哲学思想史(黎明編:ソクラテス以前)

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37ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/01/06 21:53
参考になるかと思い、ユダヤ教の歴史(〜バビロン捕囚終了まで)についてまとめてみました。
参考文献は、「年表で読む哲学思想史」と「Microsoft(R) Encarta(R) Encyclopedia 2001」です。

>>25
以降へのレスは、この内容を踏まえつつ考えているところです。
いろいろ調べながらなので、どうしてもレスが遅くなります、ご容赦ください。
38ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/01/06 21:54
ユダヤ教関連年表<記号の意味>

■事柄の種類
《地》:ユダヤ教そのものの事柄。
〔地〕:ユダヤ教そのものの事柄ではない事柄。

※「地」は場所を示す文字

■場所を示す文字
〔イ〕イスラエル (古代イスラエル王国、およびその地域)
〔北〕北イスラエル王国
〔南〕ユダ王国
〔エ〕エジプト
〔?〕場所不明
〔*〕地名は本文中に記載(頻度が少ないので略号化しない地名、あるいは複数の地域にまたがる出来事)
39ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/01/06 21:54
ユダヤ教関連年表(BC1850〜BC922:アブラハム〜ソロモン没)
..────────┬────────────────────────────────────
年代         .│事柄
..────────┼────────────────────────────────────
BC1850頃      │〔*〕ユダヤの「父」、アブラハムがカナンの地に住む
BC1694〜1600頃 .|〔*〕一部の集団(おそらくヨセフ集団)がエジプトに移住
BC1570       ..|〔エ〕ヒクソスがエジプトから追放される(ヘブライ人の迫害始まる)
BC1250〜1214頃 ..│《*》モーセの登場、出エジプト、神との契約。
BC1020年頃    ...|〔イ〕サウルがイスラエル王国の初代の王に即位
BC1000〜961    |〔イ〕2代王ダビデの治世、イスラエル王国の確立
BC961〜922     |〔イ〕3代王ソロモンの治世、エルサレム神殿の建設、圧政により政治的安定が崩れ始める
BC922         |〔イ〕ソロモン没、その後王国はイスラエル王国(北)とユダ王国に分裂
..────────┴────────────────────────────────────
40ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/01/06 21:55
ユダヤ教関連年表(BC800〜BC516:オムリ朝〜バビロン捕囚)
..────────┬────────────────────────────────────
年代         .│事柄
..────────┼────────────────────────────────────
BC9世紀初頭    |〔北〕オムリの治世、一時的に強国にのしあがる。
不詳         ..|《北》オムリの子アハブの治世、王妃イゼベルの教義追加への抗議をきっかけに、宗教論争が活発化する。
BC9〜8世紀     |《北》一連の預言者が輩出
BC900〜850頃   │〔イ〕一神教への移行、「あまたの神の中の比類なき一人」から「唯一の神」へ。
BC853        |〔*〕アッシリアのシャルマネセル3世によるパレスチナ遠征。小国連合により撃退される。
BC734        |〔北〕アッシリアのティグラトピレセル3世、(北)イスラエル征服。○
同時期        |〔南〕ユダ王国はアッシリアに朝貢し独立を保つ。
BC721        |〔北〕サマリア要塞陥落。
BC650〜500頃   │〔イ〕「十戒」(十の御言葉)という表現が現れる。
BC626        |〔*〕新バビロニア王朝成立。カルデア王ナボポラッサルがバビロニアの王を宣言、アッシリア打倒を援助。
BC605        |〔*〕バビロニアのネブカドネザル2世、パレスティナでエジプトを撃退。バビロニアの軍事的優位が決定的になる。
BC597        |〔*〕バビロニアのネブカドネザル2世、ユダの反抗に対してエルサレムを征服。
            │   貴族、戦士、手工業者たちをバビロンにつれさる(第一次バビロン捕囚)○
BC593〜571頃   │《*》(バビロン?)預言者エゼキエルが現実的ものと霊的なものを分離する。(メシアは王ではなく羊飼い)
BC588        |〔*〕新バビロニアの傀儡であったユダ王ゼデキヤ、反乱を主導。
BC586        |〔*〕ネブカドネザル2世がユダを征服。エルサレムを破壊。
            │   潜在的な反乱の指導者とみなされたユダ人は、バビロンにおくられた。(第二次バビロン捕囚)○
BC550        │《?》「ヤハウェの僕(しもべ)の歌」が書かれる。(愛による救済)
BC539        |〔*〕ペルシャ帝国の創建者キュロス大王がバビロンを征服。
BC538        |〔*〕キュロス大王、ユダヤ人の解放を許可する勅令を布告。
            │   捕囚民のうち約4万2000人、パレスティナにむけて出発。
BC516        |〔*〕第2神殿完成。(バビロン捕囚の終わり)
..────────┴────────────────────────────────────
41ほんわか:02/01/06 22:07
神話を分類してみたらよいかもね。
哲学が抜け出してくるような部分、宗教が抜け出してくるような部分。
ギリシア神話の世界に、ディオニソス密儀が侵入したのはかなり大きな出来事らしい。
42猫電波:02/01/07 14:48
>>41
でもそうなると宗教をどういう意味で使うか、ってのも絡んできますね。
そんなの判るだろ!ってのも十分正しいけど、その場合抜け出すも何も初めっから宗教だろって事になる。
ディオニソス自体は古い神ですよね。
>>ヘロヘロドスさん
それとギリシア神話を「強姦」したのは、また違った意味だけれどもローマもですね。
ヘラスの神々は人間臭いというより怪物じみているところがある。イーリアスなどの神々(ことにゼウス)はかなり迫力があります。
古代ギリシア宗教の特質の一つは人間の傲慢を嫌うことにあると(ピンと来ないけど)される。
呉茂一氏なんかは今流普しているのはローマ人経由で牧歌的過ぎると怒ってた。
43ほんわか:02/01/07 20:39
ディオニソスは、出戻り男ですな。

ニーチェは、ローマの哲学をやらないでギリシア哲学をやったから、
あんな野蛮人になったと言う人がおるようです。
44考える名無しさん:02/01/07 22:38
age
45考える名無しさん:02/01/07 23:26
哲学って古いのより新しい方が良いとは断言できないところが面白いな。
46クライテン2X4B:02/01/08 00:47
ソフォクレスの悲劇には、傲慢さゆえに身を滅ぼす人物がしばしば描かれています。
『アンティゴネー』のクレオンや、『アイアス』の主人公アイアスなどが好例で、
お二方とも、これ以上ないほど悲惨な末路をたどっております。

御可哀そうに。
47考える名無しさん:02/01/08 00:51
>>45
知識の蓄積が不可逆(方向がある)だなんて
嘘ですよね。

諸行無常…
48考える名無しさん:02/01/09 13:45
>>10>>25をカキコした者です。
哲学ってのはつまり、

・事象の概念化
・理想性の模索

という作業なんだろうと思う。
そしてそれらは「全体的認識」という方向性で考えられてきたんだろう。
哲学とは、「世界(物理的意味ではなく、一切という意味)」を問題にし、精神的に普遍化しようとする。
それである限り、やはり一面に留まらず全体像の認識に考え方としては向かう。
人間のコミュニケーションや事物との関わりにおいては、どうしてもやはり
今ひとつ掴み切れない様々な事象というものが存在し、あるいはそれらは
誤認された形や不明瞭な姿のまま「言語(自然言語)」という表現方法によって使用されていたりする。
その言語の表す意味内容とは一体何なのか、それを明らかにする為の努力が即ち「哲学」である様に思う。
また、「〜である」事から「〜べきである」事を同時に考え、提示する事も「哲学」と言える。
「神話」もその為の素朴な手段であったのでしょう。
神話における「理想性」への言及は、道徳や倫理といった憲章を人に与えるものでもありますよね。
まあ、それが全てでもありませんが。
ともかくも、哲学の始まりというのはそういった事を念頭に置きながら考えると
視野が広まるんじゃないでしょうか。
長文すみませんでした。
49考える名無しさん:02/01/15 22:34
なんかカキコお願い.ヘロトドスでも猫電波でもほんわかでもいいから
なんか面白いことかいて.
50考える名無しさん:02/01/16 02:24
一神教はエジプトのアトン信仰が元だろ
51猫電波:02/01/17 18:22
>>50
直接の起源って意味なら、あまりまじめに受け止められてませんね。

>>49
一応、通説と思いつきは分けてるつもりだけど、誰か突っ込んでくれる人がいないと不安に成る。

ところで、ヘシオドスはロゴスを悪いものとして書いてますね。
ロゴス=(議論などの)言葉
52猫電波:02/01/18 01:12
ユダヤ教の古層がきちんとした一神教でなかったらしい、ってのが理由の一つ。

↓の考え方は全然主流じゃないと思うんだけど
<バビロンの主がマルドゥクであったように、へブル人の主がヤハウェであった。
彼等は別に世界創造の神を信じていて、この二つの神がごっちゃになった。
J文書とE文書はそれを表している。>ってのも有る。話として面白い。


53考える名無しさん:02/02/16 04:21
あげとく。
54考える名無しさん:02/02/16 12:28
あまり関係ないが、ヘラクレイトスは炎を実体として捉えていた、というのを読んで
驚いた(出隆)。まあ後年のディアマートぶりを見れば納得か。
55考える名無しさん:02/03/06 19:23
しっかりした内容のスレなので保存上げしときます
56祖倉 哲:02/03/06 19:36
哲学史だーい好き。
ヘロヘロドスさんの講義を聴講しまーす。履修登録 板島巣。
今後も 続けてくだされ。
 出席表は 提出しなければ いけないのですか ?
ちなみに 私の 学籍番号は ROM 893 です。
57左近:02/03/06 19:38
大学でのギリシャ哲学の講義も少なくなってきたしね。
58考える名無しさん:02/03/06 21:03
>>57
さこんじセンセ?w
59いじめてくん:02/03/06 22:14
ディオゲネスはなんだか好きだな。
60ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/03/06 23:43
支持してくださるかたありがとうございます。
長らくご無沙汰して申し訳ないです。

なんか、仕事で疲れて、難しいこと考えようとすると眠くて眠くて・・・。
系統立て書こうとするといつ書けるかわからないので、
書けることをどんどん書いて行きます。
(例によって、百科事典を読んだ程度の知識なので、あまり買いかぶらないでください、
本当に詳しい方のご指摘歓迎します。)

とりあえず、一神教についてすこし。

>>50
さんのおっしゃるように、ユダヤ教以前に、エジプトにアトン信仰というのがあったようです。
これは、多神教のエジプトの宗教の中で、アトンという神様が流行して、
次第にそれを最高の神とみなすようになってきたところに、
アメンテポプ四世(イクナートン)が、政策として一神教への移行を試みたようです。
しかし、結果的には失敗して、また、多神教に戻ってしまったようです。
つまり、王様が流行の宗派にはまって、それを広めようとした、というような感じがします。

まあ、これは個人的な感想でしかないのですが、イクナートンの失敗を見ると、
恵まれた環境では、人間は自然に多神教にいく傾向があるのではないか、
と思います。

そこで、ユダヤ教の状況を考えた場合、ユダヤ教が本格的に
一神教になったときというのが、王国が分裂して、アッシリアに
攻められてといった、非常に政治的に苦しい時期で、
やはり、民族の団結というか、精神的よりどころとしての機能を追及した結果、
という気がします。つまり、出エジプトについてもいえることなのですが、
多分に政治的な目的というか必要に対応して進化しているといった感じがします。

そういう意味で、イクナートンの宗教改革(?)に
政治的意図があったかどうかというのが非常に興味深いのですが、
私の調べた範囲では、そのあたりに言及している資料は見つけられませんでした。
おそらく、一次資料は存在していないでしょうから、
はっきりしたことはわからないというのが実際のところなんでしょうけれど・・・。
61考える名無しさん:02/03/07 04:21
>>59
そうだね。犬だしね!
62猫電波:02/03/09 00:36
ごめん、ウザイのは承知ですが
>>60
>私の調べた範囲では、そのあたりに言及している資料は見つけられませんでした。
http://www.google.co.jpで検索してみてください。大抵は政治的背景について何がしか触れているものと思います。
>おそらく、一次資料は存在していないでしょうから、
たしか碑文とかが残っていたはず。ファラオが特権的な関係を神と結ぶ事が書かれていたとか
当時大きな勢力を誇っていたアメン神の神官から勢力を奪おうとしていた、とされています。
>>59
ディオゲネス萌え。でも、ソクラテス以降。
63ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/03/09 01:53
>>62
>ごめん、ウザイのは承知ですが
いえいえ、とんでもありません。

>http://www.google.co.jpで検索してみてください。大抵は政治的背景について何がしか触れているものと思います。
うーん、google は愛用しているので、調べたはずなんですけど、
なんか調べなおしたらわんさかでてきますねぇ。(冷汗;
まあ、半分寝てる状態でやってることなんで、ご容赦ください。

>たしか碑文とかが残っていたはず。ファラオが特権的な関係を神と結ぶ事が書かれていたとか
>当時大きな勢力を誇っていたアメン神の神官から勢力を奪おうとしていた、とされています。
今、ざっと見たところ、なんか朝日の記者のエッセイにそういったことが書いてありました。
しかし、この記述を読むと、要は純粋に勢力争いであって、
一神教云々は、彼にとってはどうでも良いことのようだったような気がしますね。
なぜ、この人(イクナートン)の宗教改革が始めての一神教と呼ばれるのかが疑問になってrきました。
もう少し調べて何かわかったら又書きます。

私もディオゲネスは好きですね。なんかすざまじい人だたようです。
「ソクラテス以降編」まで続けられたらまた、いろいろ話ましょう。

実は、最近、「ギリシア哲学者列伝(中)」を読みました。
このスレの参考に、(上)を読もうと思ったのですが、
(こういうスレを立てる前に読んでおけという話もありますが・・・)
なんか絶版だそうで、(中)しか手に入りませんでした。
面白い本なのに残念です。
64考える名無しさん:02/03/09 06:19
>>52

バール信仰はマルドゥクが起源らしい。
関係ないのでsage
65ワン:02/03/30 20:40
夜の しじまに感じるものは、そう、古代人の知恵のことば。

ヘロヘロドスさん、こんばんわ、猫のミャーれす。       以上

66ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/04/01 01:46
>>65
こんばんわ(といっても翌日ですが)。
ところであなたはどなた?
67ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/04/01 02:06
ちょっと安易な発想かもかもしれませんが、

「アクナーテン」
アガサ・クリスティー
中村妙子訳
ハヤカワ・ミステリ文庫
ISBN4-15-070090-7

を読みました。(藁

これはフィクションなので、内容は史実ではありませんが、
理想主義者のファラオの、暴走の結果としての一神教、
というのは私にはリアリティがあるように思えます。

解説は吉村作治が書いているので、このあたりの言及に期待したのですが、
一神教が持ち出されたバックグラウンドについてはこの人は何も書いてません。
68考える名無しさん:02/04/01 02:13
分裂した価値観を一挙的に一元化するには一神教は有効だろうね
69ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/04/01 02:43
>>68
まあ、アクナーテン(イクナートン)は大失敗したわけですが。
ユダヤ教の様に、それなりの社会的状況やコンセンサスがあって、
それをうまく利用する形でなら、そういうことになるのでしょうね。
70考える名無しさん:02/04/14 17:10
>>69
お前バカだろ?
71ヘロヘロドス ◆JU2qG7h6 :02/04/14 21:33
>>70
まあ、あんまり利口だとは思ってませんが。

私の発言に知識や理解、考察の不足による不備があったのなら、
教えていただけるとありがたいのですが。
72考える名無しさん:02/04/15 18:01
>>71
( ´,_ゝ`)プッ   
73考える名無しさん:02/05/10 02:24
詩=哲学であることも忘れていた
74.:02/05/21 00:59
age
75totti10:02/05/21 07:31
おはようございます。初めてお邪魔させていただきます。
突然ですが、「人のあり方やいき方に直接かかわってくるような
知識の可能性」という事柄について皆さんのご意見をお聞きしたいのですが。
できればソクラテスの意見などを参考にしていただければありがたいです。
ぶしつけで申し訳ありませんがどうかよろしくお願いします。
76考える名無しさん:02/05/21 07:36
アナクシマンドロス

名前が好き
77考える名無しさん:02/05/21 14:58
哲学なんかソフィーの世界読んだだけだぜ。
78考える名無しさん:02/06/11 01:49
DK片手にあつくかたるスレなのかとおもって騙されたyo!
79考える名無しさん:02/06/11 02:07

古代ギリシャ科学(ソクラテス、ソフィスト以前)が
汎神論なのか唯物論なのか気になってしょうがないです。
どなたか回答プリーズ
80考える名無しさん:02/06/13 19:55
レポート作成の参考になりますた
次はデモクリトスについて
もう少し穿った意見をおながいします
81考える名無しさん:02/06/14 06:56
あげ
82ディオゲネス:02/06/15 22:59
樽の中で寝てばかりいると肩がこるのォ
83考える名無しさん:02/06/15 23:06
>>82
引き篭もりの始祖ですね。
84ディオゲネス:02/06/16 19:30
本当は怠け者なんじゃ、わし。
85ウンコをタレス:02/06/21 18:22
わしについて語る奴はおらんのか?
86考える名無しさん
・・・