1 :
考える名無しさん :
01/09/12 23:05 東西冷戦の構造が終焉を向かえ、 21世紀は「文明の衝突」の時代にはいるのか。 宗教、経済、政治あらゆる側面から検証し、哲学するスレッド
2 :
考える名無しさん :01/09/12 23:22
ハンチントンはとんでも。人間は何者でも無い。
ハンチントンはドキュン!
多チンポ時代。
5 :
考える名無しさん :01/09/13 00:50
しかしイスラムっていうのは、強靭に歴史にのこってるね。 砂漠で興った宗教だからか、いしんきょうであるからか? はたまた契約を根本原理とする宗教だからか?
>>2 -3
ハンチントンさんのどの主張が間違っているのでしょうか?
7 :
考える名無しさん :01/09/13 22:39
俺も疑問? ハンチントンを全面的に認めないにせよ、現実にイスラムと米国は対立している。
8 :
考える名無しさん :01/09/13 22:59
>>7 ちょっと、板違いな気がするが、
俺が思う限りで言わせてらっていい?
ハンチントンがだめな理由は、
1.のりがあまりに軽薄な政治学
2.フランシス・フクヤマの(歴史の終わり)
に対する学者的対抗意識が丸出し。
3.視点がアメリカ寄り過ぎ
4.文明の定義自体がすこしあやしい
(特に日本文明の定義は、
歴史学会の笑いを誘ったことだろう。
この文明の定義においては、ヨーロッパでも聞かれ、
アメリカとヨーロッパの違いを無視しすぎだ
とも言われていたと思う。)
まあ、だいたいこんなところ?
ただ政治学においては、本をだした
インパクトはあったと思うし、
本としてはそれなりにおもしろい。
しかし、文明の対立なんて歴史を見れば
当たり前で、冷戦崩壊後ではだれでも
(F・フクヤマ以外)予想できること。
世界的に受けたのは
SF小説よりもすこしリアリティがあって、
文明の区分や整理が目新しかったのが原因じゃない?
9 :
考える名無しさん :01/09/13 23:00
訂正 文明の定義においては ↓ 文明の定義の批判においては
文明は構成概念であって、衝突するものではない。 それがわかってない時点で話になりません。
11 :
ほにゃ ◆t4YnTEbg :01/09/15 17:52
>>8 >この文明の定義においては、ヨーロッパでも聞かれ、アメリカとヨーロッパの違いを無視しすぎだ
なるほど、確かにアメリカとヨーロッパは特に社会制度(小さい政府、大きい政府)という点では対立しているかも知れませんが、それでもイスラムと西欧の対立程は根深くないと思うのですが…。
>>10 >文明は構成概念であって、衝突するものではない。
これは、文明自体が衝突するのではなく、直接は文明を構成する国が衝突するという意味ですか?
もしそうならそれは当たり前のことであり、それは当たり前の事として話を進めていると思うのですが。
文明は、人が構成している総合的な概念である。ところで、 個々の要素の検討を抜きにして、総合的な概念で指し示される 全体同士が衝突するかのように言うのはおかしい、という意味です。
補足ですが、私の考えでは、国が衝突するというのもおかしいという 結論になります。
14 :
ほにゃ ◆t4YnTEbg :01/09/15 18:31
>>12 -13
>個々の要素の検討を抜きにして、総合的な概念で指し示される全体同士が衝突するかのように言うのはおかしい、という意味です。
分からないでもないのですが、そうすると人を構成しているのも細砲であり
それを司っているのはDNAであり、DNAを構成しているのは分子で…。
というように無限後退して行ってしまうように思われるのですが??
ある現象を描写する際には、適切なレベルでのモデルを提示し、
それが興味深い現象を説得力を持って説明する、という事が大事だと思うのですが?
>>14 無限後退させる必要がない段階において、その旨論証すればいいだけです。
分析するにあたって、「社会」レベルで衝突すると構成するのは、不十分だと
言いたいのです。人間社会の問題を考察するにあたっては、具体的な人間の
意思による構成と捉えれば良いと考えています。それ以上さかのぼったとしても、
さかのぼった構成が意思を持っているかどうかは、問題にする必要がないので、
そこまで細分化して構成する必要はありません。
狙いは、社会が衝突する云々のような類いの議論がなされるときに、
見落とされている、社会の多元的な構成(世界、国際、国家、地方公共団体、家族)や、
異論の存在、個々の人間の言説の影響力により「社会」の言説が傾向付けられている
という観点、を、簡単に持てるようにすることにあります。
16 :
考える名無しさん :01/09/15 19:01
>>15 の最後
簡単に持ち続けられるようにすることにあります。でした。
失礼しました。
17 :
考える名無しさん :01/09/15 20:53
言語の定義は英訳、和訳等の問題もあるからともかくとして 現実として国家という実体が、情報量の劇的な変化というものを通して 薄れているのは事実。ソ連も情報によって崩壊した。 そこで同じ歴史や宗教を共有するものが対峙を始める。 今回のテロ、(戦争)も両者の利害関係をはっきり報道してくれると 争点及び主義主張の違いが良くわかるんだけども。
大枠の事実認識のレベルでは、 揚げ足取りはできても根本的に反対する人はいないでしょ。 「今後は人類文明・地球文明でやっていくのか、 それとも今後も西洋文明でやっていくのか」という問いが、 西洋では根本的問題だ――というのは単なる事実。 問題は、その事実認識の上での政治的提案なんだと思う。 「人類文明・地球文明なんていう相対主義は虚構に過ぎず、 われわれは今後も西洋文明をやっていくべきだし、 そのためには非西洋の文明圏の発展と同盟を邪魔するべきなんだ」 というのがハンチントンの立場だけれど、これには賛成できない。 というか日本人にとっては、そもそも上記の問いは問いですらなく、 人類文明・地球文明の方を選ぶ以外の選択肢は最初から無いんだけどね。
19 :
ほにゃ.ver.お家 ◆t4YnTEbg :01/09/15 23:59
>>15 >分析するにあたって、「社会」レベルで衝突すると構成するのは、不十分だと
言いたいのです。
具体的にハンチントンさんどのような主張が不十分なのでしょうか??
>>18 えっ!?
>そのためには非西洋の文明圏の発展と同盟を邪魔するべきなんだ
マジこんなこと言ってるの・・・。
ほにゃへ
10さんには悪いが、多分君には10さんの主張の
意味が理解できてないし、また俺から見れば理解する必要もない。
対応する概念の現実への還元の度合いというのは、その概念を使用する
ものにとっては往々にして意識されないことが多く、むしろ
各々にとってはその概念の使用時の理解の有用の度合いが重要なのである。
また10さんは、ハンチントンを読んでないので批判する資格ないだろう。
>>19 はっきりとそのようには言ってないが、だいたいは
>>18 さんの言うとおりである。
例えば日本が親中になることをアメリカは阻止すべきだといっている。
↓
「日本が西欧から離れて中国との和解にむかうのを遅らせること」
P479 L.9
話がかわるけど
彼によって描かれた、日本の外交の基軸が中国と米国の立場が
入れ替わった時に予想される中国の日本への要求というのは、
かなりおそろしい。
とにかく一度読んで見たほうが早いね。
>>21 訂正
日本の外交の基軸が中国と米国の立場が
↓
日本の外交の基軸が米国から中国に
23 :
考える名無しさん :01/09/18 06:19
歴史的事情での感情的対立や経済発展段階の違いによる格差まで、 無理に「文明の違い」で説明しようとして、こじつけになってる面があるね。 例えば日本と中国の基本的相違は文明の違いじゃなく、 同じ文明の中の発展段階の違いと考えるべきだろう。 中華圏といっても台湾の社会制度や生活は、 言語以外の点では大陸中国よりも日本に近いわけだから。 同様に、ハンチントンが別の文明としているラテンアメリカと西洋も、 別の文明とするより同じ文明の発展段階の違いとした方が自然だ。 ハンチントンが仮に二十世紀前半に同趣旨の本を書いたとしたら、 きっとドイツ・オーストリアの中欧圏を西欧とは別の文明にしただろう(藁
24 :
考える名無しさん :01/09/18 06:29
>>21 10は、タイトルについてしか批判してないし、批判としては十分成立しているし、
10が張ったリンク先の文章を読む限り、「文明の衝突」論はドキュソとしか思えないのだが。
>対応する概念の現実への還元の度合いというのは、その概念を使用する
>ものにとっては往々にして意識されないことが多く、むしろ
>各々にとってはその概念の使用時の理解の有用の度合いが重要なのである。
それにこれは問題外だろう。意識されないことが多いのが問題だと10ははっきり述べている。
>狙いは、社会が衝突する云々のような類いの議論がなされるときに、
>見落とされている、社会の多元的な構成(世界、国際、国家、地方公共団体、家族)や、
>異論の存在、個々の人間の言説の影響力により「社会」の言説が傾向付けられている
>という観点、を、簡単に持てるようにすることにあります。
25 :
考える名無しさん :01/09/18 06:37
この本を誤解する人間が多すぎるね。 例えば朝日の社説。 ハンチントンの思い通りにさせてはならない! とか。(w ハンチントンの希望じゃなくて、分析から出た結果でしか ないのよ。 特に新しくない話ではある、そんな単純な図式を今更? と目を丸くする人もいるだろう。 その結論より 情報収集、分析、そして結論の持って逝き方が大事。
26 :
考える名無しさん :01/09/18 06:44
27 :
考える名無しさん :01/09/18 06:52
「文明の衝突」 はハンチントンが起こしているのです。彼は悪魔です。 超能力者です。 冗談はさておき、かなりハンチントン氏の言う世界に 似通ってきてるのは事実。 それを良しだとは思わないけど。そーしたくなかったら 知恵使えってことじゃねーの?
>>24 細分化による概念の現実への還元性と、
概念自体の有用性は別問題というのが何故わからんのかな?
会社という概念を表すのに、その有用性を無視して
AとBとCの集合の構成体と無理やりいわせるのか?
文明という概念使用によるその構成要素に対する視点の欠落と
その概念の言語的有用性を混同するなよ。
君は著書を読まずにその作者を批判するなんて
作者に失礼だと思わんの?もしも学問の道に
携わるものだったら最低だね。
それに俺も
>>8 でハンチントンを批判している。
ちゃんとレス読んだか?
男と女の命をかけた下半身のぶつかり合いによって、人類は存続してきた のです。ゆえに、衝突は自然的なことである。○か×か。
30 :
考える名無しさん :01/09/18 14:45
「中国と華僑の経済力こええよ、ムスリムのテロこええよ」 っていうのが、一番削り落とした中核的内容だね。 漢民族という民族集団、イスラムという宗教集団は、 「国家を横断した集団」という程度の共通点はあるにせよ、 そもそもカテゴリーが違っているから総称する言葉はなかなかない。 それでも両者を総称しようとして「文明」という表現になったんだろう。 通常の語義とはずれているけど、用語法にこだわってもしかたないと思うな。
>>28 それだと、言語的有用性があるから視点の欠落の問題を無視して良いと
言っているように聞こえるが。あと、著書を読まずに作者批判とか
言ってるけど、
>>20 のリンク先では、引用を元に、明らかに分析の方法が
おかしい点が示されているんだよ? 今回の場合は例外じゃないの?
それに文明が衝突するなら「文明の対立」と言えば十分意味は通るはず。
このタイトル自体の胡散臭さは認めないのか?
>>31 >それだと、言語的有用性があるから視点の欠落の問題を無視して良いと
>言っているように聞こえるが。
聞こえない。何のために定義がある?そういう風な捉えかたが
すでに問題をごっちゃにしてる証拠。
>今回の場合は例外じゃないの?
それは、アンタの例外だ。すくなくとも俺はあるものに対する
人の批判をそのまま真に受けるほど知的に怠慢じゃない。
(まあ、えらそうに言うが、たいした批判はしてないけどな。)
>文明が衝突するなら「文明の対立」と言えば十分意味は通るはず。
>このタイトル自体の胡散臭さは認めないのか?
あほか。その「文明」を「利害」に置き換えてみろ。
意味するところは、ほぼ同じ。表現方法の演出にすぎない。
俺に対してごちゃごちゃ言わずに
ハンチントンの本を読め。読むつもりないんだったら、
読んだ俺に口挟むなよ。知ったか君。
33 :
考える名無しさん :01/09/18 23:39
著者自身が衝突している文明の当事者に含まれてるんだから、 若干の偏りはしょうがない。 イスラムの人口急拡大に言及しているのはなかなかだと思うけど。 とにかく今回のテロ(戦争)は明らかに対立でなく「衝突」だね。
英語で「民族」にあたる ethnic group は、 基礎語彙じゃなく学術ジャーゴンなんで、意味的には〈民族〉でも、 「人種」race、「国民」nation といった語に言い換えることが多い。 MSのゲーム、Age of Empires、Age of Kingsでは、 日本とか中国とかペルシャとかギリシャとかいった単位を、 「民族」ではなく「文明」 civilization と言い換えている。 この表現は日本語として違和感があるが、英語では「あり」なんだろう。 『文明の衝突』における「文明」という語の使い方は、 Age of Empires、Age of Kingsでの語法と近いから、 英語としては、それほど変な表現ではないんじゃないの?
35 :
名無しさん。 :01/09/19 03:27
>>10 あのさぁ、読まないからそんな結論が出てくるんだよ。ハンチントンは
「文明は人を文化的に分類する最上の範疇であり、人類を他の種と区別する特徴を除けば、
人の持つ文化的アイデンティティの最も広いレベルを構成している」
「文明は文化的まとまりであって、政治的なまとまりではない。だから、文明は秩序を維持することもないし、
司法制度の確立や徴税、戦争、条約の締結のような政府の仕事は一切しない」
としたうえで、
「文化の共通性によって人間同士の協力関係や連帯がうながされ、
文化の差異によって分裂や戦争が助長されるのはなぜだろうか?」
という問いに、個人・家族・部族・人種・国家と文明の関わりについてちゃんと述べている。
君が批判していることなど、ハンチントンはとっくの昔に著書の中で答えているんだよ。
やっぱ読まずに本を批評するのって最悪だわ。
ハンチントンとウォーラスティンを混同してました。懺悔。
>>32 -
なんでリンク先の文章については反論しないの?
10への批判をしても、文明の衝突を読んだ、リンク先の人間に
対する反論にはならないよね?
38 :
名無しさん。 :01/09/19 05:38
>>37 わし、32ではないけど、あの書評は的外れと思うです。
なぜならこの書のもっとも核心的なテーマである、
「文化と文化的なアイデンティティ、すなわち最も包括的なレベルの文明のアイデンティティが、
冷戦後の統合や分裂あるいは衝突のパターンをかたちづくっている」
という事に対する反論にまったくなっていないからです。
もっとも肝心な部分について書評はまるで否定していないし、論じてすらもいません。
世界について真剣に考え、行動するには
「現実をある程度単純化した地図なり、なんらかの学説、概念、モデル、パラダイムが必要」
であるのだが、文明の衝突論はこのパラダイムを提供するものである。
かの書評はどうでもいい、枝葉の部分についてあーだこーだとわめいているようだ。
だが、「パラダイムとして受けいられるには」とハンチントンが引用しているように
「その理論が他の理論よりも優れていなければならないが、それが直面する事実をすべて説明できる必要はないし、
実を言うとそんなことができるわけが無い」
のだ。
39 :
5モロ、無修正画像サイト発見! :01/09/19 05:58
>>32 >それだと、言語的有用性があるから視点の欠落の問題を無視して良いと
>言っているように聞こえるが。
>聞こえない。何のために定義がある?そういう風な捉えかたが
>すでに問題をごっちゃにしてる証拠。
うーん。定義の話をしてるのではなくて、定義に従った思考をすると、
多元的な視点が欠落するので、それを回避するために、総合的な概念を
そのまま操作する考え方は、否定されるべきだ。という意味なんだけど
(10もそういうことを言ったのだと思う)。まあいいや。
ちなみに
>世界について真剣に考え、行動するには
>「現実をある程度単純化した地図なり、なんらかの学説、概念、モデル、パラダイムが必要」
>であるのだが、文明の衝突論はこのパラダイムを提供するものである。
これはヘンだね。だって単純化した地図は、意味不明でしょ。
次に、学説は何も言ってないのと同じ。概念もそう。
モデルについては、もしモデルが必要だというなら、
それこそ「文明の衝突」というタイトルはおかしいじゃないか。
文明が衝突するということを言えるためには、実際には文明を構成する要素が
衝突することが理解されねばならず、結局それを理解したうえで言うならば、
実際に衝突しているのは、文明ではなくて、文明という語で一般的に指し示される
ところの、個別的な人間(集団)の衝突そのもの(文明は、人間によって
観念されている事柄で、実際に衝突となって現れているのは、暴力その他でしょ)
なのだから。
唯一パラダイムについては、そのパラダイムという概念自体が、認識している主体を
考慮の範疇にいれた概念なので、正しい例示と言えるけど、
>「その理論が他の理論よりも優れていなければならないが、それが直面する事実をすべて説明できる必要はないし、
>実を言うとそんなことができるわけが無い」
これはひどいでしょ。「他の理論により優れているかどうか」って、
A党が、B党より優れているから、A党の主張は通る、って言ってるのと同じだよ?
(A党とB党の考え方が、常に完全に不一致であるという前提がなければ、
こんなことは言えないだろ?)
そもそもの筆者の考え方のおかしさが露呈しているじゃない。
「それが直面する〜」は、はなから誰もそんなこと要求して無いじゃん。
少なくとも俺は、認識における構成の話をしているのであって、要素を
「すべて」説明しろや、などと言っていない。書評の人も言ってない。
41 :
考える名無しさん :01/09/19 12:45
一つでも具体的に述べられないから抽象的な事をいわざるをえないのか。
42 :
名無しさん。 :01/09/19 13:41
>>40 あのさぁ、何度も言うけど読んでから批判してくれよ。
>これはヘンだね。だって単純化した地図は、意味不明でしょ。
これもとっくにハンチントンは説明しているんだよね。
「地図は詳細であればあるほど現実を反映しているはずだ。しかし、詳しすぎても多くの用途に役立つ
わけではない。大都市から別の大都市へと高速道路で行きたい場合、車両の交通機関とは無関係な情報
がぎっしりと詰まっていて、複雑に入り組んだ多数の二級道路に幹線道路が埋もれてしまったような地
図は不必要だし、かえって混乱を招くだろう。」
「要するに、必要なのはわれわれの目的に合わせて現実を写しながら現実を単純化した地図なのである」
文明を構成する要素が云々というのも、これまたハンチントンはとっくに答えているし、
それは
>>35 で説明しましたな。
>A党が、B党より優れているから、A党の主張は通る、って言ってるのと同じだよ?
正確にはA党の主張が通りやすく、正しい可能性が高い、ってことだけどね。
で、これのどこがおかしいんだい?
>書評の人も言ってない。
言ってま〜す。戦争時になると役立たないことが多いから文明の衝突はドキュソだと言ってま〜す。
それへの反論として
>>37 書いたんだけどね。
いいかげん読んでから反論してくれ。タイトルだけ見て、
「あの本はドキュソ」と思っている君が一番ドキュソ。
43 :
考える名無しさん :01/09/20 03:50
例えばイスラム圏というのは、 パキスタンとアルジェリアみたいに離れていても、 ムスリムとしての同胞意識を持っているようだが、 しかしそういう意味での「仏教徒としての同朋意識」を、 スリランカ人とモンゴル人が持ってるかっていうと、別に持ってない。 つまり、この場合の「仏教徒」というのは〈集団〉を意味するんじゃなく、 単に〈分類〉を意味する概念でしかないわけだ。 ハンチントンの用いる「文明」という用語には、そういう曖昧さがある。 「イスラム」や「中華」みたいな〈集団〉を提示したうえで、 その対立概念としての「西欧」を持ち出すのには、 今のところ〈分類〉にすぎない「西欧」を 〈集団〉として意識させようとする政治的意図がある。 そういう政治的意図は、文章の中で明示的に主張される以前に、 「文明」という曖昧な用語の選択というサブリミナルな形で、 『文明の衝突』という本の中に埋めこまれているわけだが、 こういう議論スタイルって、品の良いものではないね。
44 :
考える名無しさん :01/09/20 04:13
文化には、 宗教その他の教義をどれぐらい厳密に扱うか、 同胞意識、民族意識がどれぐらい強いか、 といった点についても違いがある。 それらの点について、全ての文化が、 キリスト教文化と同様な強いつながりを持っている、 と仮定してしまう点に問題があるように思う。
45 :
名無しさん。 :01/09/20 15:58
>>43 >今のところ<分類>にすぎない「西欧」
本当にそうかな?
だったらなぜトルコはEUに加盟できないでいるのかな?
あれほどトルコは熱望しているのに。
加盟できない原因が単に経済的要因だとかそんなだと思う?
EUのまとまりはASEANに比べて随分固いように思えるけど?
それともたかが一学者の影響力とはそれほどまでに凄いものなのか(笑)
そうか、これがサブリミナル効果なのか(笑)
>>44 >それらの点について、全ての文化が、
>キリスト今日文化と同様な強いつながりを持っている、
>と仮定してしまう点に問題があるように思う。
いや、ハンチントンはそんな仮定はしていないよ。
実際、仏教について言えば、「仏教は主要な文明の基盤では無かった」
と言ってるし。
46 :
考える名無しさん :01/09/20 17:11
>>24 うーん、言っていることが正しいだけに、つらいとこだね。
文明という語によって指し示される表象に人が動員されていくことを
恐れてるんだろう?
>43
>その対立概念としての「西欧」を持ち出すのには、
>今のところ〈分類〉にすぎない「西欧」を
>〈集団〉として意識させようとする政治的意図がある。
>>42 ハンチントンの本に書いてあるという段階で論証として十分であると
考えているかのような文章だね。地図については、実用性のために
理論的正当性は犠牲にしていいと言ってるのと同じだろう。
>>A党が、B党より優れているから、A党の主張は通る、って言ってるのと同じだよ?
>正確にはA党の主張が通りやすく、正しい可能性が高い、ってことだけどね。
>で、これのどこがおかしいんだい?
論証すべきなのは、わが党の政策の正しさであって、わが党の政策が、
あの党の政策より優れている(まし)という話ではないだろ。
それだけだったら、必ずしもわが党の政策が正しいとは言えない。
>>45 >43
それは西欧文明と非西欧文明の対立を観念している人間が
EUの首脳部におり、それによって行動しているから、と
説明できるところだろう。文明が衝突しているのではない。
47 :
名無しさん。 :01/09/20 19:54
>>46 い、いや、君は検証云々以前の問題なのですが・・・
本の内容を知らない君にわざわざ引用してやったら、
「本に書いてあるという段階で検証として十分であると考えているかのような文章だね」
何それ(w 本に書いてある内容を知らずにあてずっぽうで批判してたくせに(w
オムツは大丈夫ですか(糞
>地図については、実用性のために理論的正当性は犠牲にしていいと言ってるのと同じだろう。
しつも〜ん。
単純化した地図なりモデルなりを作ることがどうして、
「実用性のために理論的正当性を犠牲にする」ことになるのですか?
どっちかっつーと、逆のような気がするのですが?
で、「しかし単純化すると実用性は失われるから役にたたなくなるのではないか?」
という疑問に対しては
>>42 で答えてるわけですな。
>検証すべきなのは、わが党の政策の正しさであって、わが党の政策が、
>あの党の政策より優れている(まし)という話ではないだろ。
ふんふん、ハンチントンはこう言ってますねぇ♪
「パラダイムは予測を導き出すものでもあり、パラダイムの妥当性と有用性を計る重要な試金石となるのは、
そこから引き出された予測が他のパラダイムによるものと比べてどの程度正確かという点である」
この後文明の衝突パラダイムがどの程度正確であるかという点について、延々と説明が続くのだが、
それについては本を読んでくださいませえ♪
>それは西欧文明と非西欧文明の対立を観念している人間が
>EUの首脳部におり、それによって行動しているから、と
>説明できるところだろう。文明が衝突しているのではない。
おや、その首脳部とやらはどうして「西欧文明と非西欧文明の対立を観念」しているのですか?
ヨーロッパの首脳部にはどうしてそういう人間が大勢いるんですか?
ハンチントンのサブリミナル効果の影響ですか?(糞
でも、この本が出る前から既にそういう状態だったのですよ。
そもそもそのように「観念」している人間がいるという事は、余計に文明の衝突論の正しさを証明するものなんだけどね。
君、この理論のもっとも肝心な部分を理解できていないよ。
本を読まずにタイトルだけであーだこーだと言ってるのだから当然か(w
>>47 オムツってなんやんねん、と一人突っ込み・・・
>>47 君、わかってないよ・・・まあ君がわかってなくても大勢に
影響ないから、どうってことないけど・・・
50 :
考える名無しさん :01/09/21 23:36
ジハード 対 反テロリズム イスラム原理主義 対 アメリカ的資本主義 アメリカを嫌うもの達 対 アメリカに見方するもの達 正義 善悪は何処に ?!
51 :
考える名無しさん :01/09/22 06:49
あずまたんも帰依したね。
52 :
考える名無しさん :01/09/22 07:06
>ふんふん、ハンチントンはこう言ってますねぇ♪ >「パラダイムは予測を導き出すものでもあり、パラダイムの妥当性と有用性を計る重要な試金石となるのは、 >そこから引き出された予測が他のパラダイムによるものと比べてどの程度正確かという点である」 >この後文明の衝突パラダイムがどの程度正確であるかという点について、延々と説明が続くのだが、 >それについては本を読んでくださいませえ♪ はげしくドキュソだね・・・。パラダイムの用法、完全に間違ってるじゃん。
53 :
考える名無しさん :01/09/22 07:16
>>51 あずまたんは言葉の使い方が不用意だっただけだよ。
>これはアメリカニズムという野蛮な原理と、もうひとつの野蛮な原理と、
>そのふたつの野蛮さのあいだの戦争にすぎない。
ここは不用意(帰依してるっぽい)だけど、
>人類の概念はそれには関係がない。
これは帰依して無い表現。ある種の普遍性を前提とした表現でしょ、これは。
>だからこそ、逆に、それを調停できる可能性もまた人類の叡智にしかない。
>運よく暴力の現場から地理的に遠かった<私たちは>、
>その幸運を有効に活かすためにこそ、断固としてその叡智の側に付くべきである。
<>内の視点があるでしょ、あずまたんには。
54 :
考える名無しさん :01/09/22 07:23
>>53 でも、そのあずまたんの<>な視点て、
湾岸戦争のときのアサヤン・カラヤンの論そのままじゃない。
こういう場合の態度に関して、新しさが必要だとはいわないけれど、
前半の不用意な文章を書いてしまうあたりで、
後半のとってつけたような文章の説得力もうすくなると思うYO!
>>54 それは説得力の話で、帰依の話ではないでしょ?
56 :
考える名無しさん :01/09/22 17:44
あずまたんってなんなの? それがどうなったの?
57 :
考える名無しさん :01/09/22 19:36
ジャック・アラン・ミレールやらジジェクやらが参加してる雑誌、
『ラカニアン・インク』って皆さんご存知ですか?
そのサイトのトップには、こないだの日曜に英ガーディアン紙に
掲載された、サイードのテロに対するコメントと
ジジェクのコメント(出典不明。それとも書き下ろし?)が
併記されてます。サイードはディーセントな政治をしろ、ブッシュ!
ジジェクは『トルーマンショー』なんかを相変わらず持ち出して
幻想が云々と言っております。
http://www.lacan.com/lacan1.htm
58 :
考える名無しさん :01/09/22 19:38
これで戦争なんてはじめた日にはアメリカ絶対許せーん!!
一般的用語法では「文明」という語は〈科学技術文明〉を意味し、 ほぼハンチントンの「単数形の文明」に対応する。 ハンチントンの主題「複数形の文明」の方は、 混同を避けるために、「文化圏」とでも呼んだ方がいい。 以下では「文明」「文化」という語をそういう意味で使う。 何らかの集団への帰属で自己を定義するのはマイノリティーのやることだ。 例えば「九州人」「北海道人」といったアイデンティーの持ち方はあっても、 自分を「本州人」としてアイデンティファイする人はいない。 あるいは「女医」というカテゴリーは社会的に認知されているが、 それに対応する「男医」というカテゴリーは無い。 男性の医者は単に「医者」と呼ばれるだけであり、 「医者の自意識と区別された男医の自意識」なんてものは普通もたない。 ヨーロッパが世界を支配していた頃のヨーロッパ人も、 ヨーロッパ民族の文化でアイデンティファイする必要は無かった。 ヨーロッパは文化ではなく文明でアイデンティファイしていたのである。 最近になってヨーロッパが文化圏の自覚を持ち始めたのは、 要するに、もはやマジョリティーではなくなってきたからである。 しかし、この新しい「ヨーロッパ文化圏の自意識」は、 いまだに「文明の自意識」とうまく区別されていない。
日本人にとっては、両者の区別はさほど難しくない。 寿司や刺身や浮世絵は日本の民族文化だが、 ウォークマンやアシモは日本文化ではなく文明に属する。 どのみちどこかで似たような物は発明されただろうが、 最初に発明したのはたまたま日本だったというだけのことだ。 それらを日本の民族文化と見なすのは、 ゼロの概念をインドの民族文化と見なしたり、 火薬を中華の民族文化と見なしたりするくらい滑稽な誤謬だろう。 そういう滑稽な誤謬が、ハンチントンの議論の中にはある。 ハンチントンが西欧の民族文化として挙げるのは、 民主主義と相対主義――つまり政治的・文化的な多元主義である。 これらは、特定の民族文化の属性というよりは文明の属性であり、 民衆の教育水準や情報交換の質と量が或る閾値に達した社会が、 必然的に行き着く段階であろう。 無論、多元主義に馴染みやすい文化と馴染みにくい文化はある。 西欧は早い段階から政治的多元主義を実現してきた。 しかし文化的多元主義に関して言えば、歴史的に見て、 西欧は相対主義よりも原理主義への傾きが大きな文化圏である。 同じくらいの技術的・経済的発展段階で比較してみれば、 歴史的事実として、西欧は東亜よりも文化的に不寛容であった。 現時点の西欧が現時点の中国よりも文化的に寛容なのは事実だが、 それは文化の差ではなく文明の段階の差というべきだろう。
61 :
考える名無しさん :01/09/23 13:26
で、結局衝突は回避できるの?衝突は運命なの?
>>45 そなんすか。
それは失礼しました。
やっぱ読まずに書くのは良くないね。
63 :
hyougo :01/09/24 03:54
個人的には環境破壊の方が心配だけどな。
64 :
ほにゃ ◆t4YnTEbg :01/09/27 01:13
>>ALL
何か、細かい定義論争がされてますが余り興味は無い…。
やはり、このスレは例のテロ事件をきっかけに立ち上がったものだと思うので、
事件と絡めて議論を進めるのが面白いです(私にとっては)。
実際、今回のテロを分析する際には、やはりイスラムとアメリカ(西欧)の衝突
の極端な例と言う視点はもっとも重要だと思います。
そして、その衝突の説明としてハンチントンさんの議論は非常に説得力を持っているように思うのですが、いかがでしょうか??
>>61 今回は衝突しちゃいましたが、今後このような事を撲滅するシステムを作る必要がありますね。
私としては
危険物の規制。治安部隊(警察・国連監視部隊)の増強。兵器生産・流通の情報公開。
究極的には軍の国連一括監理、国の交戦権の放棄。
実はフランシス・フクヤマの描く未来になって欲しいと思ってたりする。
そうすれば国連主義もやり易いのではなかろうかと…。
それでも、国って無くならないですかね?
65 :
考える名無しさん :01/09/30 02:51
哲学は無力なの?
66 :
考える名無しさん :01/09/30 05:06
>>64 衝突を撲滅する?必要があるっていうけど、
衝突は回避できないんじゃないの?
67 :
ほにゃ.ver.お家 ◆t4YnTEbg :01/09/30 13:43
>>66 >衝突は回避できないんじゃないの?
理由を教えてください。
\ \ / / \ _ / \ _||_ / ⊂二二二二二二二二二二二二二二二⊃ || \ 、∞ , / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || \(゚Д゚)< 突撃ィ〜! || ,!ニニ!、 \______ ○ | | | ○ / \||/ \ / \ / / \ \
69 :
考える名無しさん :01/10/01 23:33
…で戦争始まりそうだけど どうよ。
70 :
考える名無しさん :01/10/03 00:09
話せばわかる! って言って殺された奴がいたね。昔
71 :
考える名無しさん :01/10/03 00:21
アメリカの自由主義を一度味わったら、もうやめられないでしょう。 ビンラヴィンも株取引し放題だったというし。 文明は高いほうから低い方へ流れる。 その強いアメリカへの反発は拡散的に続いていくだろう。 というか、ここは文明から切り離して、心理学の分野へ入るとおもう。 意地と意地の張り合いだ。
72 :
考える名無しさん :01/10/03 01:26
NAM
73 :
考える名無しさん :01/10/08 02:00
日本は鬼畜米英と同じことをするな。
74 :
考える名無しさん :01/10/08 02:03
始まってしまった。。。 .
75 :
考える名無しさん :01/10/08 02:20
イスラム、ユダヤ、キリスト教は衝突せざるを得ない。 聖戦などこの世にない。 慈悲の心を説く仏教はそう教える。
少し前、ブッシュが戦争を十字軍に喩えたことに、英米のインテリは激怒した。 そういうレトリックで問題を表現してしまっては、 「西欧圏対イスラム圏」という構図に持っていこうとしている、 ビンラディンの思惑通りになってしまうからである。 「これは、西欧圏対イスラム圏ではなく文明対テロリストの対決なんだ……」 とすることで、何とか自分達を納得させようとしている、 パキスタンなどイスラム圏諸国の微妙な心理を逆なでする言葉だった。 ブッシュの失言は、イスラム圏諸国の微妙な世論と政治力学を、 アメリカの国益に不利な方向に刺激してしまったことになる。 ハンチントンの著作は今回の事件を予測したものだと言え、 事件後はあらゆる場面でハンチントンが引用されるようになった。 しかし、ハンチントンの枠組みで対立構図が把握されてしまうことには、 上記のブッシュの失言と同じ問題が内在している。 例えば、パキスタンで政変が起きてタリバン側に付いてしまい、 他のイスラム圏諸国も反米に回って、地域戦争が世界大戦になる…… といった展開になってしまう可能性も無いとはいえないわけだが、 そうなった場合、対立拡大の原因の一部はハンチントン図式にあるのだ。 ハンチントンの予測が自己実現的予言になってしまうとしたら、 アメリカの国益のために問題を指摘した本人にとっては、不本意だろう。
77 :
考える名無しさん :01/10/15 05:27
>>76 東京新聞のインタビューでは既に鬱入ってたYO!
どうしても文化と文明の違いが分からなかった 文化に較べよりより包括てきなもの、範囲として最も ひろいもの文明と呼ぶってかかれてたけど それじゃ日本文明の説明にならない。
79 :
ホームラン松井 :01/10/15 08:45
>>59-60 内容もそれなりで構成も考えている文章なんだけど
レスが付いてない・・・化愛想だ
80 :
考え無しさん :01/10/15 15:00
>>78 ハンチントンの議論は、最初に結論ありきな面がある。
「中国とイスラムを封じ込めよう」という結論が最初にあって、
そのために後付けで文化圏を定義しているわけだ。
仮に日本と中華を合わせた「東亜文明」を設定したとしたら、
日本と中国が連合して欧米に対抗するシナリオが、
ハンチントンの議論の筋道からは必然的結論になるが、
それは欧米にとっての悪夢であり、能う限り実現を阻まないといけない。
で、その実現を阻止するのが可能だとしておくためには、
「中華文明」と「日本文明」を強引にでも別扱いしないといけないわけ。
「日本文明」という無理っぽい設定は、客観的な事実認識というよりも、
ハンチントンの地政学的戦略構想のためのプロパガンダなので、
事実認識の問題として考えたら納得できないのは当然。
遅レスですが、
>>78 12,15を読んでみてください。
>>21 の
>対応する概念の現実への還元の度合いというのは、その概念を使用するものに
>とっては往々にして意識されないことが多く、むしろ各々にとっては
>その概念の使用時の理解の有用の度合いが重要なのである。
単に概念に対するイメージをあいまいにして使っている人が多いから、有用性と
いう点からの理解の重要性しか意識されないと言っているだけです・・・。
有用性云々ですが、会社をいちいち「説明すべき」だとは、書いてないです。
想定するときの「イメージがあいまい」なのがまずい、としただけです。
最近テロが起きた際、当初の段階ではイスラムと西欧が衝突した、と構成した
言説がたくさん出ましたが(このスレにもありますね)、その言葉を話す人たちの
イメージでは、ラディンやタリバンが、イスラム圏でも支持されていない可能性が
抜け落ちているわけです。
最近では「テロへの闘い」とアメリカが構成したため、議論の方向はそれたみたい
ですが・・・。
いずれにせよ、概念に対応するイメージに具体性が付与されていないのは、
非常に危険です。
>>81 アメリカが・・・は、アメリカ側が・・・に修正します。すみません。
83 :
カンガルー名無しさん :01/10/15 23:14
>>76 >ハンチントンの予測が自己実現的予言になってしまうとしたら、
>アメリカの国益のために問題を指摘した本人にとっては、不本意だろう。
でも、自分の世界観と用語法が世間一般に共有され、世界に影響を与える、
という経過になったことを、内心では誇りに思ったかもしれない。
そういうことがあるから、思想というのは軽く見るわけにいかないし、
理解して批判する必要があるわけだ。
84 :
考える名無しさん :01/10/15 23:23
>「日本文明」という無理っぽい設定は、客観的な事実認識というよりも、 >ハンチントンの地政学的戦略構想のためのプロパガンダなので、 日本文明ってやっぱ独特なんじゃないの? 東京、千葉、埼玉、神奈川でイギリス一国のGNPたたき出してるし、 空から見るとニューヨークなんて高々1000万人位の小都市だし。 日本の持つ自意識過剰性、同じく島国根性から生まれた、 曖昧性及び同質希求性。 まあイスラム対アメリカっていう予測はあたったね。
85 :
考える名無しさん :01/10/15 23:31
文明の対立という視点の強調はブッシュさらにはビンラディンの 石油利権との結びつきを隠蔽する。文明を主語に立てることに よって、そこに働いている権力関係を見逃すことにならなければ よいのだが。
86 :
考える名無しさん :01/10/16 02:22
>>78 ハンチントン的な意味での「文明」が判りにくいとしたら、
日本というのが遥か昔から民族国家だったのが理由だろう。
でも、例えば西欧はそうではなかった。
ヨーロッパの場合、民族国家という体制の歴史は長くない。
中世の西欧人は自分たちを第一義的にローマカトリック教徒と定義していた。
読み書きできる少数のインテリはラテン語という共通言語を使用しており、
フランス語・英語・ドイツ語……といった土語は思想や政治とは関係が薄く、
民族意識の拠り所にはなっていなかった。
口語は相互に通じないが共通の文語で民族の一体感が保たれている、
という状況は中国の歴史と似ている。
「フランス人」や「ドイツ人」であるという意識は、
ローマカトリック教徒としての自己定義よりも優先するものではなく、
それは、「広東人」や「福建人」という民族意識が希薄なのと同様だった。
アラブ人やモンゴル人は西欧人をひっくるめて「フランク人」と呼び、
「ローマ法王という君主の下に小諸侯が割拠している国」と理解していた。
中世の西欧とはそういう地域だった。
あるいは、オスマン帝国もトルコ民族国家ではなくイスラム文明国家で、
トルコ民族やアラブ民族という意識はムスリムという意識よりも薄かった。
もちろん歴代の中華王朝も同様。
ところが日本人の場合、日本民族という意識を相対化するような、
上位概念のアイデンティティーを持たないので、
ハンチントン的な意味での「文明」を理解するための、
歴史的アナロジーを見つけることができない。
判りにくいのはそういう理由だろう。
そういう中世的な意味での「文明に属している」という意識は、 ひっくり返して言えば「野蛮人ではない」という感覚だ。 例えば近代以前の朝鮮では公式文書は漢文だった。 主観的意識としては彼らは「漢民族(≒文明人)」だったわけで、 漢文でなく土語を読み書きする倭人を野蛮人と見ていたのである。 また、ラテンアルファベットを使うカトリックのポーランドは、 正教徒のロシア人を野蛮人だと思っているらしい。 あるいは、フィリピン人はキリスト教徒なので、 ムスリムや仏教徒の東南アジア諸国を見下しているらしい。 「文明に属している」というのは、つまりそういう感覚だ。 (アジアの大半の国がそういう感覚で西欧を見下していたのが、 西欧文明の導入に消極的になり、近代化に遅れた一因だろう) しかし、そういう意味での華夷の境界線は視点によって異なる。 漢人から見れば朝鮮人は倭人と同様の東夷だったし、 ポーランド人自身がどう考えようとも、 ドイツ人やロシア人は彼らを東欧のスラブ人として扱ったし、 欧米人がフィリピンを欧米の仲間だと思っているわけでもない。 文明間の境界線は、文化人類学的な分類概念としてならば、 ぼやけた幅はあるにせよ一義的に決定しうる。 しかし、地政学的な同朋意識の境界線は、 非対称性(片思い)があって、立場によって線引きが違うので、 一義的には線引きできない。 ハンチントンはこの二つの概念を混同しているが、 それはハンチントンのレトリックにすぎない。 読む側は、それを区別しないとレトリックにのせられる事になる。
90 :
考える名無しさん :01/10/19 07:50
「文明(言語、民族、宗教、政治)」の違いは、 そのまま「貧富差、経済格差」の外枠なので、 資本・社会主義の対立項であった東西冷戦が終わった21世紀は、 「文明の衝突」の時代にはいるに決まっている。
>>88 レスありがとう。
なるほど、他の国々では相対化される要素があるのゆえに
包括的という概念が生まれるのか。
一方日本はそれ自体が唯一無二であるがゆえに
国すなわち文明ということになるのか。
ただ文明であることの要素の一つが包括性にあるとしたら
日本文明でなく日本文化が正しいのではないかと疑問に思うのですが・・・
日本が文化でなく文明とされるのは
つまり文明は包括性以外の要素があるということなのだと思うのだが、
その要素とは何かがよくわからない。
未開と対極をなす状態であることが文明である1要素なのでしょうが
それは文化では代替できないのでしょうか?
つまり・・・・
>>89 「文明に属している」イコール開明化だとされているが
「文化に属している」では未開とされるのでしょうか?
この辺りもよく分かりません。
92 :
考える名無しさん :01/10/19 12:31
>日本人の場合、日本民族という意識を相対化するような、 >上位概念のアイデンティティーを持たないので、 現代の日本人にとっては「先進国」というのが 「日本」の上のカテゴリーになっていると思う。 もっとも、欧米人の側が日本を含めて「われわれ」 という意識を持っているわけじゃないので、 フィリピン同様の片思いなわけだが。 ハンチントン『文明の衝突』の日本人にとっての意義は、 日本人が見ないふりをして意図的に忘れてきた その非対称性を露骨に突きつけてきたことだと思う。
93 :
考える名無しさん :01/10/19 21:34
>>88 言語と民族と国民と国家がおおむね一対一対応していると、
たいがいの日本人は思っているじゃないだろうか?
言語という意味で「国語」という語を使うのなんて、その現れだと思う。
「母国語」とか「二ヶ国語を話せる」とか。
94 :
考える名無しさん :01/10/19 21:43
ハンチント本人はともかくとして、この考えを引き合いに 出して今回のテロ事件を文明の対立という二項対立的な単純な 考え方に納めてしまう傾向に対し注意を払わないといけない。
ハンチントンでした!
96 :
考える名無しさん :01/10/19 23:48
いわゆる原理主義運動の台頭は、意外に最近のことで1975年 あたりという説がある。 75年というと、ヴェトナム戦争でヴェトナムが勝利した年であるが、 アメリカとは比較にならない弱小なヴェトナムが勝てたところから、 その他の小国たちも自分たちの可能性を感じても何ら不思議ではない。 そのときに民をまとめるために持ち出されたのが原理や大義であって、 それは民をまとめる役割さえ担えばそれでよいもので、実質的な意味は 言ってしまえばどうでもよい。実際、大義について、誰もその本質的な 意味を理解するものがいないとも聞く。 そのような視点からみたときに、今回のテロを「文明の衝突」といえるか どうか。 「文明」が覆っているところに本当の要因があるのではないか。
97 :
考える名無しさん :01/10/20 00:22
「文明の衝突」この書物の基調は文明の衝突予測そのものを中心として 語られているが、基調低音には「国家観の喪失」が流れている。 今回のテロを観察するならばShow The Flagに見られるように 旧来の「国家至上主義」 対 新しい「共通の価値観を持つ集団」 の対決とも見受けられる。 無差別の罪亡き人を殺傷するのは悪として、このような「国家」の持つ 虚妄、傲慢を新しい集団は見事ついたとも言える。 現在双方のとった行動を見るならばどちらもテロリスト。 もはや「国家」なるものは陳腐な幻想なのかもしれない。
98 :
考える名無しさん :01/10/20 00:37
「文明の衝突」というならむしろ、Windows的な市場原理と LINUX的な民主的思想の対立をみるべきかなと思う。 こっちの方が、最後の決戦にふさわしい。
あん。今回のテロについては、イスラエル建国の原因 にいなった英国とそれに組する米国×虐げられたイスラム って感じで文明の対立というには役不足と思う。
100 :
考える名無しさん :01/10/20 01:09
まあイスラム圏は、この世の神、正義と勘違いしている連中のことは 認めがたいでしょうね。
101 :
考える名無しさん :01/10/20 01:43
>>101 前から、あびてたよ。
でも彼の主張によれば、資本主義社会融合した
西洋民主主義以外のシステムが現れない限り
彼の歴史の終わりの主張は、正しいということになりのだろう。
私はそうは思わんが。
103 :
考える名無しさん :01/10/20 01:50
このスレ哲学と社会科学、歴史、宗教、政治と、 更には現実、日常と オーバーラップしてていいよね。 更に高度、博識な追求を望む。
脱字が多くて、スマソ。
105 :
考える名無しさん :01/10/20 03:41
歴史に関する最低限の常識さえ持っていれば、 哲学や思想が世界を形成してきた重要な要素だということが判る。 最終的には日常生活に影響してくる可能性があるからこそ、 思想は重要な問題なのであり、そういう連関がなければ言葉遊びに過ぎない。 ……なのに、思想が生活と連関を持つということが、 むしろ意外で珍しい出来事として感じられるというのは、 現代人が「哲学」と呼んでいる代物は、本来の哲学とは無縁な何かである、 という堕落を、改めて確認することになるな(鬱)
107 :
考える名無しさん :01/10/20 22:15
今後を予測せよ。
108 :
考える名無しさん :01/10/21 00:09
グローバリズム化が普及した世界では、米国は他の各国から一歩引いた メタ国家としての昇格させた方がいい。その方が世界は安定する。 そのために、米国以外の諸国が、それぞれに応じた支出金を納め、 米国にはそれで世界平和を維持する役割を担ってもらうかわりに 国内経済もそれでまかなってもらうようにする。 国連は性質上、限界があるので、むしろ米国を祭り上げてしまった方が いいだろう。 そのとき、米国はもはや「国家」ではなく、国家を超えた機能的存在である。
109 :
考える名無しさん :01/10/21 00:41
>>108 実質はそうだから、アメリカがテロ対象になったんだよ。
しかも、経済成長の今の傾向が続くなら、
中国のGDPがアメリカを抜くのも遠くない。
別格の超国家にするにはアメリカですら小さすぎる。
第二次大戦直後のアメリカは世界総生産の過半を占める国だったけど、
その頃のアメリカですら地球政府にはなれなかったわけで。
江戸期の天皇と将軍の関係は今の国連と米国の関係に似ている。 純理論的には日本の君主は天皇であり、 徳川家は最大の大名にすぎなかったわけだが、 もちろん実質的には日本の君主は徳川将軍だった。 江戸時代の徳川宗家は日本のGDPの四分の一を占めており、 他に親藩や譜代の諸藩を合わせると、 外様藩を圧倒する力があった。 ……はずなのだが、史実では徳川家は薩長の連合に敗れたのだ。 薩長と徳川家のパワーバランスは、 中国やロシアと米国との関係よりも遥かに差が開いていた。 それでも徳川家が敗れたのは、日本国君主である天皇と、 一大名にすぎない徳川将軍との、名分の差だったわけだ。 象徴に過ぎないとは言え、世界政府の名分は国連にある。 そして象徴というのは、時には力を持ちうるものなんだよ。
112 :
考える名無しさん :01/10/26 21:52
ラマダン前にまた一悶着あるのかな。
113 :
考える名無しさん :01/10/27 02:45
>>110 >>109 の主旨は、
>>111 の意味で、アメリカが象徴的存在になれば
世界秩序が安定するだろうといっている。
というよりもむしろ、商品にたいする貨幣のようなオブジェクトレベル
でありながら同時にメタレベルであるようなポジションをとることを
想定している。それが超国家であり、機能的存在ということ。
そして、今の時点では、そのような「存在」になってないからこそ、
テロの攻撃を受けたのは説明するまでもないだろう。
114 :
考える名無しさん :01/10/27 02:59
中国人やアラブ人をどうやって納得させるんだ?
115 :
考える名無しさん :01/10/27 03:31
>>114 >>109 は、あくまでも「グローバリズムが普及したあとの世界」に
おける「仮説」だよ。
グローバリズムが完遂した時点で、納得するも何も、勝負は決まって
しまってる。
だから、反対するなら、その前にしなければならない、というわけで
今回のテロが起こった。
グローバリズムが普及した世界とは、換言すれば、ゲームをするため
の共通のルールが確定した世界ともいえる。
「歴史の終わり」といった人がいたが、そういう意味では、これからが
本当の勝負であり、いままでは、ルールを決めるために争ってきたとも
言うことができる。少しでも自国に有利なルールにしようとするために
争ってきた。
そして、共通のルールのもとで公正に試合を行うためには、中立公平な
審判が必要だ。
その審判を設ける必要性から、
>>109 の仮説を提案した。もちろん、
国連がその役目を担えるならそれで全然かまわないのだけど、
実際のところは実質的な強制力がないわけで、そんな連中が審判に
なっても無意味だろう。
そこで米国にその役目をやってもらおう、というわけである。
116 :
考える名無しさん :01/10/27 04:07
>>115 において、「いままでは、ルールを決めるために争ってきた」
といったが、実際は、米国以外の国のほとんどが自分たちの領地や
イデオロギー、利益の拡大を目的に争っていたわけで、
「ルールの設定」のレベルで考えて、その戦略どおり実行したのは
米国をおいてなかった。
だからこそ、米国はグローバリズム下における世界の盟主たりえる
のであって、イデオロギーを押しつけてくる、よその国ならば
どんなに強大な力をもってしても為しえないだろう。
今のアメリカは国益を追求して行動する普通の国家だよ。 例えば、日独がアメリカの経済的ライバルになった歴史を知ったうえで、 後知恵で日独の戦後処理を振り返れば、 当時のアメリカは国益よりも抽象的正義を優先させていたように見える。 でもそれは、アメリカが世界経済の半分を産出していて大国の鷹揚さがあり、 ソ連を封じ込める壁として日独を育てる必要があったという、 かなり特殊で例外的な歴史的事情の産物でしかない。 その後の敵対国に対するアメリカの処遇は、 金と手間のかかる「破壊と再建」じゃなく、 安上がりな「生かさず殺さず」に転換してしまっている。 イラクとか北朝鮮とかね。 これじゃ、世界政府の代役を任せるわけにはいかないよ。 普遍的ルール(例えば民主主義)の普及という観点から言えば、 一応選挙で選ばれたイランやイラクの政権を敵にまわし、 贅沢三昧のアラブの王制諸国家を味方にしているのは、筋が通らないでしょ? 要するに、アメリカも国益に従って動いているだけで、 普遍的ルールの普及が国益に反する場合は、「正義」を忘れるんだよ。
118 :
考える名無しさん :01/11/04 23:14
age
文明の衝突? 文化の衝突ですよね? スマソ。つっこみで。
120 :
考える名無し :01/11/05 03:18
全部読んでないんだけど、今回のテロとそれに対するアメリカの報復には色々な原因があるよね。 経済格差もあるし、アメリカの中東ないしアジアでの利権の問題がある。 だけどラディンなんかは頭に血がのぼちゃって自分のテロが宗教的な「聖戦」だと思ってるわけね。 一方、ブッシュのほうも思わず「十字軍」なんて言ったりする。 しかも実際には、アメリカや西洋諸国やアラブ諸国のマジョリティが こういったイメージにとらわれちゃってるわけでしょ。 そしてこのことが事態をより悪化させる。 で、聞きたいんだけど、ハンチントンはどういう主張してるの? こういう考えとは対立する? 前のレスではいまいち、おおまかな主張がわからなかったので。
そういう「イスラム世界vsキリスト教世界」って、 ハンチントンの説明図式そのものだよ。 まあ、ハンチントンの説明図式が大衆化したというよりも、 大衆が漠然と感じていた世界の構図を精密化したのがハンチントン、 ということなんだと思うけどね。 だからこそハンチントンの図式って判りやすくて、 一つの説明図式というよりも自明な事実のように感じられてしまう という危険性があるんだと思う。
ギ ソルマン『バルバロイがやってくる』は、 先進諸国で増えつつある途上国からの移民難民が、 各国で引き起こしている摩擦を報告した本。 この中に、フランクフルトの移民議会が紹介されている。 法的には議会ではなく外国籍の住民の意見を聞く諮問機関だが、 各移民共同体(の指導層)がドイツ人社会に対立的にならないよう 融和のための一手段として設置されたのが移民議会(KAV)。 フランクフルトには、南欧東欧系やトルコなど多様な移民がいて、 おおむね出身民族ごとに政党が組織された。 諮問議会の中にイスラム系というまとまりが出来るだろう というのが事前の予測だったのだが、実際に議員が選ばれると、 キリスト教+イスラムの「宗教派」と、 その他社民党などの「非宗教派」に分かれる対立構図になった。 これは極めて小さなモデルケースに過ぎないのだけれど、 「イスラムvsキリスト教」という対立が自明な構図ではない ということを改めて気づかせてくれる。 実際、「性モラルと男女関係の望ましいありかた」とか、 「あるべき家族の理想像」とか「ヒト遺伝子操作の是非」とか 現代社会の抱える多くの重要問題に関して、 クリスチャンとムスリムは同じサイドに立つわけであり、 進歩派・自由主義者・フェミニスト……に対立することになる。 もしも人類全体が意見交換できるようになったとしても、 「イスラムvsキリスト教vs……」といった伝統文化の対立が、 そのまま思想上の対立軸になるとは限らないわけだ。 そういう文化圏ブロックの対立という図式を 自明視しないように気をつけないといけない。
>>121 って俺に対するレスなのかな??
>そういう「イスラム世界vsキリスト教世界」って、
>ハンチントンの説明図式そのものだよ。
それくらいはもちろん知ってるよ・・
>まあ、ハンチントンの説明図式が大衆化したというよりも、
>大衆が漠然と感じていた世界の構図を精密化したのがハンチントン、
>ということなんだと思うけどね。
精密化したことが彼の仕事なわけ?だとしたらその意義は?
テロに関するインタビューを読む限り、彼もごく単純なアメリカマンセーの人としか思えないのだが・・・
>だからこそハンチントンの図式って判りやすくて、
>一つの説明図式というよりも自明な事実のように感じられてしまう
>という危険性があるんだと思う。
そんなことはわかりきってるのに、なぜ彼はそんな図式を描いたのか?
>>122 については、その通り。
そういう細かな例じゃなくて国家レベルでもそういう例はいくらでもある。
124 :
考える名無しさん :01/11/05 19:40
>うん氏
>>122 については非常に頷ける所があります。
しかし、対立は何処にでも有る訳で、その度顕在化するモノが条件で違いますよね。
イスラム教とキリスト教の対立は地政学的に本来ローカルなモノで、
両教を理念上の核としたそれぞれ国の形成があったから現在問題となる訳で、
他の条件に拠って対立はより顕在化する訳です。
確かに地域的な条件を取払ってインターネットで自由に意見交換するとそんな感じもします。
が、現実の問題として各地域に住む人の問題認識はジェンダーや人種や経済の問題を
包括する宗教や政治にメタレベルで還元されてしまう場合が多いと思うんですが如何?
他の対立概念はイデオロギー化するしか宗教や政治イデオロギーに対立し持続する事がないのでは?
この枠内で解消されてしまう事で動機を奪われてしまうわけですし。
移民会議のモデルケースは『移民』と言う条件が多分に影響してるのではないかと思われ。
これが国家や広域経済共同体ごとと言うと又違うのではないかと思うんです。
実のとこ宗教と経済ブロック以外に冷戦構造の引受け役が無くなった事が大きいのでは?、と思ったりします。
冷戦構造が瓦解して現れずにいた潜在的な対立がこれからも浮き彫りなる事は明白なわけで、、、
数年前のアメリカの黒人暴動なんて記憶に新しかったりします。
そこによりメタな構造概念として宗教が冷戦構造の間欠にスッポリ嵌ってしまうのは様々な既得権益者、
治世者に有る意味都合が好いし事実世界大戦は起こらずさ様々な対立は顕在化せずに済んでしまった。
恐らくですが、フクヤマもハンチントンも前提として資本主義自由経済=西欧=キリスト教文明(文化)があり、
世界情勢をこの視点で見て他からの(考察は有っても)視点が無い故にこの構造に考え行き着くのではないかと。
フクヤマにすればアジア、中国も将来資本主義に呑込まれ対抗する勢力にならないであろうと。
ハンチントンは文明を対抗勢力として持って来る。(が、上に指摘する冷戦構造の焼直しを手伝ってる様にも見える。)
だが両者とも西欧マンセーの視点は変らず、又彼等からすればそれが当り前なんだと言ってる様に見える。
それをバイアスとして状況が語られて行く、で、疑問が湧くわけです。
「ホントに民主主義、自由経済で世界を覆う事は出来るんだろうか?」
「資源や人口や南北問題はどうなってしまうんだろう?」
この疑問は「歴史の終り」の時にも湧きました。ハンチントンは比較して若干ペシミスティックなのでしょうか?
今、3年前に序文で放り出したこの本読みながら書いてるます。読了後で無い事を了承下さいませ。
げげっ!推敲の残滓が、、、
126 :
考える名無しさん :01/11/06 05:03
>>117 >>115-116 を書いたぼくへのレスのようなので一応返事します。
あなたのいってることはもちろん常識だよ、だから米国を普通の国家とは
異なる、メタレベルに存する国家に(諸国の協力によって)押し上げて
しまったらどうか、と提案してたわけです。
あと、普遍的ルールというのは、民主主義という一般的にいわれるような
レベルのものを想定してたわけではなく、交換という人間相互の関係に
根ざしたレベルのものを想定していました。
つまり、異なる空間体系に属する見知らぬ者どうしが交換する。
交換すれば、そこにはおのずと規則が生じることになる。
この規則がルールである。
それは民主主義のようなイデオロギーではなく根源的なものである。
ひとはおなじ世界に生きてる以上、交換はさけられない。
だから、そこには本来、同じルールが存在しなければならないはずだが、
どちらかが(イスラム側でもいい)ルールに従おうとしない。実際には
武器を買い、金融市場で一儲けすることを通じて、米国と共通の土俵に
依存してるにもかかわらず、あたかも自分は同じルール体系にいないような
ふりをする。それは自己欺瞞といっていいと思う。
↑いらつく文章だな。 例えば野球のゲームに対しては、 審判も観客もテレビ局もスポンサーも、 みんなメタレベルの存在ということになる。 「交換」に対してアメリカをメタレベルの存在にするとしても、 その「メタレベル」が意味しうる役割は無数にある。 というのを理解するだけの基本的理解と想像力を欠いているから、 こんなに精度の低い曖昧な文章を書いてしまうんだろうな。
128 :
考える名無しさん :01/11/06 23:27
>>127 いらつくのはお互い様だけどな。
お前の文章も自分で思ってるほど精度も高くなければ
明確でもないぜ。
メタレベルはメタレベルだぜ。その中での役割はまた
別の話さ。バカが。
129 :
考える名無しさん :01/11/06 23:59
「文明の衝突」を、一般的な解釈にしたがって 「原理主義」と「民主主義」との対立の問題だとうけとるとしたら、 それを哲学的問題に還元して言い直すならば 「演繹法」と「帰納法」との対立ということができると思う。
130 :
考える名無しさん :01/11/07 00:47
ハンチントンの予測では日本はアメリカに見切りをつけ 中国とくっつくって言ってるけど どうよ。
131 :
考える名無しさん :01/11/07 01:24
ポスコロ?
132 :
考える名無しさん :01/11/07 02:51
ポスコロ?ってなにさ?
133 :
考える名無しさん :01/11/07 02:52
ポストコロニアル
134 :
考える名無し :01/11/07 03:25
>>130 それの論拠って、文化的に親近性があるから?・・・
ごく普通に考えて、くっつかない理由のほうが多いんじゃない?
誰かもっと詳しいこと教えてくれないのかな。。。
ハンチントンの「文明の衝突」というのは結局なんなんでしょう・・
135 :
考える名無しさん :01/11/09 19:57
同じ文明圏に属する国はまとまりやすく、そうでない国同士は疎遠である。 そしてこれからの世界情勢ではこの文明の違いがクローズアップされてくるだろう。 あの本、何百ページあるかしらんが言ってることはこれだけだったりして。
136 :
考える名無しさん :01/11/09 20:10
メタレベルはメタレベルだぜ。その中での役割はまた別の話さ。 バカが。 127は、別の話とか言いながらメタレベルを論ずる段階で、 すでに役割についての議論が混じってしまうおそれがある、とかそういう 意味での想像力の無さを、指摘したのではないだろうか。
137 :
考える名無しさん :01/11/09 23:22
>そしてこれからの世界情勢ではこの文明の違いがクローズアップされてくるだろう。 >あの本、何百ページあるかしらんが言ってることはこれだけだったりして。 違うだろ。国家という実質的な意味そのものがなくなっていくと言ってる。
138 :
考える名無しさん :01/11/09 23:53
>>136 抽象能力のない奴には問題解決はおろか何が問題であるかを
把握することもできないということ。
どこかでお勉強してきた知識をただそのままひろげられた
だけでは困る。ここは哲学板じゃなかったか。
「そこから先」が問題なのだし、つまらないところに
「想像力」とやらを働かせてもしようがない。
一体、何を想像してるのだか知らないが。
139 :
考える名無しさん :01/11/11 07:18
テロ事件で名前をよく言及されたという点では、 ハンチントンはTクランシーの仲間だな。 しかし、ハンチントンの著作の直接の意義は テロを予言したことにあるわけじゃない。 とりあえず、テロ事件からは離れて議論した方がいいと思う。 数日前の朝日新聞で、中村雄二郎の談話が載っていた。 「テロ事件で初めてイスラムが重要な問題だと気づいた。 自分も含めて日本の知識人は欧米中心の世界観しかもたず、 残りの世界の大半に無関心だったが、反省する必要がある……」 みたいな感じの内容を述べていて、目が点になったな。 ハンチントンの著作の意義はそういう種類の「蒙」を啓いたことだろう。 思想の問題と言われてきた問題の多くは実は欧米ローカルの問題にすぎず、 人類社会というコンテキストに置いて考えると意味が変わってしまう。 思想対立を考える大枠として人類社会を持ち出し、 「欧米という文脈を超えた思想対立はどういうものになるか」 という問いを提起したのがハンチントンの偉大さだと思う。 その問いに対するハンチントン自身の回答は陳腐かもしれない。 ハンチントンの回答は、単に冷戦の枠組みを流用して、 ソ連圏をイスラム圏に置き換えた欧米主体の戦略論を語っただけだ。 しかし、彼が提起した設問は、回答とは別に独自の意義を持っている。 今後の中国やアジア諸国の経済発展によって、 技術文明は文化的に多元化していくことになる。 数百年ぶりに西欧文化が他文化と同格の一民族文化に相対化されるわけだ。 西欧文化という文脈の上位に位置するものとして、 人類文化・地球文化みたいなものを構想すること―― 二十世紀後半の日本の知識人というのは、 その問題を考えるには最適のポジションにあったはずなのだが、 それができなった理由は何なんだろうか?(修辞疑問)
>>139 >「欧米という文脈を超えた思想対立はどういうものになるか」
>という問いを提起した
そんなことは19世紀後半ぐらいから言われてることだよ。
だからもっと具体的に言ってくれないと、その「問い」とやらの
意義はわかんない。
他にも色々いいたいことあるけど、一つだけ、
>「中国やアジア諸国の経済発展」
これはあくまで楽観論でしょう。中国なんかもう一時期騒がれた程じゃないよ。
もしこれを本気で信じてるとしたら、それこそハンチントンの観念論に毒された証拠。
もういいかげんやめよう。ハンチントンもフクヤマも、ただの読み物なんだから
過大評価する必要ないよ。
>>139 戦前の日本の知識人は
近代(≒西洋支配期)の超克を日本の歴史的使命と考えていたし、
西洋支配以後の世界を構想しようとしていたよ。
しかし、その流れの行き着いた先は第二次世界大戦だった。
この記憶があったから、長いことその問題はタブー扱いになったわけ。
142 :
考える名無しさん :01/11/14 07:21
>>141 西欧中心主義に対抗して日本中心主義なり東亜中心主義なり……
を唱える主張が現れなくなったのはそういう理由で説明できるが、
「〜〜中心主義」じゃない相対主義に基づいた世界構想もありうるわけで、
そういう主張すら出てこなかったことには別の説明が必要になるよ。
戦後の日本において思想とは根本的には党派の合言葉に過ぎなかった、
というのが根本的問題だったんだと思う。
例えば、社会的平等を重視する〈言葉の本来の意味での社会主義者〉にとって、
北朝鮮などの政治こそは最も低く評価しないといけない体制であり、
その体制の擁護をすることは、自らの主義と人道に反する行為だったはずだ。
にも関わらず、多くの左派が北朝鮮の体制を擁護していたのは、
結局、彼らの語る「社会主義」とは〈合言葉〉にすぎなかったからだ。
党派の仲間を確認する合言葉なんだから、言葉に意味は要らなかったわけだ。
社会主義以外の主義でも事情は似たようなもので、唯一の違いは、
単に口真似する相手が東欧じゃなく北米や西欧だったということ。
実質的内容を持たない言葉を交わす人工無能的言語処理が「思想」と呼ばれた。
どこかの国に2ch用語を研究するサークルがあると想像しよう。
「厨房」とか「氏ね」とかいう言葉の意味を解釈しあい、
誰かが誤用すると嘲笑し、新語を最初に知った者が得意げに紹介するわけだ。
日本の思想業界というのは、情報処理自体はそれと同じことをやっていて、
単に情報処理の対象が違っていただけなんじゃないだろうか?
>日本の思想業界というのは、情報処理自体はそれと同じことをやっていて、
>単に情報処理の対象が違っていただけなんじゃないだろうか?
日本の思想業界がどうかは知らないが、
確かにこの板にはそういう書き込みが多いな。
例えば
>>142 とか。
146 :
考える名無しさん :01/11/22 20:19
『第三の波』のなかでハンチントンは、世界史的な過程としての「民主化」について論じていました。「第三の波」とは1970年代に始まる「民主化」の波です。 彼は、将来における「第四の波」ということにも論及しています。論理的には、この極限は世界中の民主化ということになります。 『文明の衝突』ではハンチントンは、21世紀の初めのトレンドとして「文明の衝突」を論じています。 彼が一番力を入れて主張しているのは、他の文明同士の衝突にアメリカは介入すべきではない、ということです。「世界の多極化」――諸文明の並存という現実を認めて、アメリカの過剰介入を戒めています。 それから『文明の衝突』のはじめのほうで、これは『フォーリン・アフェアーズ』論文にはなかったのですが、ハンチントンは「世界文明」ということを言っています。
要するに、ハンチントンは、世界史の全体的な趨勢としては、普遍的な「世界文明」の方へ人類が進んでいくという見通しをもっているんです。 そのなかで、グローバルな規模での「民主化」が進行すると見ています。 このようにとらえて初めて、彼の『第三の波』と『文明の衝突』との外見上の矛盾を理解できます。ただハンチントンは目的論的な歴史哲学に踏み込まないように慎重に構えて、「世界文明」やグローバルな「民主化」について大風呂敷を広げないのです。 それをやると、フランシス・フクヤマと同じになってしまいます。 ハンチントンは、フクヤマの理論を「マルクス主義的」として切って捨てています。つまり、目的論的な歴史哲学だということです。
まぁ、「文明の衝突」的現象は、多くの人が指摘するようにいまに始まった現象ではありません。 去年終わったラスト・ミレニアムのトレンドだったわけです。大航海時代とか、帝国主義の時代とか、 まさに「文明の衝突」ですよね。太平洋戦争も。 しかし、今年から始まった、新しいミレニアムは、ブザンによると、「文明の融合」のミレニアムだそうです。 そうすると、この日本なんていうのは、まさくし、「文明の融合」の先頭を走っているということではないでしょうか。「仏教文明」あり、「中国文明」あり、「西洋文明」ありなんですから。 ハンチントンの『文明の衝突』は、読んでいた楽しい本です。膨大な知識を提供してくれます。そして、新しい思考をエンカレッジしてくれます。読んだ人しか分からないでしょうが。
150 :
考える名無しさん :01/11/22 23:07
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151 :
考える名無しさん :01/11/23 14:06
ハンチントン自身は、今回の事件についてどのようなコメントをしていますか。
152 :
考える名無しさん :01/11/23 14:29
「イデオロギーの衝突」から「文明の衝突」そしてその後。 これは表面上の現象であって、今後の人口急拡大を考えると 「食えるものと食えざるものの衝突」になっていくのかもしれない。
>152 ハンチントンは、いろんな事をいう人で、 『文明の衝突』のなかで、「人口の政治学」とでもいうべき論理を展開しています。 ホンマかいな、と思わせるものです。 人口の増加=若年人口の増加→その国家の政治的急進化 人口の増加率の伸び悩み、停滞→政治的穏健化 ここのところ世界中でイスラム教徒の人口が増加しています。 イスラム圏では若者が多い。 (これは、命の価値がインフレ的に低下しているということでしょう) そうした人口論的な背景が政治的な効果を発揮し、イスラム勢力の急進化現象が出てきた……。 ということは、人口の増加率が低下したら、イスラムもおとなしくなるということで、 ハンチントンはこの点を指摘しています。その徴候が出ていると去年NHKの番組で言ってました。 そういえば、かっての日本もそうでしたね。
ハンチントンは、いまの世界を「多極化」と見ているわけで、 それは逆に言えば、西洋文明の相対的衰退ということです。 彼は、近代における西洋文明の台頭の主因を軍事力の発展に置いています。 ここのところは、最近のヨーロッパ近世史研究における「軍事革命論」が ベースになっていると思われます。 ハンチントンは、中国やイスラムの台頭に注目しています。もはや西洋中心の 世界ではなくなったというわけです。しかし、近い将来、スラム原理主義は、 近い将来その急進性を次第に失うと言っています。繰り返しになりますが、 ハンチントンは、「文明の衝突」を21世紀初頭の世界についての仮説と いっています。それから先はわからん、というわけです。 なにか、変なハンチントン像が一人歩きしているような気がしてなりません。
>>145 のハンチントン批判は見当はずれだね。
ハンチントンは一貫してアメリカ国益主義者だっただけ。
民主化がアメリカ化の手段として使えると思っていた頃は、
第三世界諸国の民主化を支持していたが、最近では、
民主化は必ずしもアメリカ化につながらないと思い直しただけのこと。
ハンチントンを批判しているハイルブルン自身も
民主主義者ではなくアメリカ国益主義者だから、
そのうちハンチントンと同じ認識に行き着くような気がする。
特定集団の道具じゃなく普遍的理念として民主主義を主張するとしたら、
学校や市町村や地方や国家のスケールにおいてだけでなく、
地球・世界という尺度でも民主主義が望ましいと言わないといけない。
しかし、仮に人類規模の民主主義が実現したとしたら、
その人類民主主義の判断は現在の欧米の価値観とは不一致が多いだろう。
地球人口六十数億人の過半は貧しいアジア・アフリカ人なのだから。
上の必然的論理を回避するためのレトリックを捜して、
「民主主義は技術文明を持った社会の普遍的属性ではなく、
西欧の民族文化なんだ」という主張に行き着いたのかもしれないな。
156 :
考える名無しさん :01/12/19 03:50
age
>>155 なかなかするどい。
>民主主義は技術文明を持った社会の普遍的属性ではなく、
>西欧の民族文化なんだ」という主張に行き着いたのかもしれないな。
その知見は、ハーバーマスからも感じ取れるな。
158 :
考える名無しさん :
01/12/19 08:47 そういうのは知見といわない。