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136名無しさん@お腹いっぱい。

 空を泳ぐ妖魔、羽蠍と食虫植物サラセニアに似た植物型妖魔の挟撃を受ける仮面ライダー=卜部京也。脚にはサラセニアの蔦が絡み、正面から蠍が飛びかかる。
 一瞬の判断だった。仮面ライダーは「鬼馬」の念珠をベルトに読ませる。
「スカルゲッター!」
 転がっていた愛車が仮面ライダーの声を受け、彼と同様の生体強化外骨格を纏い、主へ向かって自走を始めた。
 スカルゲッターの車輪に踏み千切られるサラセニアの蔦。自由を取り戻し、迫る蠍のハサミをすんでのところで掴み抑え込む。
「ライダーブースト!」
 「昂鬼」の念珠を読み、全身の力を増大。ハサミごと蠍をねじ伏せ、脚を掲げて息を整える。
「ライダーキック!」
 仮面ライダーは、蠍の顎めがけて高速で回し蹴りを見舞った。

仮面ライダーネメシス 四杯目「肉かキツネか?!うどん屋から来た凄い奴!」

 六十数年前、卜部武政はとある大学を訪ねていた。謎の組織が改造兵士を使役し何かを始めようとしている。大学には本も新聞もあるから調査には適している、と思っていた。
 だが大学図書館では、進駐軍が検閲の真っ最中だった。調べものなどできる風ではない。
「本ぐらい良くね?」
 そう呟き、彼らのジープを眺めながら美月屋へ帰る。
 中秋の名月を味わう余裕は無かったが、子供達の目線までしゃがみこんでチョコレートを渡す兵士がいて、それは少し印象に残った。

 六十数年後、その大学に卜部京也がバイクで乗り付けていた。目的は斎だ。
 二匹の妖魔を、あと少しの所で逃した。奴らは斎を敵視している。もしも奴らが斎を追って大学まで来ていたら、と思うと気が気でなかった。
 だが、と京也は気付き、自分の迂濶さを呪った。斎の電話番号も、バイト先も、大学での専攻も知らない。今日の彼女が何処で授業を受けているのか分からない。
 困ったので、とりあえず学食でうどんを頼む。早いが不味い。
 学生が少なかったので、まだ昼休みには早かったのだろうと思った。そんな京也の隣の席に、一名の元ヤン風の女学生が座った。 「いたよイツキ!この人?」
「うん、ありがとう涼ちゃん」
 涼ちゃんと呼ばれた元ヤン娘に呼ばれ、お目当ての斎が姿を現した。
「頑張れイツキ」
「何を?」
 という噛み合ってない会話を残し、涼ちゃんは講義に戻っていった。
「友達なんです。…念珠の気配がしたから卜部さんだと思って…」