『Android』OS を搭載したスマートフォンのユーザー数が増加を続けるなか、セキュリティ研究者たちはこのモバイル プラットフォームに注意を向けている。
セキュリティ企業 Dasient の Neil Daswani 氏もその1人だ。
Daswani 氏とそのチームは、行動解析ツールを用いて1万本以上の Android 向けアプリケーションを詳しく調査した。
この調査は、アプリケーションがセキュリティ リスクをもたらすかどうかを確認する目的で行なわれたものだ。
Dasawni 氏は8月3日から開催されるセキュリティ カンファレンス『Black Hat USA 2011』の研究発表の中で、その調査結果を報告する。
Daswani 氏によると、彼のチームは、1万本のアプリケーションのうち800本以上が何らかの個人情報を漏らしていることを確認したという。
Daswani 氏は取材に対して次のように答えた。
「多くのアプリケーションはサードパーティのライブラリを使って機能の一部を実現していることがわかった。
そうしたライブラリが、サーバーに情報を送り返す方法について好ましくない決定を下していた場合、アプリケーション全体が危険にさらされるおそれがある」
Google は5月に、同社のサービスを利用するユーザーの認証を行なう『ClientLogin』ツールに脆弱性があることを明らかにしたが、
Dasient 氏の調査はそれに続くものだ。
こうしたセキュリティ問題の原因の1つは、適切な SSL 暗号化やその他のデータを保護する方策が欠如している点にあった。
「いずれの場合も SSL を使用していなかった。また、特定の情報を送信するときに、データが簡単に読み取られないようにするための対策が十分でなかった」と
Daswani 氏は述べている。
Dasient 氏が確認した Android 向けアプリケーションから漏洩している情報のタイプの1つに、IMEI 番号がある。
IMEI は、ネットワーク上で特定の携帯電話を識別する15桁の固有の番号だ。
攻撃者が IMEI を入手した場合、なりすましやフィッシング詐欺の一環として IMEI を使うおそれがある。
Daswani 氏によると、調査したアプリケーションの8%が IMEI 番号を漏洩しており、そのうち93%が IMEI 番号を保護するための暗号化を
まったく使用していなかったという。
http://japan.internet.com/allnet/20110803/2.html