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「人、ですか?」
「ええ、お仕事をお任せ出来る人を探しておりました」
「仕事?」
「ええ、人手が足りなくて困っていましたの」
そうして彼女は微笑んで見せた。その柔和な表情はリストラ宣言を受けてより荒んでいた僕の心を甚く癒して思えた。
だから、そんな美人局を思わせる怪しい彼女の言葉に、しかし、続く一言を促している自分が居た。
「仕事ですか……」
「ええ、もし宜しければ、私のお話を聞いてくれませんか?」
「話?」
「ええ、決して悪い話では無いと思います」
「え、えっと……」
平日の公園にスーツ姿の男と言えば、誰が見てもそういう人間にしか見えないだろう。きっと、相手もそれを見越しての話に違いない。だからと言って、こんな怪しい話にホイホイ頷いて良いのかどうか、疑問に思うところはある。
しかし、こうして声を抱えてきた彼女は非常に美しい容姿をしていた。
だから、僕は自然と首を縦に振っていた。
「え、ええ、まあ、話を聞くくらいでしたら」
「本当ですか?」
「それで、それというのは一体どういった用件で?」
「ふふ、助かりますわ」
そうして、彼女はやんわりと微笑んで見せた。
後になって思ったのだが、その時、彼女の口元は酷く凄惨に釣り上がって感じた。