのです、えー。
185考える名無しさん:02/02/17 01:05
ざっとみましたが、>>136さんの意見に賛成です。
だれも肝心ななことにはなにも答えていないのです。
186120:02/02/17 01:12
いや、ボールペンには作った人がいるからね。
遺伝子にも、作った人がいるなら目的があるかもしれないね。
187考える名無しさん:02/02/17 01:15
>186
そんな奴がいたらまさしくそれこそが神だろうと思わせる、
そういう畏怖を遺伝子という存在は感じさせます。
188考える名無しさん:02/02/17 02:04
>>177
うまい!座布団2枚逝っちゃうよ。
189考えない名無しさん:02/02/17 15:20
>>163
僕が引っかかったのは>>157
>社会学への応用においては「遺伝子の議論」の直接適用でなくアナロジーであること
>を忘れてはいかんですね。
>そこを強調すれば生来的犯罪人説などとの混同を未然に防止できるのかも。
の部分で、実際に生来的犯罪人と呼べる人は存在するし(勿論そうでは無い犯罪者も
多い)、これからも(反優生思想を標榜する者の無自覚な暴力性によっても)優生思想
的手口で彼らを殺すなり社会に出られないようにするなど自由を奪う事になるだろう、
という事です。

>「遺伝子が直接支配する」
「遺伝子が関与」から「直接支配する」に摩り替わってます。
利己的遺伝子が安直な遺伝的決定論本だと読まれる事に対する批判という意味では
同意しますが。


169さんは冗談で書いているのでしょうが人間原理を参考にされているのかな。
190考える名無しさん:02/02/17 16:01
中込弥男「遺伝子できまること、きまらぬこと」
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3a99074b2b5fa0105378?bibid=01708370
191考える名無しさん:02/02/17 16:50
>実際に生来的犯罪人と呼べる人は存在するし
ロンブローゾ?

192考える名無しさん:02/02/17 19:22
進化論の影響で、言いたいことをハッキリと言うことが最上のことではなくなった。
哲学もギリシャ時代と同じ状況になり、
何事もおぼろげに、当たってるような当たってないような、だから何だ
と言われる哲学へと逆戻り。

そこで一言。

哲学者よ。 だから何だ!!!!
193117:02/02/17 20:42
>>191

>156を読んでください。ロンブローゾの言ってたことに誤りは多くとも、
それに類した人間が「犯罪者のごく一部」とは言え、存在すること
は、科学的な事実です。それはイデオロギーや価値観の問題ではありません。
194考える名無しさん:02/02/17 20:59
それは、科学的事実とは言わないと思います。
単なる普遍的な事実でしょう。

普遍的であれば、すなわち科学的というのは
あまりにも科学を買いかぶりすぎてる。
195考える名無しさん:02/02/17 21:33
ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鋼鉄』
・この考察への反対意見 p23
この種の危惧は、原因の説明と、結果の正当化や是認とを混同する典型的な誤解にもとづいたものである。
何かの経緯を説明する事は、その結果得られた知識をどう役立てるかとはまったく別の問題である。
理解によってもたらされる知識は、同じ過ちを繰り返したり永続させたりするために利用されるよりも、
異なる結果を得るために利用される場合のほうが多い。心理学者が殺人犯や強姦犯の心理を理解しようと
すること、社会歴史学者が大量殺戮の原因を知ろうとすること、そして医学者が疫病の原因を解明しようと
することも同じである。彼らは、殺人、強姦、大量殺戮、疫病を正当化しようとして研究するのではない。
因果の連鎖を断ち切るために、因果の連鎖について研究するのである。
196169:02/02/17 21:51
同時並列多発的、ユニーク、創意工夫、自由
これらの性質を持つが故に、創造意識は驚異的速度で
経験学習を積み叡智と愛を獲得することができる。
個々生命の利己的行動は、種の発展途上に於ける
不可避な現象となる。しかし、本来一つであるから、それは
幻想でもある。真の叡智と愛を獲得した暁には、全てが報われる。
197117:02/02/17 21:58
>>194,195
ここでの主張が「all of criminals」に関する議論ならば、この指摘は的を得ているし、
甘受します。

けれど「some of criminals」に関しては、データとして「脳の前頭葉に障害を負っている
ケースが存在している」という事実があり、なおかつ、認知神経科学的な知見として、
同部位に障害を受けると、それまで自らを律し、他者から尊敬され、目の前にぶら下がった
利益に惑わされないような人間が、それとは全く逆の人間になってしまう事が知られています。
そして、この障害は、156で紹介した文献中でのソシオパスの定義と一致します。

156での議論では、前頭葉の障害が遺伝子によって生じたのか否かについてはサイレントです。
たまたま、子宮から出てくる時に脳に傷を負う確率が、あらゆる文化で一定の確率なのかも
しれない。

ただし、いずれにせよ、こうした行動科学的な知見を抜きにして、「生来的犯罪者は存在
しえない」というのは、むしろイデオロギー的な主張であるように感じます。
198考える名無しさん:02/02/17 23:03
問題は、矯正可能か、あるいは、社会適合可能か、という事でしょう。
社会適合可ならば、教育の問題ということになる。
社会適合不可能ならば、一種の障害とみなされるべきものではあるけれど。
199心理畑:02/02/17 23:56
精神病理学の世界では、それを「反社会性人格障害」と呼ぶ。
矯正は不可能、いかなる手段をもってしても社会に適合させることはできず、
投薬・精神治療も通用せず、司法で厳重に管理するより他はない、
というのが現在の定説。

ただ、必ずしも脳の損傷だけが「反社会性人格障害」の原因とされているわけではない。
一般には、反社会性人格障害は「生得的原因」によるものと、
幼児期の虐待などの「環境的要因」によるものの二種類があると考えられている。

反社会性人格障害をもたらす「生得的要因」が遺伝子レベルのものなのかどうかまでは知らない。
遺伝子がどうだろうと、脳の機能上の問題として扱うのが精神病理学なので。
200心理畑:02/02/18 00:05
生来的犯罪者つーのは、よくわからんな。
ともかく、「犯罪者でしかありえないヒト種の生命体」は存在する。
ただ、「受精卵の段階で、犯罪者にしかなりえない個体」
があるのかどうかまでは、わからん。ロンブローゾはあるといったらしいが。

ただ、各種精神障害の遺伝的要因の研究は盛んだから、
ひょっとしたら「反社会性人格障害の遺伝的要因」が発見されるかもしれんけど。
201考える名無しさん:02/02/18 00:55
>>199
なるほど、面白い。
やはり現場は単純ではないのですね。
202117:02/02/18 01:38
>>199
私は臨床系は詳しくないですが、156で紹介した論文のなかでも、
primary sociopathとsecondary sociopathと区別していて、
199さんが言うように2種類あるらしいことが議論されていましたね。

ここで議論の対象とすべきは、生得的(or誕生時の事故が原因か?)の
primary sociopathの方。

こちらに関しては、社会への適合、強制ともに不可能だから、それに対処可能な
制度を作るしかない、というのが、論旨なんですがね。ロンブローゾなんかどうでも
良いけれど、「ハードコアな社会不適合者」の存在だけは、ほぼ事実だということ。
203心理畑:02/02/18 01:57
secondary sociopathにしても、社会への適合矯正はおそらく不可能だと思うが、
まあそれはここで論じるべきことではないな。
生得的といっても、いくつかの可能性がある。
「遺伝病」。「胎児期の環境の影響」。「生後の環境の影響」。
「事故」とも限らない。たとえば、サリドマイドによる障害などは薬物によるものだが、
「胎児期に受けた障害」の一種だ。
他にも妊娠中の女性のホルモン分泌障害がある種の異常を引き起こすなど、
様々な「胎児期の障害」が知られている。
常識的にいってこういうものは「生まれつきの」障害といえるが、遺伝子とは関係がないな。
204考える名無しさん:02/02/18 02:23
ガブリエル・ドーヴァー「拝啓ダーウィン様」(光文社)
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3b11ec31e07b80103835?aid=&bibid=02098119&volno=0000
>拝啓ダーウィン様 分子生物学の最先端は、あなたの進化論をこんなに発展させています――
>ダーウィンとの往復書簡という形を借りて、
>現代遺伝学入門コースの講義と現代進化論の構図に関する説明を展開。
>読者の認識を一変させる。

今日(2月17日)、産経の書評欄で紹介されていたのだが、読んだ人いるか?
「ドーキンス氏は自分の誤りに気づいているのか」という一章を設けているらしい。
>>1はこの本を読んで、スレを展開させてクレ。
205考えない名無しさん:02/02/18 09:22
>>199
>遺伝子がどうだろうと、脳の機能上の問題として扱うのが精神病理学なので。
>>203
>常識的にいってこういうものは「生まれつきの」障害といえるが、遺伝子とは関係がないな。
医学の知識があれば脳で遺伝子が機能し、また発生過程で遺伝子が脳の設計図になって
いる事も知っているはずですが。

それから「改悛の見込みが全く得られないハードコアな犯罪者」のみが遺伝的要因を考え
れるというわけでもなく、性格と遺伝子の関係を考えればもっと広い範囲の犯罪者について
も考えれます。
206117:02/02/18 10:16
>>205

論理的可能性としてはそうでしょうね。
その枠組みが本当にどれだけ現実の犯罪を説明できる妥当な物であるか...

今後の実証研究で明らかにされていく問題でしょうね。
207考える名無しさん:02/02/18 10:18
生来的という言葉を使われていますが、それは適当でない。
”自然発生的”という便利な言葉があります。たとえば、
「ある環境が整えば、自然に発生するという意味で”存在”する。」
という具合に”存在論”をその周りの環境との相互作用まで含めた形で
因果関係を説明できます。

というか私は、その”自然発生”という言葉が便利なので
よく使ってるだけですが、これまでの知識を活用しながら新しい分野を
解釈していく時に、橋渡しをしてくれるような言葉だと思ってます。

”自然発生的”という便利な言葉があるということを、ご報告までに。
208考える名無しさん:02/02/18 11:45
人間も含めて生物は、一般に、自己の生存をはかり、できるだけ快適な状態
を模索し、それをはばむ障害があれば取り除くようにし、繁殖がうまく行える
ように行動します。つまり、適応度が上がるように行動するわけです。感情
や心理状態は、そのような行動を導くように仕向けるメカニズムです。
したがって、自己にとって快適でなく、適応度を下げるかもしれないような
事態に直面したときには、怒り、悲しみ、絶望感などの感情が起こり、なん
とかそれを回避する方策をとらせます。原因が他人の存在であるとき、その
極端な解決法の一つが殺人でしょう。したがって、殺人自体はまれな逸脱
行為ですが、人はどんなときに強い対立感情を抱き、自己またはそれに属する
ものを守らねばならないと感じるかという、一般的な心理メカニズムはある
はずです。
209考える名無しさん:02/02/18 11:56
知能が低い→低学歴→低収入→生活難→犯罪→(゚д゚)ウマー?
210考える名無しさん:02/02/18 12:34
動物から人間に転生したばかりの経験の浅いものは、
感情形成未成熟で、時には冷酷な犯罪に走る場合もある。
211あちょー:02/02/18 13:37
ダーウィン自身は本当は進化論が生物学的にすぐれた理論とは
思っていないのでは?
むしろ、政治思想的だと思うよ。
ダーウィンは、イギリス産業革命の担い手であるジョサイア・ウエッジウッドと
エラズマス・ダーウィンの孫。
当時のイギリスの資本家は、どうやってうまく労働者を支配するかを
考えていた。
産業革命は人間社会の進化であり、進化とは生命の本質であり
進化しなければ淘汰される。資本家はこのことを労働者に信じさせるために
進化論を発表したのだと思う。
シオン議定書にこれにニュアンスが近いとおもわれる箇所がある。

これらの啓蒙に反対したのがポストモダンかも。
212考える名無しさん:02/02/18 16:29
進化は過去形、適応は未来形。
淘汰は過去形、選択は未来形。

だから進化論は過去形でビジネス書は未来形。(W
213心理畑:02/02/18 17:43
>205
関係がないというのは言いすぎでしたな。脳の機能異常が遺伝子上の要因に常
に還元されるとは限らない、ということで。
脳の設計図が遺伝子上にあるのは当然だけど、問題は、反社会性人格障害を含
んだ設計図が遺伝子上にあるのか、それとも、脳が設計図から逸脱して何らか
の異常な状態になったときに反社会性人格障害が生じるのか。これは峻別すべ
き区分だと思うが。

性格と遺伝子の問題までを持ち込むと、今度はパーソナリティ理論、学習理論
についても踏み込まなければ。
「平均よりも生まれつき犯罪者になりやすい人間」は当然いるであろう。例え
ば、「遺伝的に人より怒りっぽい」というだけでも、何か激しいストレスに晒
されたとき暴力事件を起こしやすいということを意味するわけで。
だけどそういうものは、「そいつは自然発生的に犯罪者になった」ということ
を意味してはいない。親がちゃんと道徳を学ばせれば、そいつの暴力事件はあ
る程度防ぎうるからだ。
また、この過程を自然発生といってしまうなら、「ほぼ全ての人間は、自然に
犯罪者となる可能性を秘めている」といえるし、それはまた事実でもある。
なにはともあれ、「犯罪は遺伝によって説明できる」などということはできな
い。遺伝と環境の関連性は基本的に不可分なんだからして。
214あちょー:02/02/18 19:42
遺伝子は量子コンピューターです。
近年、量子コンピューターが研究されていますが、
生命はずっと前から遺伝子を量子コンピューターとして
利用しています。
215考える名無しさん:02/02/19 01:46
Nature BioNews
2002年02月14日
細胞:遺伝情報が独りでに伝わる
酵素作用なしで自己複製分子を人工合成
http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/SilverStream/Pages/pg33A1.html?NTNEWSCONTENTSCD=44911

すべての生物にとって極めて重要な遺伝情報伝達の基本過程が、このほど実験によって
再現された。ここで注目すべきは、生細胞で遺伝情報伝達を触媒する分子が使われな
かった点だ。

今回発表された研究では、DNAが単独で次世代以降に情報を伝える能力があることが
示された。DNA類似の分子がこの能力を発揮した結果、今から約40億年前に地球最初
の生物が誕生した、と考える研究者は多い。その当時、DNA の複製を触媒するタンパク質
は存在していなかった。
216考えない名無しさん:02/02/19 02:32
>>213
>「犯罪は遺伝によって説明できる」などということはできない。
結論で飛躍を感じますが。
勿論実際は遺伝と環境の複雑な相互作用があるわけで単純な遺伝決定論は退け
られるべきでしょうが、その事が「犯罪は遺伝で説明できない」という事には
なりません。

>親がちゃんと道徳を学ばせれば、そいつの暴力事件はある程度防ぎうるからだ。
一般的には遺伝的に近い者に囲まれ教育され育つという環境なので、ますます
自由は狭まります。

刑期を終え釈放された犯罪者も56%(99年)は再犯するようですが、その一因
としてやはり個人の中の変えられないものの存在を感じます。
217考える名無しさん:02/02/19 02:52
>>216
つうか、遺伝子が犯罪に影響を与える具体的な機序が
どのようなものであると想定してる?

普通に考える限り、犯罪に至るまでのプロセスにおいて、
遺伝子以外の大きな要因がたくさんあるから、
「遺伝子(のみ)によって」犯罪を説明するのはほとんど不可能だと思うよ。

218心理畑:02/02/19 02:56
>「犯罪は遺伝で説明できない」
そんなことは言わんよ。立場を明らかにしとこう。
「人間の犯罪行動を分析するためには、遺伝学、脳科学、行動科学、力動的解
釈、社会学、その他あらゆる方法論に基づいた説明が可能であり、また必要で
ある」。

>一般的には遺伝的に近い者に囲まれ教育され育つという環境
遺伝的に近いもの同士が集まっている以上、家族というものは似てくるのでは
ないか?という考えに基づいた家系研究は遠い昔行われており、犯罪者の家系
が存在するという結論だったが、現在では否定されてる。
何故なら、家族が環境を共有している以上、赤の他人がその家に養子に行った
としてもやはり犯罪者になる可能性が高いと考えられるからだ。
遺伝と行動の研究には双子が用いられる。つまり、同一の遺伝子をもった双子
を別々の環境で育てても両者が等しく犯罪者になるなら、その双子は犯罪者の
遺伝子を持っていた、と推定されるわけだ。その結果としては、今のところ、
「遺伝的な犯罪行動」は存在しないという説が優勢。
というか、「特定の行動を発生させる遺伝子」はないと言われている。

>個人の中の変えられないものの存在
もちろんそういうものはある。たくさんある。当然ながらDNAもその一つだ。
また例えば、「幼児期に虐待を受けた」という事実も消せないし変えられない。
幼児期に虐待を受けたことで犯罪者的性格になってしまった人間は、自分を変
えられないし、犯罪者的であり続けるだろう。
かようなわけで、再犯率と遺伝に因果関係は必ずしも、ない。
219考えない名無しさん:02/02/19 14:31
>>218
>>>「犯罪は遺伝によって説明できる」などということはできない。
>>「犯罪は遺伝で説明できない」という事にはなりません。
>そんなことは言わんよ。
なるほど。

>「人間の犯罪行動を分析するためには、遺伝学、脳科学、行動科学、力動的解
>釈、社会学、その他あらゆる方法論に基づいた説明が可能であり、また必要で
>ある」。
同意です。
付け加えるとしたら「人間行動の進化的理解」の立場から他の諸学が統合される、
もしくは再編される事になるだろう、という展望を持ってます。
これも単純な遺伝子還元論ではありませんが、誤解を生むでしょうし、しばらくは特に
「文系」の人から強い嫌悪を持って拒絶されるか無視されるでしょうが。
進化心理学も従来の心理学畑の人からは殆ど相手にされていない状態で、世間からの
認知もあまり受けてない状態のようです。

>犯罪者の家系が存在するという結論だったが、現在では否定されてる。
>犯罪者の遺伝子
そこまで単純な結論は現在の行動遺伝学の立場の人もあまり想定していないように
思います。

>赤の他人がその家に養子に行ったとしてもやはり犯罪者になる可能性が高いと考えられるからだ。
それは具体的にどのように実証されたのでしょうか。

>「遺伝的な犯罪行動」は存在しないという説が優勢。
遺伝的な犯罪行動では強姦が挙げられます。
進化的に適応的だったのでヒトには強姦する本能というものが組み込まれているようです。
環境により抑圧されるものも大きいでしょうが、どうしてもしてしまう人の中には
遺伝的に脳内の物質の何かが欠損している、または過剰であるとも考えられます。
また、「犯罪」という概念は法や規範からの逸脱として定義されるもので順法行為
自体も進化的理解の範疇にあります。

>「特定の行動を発生させる遺伝子」はないと言われている。
性行動などを見てもそう言えるでしょうか。
他の生物についてはかなり解明されているようです。
(「行動を操る遺伝子」という観点での一般向けの本は山元大輔氏の著書などがあります。)
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3a99074b2b5fa0105378?aid=&kywd=%BB%B3%B8%B5%C2%E7%CA%E5&ti=&ol=&au=&pb=&pby=&pbrg=2&isbn=&age=&idx=2&gu=&st=&srch=11&s1=za&dp=&kywdflag=0
http://www.geocities.co.jp/HeartLand/2989/dnakoudou.html
220心理畑:02/02/19 15:02
なかなかにハイレベルな議論になってきたな。
「行動に占める遺伝子の関与について」というところか。

>>赤の他人がその家に養子に行ったとしてもやはり犯罪者になる可能性が高いと考えられるからだ。
>それは具体的にどのように実証されたのでしょうか。

問題は、「可能性が却下されない」ということだ。
環境と遺伝を切り離して考えるなら、それぞれの条件を「操作」した上で研究しなければならない。
つまり、ある環境が「ある・ない」、ある個体的特性が「ある・ない」の組み合わせ四条件の上での実験が必要だ。
犯罪者一族がいたとして、「その個体的特性(DNA)が原因だった」とすれば、
DNAに類似性を持たない別の個体は同じ環境においても犯罪者にはならない。
同時に、「その環境的要因が原因だった」とすれば、
同じ個体を違う環境におけば犯罪者にならなかったことになる。
「遺伝が原因だった」とするなら、環境が変わっても犯罪者になるという結果が必要だ。
家系研究の問題は、「環境要因を操作できない」ことにある。
ゆえにその実証性が疑問視され、双子の研究に道を譲った。
双子の研究についても「環境要因は正しく操作されているのか?」という問題はあるのだが。
221心理畑:02/02/19 15:43
>>「遺伝的な犯罪行動」は存在しないという説が優勢。
>遺伝的な犯罪行動では強姦が挙げられます。

還元主義的アプローチだな。心理学の中でも生物心理学はそのような立場に立
つ。「性衝動は生物的本能である」。これは自明のことだろう。本能をもたら
すものは脳の構造的機能である(と思われる)し、脳の構造は当然ながら遺伝
子にその設計図が隠されている。
が、遺伝するのは常に形質であって、行動そのものではない。性衝動や、性衝
動を悪化させる脳の構造的条件は遺伝しても、青い目や茶色の目が遺伝するよ
うに「強姦するという行為」が遺伝するわけではない。
なぜなら、強姦という行為を引き起こしやすい個体が存在していても、(これ
は存在する。先に、怒りっぽい個体が存在すると述べたように)性的に魅力的
なメスという環境刺激がなければその行動は発現されない。
つまり、「強姦しがちな性格」は遺伝しても、「強姦するという行為」は遺伝
だけで発現することはない、ということだ。さらに言えば、性衝動は生物的本
能であっても、性行動は学習を要する。性行動を観察等によって学習すること
のない個体は、性衝動を覚えても強姦を行えない。やり方が分からないからだ

特定の行動を強化する遺伝子グループは存在するだろう。当然ながら。脳の特
定部位の行動に対する関与はかなり研究が進んでいるし。だが、特定の行動を
特定の遺伝子グループそのものにまで還元することはできない。青い目や茶色
の目は環境刺激と関わりなく発現しても、環境刺激なしにして発生する行動は
存在しないからだ。
というより、「環境刺激なし」という操作条件はどうやっても実現できないの
だが。母親の胎内でさえも一種の環境なのだから。

私は進化心理学を否定するものではない。ただ、遺伝するのは行動ではなく、
行動傾向という形質であると言いたいだけだ。
222心理畑:02/02/19 16:04
しかし、なあ、進化心理学。今ちょっと調べてきたんだけど。志が高いのは分
かるんだが、方法論が分からん。何らかの行動が適応的だから生じたと解釈す
るのはいいとして、その真偽に対する実証的研究は可能なのか?解釈を積み上
げるだけでは、フロイトと変わらないのだが。
視点自体は極めて興味深いものではあるのだが。結局は「まともに学問として
取り扱えるのか」という問題が関わってくるわけで。
223あちょー:02/02/19 21:46
遺伝子は生命を支え、生命は文化を支えるためのもの。
では、文化とは何だろう。
昔の太陽信仰で言えば、太陽から地球へのメッセンジャー。
昔のギリシャ、エジプトなどの天文学から察すると、宇宙と地球の架け橋。
ガイア仮説では、地球の一部であり地球のメンテナンス員。
宗教的に言えば、神を支えるためのもの。
こんな感じかな。
224考える名無しさん:02/02/20 12:08
文化とは脳の外部安全装置である。
225考えない名無しさん:02/02/20 15:02
>「行動に占める遺伝子の関与について」というところか。
遺伝子型と表現型の関係でしょう。

>つまり、ある環境が「ある・ない」、ある個体的特性が「ある・ない」の組み合わせ四条件の上での実験が必要だ。
客観的には「ある・ある」で「ない・ある」を主張する人はいないと思います。
(逆は「文系」の人に未だに多いようですが)
「ない・ない」も考えられないので、実際は「ある・ある」がどの程度なのか、
という問題です。

>犯罪者一族
>「その個体的特性(DNA)が原因だった」とすれば、
>DNAに類似性を持たない別の個体は同じ環境においても犯罪者にはならない。
単純化しすぎです。

>「遺伝が原因だった」とするなら、環境が変わっても犯罪者になるという結果が必要だ。
そういう人も確実にいるでしょうが、環境が変わって遺伝子群の発現が抑えられる事は
あると思います。

>環境刺激がなければその行動は発現されない。
そこら辺は>>207さんの言う「自然発生的」という事なんでしょうね。

>性行動を観察等によって学習することのない個体は、性衝動を覚えても強姦を行えない。
>やり方が分からないからだ
どうでしょうかね。多分できると思いますよ。他の生物に想像力を働かせて考えれば。
また、学習と言ってもその方向性や限界などは遺伝要因が強く影響したもので環境
決定論の補強には大してなりません。

>だが、特定の行動を特定の遺伝子グループそのものにまで還元することはできない。
全ての行動が遺伝子上にコードされそのプログラムに沿って動いているとは誰も言い
ませんが、幾つかはあるでしょうし、また単純な形で何らかの命令を与えておけ
ば環境との作用により複雑な社会行動に発展すると考えられます。

進化心理学の概観は>>208でも判ると思います。
長谷川寿一・長谷川眞理子『進化と人間行動』なども参考になります。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3a99074b2b5fa0105378?aid=&bibid=00017315&volno=0000
現在の行動遺伝学からの双生児研究をしている人がどういう立場にいるのかは、>>162
のリンク先を見てください。
226考えない名無しさん:02/02/20 17:51
念のため
>客観的には「ある・ある」
「(環境要因が)ある・(遺伝要因が)ある」
227考える名無しさん:02/02/20 18:05
宅間君は何も悪くないんだよ!
228考える名無しさん:02/02/20 21:39
要は、遺伝子の個体の行動への
影響をどのように解釈するかという問題だと思うが。
事実関係の認識が同じでも、それを、
「遺伝子によって決定された」と解釈する人と「遺伝子は要因の一部に過ぎない」と解釈する人が
いるように思う。

遺伝子の影響を問題にするなら、
「影響を与える」ということが、どの程度個体の行動を支配してるということを意味するのか、
具体的に説明してくれないと、議論しにくい。
229心理畑:02/02/20 22:26
>実際は「ある・ある」がどの程度なのか、という問題です。
そんなこた分かってるよ。あるあるないないは研究の方法論における実証性の
問題で、そういう話とは違うのだが。

>他の生物に想像力を働かせて考えれば
そういうものも広義に「学習」と言う。要するに、「他の生物」も「想像」も
遺伝ではなく環境要因だ。学習機能に対する遺伝要因の関与は大きなテーマだ
な。ちなみに、行動主義の創始者スキナーは生まれたばかりの人間は完全な白
紙であり学習によって全てが決まる、という立場だったらしい。まさしく環境
決定論だが、先に述べたように俺はこれには反対だ。

というわけで、>228がまとめてくれたように、事実認識レベルの相違は無いよ
うだ。ところで>『「影響を与える」ということが、どの程度個体の行動を支
配してるということを意味するのか』は、俺も知りたいぐらいだ。
230考える名無しさん:02/02/21 15:29
遺伝子は環境と無関係に進化してきた物質or情報?なんでしょうか?
まあ、伝統的な、個体発生と系統発生との二分法があるんでしょうが。
231考える名無しさん:02/02/21 15:49
環境と無関係に進化すればエネルギー保存則が成り立たないし、
そもそも進化という言葉には当然、環境との相互作用が含まれる。

また、遺伝子はこれまでの環境との相互作用を取捨選択した後の
集積物である。その集積物はもちろん物質であり、情報性もある。
232心理畑:02/02/21 16:17
自然選択にしても獲得形質遺伝にしても、当然環境との関係性は無視できないものな。
環境が淘汰圧をかけるか、それとも遺伝子が環境に適応する方向で自らを変異させていくか。
あんまりやると中西進化論になるが、ケアンズの実験ってその後どう解釈されてるの?
233考える名無しさん:02/02/21 20:55
面白いスレなのでageます。
234考える名無しさん:02/02/21 23:32
いま知られている範囲の知識では、
遺伝子に環境が影響を与えるプロセスとしては、
淘汰以外のものは考えられない。

つまり、

環境に適応できた遺伝子を持つ種が生き残った結果、その遺伝子が残り、
環境に適応できなかった遺伝子を持つ種が死滅した結果、その遺伝子が消滅する。

というプロセスによって遺伝子の選択が行われるということだ。

遺伝子が、環境に適合する変化を自ら引き起こすといった説については、
そういった変化がおきるプロセスについて、合理的な仮説が示されていないので、
検討のしようがない。
今のとこところ、遺伝子の変化の内容については、全く偶然に起きるとしか考えようがない。
唯一考えられる環境からの影響は、放射線の自然被爆量の増加などだが、
これは変化の頻度に影響を与えるだけで、変化の内容自体は偶然でしかない。




235考える名無しさん:02/02/22 00:10
遺伝子の組換えが自然現象として起こりうるということを通して
免疫の多様性を説明したのが、利根川氏のあの有名な研究である。

遺伝子の変化はコピーミスだけではない。システム自体、つまり環境が
遺伝子を組替えることで、システムを安定させようとする現象も
存在するのである。

日本人の研究の中でも、すばらしい物の一つなので、ご紹介まで。
236心理畑:02/02/22 00:41
>234
畑違いの俺だが、ちょっと興味があって進化論を齧ったことがあるので、それ
がネオ・ダーウィニズムのセントラル・ドグマであることぐらいは知ってるよ
。それが現段階で最も整合性の取れた仮説であることも、それでもなお全ての
現象を説明するには至らないことも。
それを踏まえた上で、ジョン・ケアンズが乳糖分解能力を持たない大腸菌を使
って行った実験が示した「生存不能環境下における突然変異発生率の激増」と
「その環境への適応に関わる部位の遺伝子グループに選択的に突然変異が起こ
っていたこと」についての見解を伺いたいと言っているのだが。「そういうこ
とは有り得ない」というのは答えにならんぞ。追試可能な実験の結果なのだか
らして。ケアンズの実験の結果を包括する総合仮説は俺の知ってる限りではま
だなかったと思うのだが、最新のトピックではどうなってるのかなーと。
237考える名無しさん:02/02/22 00:44
ここでいう「環境」は「(生物)外環境」のことでしょ。
抗体の形成は生物内での出来事だ。
238心理畑:02/02/22 00:47
知らない人のために、ちょっと引用しとこう。
1989年、ジョン・ケアンズは実験によって、本来自分が栄養にすることの
できない乳糖だけを含んだ培養地の上に置かれた大腸菌が、急激な突然変異を
起こして乳糖を分解する酵素を合成する能力を獲得して生き延びることを発見
した。
総合説進化論においては、突然変異はごく稀にしかし一定の確率で起こる遺伝
子のコピーミスによってのみ引き起こされるとされている。しかし、ケアンズ
の実験の際、生存不可能の環境に置かれた大腸菌が突然変異を起こす確率が実
に平常時の一兆倍にも上ることが明らかにされた。しかも、その突然変異はD
NAの様々な部分に等しい確率で起こるのではなく、その環境に適応するのに
必要な部分だけに集中的な変異が起こっていたことも、塩基配列のチェックを
行った研究者によって確認されている。さらに、ケアンズの実験の結果は他の
大勢の研究者が同様の実験を行ない、同じ結果を得たという。
さらにその後の研究から明らかになったのは、突然変異は偶然のみによって起
こるのではなく、遺伝子の中で個体の生存に必要不可欠な部分では起こりにく
いが、重要でない部分では起こりやすい性質を持っているということである。
さらに、重要でない部分で蓄積された変異は、個体が何らかの深刻な環境の激
変に迫られたときに一気に形質の変化となって顕在化することがあるという。


これを書いたのは門外漢、すなわち俺であるが、『大進化する「進化論」 生命
の企みはどこまで見えたか』が種本だ。間違ってても俺のせいではない。
239考える名無しさん:02/02/22 01:09
>>236
>「そういうこ とは有り得ない」というのは答えにならんぞ。
そんな非科学的な論理を主張するつもりははなかならないよ。
実験の信憑性は専門化に評価させればいい、ここは哲学板なのだから、
ある程度認められた実験事実はいちおう事実として認めて、
その事実の意味するところを考察することに重点を置くべきだろう。
万一実験事実が覆されたら、その時点でまた考え直せばいい。

私が言っているのは、
>> そういった変化がおきるプロセスについて、合理的な仮説が示されていないので検討のしようがない。
ということだ。

適応なのか偶然なのかというのは、そのプロセスの解釈の問題であって、
「環境に適応している(ようにみえる)」という結果だけがあっても、そのプロセスがあきらかにならないと、
「環境に適合しないものが死滅し、適応したものが生き残る」という法則がある限り、

「生存不能環境下における突然変異発生率の激増」や
「その環境への適応に関わる部位の遺伝子グループに選択的に突然変異」
を起こすような遺伝子がよりよく環境に適合し、生き延びた。

という解釈が成り立つ。

それ以外の別の環境でも、「突然変異発生率の激増」や「特定の部位の遺伝子グループに突然変異」
が起きるなんらかの条件というものが存在する可能性は高いわけだから、
そういった条件条件が、たまたま、突然変異が起きたほうが生存率が高い環境で突然変異を起こすような遺伝子が生きび、
また、その条件下で対応しうる遺伝子グループに選択的に突然変異が起きるような遺伝子が生き延びただけかもしれない。
240心理畑:02/02/22 01:21
>> そういった変化がおきるプロセスについて、合理的な仮説が示されていない
ので検討のしようがない。
そうか。やっぱりまだないのか。いや、実はそれを聞きたかっただけなんだ。

>〜を起こすような遺伝子がよりよく環境に適合し、生き延びた。
そうだな。俺も多分そういうことじゃないかと思うんだ。つまり、遺伝子には
、遺伝子の変異性そのものさえもプログラムとして組み込まれていると。

ところでこれは心理畑としての意見ではなく個人的私見だが、人間の今ある心
というのは天地開闢の頃からあったわけでも、人間の祖先であるところの最初
の霊長類において既にあったわけでもないのだから、ホモ・サピエンスの進化
プロセスの中において生じてきたものであるに間違いないのだよな。
そういう意味ではもうちょっと人間心理を考えるにあたって進化というものを
考えてみてもよいのではないかと思うのだ。そういう思いがあったから進化論
の本を読んでみたりしたのだけども。
241考える名無しさん:02/02/22 02:41
「どこまでを偶然と呼ぶか?」
そう思って研究すると何も手に付かないので(W
「どこまでを必然と呼ぶか?」
と考えて研究する。地道で賢明なやり方だと思う。

そこで、敢えて前者で攻めてみたとして
「破壊と呼べるものは、すべて偶然である。」
と言ってみる。(W
242心理畑:02/02/22 13:55
しかし、自己の変異性をも用いて利己的に自己を複製し続けるのが遺伝子だとして、
変異と適応の最果てには何が待ってるんだろうねえ。
ヒトが淘汰されたところでおそらく遺伝子そのものは消滅するまいから、
我々には決して分からないことだが。
243考える名無しさん:02/02/22 17:46
HumanBehaviorJP『進化と社会と心理学』
ttp://www.egroups.co.jp/group/HumanBehaviorJP
244考える名無しさん:02/02/23 01:22
破壊されるのは偶然、破壊するのは必然。
消滅と交換と生成によって、新たな存在と構成と認識へ変化する。
この世はすべて破壊により創造され、破壊により消滅する。
破壊とその不連続性が必然をもたらし、安定とその連続性が偶然をもたらす。

何故時間が流れるのか?
何故考えるのか?
それは記憶力があるからです。(W
245くろぱんだ:02/02/23 04:41
こんなものに『利己的遺伝子』なんて、わざわざ命名するのがバカっぽい。
『進化論』だけでいいだろが。
246考える名無しさん:02/02/23 14:09
自分のプライドは、自分で守ろう。  by Richrd Dawkins
247考える名無しさん:02/02/24 20:11
破壊が持つその不連続性から、安定というその連続性が必然的に生まれる。
必然という名の安定性が不足している現在、破壊することで生まれてくる
必然性を求めることは、悪なのかと問われている。

テロは破壊である。そのとき、そのテロに対して万人が納得したくなくても
納得してしまうような犯行声明が出された場合、そのテロを悪だと
ハッキリと納得させる対抗的な公式声明を出せるのであろうか?

逆に、万人が納得せざるを得ない説明さえあれば、テロは悪ではない
が善でもないという消極的判断で処理される可能性はないのであろうか?
もしそうだとすれば、テロとは、善でも悪でもない日常的な行動だ
ということになる。

そこで、問題。

日常的な行動の中に、テロと呼べるものが、実は存在してないだろうか?
テロとは、非日常的なことではなく、本当は日常的なことなのでは
ないだろうか?
248考える名無しさん:02/02/27 03:41
個人主義とは、社会性という個人の感覚との戦いである。
だから、西洋人は常に忙しく闘っているわけで、裏を返せば、西洋人ほど
個人で生きていけない人々だということである。

西洋で様々な学問が発展してきたのは、西洋人個人々々が発する
自分一人では生きていけないという救済を求める叫びでしかない。

しかし、西洋とはそれ程住みにくい所なのであろうか?
西洋は住みにくいだと錯覚しているのが、本当の所ではないだろうか?
そして、西洋人とは錯覚しやすい脳を持っている人たちのことではないだろうか?

西洋人と東洋人の脳の違いの解明に期待し、あの過剰反応する西洋人の脳を
できるだけマタ〜リと反応させてしまう薬を発明して欲しいものである。
そうでなければ、人類の滅亡は近い。
249   :02/02/28 02:40
立花「遺伝子によって生命現象の大枠が決められているとすると、基本的には、
生命の神秘なんてものはないということになりますか」
利根川「生物というのは、もともと地球上にあったものではなくて、無生物から
できたものですよね。無生物からできたものであれば、物理学及び化学の方法論
で解明できる。要するに、生物は非常に複雑な機械にすぎないと思いますね」
立花「そうすると、人間の精神現象なんかも含めて、生命現象はすべて物質
レベルで説明がつけられるということになりますか」
利根川「そうだと思いますね。エモーションなんかにしても、物質的に説明
できるようになると思います。いまはわからないことが多いからそういう精神
現象は神秘な生命現象に思われているけど、分かれば神秘でも何でもなくなる
わけです」
立花「だけど、精神現象というのは、一種の幻のようなものじゃないですか。
精神現象というのは重さもない、形もない、物質としての実体がないんだから、
物質レベルで説明をつける意義があまりないと思いますが」
利根川「その幻って何ですか。そういう訳のわからないものを持ち出されると、
ぼくは理解できなくなっちゃう。ぼくは脳の中で起こっている現象を自然科学
の方法論で研究することによって、人間の行動や精神活動を説明するのに有効
な法則を導き出すことが出来ると確信しています。そこまでいかないレベルで
説明をつけようというのは非科学的でナンセンスだと思いますね」
立花「しかし、精神現象を何でも脳内の物質現象に還元してしまったら、精神
世界の豊かさを殺してしまった理解になってしまうんじゃないですか」
利根川「ぼくの言おうとしていることの一例としてですが、教育学という分野
がありますね。どうやって子供を教育すればいいか、いろんな学説の体系がある。
だけどそれがちゃんとした原理からの発想にもとづいた学説かといったらそう
じゃない。たとえば、人間の知能はどう発達していくのか、性格はどう形成
されるのか、そういうことがきちんと原理からわかった上で、だからこうすれば
いいんだという処方が下されているかというと、そうじゃない。当然こういう
処方には限界があるわけです。文学についていえば、すぐれた詩が人間を感動
させるとき、人間の脳の中で、それに対応する物質現象が起きている。それが
解明されれば、どうすれば人間を感動させられるかがもっとよくわかる」
立花「物質的生命現象というのは基本的にはDNAに記された設計通り動いていく
のだということになると、精神現象も決定論的現象だということになりますか」
利根川「行動の大きな枠はその人が持って生まれた遺伝子群でかなり決まって
いるのではないでしょうか」
立花「本当に生きているといえるのはDNAなんであって、人間とか動物とかは
実はDNAがそのとき身を仮託しているものというか、身にまとっている衣みたい
なものだという考え方がありますね」
利根川「ぼくも、基本的にはそういうことだと思っています。地球の歴史の上で、
あるとき物質が化学変化を起こして、DNAというものができた。それがずっと
自己複製しながら、進化を続けてここまでやってきた。それが我々ですよ」
250心理畑:02/02/28 03:01
>エモーションなんかにしても、物質的に説明できるようになると思います
唯物論者の甘々な見通しだな。
それができるくらいなら、我々に、苦労はないのだ。
251考える名無しさん:02/02/28 03:07
>>224
おつかれさん。

>>250
心理学ってさ、何を根拠にしてる学問なの?
252考える名無しさん:02/02/28 03:20
つうか、「物理学的に解明」されたことなんて、人類の知識のほんの一部だよ。
それは、「物理法則に支配されない現象がある」という意味ではなくて、
「物理現象などという基本的な現象だけをみていては、把握できない現象がある」ということだ。
木を見て森を見ずというか、物理は重要だし、物理法則が多くの現象の根底にあるのは確かだが、
タイルの一枚一枚だけを注視していては、モザイクの絵柄はわからないということ。
253   :02/02/28 03:38
>>252
複雑系関係の本でも読んだのかな。
>タイルの一枚一枚だけを注視していては、モザイクの絵柄はわからないということ。
物理学は部分だけを見ているわけではないでしょう。
システム全体の動きも予測するものですから。
254心理畑:02/02/28 16:12
>251
学派と研究分野によって全然違うが、基本的には科学的あるいは統計的証明。
ちなみに、心理学はいやがおうにもタイルの一枚一枚に注目せざるを得ない。
「モザイクを直接見ろ!」という意見もあったのだが、それを可能にする方法論がない。

>253
システムも部分に過ぎないと言ってるんだよ。
255心理畑:02/03/01 00:54
時に私が思うのは、
生命が因果法則に縛られている機械だとしてもだ、
それはとても優れた機械であるに違いないということだ。

私はここに生命の神秘性を感じる。
神秘とは不可知性だけに対して与えられる修辞ではなく、
現象の玄妙なる奥深さを呼ぶにも相応しい言葉ではあるまいか。
256考える名無しさん:02/03/01 01:19
>>253
だから、その「システム」の階層が違うってことを言っているのだよ。
物理学と、そのほかの学問では、大雑把にいって、扱っている現象の階層が違う。

物理学では、素粒子の極小世界から、全宇宙の運命まで、扱うが、その間を埋める作業はしていない。
全ての現象がその間にあるわけだけど、素粒子と宇宙を扱う法則だけでは、それらの現象は扱えない。
やってることが根本的に違うのだよ。
257心理畑:02/03/01 01:31
そして心理学は人間の心理という現象の階層を扱わんとしてるわけなのだが、

埋まるのかなあ。この階層。
258中間レベル:02/03/01 06:45
>>256
別に物理は極大と極小しか扱っていないわけではないでしょう。
日常を埋めている工学による産物がどのようにして出来たか考えてください。
また、完全な極大の法則は極小の法則を矛盾無く内包します。
259心理畑:02/03/01 16:39
>258
エントロピー増大則が人間の行動学習法則を内包するからといって、
そんなものは我々にとって屁の役にも立たないのだが。
260心理畑:02/03/01 18:27
どうでもいいが、
>精神現象を何でも脳内の物質現象に還元してしまったら
こいつもたいがい想像力がないな。
精神現象は本質的には脳の活動によって成り立つものだが、
そのことと精神世界が豊かであるかどうかという問題には何の関係もない。
なぜなら、我々の豊かな精神世界とはすなわち脳の活動であり、
脳の活動とはすなわち豊かな精神世界の顕現であるからだ。
要するに、還元主義は精神という現象を違う側面から見ているだけのことに過ぎない。
261考える名無しさん:02/03/01 20:58

進化論ってなんでも説明できてしまわないか? トンデモ論理を感じる
262考える名無しさん:02/03/01 21:35
>>258
まったくそのとおり、物理学だけですべてが解決できず、
なぜ工学が必要なのかを考えてみたまえ。
そうすれば、その他の学問の立場も正しく認識できるはずだ。

工学は、物理法則を前提にしているが、物理法則だけでは、
実用的な製品を作ることも、商業的に成功する製品を作ることも難しいだろう。
工学は、物理法則を「応用」して成り立っているのであって、
物理法則だけで成り立っているわけではない。

>また、完全な極大の法則は極小の法則を矛盾無く内包します。
まったくそのとおり「包含する」だから無意味なのだよ。
263考える名無しさん:02/03/01 22:15
誰でも思いつくような言い方には聞き飽きた。
「〜がすべてではない。」
「〜では〜が解決できない。」
「〜でもあり、〜でもある。」
「君はわかってない。」
こういう言い方をしてる人には、そう言いたい。

勇気が無いんだな、簡単に言うと。
だから俺の発言にレスがつくことは滅多に無い。いつもだ。
だから、いつも傍観者としてレスを見ている。
しかし、それはそれで構わないと思っているので、あしからず。

しかし、いつも思う。俺しか認識してないのだろうか?と。
264Iridium:02/03/02 03:11
いつも思うこと。

「自己言及的」ってのを一語で
言いたいんだけど適切な言葉が見つからない・・・。
265心理畑:02/03/02 14:00
理系全般行って勉強してきたんだけどさ
還元主義の限界も結局はクオリアの壁なんだねヽ(´ー`)ノ
266考える名無しさん:02/03/02 15:11
つうか、クオリアの問題って、
まさに「違うような気がする」ってことだけじゃないの。

「問題があるからあるんだわからないお前がバカだ」的な
感情論しか見たことが無いが。

理性的にこの問題を語れる人っていないの?
267心理畑:02/03/02 15:25
俺も昨日覚えた言葉を自分で説明する気はしないから
ttp://create.mag.keio.ac.jp/kanjo/qualia.htm

クオリアはシンボルであらわすことができず、
主観的で、定量的でないものなので、
今までの科学とはなじまなかった    ←重要

我々はこれに何十年というもの悩まされてきたのだよ?ん?ヽ(´ー`)ノ
これがあるために分析的アプローチは非科学と断罪され、
これがあるために行動主義がおかしな方向に突っ走り、
これがあるために認知心理学と生物心理学は限界にぶち当たり……ううっ
268考える名無しさん:02/03/02 15:53
色は、光の周波数に対する知覚で、
色のクオリアは、色の知覚に対する、脳の状態の知覚、
つまり、一種の身体感覚だと思うのだが、
こういう説明では駄目らしい。

この説明が駄目なところってどこなんだろうね。

269心理畑:02/03/02 16:06
そんなことは言われるまでもなくわかっとる。
問題はそんなところにあるのではなく、
個人の感覚そのものを第三者が観測することが不可能であること、 ←重要
その身体感覚を脳がどのように生じさせるのか分からないこと。

これがあるがために心理学は……心理学は……(血涙)
270考える名無しさん:02/03/02 21:31
脳神経系の活動と、人間の意識の相関は、
ある程度実験によって確認されている。
ある刺激を受けたときの脳の状態が、
クオリアそのものでは「無い」という主張には、
論理的根拠があるわけではない。

「それとは違うような気がする」という感覚的な
違和感以外の根拠を示すことができない。

しかし、「当人はかっこよく踊っているつもりなのに
まわりからみたらみっともないだけ」
といったような、実際の状態と、
当人の知覚との差異は
身体感覚においては、普通に存在するのだ。

つまり、色を認識したことについての当人の身体感覚と、
観測される脳の活動の関係について、
当人、あるいは第三者が感覚的に納得できないという問題は、
それらの関係の有無について決定的根拠とはなり得ない。

現に、外部の刺激に対する脳の活動の変化と、
当人の感覚が同時に発生することはある程度確認されているわけだから、
要するに残った問題は精度的なものだと思うが。
271心理畑:02/03/02 21:43
あんた、もしかして心理板のそれ系スレで書き込みしてる常連か?
その語り口、論の立て方……俺の知ってるとある人物に似ているが。
272考える名無しさん:02/03/02 22:27
いや、違うと思う。
心理板ではセクシャリティネタのスレにしか書き込みしてない。
おそらく、この話題で行われる主張にはいくつかの類型があるってことじゃないの。

私のような主張は大体、クオリア説の人間が激怒して
論理的な話は不可能になって終わってしまうが。
273心理畑:02/03/02 22:36
そうか。失礼した。
んじゃ、議論を続けよう。ところで、捨てハンでも使ってもらえると幸いだ。

立場を整理してみる。
まず、「クオリアというものがある」という点について見解は一致している。
そしてそのクオリアの定義についても>268で一致しているといえよう。

で「クオリア説の人間」というのは何を主張する人を言うんだ?
俺はクオリアは絶対に解明できないという主張をする気はない。
解けてくれると非常にありがたいのでな。
「クオリアが解明されうるかどうかは分からんが、
とりあえず現段階では解明されていない」という立場だ。

まあ、気分的には多分無理じゃないかとは思ってるが。
274273:02/03/02 23:46
>>273
>で「クオリア説の人間」というのは何を主張する人を言うんだ?
というか、厳密には私が問題にしているのは、
「クオリアが解明できない」と主張しつつ、
「どういった点がどのように問題なのか」
の説明を求めると、怒るだけで全然説明してくれない人のことだよ。

だから、「クオリア説の人間」はちとアバウトすぎると思うが、
「クオリア」を提示した時点で、議論が終わったことにして、
一切の質問を拒否するひとがいること自体は事実だと思う。

クオリアの問題の解決以前に、
なぜ問題になるのかが私には理解できないし、
説明しようとする人に出会ったこともない。

だから、私が理解できていることは、

・ある刺激に対応する脳の状態の認識を「クオリア」と呼んでいる
・「クオリア」は説明できないと主張する人がいる
・私がであった、「クオリア」は説明できないと主張する人は、その理由の説明を断固拒否した

ということだけだ。

確かに、実験的に具体的な現象と対応付けられているわけではないが、
現状の仮説で充分説明できる問題だし、実験の精度以外に、
何が問題になっているのかさっぱりわからない。
275心理畑:02/03/03 00:28
そんな連中がいるのか。
……もしかしてそれ、化石行動主義者かなあ。ま、どうでもいいが。

ちょっと言葉の使い方にズレがあるかもしれんな。クオリアというのは、「脳
が認識するということ」ではなく、「認識されているその感覚そのもの」のこ
とだ。
「感覚そのもの」は「感覚そのもの」であって、まず、これを言語化すること
はできない。「赤いと感じた」というのは、便宜的な説明であり、クオリアそ
のものではないということだ。
人間は他人に自己のクオリアを伝える能力を持たない。ただ、それを言語情報
に置き換えて、便宜的な情報疎通を図っているだけだ。
よって、人間には他人のクオリアを感じることもできない。想像するだけで。
276心理畑:02/03/03 00:48
それがどのような問題を引き起こすかというと、
つまり人間の意識そのものは観察不可能であるということだ。
本人に自分の意識を観察させてそれを言語化させる方法論はある。
ヴントが提唱した、心理学の一番最初の方法論だ。

だが、これには様々な弊害がある。
最も重大なのは、それが客観的な観察方法ではなく、
本人の主観に縛られる観察方法であるということだ。
つまり、「誰の目から見てもそうだ」という科学的客観性が得られない。
本人の意識そのものを観察できるのは本人の主観だけである以上、
このことは決して避けては通れない。
しかも、実際に語られた情報というのは、
「意識そのもの」ではなく、意識を観察した追想に過ぎない。

つまり、クオリア(あるいは内観)は主観的で定量的ではない。
だからこれ自体を科学的に扱うことは不可能だといわれてきた。

またそのような主張に基づいて誕生したのが、行動主義心理学だ。
最初のそれ、方法論的行動主義は主観的認知という要素を切り捨て、
人間の「表出する行動」だけを科学的に扱うという立場を取っている。

これにも多くの弊害があるのだが、
こうでもしないことには科学的に人間心理を扱うことはできなかった、
というのもまた事実。

これが心理学にとってのクオリアの問題。
277心理畑:02/03/03 01:07
>270
>ある刺激を受けたときの脳の状態が、 クオリアそのものでは「無い」
クオリアは脳の状態「そのもの」ではない。
脳の何らかの物質的・電気化学的要因が生じさせる、感覚「そのもの」だ。

特定のクオリアに対応する脳の状態(電気化学的反応)が特定されても、
「その化学的反応が、なぜそのような感覚を生じさせるのか」
という問題への解答にはならない。
それ以前に、「特定のクオリア」は最前の理由で客観的に分析できないし、
「脳の化学的反応」の全貌を解明しようという試みも、
脳のあまりの複雑さがネックとなって壁に突き当たっている。

また、踊りの喩えにおける「差異」は、価値判断の差異であり、
認識される感覚そのものの差異とは関係がない。
また、感覚と実際に差異があることは問題ではない。
「感覚されているその感覚そのもの」を知らなければならない、
これがクオリアの解明に挑むということなのだから。

もっとも、相関性に関しては「ある程度」なら判明しているのは確かだ。
エンドルフィンと感情の関係とかな。
しかし、それは「そのエンドルフィンがなぜそのような感情を生起するか」
の答えを示すことには、少なくとも今のところは繋がっていないのだ。
278273:02/03/03 01:10
>>275
>そんな連中がいるのか。
この板の、心脳問題関係スレでのクオリアの話はだいたいそんな感じだけど。

>ちょっと言葉の使い方にズレがあるかもしれんな。クオリアというのは、「脳
>が認識するということ」ではなく、「認識されているその感覚そのもの」のこ
>とだ。

うん、ちょっと認識にズレがあるように思う。
「感覚そのもの」を
「直接認識する」ことができるかどうかという問題がまずあるんじゃないだろうか。
「赤という感覚」も、
「赤の知覚によって引き起こされた脳内の現象を認識に統合したもの」
なわけで、
「赤の知覚によって引き起こされた脳内の現象」と、「認識に統合したもの」
のどちらが「赤という感覚」の「感覚そのもの」なのか。
私は、「感覚そのもの」とは、「赤の知覚によって引き起こされた脳内の現象」であると思う。
「クオリア」というのは、この「感覚そのもの」を、
「認識に統合したもの」を介して理解した言葉であるように思う。

脳の活動においては、認識と身体の現象が、同一の器官で行われているから話がややこしくなるが、
これを、体の姿勢とそれに対する認識に置き換えてみると、
「立っている」という「身体の状態」に対して、それに対する「認識」が存在するが、
この「認識」が、解剖学的な肉体の状態と完全に対応しているかどうかというと、
それにはおのずと違いがある。
その結果、「俺はこんなみっともない立ち方はしてねえ」という感覚の齟齬が起きる。
つまり、身体の「状態の認識」と「実際の身体の状態写した情報から得る認識」は、
同一のものとならない、「同じものでないようなに感じる」のが普通だ。

だから、クオリアはおそらく存在するが、
それはおそらく、外部からの刺激に対する脳(内の一部の神経細胞群)の反応であるだろう。
そして、「クオリア」として「語られていること」は、そういった現象に対する「身体感覚」であって、
その現象そのものではない。

だから、現状の脳神経系の知識で、それが説明できないというのは、
「映画俳優みたいにかっこよく立つオレが撮影できないから写真はのオレの体を写していない」
といっているのと同じことのように思う。

>人間は他人に自己のクオリアを伝える能力を持たない。ただ、それを言語情報
>に置き換えて、便宜的な情報疎通を図っているだけだ。
まったくそのとおり。
279273:02/03/03 01:20
>>276
そう、そういった問題は残るね。
というか、そのあたりが、心理学の存在理由のような気がするが。

ふーむ。
科学的なアプローチが無理だってことになってしまうのか・・・。
280心理畑:02/03/03 01:21
>278
言葉の定義が違う場合、議論は永久に平行線のままだぞ。
「クオリア」の定義を「客観的に解析可能なもの」の上にスライドさせること
で、「クオリアは解析可能である」という結論を引き出そうとしているな。
そりゃあ、そういう定義の上ではクオリアだろうが何だろうが解析可能だ。

>外部からの刺激に対する脳(内の一部の神経細胞群)の反応
は、現象として存在する。が、普通それをクオリアとは呼ばない。
まあ「そのクオリア」が解析できたとしてだ、あんたも人間に「身体感覚」が
あることは否定しないな?それがクオリアではないとしてもだ、その「身体感
覚」は解析可能か?問題はそこだ。
281心理畑:02/03/03 01:27
>279
心理学の科学性については心理学板でうんざりするほどやっているので詳しい
話はやめておくが、心理学が科学的であろうとする限り切り捨てなければなら
ない要素があり、人の全てを扱おうとするときには科学性を諦めなければなら
なかった。どちらのやり方にも方法論上の限界がぶち当たる。
心理学は常に方法論を模索しなければならない、悩める学問だ。未熟とも言う。
282273:02/03/03 01:41
>>277
>クオリアは脳の状態「そのもの」ではない。
>脳の何らかの物質的・電気化学的要因が生じさせる、感覚「そのもの」だ。
この問題に関して、脳内の活動は、物質的・電気化学的レベルにまで言及する必要は無いと思う。
神経系によって成立している脳の情報システムが、外部からの刺激を
生化学的にデコードして、対応する記憶を保持している神経細胞を活性化させる。
ものすごく大雑把にいえば、「赤」という視覚の刺激によって、
赤に関連した記憶を保持する神経細胞が活性化する。
おそらく、その状態がクオリアそのものだ。

>特定のクオリアに対応する脳の状態(電気化学的反応)が特定されても、
>「その化学的反応が、なぜそのような感覚を生じさせるのか」
>という問題への解答にはならない。
脳内の神経細胞における「化学的反応(群)」から感覚が「生じる」という
考えがそもそもよくわからない。
私には、そのほかの脳の活動と同様、
その化学的反応(群)自体がクオリアという現象そのものという解釈ではなぜいけないのか?

>それ以前に、「特定のクオリア」は最前の理由で客観的に分析できないし、
>「脳の化学的反応」の全貌を解明しようという試みも、
>脳のあまりの複雑さがネックとなって壁に突き当たっている。
どうも、「脳の化学的反応」というレベルで人間の精神活動を調べようという
発想自体が酷くこっけいなのだが。
同様に論じるのは乱暴だが、
コンピュータ内部の回路の電気信号を測定して、Windows について調べようとするようなもので、
なぜシステムという要因をそんなに無視しなければならないのかよくわからない。

>また、踊りの喩えにおける「差異」は、価値判断の差異であり、
すいません。「踊りの喩え」って知らないんだけど・・・。

>もっとも、相関性に関しては「ある程度」なら判明しているのは確かだ。
>エンドルフィンと感情の関係とかな。
>しかし、それは「そのエンドルフィンがなぜそのような感情を生起するか」
>の答えを示すことには、少なくとも今のところは繋がっていないのだ。
それもクオリアの問題なのだろうか・・・。

283273:02/03/03 01:48
>>280
というか、
逆に「客観的に分析不可能なもの」という定義をするなら、
議論すること自体無意味だが。

そういうなら、どう違うのかまず説明するべきだろう。
その発言だけでは「分析不可能がクオリアの定義だ」といっているのと同じだ。

>は、現象として存在する。が、普通それをクオリアとは呼ばない。
だから、なぜ呼ばないのだ?

>その「身体感 覚」は解析可能か?問題はそこだ。
というか、ここでいう「解析」って、何をすることなのだ?
私は
「現象の実体を、生化学反応のレベルで観察するならば、このようなものであると考えても、
問題はないのではないか」
といっているだけだ。
「説明する」はそれだけでも十分だろう。
284心理畑:02/03/03 01:50
>おそらく、その状態がクオリアそのものだ。
>その化学的反応(群)自体がクオリアという現象そのものという解釈
だから言葉の定義の問題だってばよ。
それがクオリアだったら、そりゃああんたの言うとおりだろう。
が、少なくとも俺や多くの人々が論じているのはそういうクオリアではない。

>コンピュータ内部の回路の電気信号を測定して、Windows について調べようとする
そう、そういうこと。俺の持ってる脳科学の本では「ラジオを分解して音楽を
聞こうとするようなもの」と表現していた。で、問題は、Windowsについてどう
やって調べればよいか、ということなんだが。

>「踊りの喩え」
>>「当人はかっこよく踊っているつもりなのにまわりからみたらみっともな
いだけ」

>それもクオリアの問題なのだろうか・・・。
俺の定義するクオリアにとっては問題だ。物質面と精神面の「繋がり」を解き
明かすためには。
285273:02/03/03 01:54
>>281
この板での議論を見ればわかるように、科学自体も「真理の追究」という意味では、
「因果律」など相当の妥協をしている。
妥協はその学問の価値を貶めるものではおそらくないと思う。
286心理畑:02/03/03 01:57
>議論すること自体無意味
かつて、J・B・ワトソンもそう言った。そう言って彼は方法論的行動主義を
作った。だが今、科学はクオリアに挑もうとしている。
正直、とうの昔にクオリアへの挑戦を諦めた我々にとっては意外な展開だ。

定義
クオリアとは私たちの感覚の持つシンボルではあらわすことができない、原始
的な質感のことである。

この現象を支配する法則を科学の力で解き明す。それがクオリアの解析だ。

>「説明する」はそれだけでも十分だろう。
常識的あるいは思想的理解としては何の問題もない。
だが科学はそこで妥協するわけにはいかないんだよ。
287心理畑:02/03/03 01:59
>285
科学が真理ではないことぐらいは知っている。
だが、心理学は真理でないどころか、科学ですらないと言われるのは屈辱だ。
いや、俺はどうでもいいんだが、屈辱だと思う奴がいるんでな。
最終的には妥協が必要なわけだが、心理学はまだ若い。妥協と挑戦を繰り返している。
288心理畑:02/03/03 02:06
>285
が、妥協まみれの我々臨床系心理畑にはありがたい意見ではある。
多謝。
289273:02/03/03 02:28
>>286
>正直、とうの昔にクオリアへの挑戦を諦めた我々にとっては意外な展開だ。
らしいのだが、結局何をしようとしているのかさっぱりわからない。
というか、
>この現象を支配する法則を科学の力で解き明す。
ができていないことをもって、クオリアを説明できていないといっているのだろうか。
クオリアの定義より、「説明」の定義の問題だね。

>だが科学はそこで妥協するわけにはいかないんだよ。
その点については異論はないけど。
要は、「何を知りたいか」の違いのようだね。

290心理畑:02/03/03 02:37
>要は、「何を知りたいか」の違いのようだね。
そう、哲学と科学の差だな。俺は科学の成果を利用したいだけだが。

>結局何をしようとしているのか
心脳問題の解決だろ。人工知能の実現だとかさ。
ま、多分、そもそも人間の能力の限界を超えてるんじゃないかとは思うが。

>クオリアの定義より、「説明」の定義の問題
辞書的説明では科学的に解明したことにはならん。
辞書的に説明されても、我々の役には立たない。科学の方が便利。そういうこと。
291273:02/03/03 02:44
>>284
>が、少なくとも俺や多くの人々が論じているのはそういうクオリアではない。
だから、「感じること」と「その感覚に対応する現象を別の形で示したものから受ける感覚」は
違ってあたりまえなんだがから、具体的に何が違うのか説明してくれないとなんともいえない。
「赤」という外部の刺激を起因として発生する諸現象を、
脳神経組織レベルの活動で説明しようとした場合に、
私の言うような説明でどういった不足があるのだ。

>問題は、Windowsについてどう
>やって調べればよいか、ということなんだが。
詳しいようなので、間を省いて結論をいえば、
システムとセマンテックの問題だと思う。
「同じ神経組織を使っているのに、違う感覚が生じるのはなぜか」
といった疑問はセマンテックの問題がわかっていないだけとしか思えない。
100という数値が、温度を示す場合もあれば、テストの点数を示す場合もある、
これをデータベースに記録した場合、これらは基本的に同じビットパターンで記録される。
記憶回路上でも、伝送路上でも、物理現象としては同じものだ。
では、100℃、100点という意味はどこから生じるのか?
それは個々の数値や記憶回路の動作を追っているだけでは理解できない問題だ。

>>>「当人はかっこよく踊っているつもりなのにまわりからみたらみっともな
>いだけ」
いや、価値判断とは少し違う。
価値判断の違いならば、見ている踊りの姿自体は同じでも、違う評価がでるはずだ。
マイケルジャクソンの踊りが「カッコイイ」と思うような同一の価値基準を持つものの
間でも、この現象は起きるし、そもそも、当人が自分のビデオを見ても、
そう感じるだろう。

>俺の定義するクオリアにとっては問題だ。物質面と精神面の「繋がり」を解き
>明かすためには。
うむう・・・。
入力と結果の直接的な対応を知るというレベルまで知らなきゃなんないのか・・・。
このあたりは私の思索が及んでいない領域だね。

292心理畑:02/03/03 02:58
>具体的に何が違うのか説明してくれないとなんともいえない
具体的に何が違うのか説明するためには感覚というのが具体的にどんなものか
把握しなければならない。それすらできないのがクオリアという問題。
だが、その両者は現象としては一見全く別のものであり、繋がりがあるという
こと自体つい最近まで分かってもいなかったものなのだが。何せ心は心臓にあ
るとか言われてたんだからな。

>どういった不足があるのだ
それだけでは、「赤クオリア」という現象を再構成できない。あくまでも分か
った部分だけを言葉で説明してるだけで。

>個々の数値や記憶回路の動作を追っているだけでは理解できない問題
なるほど。でも、記憶回路の動作すら追い切れないのが現状なのだが。
神経組織の問題は、それが電気的媒体であると同時に化学的媒体でもあるとい
うところに真の複雑性が隠れていたらしい。このへんはよく知らんが。

>入力と結果の直接的な対応を知るというレベルまで知らなきゃなんないのか
というか、知ろうと試みてる人たちがいるわけよ。「そんなことが可能か?」
と自問しつつ。
293273:02/03/03 03:12
>>292
>それだけでは、「赤クオリア」という現象を再構成できない。
なるほど、そりゃそうだ。
そんなことをしなきゃならないという必然が最初から頭になかったよ。
(しかし、そうすると、究極的には特定の人間の(意識の)コピーを
作らなきゃなんないわけだが・・・。)

>神経組織の問題は、それが電気的媒体であると同時に化学的媒体でもあるとい
>うところに真の複雑性が隠れていたらしい。このへんはよく知らんが。
まあ、電気的媒体のみであれば、ぶっちゃけた話、
今の電子技術である程度模倣できちゃうはずなわけだし。

>というか、知ろうと試みてる人たちがいるわけよ。「そんなことが可能か?」
>と自問しつつ。
いや、それこそ、
「パソコンにどういった電気信号を加えれば、
 美しい絵が描かれた画像ファイルが発生するか?」
というような問題のような気がするが。
情報を有意に変質させ得るのは情報であって、
メディアを直接操作しても、多くの場合、破壊的な結果しか
もたらさないと思う。
294心理畑:02/03/03 03:20
>「パソコンにどういった電気信号を加えれば、
 美しい絵が描かれた画像ファイルが発生するか?」

クオリア問題の場合、画面を見ずに画像を模索しなければならない。
ところで、脳をパソコンの比喩で把握しようとする方法論も、
既に人工知能研究の分野から否定されてしまっているそうだ。
少なくとも、脳の機能はノイマン型アーキテクチャでは説明できないと。
295心理畑:02/03/03 03:23
ところで、そろそろ寝るので、このへんで。
296心理畑:02/03/03 03:28
ちょっと読み違えてたな。
>メディアを直接操作しても、多くの場合、破壊的な結果しかもたらさない
そう、そういう方向性からの「還元主義」への批判もあるわな。
分析的アプローチはそんな理屈でもって生理心理学に反論したりする。

が、それはそれとして、解析に成功すれば便利だという話もあるわけよ。
つーわけでおやすみなさい。
297273:02/03/03 04:05
>>294
>少なくとも、脳の機能はノイマン型アーキテクチャでは説明できないと。
というか、コンピュータを比喩に持ち出すことを
ノイマン型アーキテクチャの限界の問題から批判するのは、ちょっと検討はずれだと思う。

情報工学において、ノイマン型アーキテクチャは唯一絶対のものではないわけで、
情報工学の心脳問題への援用はノイマン型アーキテクチャに縛られているわけではない。
(これは、というか、「ノイマン型アーキテクチャ」というカテゴリわけが存在することからも、
既に明白なことだけど)

パソコンを比喩に持ち出すのは、説明の都合上便利であるというだけで、問題の本質は
「ある機能を実現するシステム」において、各階層の機能が最終的な機能と
どういった関係にあるのかという問題だろう。
実際のところ、ノイマン型アーキテクチャの問題以前の問題として、
情報自体とメディアの違いに関する理解も不十分なまま、議論を行っている人がかなりいるように思う。
298心理畑:02/03/03 15:29
工学系の話は手に余るが、ちょっと聞いたところでは、人工知能研究の最新の
成果ニュートラルネットワークをもってしても、人間の脳どころかナメクジの
学習機能すら再現できないのが現状なのだそうだ。
誰か物凄い天才が現れて、既存の概念を覆す新たなコンピュータシステムを開
発してくれればなんとかなるかもしれんという話はあるが、ノイマン型のフォ
ン・ノイマンだって「知の悪魔」と恐れられた超天才だったというのになあ。

>「ある機能を実現するシステム」
脳はシステムで意識はその機能だという考え方、「唯脳論」だが、それ自体す
らもまだ比較的新しい知見だったりするのだよな。
どちらにしても心理学は「情報自体」を忌避して発展してきた学問だから、果
たしてこの問題に対して果たせる役割があるのかどうかすら疑問ではあるが。
299273:02/03/03 18:36
アーキテクチャの問題は、煎じ詰めれば効率の問題だからね。
ニューラルネットワークをそのままハードウェアで再現することは難しくても、
基本機能のエミュレーションするソフトウェアは
(挙動が解明されている範囲においては)作れる。
その場合、現物との根本的違いは、機能要素あたりのコストと動作速度だけだろう。
ハードウェアの模倣と、機能の模倣には根本的な違いがある。

結局、設計思想自体よりも、その時点で利用できる素子レベルの
テクノロジーの制約される部分があるから、ノイマンにしても、
当時のテクノロジーで実現できるモデルを提示しただけなわけで、
ノイマン型コンピュータは彼の理論の応用であって本質では無いはず。

まあ、「情報」という概念を超越した概念が、何か提示されうるなら、
心脳問題における真のブレークスルーになるとは思うが。
それは情報工学にも影響を及ぼさずにはおかないだろうし、
情報工学の側から提示されても、それほど不思議ではない。
300心理畑:02/03/03 22:15
>アーキテクチャの問題は、煎じ詰めれば効率の問題だからね。

そうなのか?工学系の知人はなんか違うことを言っていたが。
なんでも、ノイマン型というのはソフトウェアドリヴンなシステムだが、
脳というのは動的に回路を生成するハードウェアドリブンなシステムで、
ハードウェアアーキテクチャにも革新がないと脳のコピーは難しいのだとか。
こっちは別の人の話だが、そもそも「ハードウェアとソフトウェア」という
方法論自体がノイマンの提唱したものなんだが、
人間の脳はハードとソフトという発想では説明できないのだそうな。

聞きかじりなので、これ以上突っ込まれても多分答えられんが。

>「情報」という概念を超越した概念
それが提示されたら、多分人間の認識する世界は激変するだろう。まるでSFだ。
301273:02/03/04 00:46
>>300
>脳というのは動的に回路を生成するハードウェアドリブンなシステムで、
>ハードウェアアーキテクチャにも革新がないと脳のコピーは難しいのだとか。
確かに、脳神経系のハードウェアは動的ワイヤードロジックとでもいうべき、
自己生成・書き換えの機構を持っており、現状のハードウェア技術でそれを実現するのは
きわめて困難かもしれない。
しかし、ソフトウェア・レベルでは、自己生成・書き換えはごく当たり前の手法だし、
どこまでそれでやるかは、純粋に効率の問題だと思う。

要するにその人は、ハード、ソフトの意味を、
きわめて限定的にしかとらえていないように思う。
ハード、ソフトという言葉をノイマンが提唱したというのは初耳だが、
(確かに、ワイヤードロジックからプログラム内蔵式への変革が
ノイマン型コンピュータの眼目であるわけだが)
ノイマンがこのことばをどのような意味でとらえていたかはともかく、
現状の使われ方では、「ハードウェア=電子回路」、
「ソフトウェア=コンピュータプログラム」といった
限定的な意味しかもっていないわけではないし、
私自身、そういった意味で使っているつもりもない。

そういった本質的でない問題を理由に、
情報とデバイス(生体組織)の違いを無視するなら、
古典的な一元論と二元論のような、不毛な議論が永久に続く
ように思うが・・・。

・・・確かに、現状の、アドレスを振られた主記憶に逐次実行される実行プログラムを
ロードして、アドレスを追いながら引き出しつつ、解釈実行するという機構は、
生体の並列同時進行の脳神経系とはまったく異質のものだけど、
メディアの物理現象と、メディアに記録された情報の独立性は、こういった、
動作原理とは独立した問題であって、逆に、「ハードウェア」といった場合に、
そういったノイマン型アーキテクチャだけを指すと理解しているなら、
現代の計算機については理解できているのだろうけれど、非常に狭い視野でしか
ものを考えていないとしかいいようがない。
ノイマン型コンピュータの限界は、(特に一昔前ぐらいの)コンピュータ専門誌では
非常にポピュラーな話題で、そのころそういう本を読んでいた人で、
「ハードウェア=ノイマン型アーキテクチャ」と考えている人はまずいないはずだ。

私自身も脳のコピーは困難(おそらく不可能)であると思うけれど、
それは、生体組織と電子回路といったデバイスの特性のみに起因する
問題ではないと思う。
302273:02/03/04 00:49
>それが提示されたら、多分人間の認識する世界は激変するだろう。まるでSFだ。
つうか、あなたの発言(>>298 の後半など)を読む限り、
心理学も、そういった概念を提出しうる学問
(あるいは提出しなければならない必然に迫られている学問)、
のように思うけれど。


303心理畑:02/03/04 15:49
>301
なかなか面白い。
>302
それ、素人にありがちな誤解ヽ(´ー`)ノ
ていうかね、提示したことはあるんだよ。ユングとかさ。
ただ、「それは心理学ではない」と言われてるだけで。
304273:02/03/04 21:18
>それ、素人にありがちな誤解ヽ(´ー`)ノ
そなんすか・・・。
心理学も奥が深いne。
305心理畑:02/03/04 23:25
むしろ周囲が思っているより底が浅いということかもしれんがな。
それというのもこれというのもクオリアのせいだが。
306あちょー:02/03/05 03:02
は〜るの〜こもれびの〜なかで〜きみの〜やさ〜しさが〜
307あちょー:02/03/05 03:09
ノイマンは、ロジックにフローチャートを処理することを求めた。
だから、フローチャートを書くのは未だに人間である。
308心理畑:02/03/24 01:17
ほぜんぬ
309考える名無しさん:02/04/18 04:29
あげとく。
310考える名無しさん:02/04/18 21:55
あげ
311考える名無しさん:02/04/30 03:12
あげ
312考える名無しさん:02/04/30 17:01
メタルギアソリッド2の愛国者達
313考える名無しさん:02/04/30 18:25
最近ハマリました。ガイシュツかもしれんが、
この人、ビスコンティの映画によく出てる俳優のヘルムート・バーガー
に似てるよね。
314考える名無しさん:02/04/30 22:59
う〜んダメでしょ
315考える名無しさん:02/05/09 21:56
クオリアは浅い
316考える名無しさん:02/05/23 08:28
クオリア あげ
317考える名無しさん:02/05/23 10:43
フェミにトドメを刺すもの。
318考える名無しさん:02/06/04 20:56
ていうかみんな読んだ?
319考える名無しさん:02/06/04 20:59
>>318
ていうか、前レス読んだ?
320考える名無しさん:02/06/04 21:03
ていうか、おまえ何?
321考える名無しさん
ヴィークル よ