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最初俺は彼女が何を言っているのかまったく分からなかった。
むしろ分かる奴がいれば教えてほしい。
俺と彼女は初対面ではないが、彼女とのコンタクトはこれまでトータルで
10分足らずだし、今まで口を利いたこともないのだ。
それで一体何を勘違いするというのだろう。
『本当はあなたに危害を加えるつもりはないんです』
とか?
『こう見えてもあたし、凄腕の殺し屋なの。どじっ娘なのは相手を油断させるためよ』
とか?
俺の頭の中で疑問符が乱舞する。
しかし、その後に続く彼女の言葉はさらに俺を驚かせた。
「貴方のことを何度も襲うのは、たまたま貴方が私の待ち伏せているとこ
ろに現れるからであって、別に貴方にき、き、き、気があるとか、貴方を
ひと、ひと、独り占めにしたいとか、そんなことはまったく、ちっとも、
これっぽっちも思ってないんだから。私は冷酷な通り魔で襲う相手は誰
だっていいんだからね!」
俺の口から煙草がすべり落ち、足元で小さな火の粉を上げる。
・・・・。
待て。
いや、ちょっと待て。
この見た目14、5歳の自称、冷酷な通り魔は今、なんと言った?
いや、何を言ってるかは明白だ。
これはどう聞いてもツンデレ娘の愛の告白だ。
・・・・。
いや、だからちょっと待て。
歳の差だとか、お互いのことを良く知らないとか、そんなのことはこの際
どうだっていい。
問題なのは、彼女が俺のことが好きで、しかも俺がその気持ちに気づいたと
彼女が思っているということだ。
どこをどう読めばそんな文脈が出てくる?
まさか・・・。
俺を襲う=愛情表現
苦笑する俺=彼女の気持ちを見透かしたダンディな俺
ということなのか。
だとすればこの小娘の頭の中は見た目以上にクレイジーだ。
とりあえず俺は彼女に返事を返すことにした。
「悪いけど、俺はロリコンじゃないから」
「だから違うってば!」