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「ろーりろーりろりろりばばぁ♪」
「……おぬし、なんじゃそのうたは」
うむ、舌ったらずな呆れ声はいい。実にいい。
「ロリババァの歌だが何か」
「おぬしの病気にはいつもあきれ果てるばかりじゃが、果てるも際限が無いのぅ」
「まあ、果てるだなんて破廉恥!」
「……最長不倒更新しっぱなしじゃぞ」
呆れ果てた声が耳に届き、僕はもう一度思った。
実にいい、と。
先日の話だ。
一応、僕はそれなりの大きさの会社で社長をやっている父親を持ち、それなりに
裕福な家庭に育ち、幼い頃からSPに警護される毎日を過ごしていた。
だが、ある日の事だ。僕についていたSPが、突然辞めたいと言ってきた。理由はと言えば――
「もう貴仁様にはついていけません!」
――意味がわからない。僕のどこについていけないというのか。先日暇だからと
ちょっと全裸で玄関から放り出したのがそんなに堪えたというのか。全く、SPという
職業につくには軟弱過ぎるんじゃないか? そんな事で僕の身の安全が守れると
思っているのだろうか。
僕につくSPは特に精神的に強く、肉体的にも強くなければならない。
多少の羞恥プレイに耐えられないくらいで、僕のSPとしては失格だ。
僕は父上に、精神的な強さと肉体的な強さを併せ持ち、尚且つ僕好みのかわいい
女の子なSPがいないか、と聞いてみた。まあ、そんなのいるわけないだろうから、
一先ず女の子のSPがいればそれでいい――
「ああ、いるな、一人。心も強いし、運動神経も抜群だ」
いるのかよ! なんで今まで黙ってたんだよこの糞親父! さっさと僕につけろよ!
などという本心はおくびにも出さず、僕はやったー!と軽くガッツポーズをした。
「だが、お前に彼女が手に負えるかな?」
父上の笑みの意味はわからなかったが、見せてもらった写真を見て、僕は即決した。
そこに写っていたのは、
「ロリっ娘! ロリっ娘じゃないか!」
SPの癖に、詳しいプロフィールが載ってないのが気になったし、何故か和服――着流し
と言うのだろうか――に身を包んでいたのも気になったが、まあそんな些細な事は
ロリっ娘である時点でどうでもいいと言えばよかった。この上精神的にも
肉体的にも頑健となれば……うひひ、うじゅるる……思わずよだれが出るぜ……ひゃっはー!
「見た目に騙されるなよ……彼女は“強い”からな」
父上の意味深な笑みなど全くこれっぽちも気にせず、僕は彼女を僕のSPとして
付けてくれるようにお願いしておいた。
彼女の名は、操(みさお)。名前だけで、名字は記されていなかった。