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「まずは横浜ブルーマーメイズのエースと言えばこの人しかおりますまいッ! みんなの
ミウミウこと、浅沼美羽だッ!!」
「どうもー、浅沼美羽でーす。開幕は完封するから、しっかり応援してね〜っ☆」
「おーッと! 早くも完封宣言が飛び出したーッ!」
観衆の横浜ファン及び浅沼美羽のファンから声援が上がる。
一部からはブーイングが飛び出すが、多分東京のファンだろう。
「ボケーっ。おんどれのワンマンショーとちゃうねんぞっ、無駄に尺取んなや!」
ステージに大音量の関西弁が響き渡る。この声は……。御堂あづさがいてもたっても
いられない様子で衝立の向こうから飛び出して来た。
「おっと、つづいてはッ! シャイニングヴィーナスの誇る超・長距離砲、御堂あづさの
登場だーーッ!! ちょっと段取りとは違いますが、盛り上がれば良しッ!!!」
それでいいのか司会者の男よ。
「良いんですッ! さあどんどん参りましょうッ!」
東京シャイニングヴィーナスからは、お馴染みの大咲さくら、御堂あづさ、大木姫子、
小宮奈美、三上英子、丸山みのり、三島みらいの7人だ。
対する横浜ブルーマーメイズからはエース浅沼美羽を筆頭に、関内史織、宇働美和子、
五十川亜樹、矢尾つかさのリリーバーカルテット、通称“SWAT”の4人、さらに主砲
として期待される栃原かなえ、スピードが自慢のリードオフマン屋城昴(すばる)が顔を
揃えた。
それから、両球団の選手が左右に分かれてイスに座り、お互いに今シーズンの抱負など
を語り合った。
小粋なジョークなども交え、会場がいい感じに暖まってきたところで、司会者の男が
トークを切り上げた。
「ここで、両球団の皆さんに前哨戦として対戦していただきたいのですがッ! 何か提案
はございますでしょうかッ!」
アドリブにも程がある。そういうのは事前に決めておけ、と栗田は思った。
「おっと、早速手が上がりましたッ。浅沼美羽さんッ。どうぞッ!」
「この場で野球というわけにもいきませんから、野球拳で対決というのはどうです?」
浅沼美羽はニヤリと笑って言った。や、野球拳だと!?