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びたみん ◆BWLMxAG. :
中島義道の「カイン」を立ち読みした。
流し読みだけど、結局全部読んじゃった。
んでも、ホント酷い本だったな。ギドー君ももう終わりかな…。
なんつーか、B級人生論みたいなんだよね…慰める系の本だよ。
ひたすらT君に「君はやさしい」と語りかけるし…もっとハッキリ
「やさしい」ではなく「弱い」と言えよ!って思った。それに何故自殺
してはいけないのか、その理由も特に哲学的だとは思わなかった。
決して答えが得られなくとも、「なぜぼくは生きているのか?」という
課題を追求しつづけるのが、(恐らく)生きる意味なんだってさ。
それに対して自殺は、それを、つまり真実の探求を放棄するから「悪」だって
言ってるみたい。でも全ての自殺の動機が「ラクになりたい」という怠惰な
ものとは限らないと思う。生きていくことのどうしようもないバカバカ
しさや、「どうでもよさ」というものを心の奥底から了解するならば、自然と
生を放棄し結果的に「自殺」するということも有るんじゃないかな。
「ラクになりたい」からではなく「どうでもいい」から死ぬのん。
そうした哲学的(?)な自殺の可能生があり得るだろう。
多分、それでも中島は「自殺してはならない!」って言うんじゃないかな。
なんつーか、中島の自殺に関する考えは哲学的な帰結というより、「道徳的」
なものなんだよな…。そしてそれを指摘したら「その通りです」って認めそう。
しかも、それでも見解を改めることはないんじゃないかな。
それに苦しみは自分の糧になる、だから苦しみを大切にしよう!みたいな匂い
もプンプンする。その通りだと思うけど、「決して糧にならない苦しみ」という
ものがあって、それが本当の苦しみなんじゃないかな、なんて思ったりする。
センチメンタルすぎて吐き気がしたん。。。後書きは面白かったけど。
でも「哲学実技のすすめ」のこの文は凄く好きなんだけどなー。
『先生こそ…自分の過去から、不幸から、こだわりから、僻みから抜け出て
いないんじゃないですか?自分の不幸を僕らに押し付けているだけなんじゃ
ないですか?ゴチゴチに理論武装して、自分の内奥に潜む真実を見据えよう
としてないんじゃないですか?実は「幸福になりたい!」「救われたい!」「愛され
たい!」とからだが震えるほど求めながら、深いところで諦めているんじゃない
ですか?』