台湾のHTCは7月15日、米国国際貿易委員会の判事が、HTCは米国Appleの特許2件を侵害しているとの仮裁定を下した
ことを明らかにした。
この判決が確定すれば、HTCは携帯電話製品を米国に輸出できなくなるかもしれない。
AppleやMicrosoft、Oracleといったライバル企業は、Googleの「Android」オペレーティング・システム(OS)にさまざまな方法で
揺さぶりをかけてきたが、今回の決定もAndroid陣営にとっては手痛い打撃となるだろう。
今回の仮決定は、ITCの判事数名からなるより大規模な委員会によって検討されている最中だ。同委員会には、仮決定を支持
もしくは拒否する権限がある。
特許の専門家であるフロリアン・ミューラー氏によると、問題の特許2件は“Androidに不可欠なもの”だと思われるという。
同氏はブログに、「Androidの中核技術に使われているコードが、Appleの2件の特許を侵害している可能性はきわめて大きい」と
記している。Apple対Motorolaの裁判においても、これらと同じ特許が争いの中心となっている。
7月15日に下された裁定は、AppleがHTCに関してITCに申し立てた2件の苦情のうちの1件に対するもの。HTC側もAppleへの苦情をITCに提出している。
HTCは、仮決定の内容すべてを見られたわけではないが、今回の結果はそれほど重大ではないと認識しているとした。
さらにHTCは、別調査の一環として、同社が買収を進めているS3 Graphicsが保有する特許をAppleが侵害したとITCが断じた件にも
言及した。
AndroidはApple以外の企業からも攻撃を受けている。例えば、MicrosoftはAndroid端末メーカーに自社技術の使用ライセンスを取得する
ように迫っており、そうした要請にこたえた最大手ベンダーの1社にHTCも含まれている。
このほか、OracleがJava特許および著作権をAndroidに侵害されたとして、Googleに法廷闘争を仕掛けている。Appleは、Samsungをはじめと
するその他のAndroid端末メーカーに対しても苦情を申し立てている。
http://www.computerworld.jp/topics/634/IT業界動向/200403/HTCはアップルの特許2件を侵害――ITC判事が仮決定を下す