米調査会社のIDCは12月2日(現地時間)、2011年以降のIT業界に関する予測を発表した。クラウドサービス、
モバイルコンピューティング、ソーシャルネットワーキングが成熟期を迎え、それらが融合されるとみている。
IDCは、2011年の世界のIT投資を前年比5.7%増の1兆6000億ドルと予測する。ハードウェア投資は引き続き
堅調なまま、ソフトウェアおよびサービスへの投資が増加するという。とりわけパブリッククラウドサービスへの
投資は前年比30%増加する。
モバイルコンピューティングは2011年も引き続き拡大を続け、スマートフォンやタブレットなどの非PC端末の
出荷台数が向こう18カ月以内にPCの出荷台数を上回るとIDCは見ている。モバイルアプリのダウンロード数は
2010年の100億件から2011年には250億件に大きく伸び、発展途上にあるモバイルアプリのエコシステムは
将来的には抜本的に再編され、すべてのコンテンツやサービスが顧客に提供されるようになるという。
ソーシャルネットワーキングに関しては、企業向けのソーシャルソフトウェアが2014年まで年率38%の割合で
伸びると見ている。中堅・中小企業(SMB)によるソーシャルプラットフォームの利用が拡大し、2011年末までに
SMBの40%以上がプロモーション目的でソーシャルネットワーキングを利用するようになる。また、ソーシャル
ビジネスが主流になる兆候から、IDCは2011年は大手ソフトウェアベンダーによるソーシャルプラットフォーム
企業の買収が増えると予測する。
小売業界では、モバイルとソーシャルネットワーキングの普及で物理的な店舗でのスマートフォンを使った
価格比較や商品の推奨機能が利用されるようになり、コンシューマーの購買体験が大きく変化する。金融
サービスでは、モバイルとクラウドの融合によってモバイルバンキングやモバイル決済が実現する。
このように、クラウドとモバイル、モバイルとソーシャルネットワーキングなど、技術同士の融合が2011年の
特徴だとIDCは指摘する。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/03/news069.html