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144名無しさん@お腹いっぱい。


 情報を開示しない理由は不明だが、取り敢えず現世と魔界の境界を破ったのがそのザラキ天宗である事だけは分かった。
「しかし、蜘蛛やサソリは一体どうなったのか…」
「モンスターはもう一匹います。そいつに倒された…と聞きました」
 情報開示しない自分を嘲笑う京也。

 その六十数年前、武政は地下の防空壕にてツルハシを持ち、肉体労働に精を出していた。給料が良いからこれくらいはな、と武政の隣の男が言う。
「破格ってレベルですよね?何か裏にあんのかな」
 そう呟く武政にもう一人の男が同調する。
「ここに来た連中が何人か行方知れずって噂がある」
 自分は南京で大活躍だったから大丈夫だが。との自分語りを無視し、武政は周囲に気を配る。二十人はいる労働者。彼らをどうするつもりだろう?
 その時、天井が崩落し、土砂と武政のバイクが落下、出入口を塞いでしまう。
「素体は…確保できたな」
 その土砂の上に座る現場監督。彼の言葉を考察する余裕もなく、男達は土砂を除こうとする。だが、彼らを現場監督は蹴り倒した。
「君達には別の仕事がある。改造兵士としてのな」
 彼の衣服が破れ、毒蛇…コブラの顔を持つ青黒い怪人へ姿を変えた。一瞬にしてパニック状態に陥る現場。

 六十数年後、病院に戻り、京也はコブラに噛まれた患者の体に付着していた鱗を見た。
 コブラという点に引っ掛かりを覚え、実家から持ってきた書類を片端から捲る。あった。
 祖父の描いた地図。大王子町三丁目に赤丸と、
「コブラの腕に注意されたし」
 という注記がある。確かに例の患者も大王子町周辺で巨大コブラに噛まれたと言っていた。調べてみるか。京也は愛車を飛ばした。しかしなぜ祖父がその事を
 示された現場。敵が妖魔なら然程人気の多い場所は好むまい。京也は現在は廃止された地下鉄に降りてみた。その天井に穴が開いている。埋まっていた何かがそこから飛び出したような…
 そう考える京也を妖魔が襲った。
 蛇、それもコブラに似る。
 頭頂から尾まで20mはあり、胴体右側から人間大の腕が一本だけだらりと垂れる。それらを度外視すればまさしくコブラであった。
 コブラは京也を睨み、こう口にする。
「卜部、武政…仮面、らイダー」
 何?武政…京也の祖父も仮面ライダーだったという事か?
 もう少しこの妖魔に話を聞きたいが、敵は口から毒を吐きつけてくるので難しい。やむ無く京也は「召鬼」の念珠を取り出した。
「変身!」