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43名無しさん@お腹いっぱい。
ある日、男は編集に言った。

「今まで俺が書いた小説が読みたい」

それは、一週間に一度、編集の男がやって来たときのことだった。
男は、自分が書いた小説を、もう一度読み返してみようと思った。
そうすれば自分が何者なのか、わかるかもしれない、そう考えたからだ。

「それは・・・どうしてですか?」
「小説のストーリーをもう一度、読み返してみたいのだよ。
 最初の設定がどうなっているのか、ちょっと調べたい
 プロットの構成も、考え直す必要があるし・・・」
「わかりました。ご期待に沿えるようにしましょう」

編集の男は帰っていった。
男は自分の部屋の中を眺めて、あることを思い出した。
過去にも、編集に同じことを言ったことを・・・
そのときにも、編集の男は同じことを言った。
だけど編集の男は、いつまでたっても、男が書いたという小説を持ってこなかった。
無駄だ・・・手掛りなし。
男は、自分の書斎の本棚にぎっしりと積み上げられた書物を見た。
おや?
本棚の上に何かノートみたいなものがある。
男は、椅子を持ってくると、その上に乗って、本棚の上のノートを取った。
そのノートには、『構想メモ』と書かれてあった。