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128名無しさん@お腹いっぱい。
念珠を握った右拳を左腰に当て、それをゆっくり右側へ振る。同時に口にする言霊。
「変身!」
 プロセスは全て終わった。ベルト中央の宝玉より「鬼の意志」が物理的エネルギーの嵐と化して京也を包む。
 京也の心に鬼の声が響く。
殺せ!殺せ!殺せ!
 その衝動を封じ込めるため、嵐の中、京也は天空へ向かって獣の咆哮をあげる。
 嵐が止み、京也の体は再び外骨格に包まれた邪悪な鬼神の姿へ変貌していた。
「おのれ!仮面ライダーめぇ!」
 蝙蝠がそう口走る。仮面ライダー。それが自分の名か。
 法陣を抜け、自分達に向かって飛んでくる蠍。これを正面から殴り飛ばし、鋭い蹴爪の生えた足先で蝙蝠に蹴りつける。
 腹の肉を抉られ、悲鳴と共に倒れ込む蝙蝠。それを無視して斎に襲いかかる蠍。
「その娘に手を出すな」
 斎に迫る鋏を、鎌が生えた腕の装甲で止める仮面ライダー。
「『昂鬼』!早く!」 斎の指南を受け、ベルト左側から「昂鬼」の念珠を呼び出し、ベルト中央の宝玉に呼応させる。これは全身の運動能力と外骨格の振動を活性化する念珠だ。
「ライダーチョップ!」
 そう叫び、挟まれた腕を振るう。強化した腕力と加速した鎌の振動により、鋏はいとも容易く切り落とされる。
 悶絶する蠍は倉庫内を転げ回り、法陣から魔界へ逃走した。直後に法陣も消滅する。ゲートは封じられた。
 蝙蝠は焦る。こうなれば仮面ライダーの次なる標的は自分。蝙蝠は体から超音波を発振し、仮面ライダーが怯んだ隙に倉庫の天井を破り、空へ逃げる。
「逃がさん!」
 仮面ライダーは本能に従って「鬼馬」と書かれた念珠を呼び出し、ベルトに呼応させる。瞬間、京也の愛車に異変が生じた。ボディ全体を自分と同じ外骨格が包んでゆく。
 仮面ライダーと真正面からやり合って勝てる筈がない。夜空を自分達のアジトへ向かって駆ける人間蝙蝠。しかしその眼下に、白い外骨格に包まれたマシンを駆る仮面ライダーの姿が入った。
 仮面ライダーはマシン・スカルゲッターの前輪を浮かせ、上空の蝙蝠に向かってジャンプ。蝙蝠は飛行高度を上げその突撃を回避するが、仮面ライダーは近場のビルをスカルゲッターのジャンプ台にし、尚も蝙蝠に近接する。
 スカルゲッターのカウルが歪み、そこから骨を磨いで作ったような刀が伸びる。空中でカウルを振り、蝙蝠の切断を図る仮面ライダー。