調査会社のノークリサーチは6月18日、2011年度の国内PCサーバの出荷実績と2012年度の予測を発表した。
ITサービス、データセンタ向け需要が好調に推移し、2011年度のPCサーバの出荷台数は前年比5.3%増の53万7,843万台と
なった。一方2012年度は景気低迷が継続する一方、データセンタやセキュリティ強化の流れに乗り、2.6%伸長の約55万台と
微増を予想している。
2011年度の年間を通して好調だったのがITサービス、データセンタ向け需要だ。製造業など民需もデータ保全、事業継承
などのソリューションでサーバ需要は伸びた。一方官公庁、公共系需要は震災対策重視の予算執行が進んだため例年より
サーバ需要への寄与度は低かった。
形状別では、ラック型が1.6%伸びて27万7,130台。上期は前年割れだったが下期にデータセンタ向けの大型需要などが
ありわずかながら前年を上回った。タワー型は19万325台。前年比111.2%と2桁成長を示した。企業の部門や店舗単位での
置き換え需要やバックアップ需要があったほか、小型、低価格製品の充実が好調の要因だ。
メーカー別のシェアをみるとトップはNEC。タワー、ラック、ブレードの3つの形状で安定的に実績が高くSMB向けのエントリー
サーバやキャリア向けのブレード型などが好調だったことが要因で、出荷台数は前年同期比103.3%、シェアは24.9%を獲得
している。2位はHPで前年比107.9%、シェア22.9%となった。3位は富士通で前年比109.7%と高い成長率を示している。以下
4位デル、5位日本IBM、6位日立製作所と続くが、各社ともに前年を上回る実績を残した。
2012年度は、円高、株安などの景気低迷傾向が引き続くと予想されるものの、データセンタなどのインフラ需要とセキュリティ
関連需要、省電力需要などが堅調に推移するとみられ、前年比2.6%増の約55万台になる見込み。ノークリサーチでは、I
Tサービス業/データセンタによる新規需要投資のためのサーバ導入、仮想化/集約化によるインフラ整備と増強、省電力や
BCPなど既存システム見直しによる需要、データセンタなどで今後も継続的にサーバ市場が成長、の4点を需要見通しの
ポイントと挙げている。
http://www.computerworld.jp/contents/203573