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199名無しさん@お腹いっぱい。
「うむ、そこでよい。では、わしからのぷれぜんとじゃ。ん」
 頬に感じる温かい、少し濡れた感触。
 これは……唇!?
「な……!?」
「頬に接吻……これがわしからのぷれぜんとじゃ」
「……お前、なぁ……」
「その内大きくなったら、もっと色々としてやるからの。前約束のようなものじゃ」
「……期待しておきますとしか返しようが無い自分が嫌だ」
「さて、お主のぷれぜんとは何なのじゃ?」
「……気にいってもらえるかどうかわからないけど」
 俺は、押入れに隠しておいた包みを取り出す。
「随分と大きな包みじゃのう」
「ほら、これだ!」
「な……これは!?」
 包みを勢い良く取り去ると、その下から出てきたのは、大きなクマのぬいぐるみ。
「なんか、前クレーンゲームで取ったのやったら、えらい喜んでたからさ、
 大きいの、奮発してみた」
「……わ、わしがこんなこどもだましのぬいぐるみなどでよろこぶと思ったら
 その通りじゃ! 大きいぞ!? なんじゃこの大きさは!? もふもふしても
 よいのか!? 駄目と言われてもやるぞ! わしはやると言ったらやる女なのじゃ!」
「……あ、いや、まあ、どうぞご存分に」
 タックルを仕掛けるようにぬいぐるみに飛びかかり、彼女は存分にその
感触を楽しみ始めたようだ。久しぶりに見るな、こんな喜色満面の笑み。
 いつも鋭いその視線も、今はだらしなく緩んで、ぬいぐるみに注がれている。
「ま、喜んでもらえたようで何より」
「うむ! うむ、実に良いぞ! わしは非常に喜ばしい!」
「じゃま……ちょっと遅れたけど、メリークリスマス」
「ん? なんじゃその、めにぃくるくるしますとは?」
「回すな回すな。クリスマスの挨拶だよ。メリー、クリスマス」
「めりぃ、くりすます」
「そう。メリークリスマス」
「めりぃくりすます、じゃ!」
「うん……メリークリスマス!」
 彼女との初めてのクリスマスは、こうして3日遅れで何とか無事終了した。
 ちょっとやきもきもしたけど、喜んでもらえたし、まあいっかな?