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46名無しさん@お腹いっぱい。
誰が来ているのかと男が尋ねると猫耳メイドは、ご主人様のファンだと答えた。
「ファン?」
男は思わず声を上げる。
「何でも、『地下牢ワルツ』を読んで猛烈に感動して、それでどうしても
作者の方とお話したくなって、三日三晩車を飛ばしてようやく辿り着いた、
ということらしいにゃん」
地下牢ワルツ。
それは男にとって聞き覚えのないタイトルだった。
本当にそれは彼の書いた作品なのか?
男は疑念を覚えたが、すぐに、本のタイトルは編集者に一任していたことを
思い出した。
きっとそれは編集者の男が名づけたタイトルなのだろう。
しかし、それにしてもと男は思う。
そのファンと名乗る人間はどうやってこの場所を知ったのだろうか?
彼の小説を連載している雑誌にここの住所が載っているのだろうか?
それとも・・・。
「それでどうするにゃん?」
男の思索を遮るように猫耳メイドが言う。
「玄関で待たせているのだけどこちらに案内してもいいのかにゃん?」
男は少し考えた後、こちらから出迎えるから君は仕事にもどりなさいと言った。
「ラジャーにゃん」
猫耳メイドは敬礼をし、部屋から出て行った。
男は今までの疑念を整理するかのように天井を見上げて何かを考えていたが、
やがて首を左右に振ると立ち上がり、部屋から出て行った。