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150名無しさん@お腹いっぱい。
「こっちは初めてもオッケーだヨ。あっちの方はどうなノ?」
ナーフの問いかけに頷く。
「では、まず互いの名前を知らせる事。それからズィロはZЙROシステムを装着、ナーフはZ(ズィ
ー)態に変化、それから始めましょう」
 互いに握手をし、名乗ると、令はゼロに、ナーフは先日のシャチ怪人になった。
「よーい・・・始め!!」
 その瞬間からナーフは槍を振り回し始める。なんとか避けられるが、かなり速い。こちらも何か武器
が欲しいところだ。
一旦間合いを取ると、時計の「T」と書かれた場所を押す。そこがスライドし、中から赤い半透明の立
方体が飛び出して来る。令の周りを少しの間飛び交うと顔・肩・胴・脚に付着、発光しながら形状を変
化させる。
光が納まる。紅い身体となり、角が大きくなったゼロが立っていた。手には赤い剣を持っている。
「へぇ、なかなかいいじゃない。もっと面白くなるだろうネ」
「“ビートル”か。ノアが吹き込んだのか?」
 シドーが嘆く。 
 両者共に武器を構え、相手に向かって行く。武器がぶつかり合う金属音が倉庫内全体に響き渡る。互
いの力を確認するかのように、何度も何度も武器をぶつけ合う。
「やるじゃないか、ズィロ。もっと楽しませてくれヨ」
 ナーフは余裕の表情を見せ、槍をゼロの剣に強く押し付ける。ゼロの剣は今にも折れそうだ。キイキイ
と唸っている。
 令はナーフの隙を見計らって腹部を切りつけると、間合いを取る。
「ナーフさん、こんな言葉を知っていますか?」 
「何だい、ズィロ」
「言葉というより、文章と言った方が良いかも知れませんがね、あるユダヤ今日信者の日記に記されてい
た事です。“もし神が私を生かしてくれるなら、私は世界の為、人類の為に働いて見せる。その為に必要
なのは、勇気とほがらかな心だ”という言葉ですよ」
「・・・それだけかい?」
 令はゆっくりと頷く。ナーフはそれを確認すると、すぐさま令に向かって駆けだす。令は時計のボタン
を押し、ナーフの方へ助走をする。すると周りの動きが少し遅くなったように感じた。それは本当だった
かも知れない。ナーフに向かって剣を振るう。肋骨部分を叩き斬り、そこから砂が漏れだす。
「フフフ・・楽しかったよ、ズィロ・・・・・また戦おうか・・・」
そう言い残し、彼は砂となった。朱色の自爆器官が脈動すると、閃光を伴い爆発した。
「終わりましたね、ズィロ」
ノアさんが微笑む。私も自然と笑みをこぼしていた。
「やるじゃあありませんか。見直しましたよ」
と言っているものの、シドーさんは少しばかり不機嫌なようだ。部下を一人失ったからだろう。
地上に出ると、陽の光がとても眩しく感じられた。温かくなりつつあるものの、まだ肌寒いくらいだ。
これから、どうなるのだろうか。ジヴォンによる事件が続く限り、私の役目は終わらないだろう。